不動産・建設業界は給料が高いというイメージがあるため、就活生から根強い人気があります。ライバルが多いからこそ、志望動機の質を上げなければ面接に進むことはできません。
業界の特徴や業務内容を把握した上で、志望動機の例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。
不動産・建設業界の特徴
この章では不動産・建設業界の動向や業種、職種についてわかりやすく解説していきます。
不動産・建設業界の動向
不動産業界はリーマンショック後の景気回復によって、業界規模を拡大させてきました。
さらにオリンピック開催決定後の建築ラッシュに伴い、都心部のマンションを中心に相場が上がっています。
このように、景気や時代の変化に大きく影響されることが業界の特徴です。
今後は、少子高齢化や空き家増加などの社会問題、インフラ、公共施設の老朽化対策などによって、事業方針の変化が起こる可能性があることも念頭に入れておきましょう。
■数字で見る不動産・建設業界の現状
不動産業界
建設業界
参照元:業界動向サーチ/2020-21年の業界レポート。(2021年10月20日時点)不動産・建設業界の業種
様々な業種の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
住宅設備
住宅設備会社は住宅を構成するためのあらゆる設備を取り扱っています。例えば、厨房機器・浴室機器・内装建材・外装建材などの商材です。
住宅設備会社は住宅メーカーやマンションディベロッパーを中心に商材を卸していますが、新築住宅の高騰により中古住宅の需要が高まっていることから、最近では中古住宅を購入してリノベーションするケースが増え、個人からの発注も増えています。
マンション
分譲マンションや投資用のマンションの販売や、マンションの賃貸仲介を行います。
しかし最近は、人が集まっている駅前や都心部では土地価額の上昇が著しく”富”動産になる一方で、郊外の物件では借り手がつかず、空き家になってしまう”負”動産が増えており、首都圏の中でも二極化が進んでいると言われています。
住宅
注文住宅の場合、暮らしのスタイルやライフプランのヒアリングを行います。
そこから見えてきた顧客のニーズや人気住宅の傾向などを捉え、住宅の設計を行い、実際に設計した図面をもとに現場での施工を行います。
最近の傾向としては、住宅購入層である30代の世帯数の減少や未婚率の増加によって、独身向けなどの住宅開発の検討を進めています。
建設
建設業界の主な仕事内容は、設計や着工です。その他にも建築であれば電機や配管、土木であれば事前調査などを行っています。
建設業界は、オリンピックの影響によって景気が良い業界であり、仕事量が増加しています。ただ需要が高まっている分、建設業界では人材が足りないという人手不足問題に直面しています。
そのため業界内では人手不足問題の対策として、雇用の見直しなどを行っています。
不動産・建設業界の職種
営業
営業は不動産業界の中で最も人数が多い職種で、一般的には分譲マンションや一戸建てなどを販売する販売営業とオフィスや倉庫、施設などの物件を販売する法人営業があります。
多くの不動産会社では新人は営業を任されることが多いようです。
また、宅地建物取引主任者を持っていると資格手当がつくなどの優遇もあります。
仲介
仲介には売買仲介と賃貸仲介があります。売買仲介では主に中古の一戸建てやマンション、土地などを扱っており、引き渡しまでの一連の業務を担当します。
賃貸仲介ではアパートやマンション、貸家、駐車場、オフィスなどの賃貸物件を紹介します。
基本的な業務内容は店舗への来訪者へのカウンターセールスや物件案内となります。仲介時には宅地建物取引主任者の資格は必ず必要となります。
企画・開発(仕入れ、企画、開発)
企画・開発ではマンションやオフィスビル、分譲住宅、商業施設のプランニングや周辺エリア一帯の街づくりなどを行います。
それだけでなく、土地の仕入れから企画の推進、建物の竣工、引き渡しまでの一連の業務を担当し、外部への発注作業なども行っているのが企画・開発の仕事です。
具体的には、土地の周辺環境や立地条件などを考慮し、ターゲット層を選定し、その土地にあった商品開発を行います。
設計
設計はお客様のニーズをもとに図面を作る仕事です。
大きく分けると建物の外装や内装をデザインする「意匠設計」、意匠設計をもとに柱や梁などの位置を決め、建物の安全性を確保する「設備設計」、電気や配管などを通す「設備設計」の3つに分かれています。
設計している建設物はビルや商業施設、橋梁などと幅広く設計しています。
施工管理
施工管理は建物を作る過程全体を管理しています。ただ管理するだけでなく、施主や設計事務所との交渉も行っています。
現場監督という役割を担っているため、現場で職人さんに指示出しや、安全面の管理なども行っています。
また上述したような現場での仕事に加えて、デスクワークなどの事務作業も担当しています。
