システムエンジニアは、お客様へのヒアリング・システム設計図の作成・プログラミング・現場の監督と多くの業務をこなすため、コミュニケーション力・マネジメント能力・技術力など求められるスキルが多いです。
また、日々進化する最新IT技術を取り入れるためにも常に勉強が必要な大変な仕事でもあります。
ITは今や日常生活に欠かせないものとなっており、その社会基盤を支えているのがシステムエンジニアです。
「縁の下の力持ち」とも言われており、人々が社会で快適に過ごすためにも欠かせない重要な役割を担う職業でとして自分が社会を支えていることを強く実感できます。
また、自分が携わったシステムがお客様の要望通りに完成し、直接お客様に感謝されたり、実際にそれが社会で活用されているのを目にしたりすると大きな喜びを感じられます。
システムエンジニア(SE)のトレンド
システムエンジニア職のトレンドには様々なものがありますが、コロナウイルスの影響により在宅勤務やリモートワークが増え、働き方改革が進められています。
そんな働き方改革に必要となる、大容量のデータ送信が可能な「5G」や、人事業務に大きく関わる「HRテック」をトレンドとしてピックアップしました。
第5世代モバイル通信システム「5G」
2020年から日本でも、第5世代モバイル通信システム「5G」の商用化が始まりました。5Gが導入されることで4Gと比べると、約100倍の10Gbpsの通信速度が可能になります。
この通信速度を具体的に言うと、「2時間の動画を3秒でダウンロード」できる速さです。
5Gの特徴は「高速・大容量」「低遅延」「多数接続」で、車の自動運転化、VR・AR・MR、医療分野などでの遠隔技術、4K・8K映像配信が実現可能になります。
今後あらゆる業界に次世代通信技術を組み込んだシステムが導入されることが予想されます。
その為、システムエンジニア職は5Gに対応する技術力・知識を早急に取り入れていく必要があるでしょう。
HRテック
HRテックとは、Human Resource(人材)とテクノロジーを合わせた造語です。
人事業務(採用・育成・異動・評価・勤怠)に、ビックデータ・AI・クラウドなどの先端テクノロジーを活用し、人事課題を解決するソリューションを意味します。
人事業務を効率化できることで、日本でも注目を集めているため、HRテックが人事関連のシステムに活用される場が今後増えてくることが予想されます。
そのため、現在人事管理システムを開発しているIT企業は、HRテックを取り入れたシステムを再考し、顧客に提供していく必要があります。
システムエンジニア職で必要な資格
システムエンジニア職で働くためには、時別な資格や経験は必要ありませんが、次のような資格を取得しておくと、就職の際に有利です。
基本情報技術者試験
システムエンジニアが最も取得している登竜門とも言うべき資格で、初心者向けの内容です。ITの基本的な知識と技能を筆記試験で評価されます。
企業によっては資格手当がでるところもあり、取得すれば面接の際にもITの基礎的な知識があることをアピールできるでしょう。
応用情報技術者試験
基本情報技術者試験よりもワンランク上のIT知識や技能を筆記試験で評価される試験で、中堅者向けの資格です。
取得すれば、技術だけでなく管理や経営など幅広い分野の知識を身につけている証となるため、キャリアアップの際にも役立つでしょう。
ORACLE MASTER
オラクルデータベースに関する技術や知識を問われる試験です。
簡単な順にBronze・Silver・Gold・Platinumの4つのレベルに分かれており、Silverからは世界共通規格のため取得すれば世界的にも通用する資格です。
システムエンジニア職の仕事内容
システムエンジニア職と聞くと、PCに向かってシステムの開発を行うというイメージではないでしょうか。
しかし、システム設計図を作成したり、顧客との打ち合わせをしたりと、技術以外にも様々な仕事や能力が必要な職業です。
また、その働き方は客先常駐・受託開発・自社開発の大きく3つに分かれています。ここでは、システムエンジニア職の仕事内容について詳しく解説します。
今回紹介する仕事内容全てに関わる人もいれば、どれかに重点を置いて仕事に関わる人もいます。
自社ではなく、システムエンジニアを必要としている顧客の現場に常駐して仕事を行う働き方です。自社に帰ることは少なく、場合によっては様々な常駐先に移動することも。
▶受託開発とは
顧客からの依頼を自社に持ち帰り、社内でシステム開発を行う働き方です。社内だけでは人が足りない場合は、下請けとして他会社のシステムエンジニアを自社に集めることもあります。
▶自社開発とは
自社の製品を、基本的に自社の社員のみで開発する働き方です。自社開発を行なっている企業はそれほど多くありません。
要求分析・要件定義
要求分析では、「このような機能・システムが欲しい」という顧客がどのような商品を求めているのかヒアリングを行います。
そして、要件定義では顧客にヒアリングした要望を確認しまとめ、開発期間や費用を算出します。
また、要望を叶えるためには「どのような機能が必要なのか」といった、システムの全体像を明確にし仕様書を作成します。
基本設計
基本設計では、システムの設計を行います。要件定義をもとに、どのような機能・操作方法・表示方法にするのか仕様を決定していきます。
詳細設計
詳細設計では、システム設計で決定したものに、どのような技術・仕組みを用いるのか、詳しい内部処理方法を決定していきます。
プログラミングするために必要な、設計書作成も仕事の一つです。
テスト
プログラマーによりプログラムの作成が完了したら、システムが設計通りに動作するか「単体テスト・結合テスト・総合テスト」の3種類のテストを行います。
それぞれテストの結果、問題が発生した場合はプログラムの修正を行います。
