インテリアデザイナーは華やかな業界のイメージがありますが、実際は資材運びや大工仕事といった肉体労働もこなさなければならず、地道な作業の多い職業です。
クライアントの理想を形にするには、インテリアデザイナーとしてのスキルと高い人間性が求められます。
結果を出すまでの道のりは容易ではありませんが、イメージを具現化できたときには、クライアントに「快適さや心地よさ」といった内的豊かさを提供することができます。
また、現場経験を積むことで信頼や実績を増やせるため、一生続けられる仕事でもあります。
インテリアデザイナーの2つのトピックス
インテリアデザイナーに関するトピックスは、大きく分けて2つあります。以下で、詳しく紹介します。
リフォーム・リノベーションデザイン依頼の増加
リフォームとリノベーションの流行にともない、そのデザインをインテリアデザイナーに依頼するクライアントが増えています。
店舗や施設だけでなく、居住空間にこだわる個人のクライアントも増加の傾向にあり、今後インテリアデザイナーの需要の高まりが予想されます。
戦後、日本は「家を買うなら新築でなければ」という「新築一辺倒」の時代がありました。
郊外に広い戸建てを新築する、あるいは新築の分譲マンションを買うことが、サラリーマンの夢であり、人生の大きな目標だった時代です。
しかしながら、現在、住まいに対する価値観はその当時と大きく変わり、ライフスタイルも多様化しています。
特に、若い人たちや女性を中心に「古くても、住みたい街で、気に入った家を買って、自分の好きなように手を入れて住みたい」と考える層が着実に増えています。
国も中古市場の活性化に本格的に取り組むようになりました。現在、我が国では高齢化や人口の減少に伴って空き家が急速に増加しています。
そうなると、これまでのようにどんどん新築住宅を建てるのではなく、優良な中古住宅をうまく活用していくことが求められるのです。
このような状況をふまえて、様々な企業が中古市場やリノベーションに力を入れ始めるようになりました。
新築住宅を中心に手がけていたハウスメーカーや工務店、設計事務所などだけでなく、住宅とはあまり縁がない業界からの新規参入も増えています。
参照元:ライフルホームズ「今、リノベーションが注目される理由」
ハウスメーカーからの求人が多い
インテリアデザイナーの求人で一番多いのが、ハウスメーカーです。ハウスメーカーは企業数が多いため、他社との差別化が必要です。
そこで求められるのが、センスと専門性を兼ね備えたインテリアデザイナーなのです。
また、ハウスメーカーほどではありませんが、小規模のデザイン事務所や建築事務所、設計事務所からの求人も少なくありません。
見逃さないように、つねにアンテナを張っておきましょう。
インテリアデザイナーであると便利な資格
インテリアデザイナーになるために資格が必要なわけではありません。
しかし採用時に有利になる資格や、持っていることで業務の幅が広がる資格もあります。
将来独立を考えている方はとくに、次の3つの資格を取得しておくといいでしょう。
インテリアコーディネーター(民間資格)
インテリアコーディネーターは、公益社団法人インテリア産業協会認定の民間資格です。
インテリアコーディネーターの資格を取得する際に、インテリア商品に関する知識や住居空間の作り方を学ぶことができ、インテリアデザイナーの仕事にも活かせます。
建築士(国家資格)
建築士には一級、二級、木造建築士の3種類あります。建築士の資格があれば、建築に関する専門的な知識があることが証明できるので、クライアントからの信頼度が高まります。
指定科目を修めておかなければ受験できないため、資格の取得を考えている場合は前もって調べておきましょう。
カラーコーディネーター検定試験(東京商工会議所主催)
カラーコーディネーター検定試験には一級、二級、三級があり、一級は非常に難しいといわれています。
インテリアデザイナーは、壁や家具の色を考えたり色彩をコーディネートする場面が多いので、カラーコーディネーターの資格を取得しておくと実務に活かせます。
インテリアデザイナーの仕事内容
インテリアデザイナーの仕事は、図面や模型でインテリアのデザインをするだけではありません。
インテリアデザイナーの仕事内容について紹介するので、チェックしておきましょう。
クライアントとのミーティング
不動産会社や店舗のオーナー、個人の依頼主からヒアリングをします。一番はじめにおこなうクライアントとのミーティングは、特に大切です。
クライアントのイメージする内装や好みのインテリアを細かくヒアリングすることで、クライアントが納得できる理想的な内装に仕上げることができます。
予算についても細かく話し合っておくと、後々のトラブルも回避できます。
プレゼンテーションをおこなう
ヒアリングした内容をもとに、模型やサンプル、カラーチャート、パンフレットなどを用いてプレゼンテーションをおこないます。
クライアントの要望を具現化できるように、より具体的にプレゼンテーションすることが大切です。クライアントからの意見をとり入れながら、アドバイスを提言します。
業者との打ち合わせ
内装工事に関わる職人や資材業者、設計士と詳細な打ち合わせをします。実際に現場に足を運び、そこで打ち合わせをすることもあります。
