記者は世の中のニュースを文章にし、新聞や雑誌、放送で発表することが仕事です。
記者は事件など起こったことをそのまま書いていると思われがちですが、実際は記事を書く上で自分の意見や専門家にインタビューして得た意見を載せることもあります。
また、取材によって事件に関係する重要な証拠を掴むこともあります。
このように、記者はただ出来事をそのまま文章にするだけではなく、記事によって社会や国に対して問題提起をしたり、事件の隠れた真実をあぶりだしたりすることもあるので、記者は社会の情報を司る職業として、なくてはならない仕事なのです。
記者のトレンド
記者には大きく2つのトレンドがあります。
1つ目は若者を中心に紙離れが加速していることです。
ネットやテレビなどが発達した現代では、情報をわざわざ新聞や雑誌で得る必要が無いと考える人が増えました。
実際に事件が起これば、即座にネットニュースになり、スマートフォンやパソコンを開けばすぐに見られるので、翌日の新聞を確認するまでもありません。
そのため、新聞や雑誌の売れ行きは年々下がっています。新聞や雑誌の売れ行きが下がるということは、記者の仕事も減るということです。
しかし、だからと言ってこれから記者は衰退の一途を辿るのかというと、そうではありません。
なぜなら紙媒体の新聞や雑誌が減る代わりに、ネットでのニュースサイトやオンライン雑誌は人気であり、そこでの記事を執筆するのも記者だからです。
つまり記者は記事を発表する場が紙媒体からネットに移っただけなのです。
ただし、これからの記者はネットで記事を作るため、基本的なパソコン操作は必要となるでしょう。
2つ目のトレンドは、AIが記事を執筆するようになったことです。
大手新聞社の朝日新聞では2020年の3月にAI経済記者の「みつけーた」がデビューし、経済面の商品紹介の短信コーナーを担当することとなりました。
「みつけーた」は企業が出す新商品のプレスリリースの中から、より消費者の関心が高そうな商品をピックアップし、紹介する記事の執筆が可能です。
また米国のローカルメディアのRichland Sourceが開発した「LedeAI」は、スポーツの試合結果を共有するサイトから高校のスポーツに関するデータを取得して記事構成パターンにデータをはめ込み、記事を執筆します。
このように記者のAI化が進んでいるので、記者の将来性に不安を持つ人も多くいますが、AIが記事を書く際は、ネットなどの「データ」を元にしているだけです。
AIは人間の記者が行う取材までは行えないので、より深みのある記事を書くために人間の記者はやはり必要なのです。
記者であると便利な資格
記者になるために必ず必要な資格はありませんが、取得しておくと便利な資格はあります。
運転免許
記事は入稿制限時間があり、それまでに書き上げなければならないので、時間との勝負です。そのため、車を運転して迅速に移動できることも大切です。
また色々な場所に取材に出かけることもあるので、記者を目指すのであれば運転免許は取得しておくと便利と言えます。
場合によっては会社から入社までに取得を命じられることもあります。
TOEIC
記者は国際的なニュースを取り扱うこともあり、外国人に取材を行うことも少なくありません。
そのためTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)の資格を持っておくと便利であると言えます。
漢字検定
文章のプロである記者が漢字を間違えるわけにはいきません。そのため漢字検定も取得しておくことをおすすめします。
記者の仕事内容
一口に記者と言っても、様々な仕事内容があります。新聞記者、テレビの報道記者、雑誌記者のそれぞれの仕事内容を解説します。
新聞記者
新聞に掲載する記事を執筆することが新聞記者の仕事です。
新聞には様々な分野のニュースが掲載され、例えば、政治部・経済部・社会部・スポーツ部・デジタル編集部・科学医療部・地域報道部などがあります。
どの記者も記事の入稿時間はありますが、新聞は朝夕に発行され、特に時間にシビアな職業なので、執筆スピードも重視されます。
テレビの報道記者
テレビの報道記者は、テレビで流れるニュースの内容について取材を行います。
ニュースについて取材をする点では新聞記者と似ていますが、テレビの報道記者の特徴は、映像に意識を向けた取材をすることです。
報道記者が取材した原稿は、テレビのニュースでアナウンサーによって読み上げられるため、伝わりやすい表現が求められます。
雑誌記者
雑誌記者は自身が所属する雑誌に掲載する記事を執筆します。
雑誌にはファッション、芸能、スポーツなど様々なジャンルがあり、その雑誌のテイストに合わせた文章が書ける能力が求められます。
またそのジャンルの専門知識を持っていなければ、濃い内容は書けません。
書きたい雑誌のジャンルについてはしっかりと知識を蓄えておきましょう。
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記者の志望動機の書き方とポイント