また売上、利益、年収など様々なランキングも紹介しているので、参考にしてみてください。
志望動機の作り方のポイント
不動産・建設業界はライバルが多いため採用担当者に強い印象を与えなければ書類選考を通過できません。
なぜ志望するのか、なぜ自分なのかをシンプルかつロジカルに書きましょう。
不動産・建設業界の志望動機に必要な3つの要素
なぜ不動産・建設業界か、なぜその業種か、なぜその企業か。この3点の深堀りが必要不可欠です。
まず、業界について。建物だけでなく人々の暮らしに関わる仕事であるため、建物や土地を通じて豊かな暮らしを提供したいなどといった不動産業界ならではの理由を入れましょう。
次に業種について。例えば住宅であれば、住宅の購入は人生で1番大きな買い物と言われているためミスは絶対に許されません。
そのため設計の前段階で顧客のニーズをしっかりと汲み取る必要があります。人の人生を預かる仕事でもあると言えるため、業種ごとの社会的価値を必ず把握しましょう。
最後に企業について。企業によって営業する物件が全く異なる場合があるため、その企業は何に強みを持っているのかなど、企業の特徴を調べ上げましょう。
それが終わったら競合と比較してください。そうすれば自ずと各社ごとの特徴が明確になります。
不動産・建設業界で求められる人材像
不動産・建設業界は顧客だけでなく、建物のオーナーや管理会社など、常に誰かと関わりながら仕事を行います。
個人に対して仲介を行ったり、法人や団体に交渉したりするなど、関わる相手も様々となっているため、コミュニケーション能力が必要となります。
また、職種にもよりますが、顧客からの質問にしっかり対応できるような情報収集スキルや、相手の都合に合わせて臨機応変に対応するフットワークの軽さなども求められます。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
不動産・建設業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文から、クオリティと書き方を学び、自身の書類に活かしてください。
住宅設備の志望動機の例文
その中で貴社は、1、住宅分野における幅広く豊富な製品を持っているからこそ、多様なお客様のニーズに応えることができると考えました。2、積極的にグローバル展開しており、自分の携わった製品が世界中に届く点に魅力を感じ志望します。
→住宅設備会社をしている理由を自分の経験をもとに述べられていて、さらに業種の中でも個社を志望している理由がしっかりと述べられています。
マンション業界の志望動機の例文
その中でも、貴社は様々な種類の物件について高い実績を誇り、あらゆる形で人々の生活を快適で豊かなものにしていると考えます。また、日本橋エリアの開発や●●に代表されるように時代の趨勢・ニーズを取り入れながら街づくりに取り組んでいる点に大変魅力を感じました。貴社で、多くの関係者を巻き込みながら主体的に行動し、豊かな街づくりに貢献したいです。
→マンション業界である理由、個社を志望している理由が明確に書かれています。自らの体験がその理由とマッチしているように書くと説得力が増します。
住宅メーカーの志望動機の例文
また貴社のCSV戦略におけるZEH推進や5本の樹計画は特に価値創造において重要だと考えており、自然が好きな私と深く共感する部分がありました。これらの活動はお客様からの信頼や理解が必要になると思うので、人との関わりを深く持ち信頼していただくことでお客様の幸せづくりと地域の環境に貢献したいです。
→自らが体験してきた自然愛と企業が取り組んでいる自然を活かした取り組みがうまくリンクしています。
その後にその業種である理由、個社である理由を述べられていることで、具体的にイメージしやすい内容となっています。
建設業界の志望動機の例文
その中でも貴社を志望する理由は『子どもたちに誇れるしごとを。』というスローガンや長期ビジョンから、次世代のことも視野に入れて社会と建造物の持続可能性を追求しようとする強い使命感と熱意が感じられ、今後もさらに社会に貢献できるフィールドが拡大していくと考えたからです。その貴社で、国内・国外を問わず様々な人と協働しながら、トータルプロデューサーとして現場に携わりたいと思い、貴社を志望しました。
→なぜ建設業界を志望しているのか、なぜ個社を志望しているのかがしっかりと書けています。
また過去の経験に基づいて伝えられているところも良いですが、自分が個社にどのように貢献できるかについて書かれていなかったので、書けるとさらに良くなると思います。
まとめ-不動産・建設業界の志望動機の書き方と例文-
不動産・建設業界は人気が高いため志望動機のレベルも高いです。志望理由をなぜなぜと掘り下げて具体的でロジカルな構成で制作しましょう。
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