図面を作成する
内観の図面やパースを作成し、レイアウトを決めます。クライアントからの依頼内容を基に、イメージをさらに具現化していきます。
工事に立ち会う
業者や職人とともに内装工事に立ち会い、改善点や変更点があればそのつど動きます。
インテリアデザイナーは、業者とクライアントのつなぎ役でもあるため、クライアントともこまめに連絡をとりながら工事をすすめます。
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インテリアデザイナーの志望動機の書き方とポイント
インテリアデザイナーの志望動機を書くときのポイントは、その職種を志望する理由と、なぜその企業を選んだのかを具体的に書くことです。
自分がその企業に与えられる価値についても、しっかり記述しましょう。
なぜその職種か
インテリアデザイナーに興味を持ったきっかけや志望の動機を、明確に書きましょう。
インテリアデザイナーとして自分がどのように活躍できるか、入社後にどんな目標があるのかを具体的に書くと、熱意が伝わります。
インテリアに対するこだわりや、インテリア業界で達成したいミッションなども加えるといいでしょう。
インテリアデザイナーでアピールすべき強み
インテリアデザイナーは、インテリアや建築の専門知識以外に、高いコミュニケーションスキルが必要です。
チームワークが求められる職業でもあるため、物怖じせず誰とでもコミュニケーションがとれることは、大きな強みになります。
また、妥協することなく緻密な作業を続けられる忍耐力があり、肉体労働にも自信がある方は、インテリアデザイナーに適しています。
インテリアデザイナーとして活かせる自分の強みが何なのかをしっかり考えて、アピールしましょう。
なぜその企業か
企業や事務所によって、デザインのコンセプトや社風は異なります。
企業理念も綿密にリサーチしたうえで、その企業を選んだ理由や、その企業で活かせる自分の強みを具体的に書いてください。
その企業や事務所でインテリアデザイナーとして働くことになったら、「自分はどんな価値を提供できるのか」、「何を目指すのか」を具体的に書くといいでしょう。
実際に志望動機を書く際には、以下の構成に沿って作成してください。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
インテリアデザイナーの志望動機のNG例
次に、インテリアデザイナーの志望動機のNG例文を紹介します。どの部分がNGなのか解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
自分の部屋を模様替えするのが趣味で、雑誌に自宅の部屋を掲載されたこともあります。
自分のセンスにも自信があり、御社でも力になれると思います。
自分の得意なインテリアデザインを職業にできたら、この業界で活躍できると思い、志望しました。
→志望動機が自己中心的で、なぜその企業を選んだのかが具体的に書かれていません。
インテリアデザイナーとして、その企業や業界でどんなふうに活躍したいのか、クライアントに何を与えられるのかを、もう少し深く掘り下げて書く必要があります。
入社後の目標も詳しく記述できると、より説得力のある志望動機になるでしょう。
インテリアデザイナーの志望動機の例文
以下では、インテリアデザイナーの志望動機の例文を紹介します。どの点が良いのかも解説しているので、自身のESや面接に活かしてください。
その部屋に合うインテリアを組み合わせたり、配置を考えたりすることに楽しさを感じます。
コンセプトを決めて内観をデザインすることを得意とし、雑誌に掲載されたこともあります。
インテリアデザイナーの一番大切なことは、お客様に満足してもらえることであると考えています。
インテリアデザイナーは、お客様の要望を明確に具現化し提供できるという点が大きな魅力であり、やりがいを感じられる仕事だと思います。
また、私は、御社のトレンドと普遍性を兼ね備えた社風と、お客様の満足を一番に考える姿勢に強い感銘を受けました。
御社に入社したら、多くの方に満足してもらえる空間を作り出せるインテリアデザイナーになりたいと思っています。
→インテリアデザイナーを志望する動機が具体的に書かれています。
お客様を大切にする姿勢が見受けられ、インテリアデザイナーという職業をよく理解しています。
志望する企業の特徴を捉えており、志望理由や入社後のビジョンも明確です。また、強い向上心が伺える点も、好印象を与えます。
レベルの高い例文集を見たい方は下記をご覧ください。
まとめ
インテリアデザイナーはインテリアの知識以外に、デザインセンスやコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力が必要不可欠です。
肉体労働や現場での作業、業者とのやりとりも多く、業務の幅がとても広い職業です。
志望動機を作成する前に、志望する企業の理念や業務内容をしっかりと分析し、入社後のビジョンを具体的にイメージしておきましょう。
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