・結合テスト:単体テストで確認した複数の部品を組み合わせて、うまく連結できているか確認
・総合テスト:顧客の要望を全て満たしているか確認する最終テスト
保守・運用
「システムを作成して仕事は完了」ではなく、システムの運用が開始したら、メンテナンスやトラブル対応などの運用・保守作業を行うのもシステムエンジニア職の仕事の一つです。
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システムエンジニア職の志望動機の書き方とポイント
志望動機を書く際は、なぜその職種を選んだのか、なぜその企業を選んだのかを明確にし、ロジカルにアピールできるようにしましょう。
なぜその職種か
数多くある職種からシステムエンジニア職を選択した理由を書くことが必要です。
システムエンジニア職は、ITエンジニア職の中でも特に幅広い業務に対応する必要がある職業です。
コーディングに特化したプログラマーや、アプリケーションエンジニア・インフラエンジニアなど、それぞれ特定のものに特化したITエンジニア職がある中で、なぜシステムエンジニア職を選択したのかを明確にできるとよいでしょう。
また、システム開発と言っても様々な業界のシステムを開発するため、希望する企業がどのような業界から仕事を請け負っているのかを理解し、自分がその中でどの開発に携わっていきたいのかをアピールすることも大切です。
システムエンジニア職でアピールすべき強み
システムエンジニア職では、システム開発に必要なプログラミング言語などの技術はもちろん必要ですが、顧客と関わる機会も多く、様々な人と関わりながら開発を行っていくことから、コミュニケーション能力も求められます。
そのため、幅広い人とコミュニケーションが取れることは大きなアピールポイントとなります。
システム設計を行う際には、どのような処理でシステムの要件を満たせばいいのかや、設計したシステムをどのように説明すればいいのか、物事を順立て考えられる論理的思考があることも重要視されます。
また、IT企業の中には理系出身だけではなく、文系出身の学生を求めているところも多いため、文系出身でコミュニケーション能力にプラスして、ある程度のプログラミング技術力を有しているということは強みになります。
そのほかにも、設計書作成などの文書作成業務も多くあるため、文系出身で技術力がないという場合でも、高い文書作成能力があれば、就活に有利だと言えるでしょう。
なぜその企業か
システムエンジニア職と言っても企業によって強みや特徴は異なります。
例えば、日立ソリューションズであれば、「私たちは『日立精神』の下に、確かな技術と先進ソリューションの提供を通じ、お客様と地球社会の発展に貢献する」という企業理念に基づき活動しています。
また、Sky株式会社であれば「青空のごとく大きな考えでシステムを創る」という企業理念を掲げています。
企業によって、どのような理念をもってシステム開発を行っているのかは異なります。企業ごとの細かな特徴を把握するためにも企業研究は必ず行いましょう。
実際に書く際は以下のフレームワークに沿って書いてみてください。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
システムエンジニア職の志望動機のNG例
以下では、システムエンジニア職の志望動機のNG例を紹介しています。どこがNGなのかについても解説しているので、チェックしてみてください。
ITは今やどの産業においても欠かせないものとなっており、ITという技術を持って働くことが一番多くの人に喜んでいただける仕事だと考えたからです。
その中でも、日立システムズは「Human*IT」という言葉を掲げ、ITは使うのも作るのも人であると考えている所から、人をとても大切に考えている会社だと感じたため志望しました。
→「多くの人に技術力で喜んで頂く」というこの人の思いは記載されていますが、なぜシステムエンジニア職を希望したのかが伝わりません。
また、企業が掲げている理念を志望動機に絡めるのは良いポイントですが、自分の強みや性格を生かして入社後にどのように働きたいのかが明確ではありません。
システムエンジニア職の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
富士ソフトの選考通過ESの志望動機
貴社で業務を行うにあたり、多角的視点や常に学び続ける姿勢が必要であると理解しております。私は学生時代、実験報告書を作成する際には必ず5冊以上の文献を参考にして課題解決に取り組む等、多角的に多くの知識を得ることを大切にしてきました。
さらに、2年連続学業成績1位やTOEIC〇〇〇点獲得といった経験から、知識を貪欲に得ていくことの重要性を学びました。私の強みである多角的視点や学び続ける姿勢、さらには英語力を活かして貴社に貢献したいと考えております。
→なぜこの企業を選んだのかという理由や、自分の能力・強みを生かしてどのようにシステムエンジニア職として活躍していきたいのかがよく伝わります。
また、最新のIT技術を拾うためには英文を読まなければいけないため、英語力と勤勉さは企業にとって大きな貢献になることが伺えます。
まとめ
システムエンジニア職は、プログラミングでシステムを開発するだけでなく、要件定義から保守運用まで様々な工程を踏んで、一つのシステムを開発します。
その過程には、多くのエンジニアが参画し、コミュニケーションをしっかりとって協力しあうことで迅速に開発を進めていきます。
システムエンジニア職の中には、「客先常駐」「受託開発」「自社開発」の3つの働き方があるため、自分がどの働き方を希望しているのかを見極め、企業研究をしっかりと行ってから志望動機を作成するようにしましょう。
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