志望動機を書く際は、なぜ記者を志したのか、記者の中でもなぜその企業なのかを明確にし、ロジカルにアピールできるようにしましょう。
なぜその職種か
数ある職種の中でなぜ記者を志したのかを説明する必要があります。
例えば、「記者として、世間に起こったことの真実を多くの人に知ってもらいたい」などといった記者ならではの理由を述べるようにしましょう。
記者でアピールすべき強み
記者は記事を書くことが仕事ですが、最近ではネットで記事を発表する新聞社や雑誌社も多く、ただ文章を書けるというだけではなく、デジタルで書けるかということも重要なアピールポイントになります。
また、記者はとことん真実を追及することが仕事なので、少しの手がかりからも真相を調べるリサーチ力が必要です。
そして何より、世の中の出来事において、情報を持っているのは「人」です。人から情報を引き出すには、コミュニケーション力が必要です。
記者を志す上では、コミュニケーション能力の高さは一番のアピールポイントとなると言えます。
なぜその企業か
一口に記者と言っても、企業によって、強みや特徴は異なります。そのため、自身が入社したいと思う企業をなぜ志望したのかをしっかり伝えられるかが重要です。
例えば、日経新聞ならばその名の通り「日本の経済」に重点を置いています。
またファッション誌でもananとpreciousでは対象年代がそれぞれ20~30代と40代と異なるので、当然内容も違ってきます。
このように企業によって特徴や強みが異なるので、なぜその新聞社を選んだのか答えられるように、企業研究はしっかりとするべきです。
実際に志望動機を書く際は以下のフレームワークに沿って書いてみてください。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
記者の志望動機のNG例
以下では記者の志望動機NG例を紹介します。どこがNGなのかについても解説しているので、チェックしてみてください。
日本は現在、様々な問題を抱えており、問題を解決しない限り、将来は無いでしょう。
日本を変えるには国民に日本の現状を新聞で知ってもらい、日本の未来についてもっと考えてもらうことが大切なので、記者としてその使命を全うしたいと思います。
→記者を志す理由としては素晴らしいですが、内容が曖昧で、説得力が弱いです。
日本が抱えるどのような問題を、記者としてどのように解決したいのかを明記しましょう。
また、肝心の「なぜその企業を選んだのか」という理由について触れられていません。
これでは志望する企業から「他の企業でも良いのでは」という印象を持たれてしまいます。
志望動機では必ずその企業を選んだ理由もきちんと述べましょう。
また、自分の強みをアピールすることができていません。記者として必要な資質が何なのかを考え、自分の強みや長所を伝えましょう。
記者の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察を紹介します。書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
読売新聞東京本社の選考通過ESの志望動機
日本が抱える格差社会問題は、これからの日本の未来を左右する重要な問題です。
しかし、国民の多くは「解決するのは政治家の仕事」と目を背けるばかりです。
確かに格差社会を抜け出すためには、政府が画期的な政策を打ち出すのが一番です。
しかし、その政府を構成する政治家を選挙で選ぶのは国民です。
以前、大学の課題の一環で、官僚の方々と政治の有り方について話し合う機会がありました。
すると、政策の広報活動が不十分でなかなか国民に伝わらないという課題が見えてきました。
私は、政治に関するレポートコンテストで上位入賞した力を活かし、政治家の真意と国民の気持ちを繋ぐ記事を書きたいと思います。
この思いが、貴社の「人と人の心を繋いで豊かな国作りに尽くす」という企業理念に重なると感じたので貴社を志望しました。
→なぜ記者を目指したのかという理由が明確に書かれています。
また、大学時代のエピソードから、自身の持つ力がアピールできており、説得力のある志望動機になっています。
さらにこのエピソードから、企業理念に共感する部分までを関連付けて記すことで、採用担当者の印象に残る志望動機になっています。
レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
まとめ
記者はただ出来事をそのまま書くだけの仕事ではありません。
出来事に対する自身の意見や専門家の意見も書くことで国や社会に問題提起をしたり、取材によって事件の真実を見つけ出したりすることもあります。
また雑誌は娯楽には欠かせません。これらのことから記者は社会で重要な役割を持った仕事と言えるでしょう。
企業の特徴や強みはそれぞれ異なるので、企業研究を必ず行った上で志望動機を書くようにしましょう。
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