●ソフトウェア業界の志望動機では「ソフトウェアを通して顧客の課題の解決をしたい」など、ソフトウェア業界ならではの志望理由を伝えると良い。
●ソフトウェア業界の求める人物像は[柔軟な対応力がある][知的好奇心がある][論理的思考力がある][コミュニケーション能力がある]のいずれかを満たす人である。
IT業界に分類されるソフトウェア業界ですが、注目を浴びる産業である一方で実態や製品内容を理解することが難しい分野です。
ソフトウェア業界のデータや特徴を今一度把握し、例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。
本記事ではソフトウェア業界の仕事内容や評価される志望動機の書き方について紹介します。
また、実際にソフトウェア業界の選考を通過した志望動機例文も紹介していますので、これから志望動機を作成するという就活生は参考にしてみてください。
ソフトウェア業界とは?
ソフトウェア業界は主に企業を相手にシステムの販売をおこないます。主に取り扱っている商品はパッケージソフトとクラウドソフトです。
近年は、実務サービスをクラウド化する仮想化サービスや顧客の満足度をデータを用いて管理するCRMなど注目を集めている分野も多く、今後の収益化が注目されています。
またSIerとは違い、ソフトウェア業界は一般的に自社開発したソフトを多様な形で販売している点が特徴です。
例えば、ソフトウェア業界はトレンドマイクロのウイルスバスターをはじめ、パッケージとして製品を提供しますが、SIerは顧客のニーズに合わせて個別のソリューションを提供しているという点で異なります。
ソフトウェア業界とIT業界の違い
ここではソフトウェア業界とIT業界の業務内容の違いについて紹介していきます。
ソフトウェア業界の主な業務はコンピューター上で動作するプログラムやアプリケーションの開発、販売、サポートです。
一方でIT業界の主な業務は、情報技術全般であり、ソフトウェアのみならずハードウェアや通信インフラ、データ管理など、多様なサービスを提供しています。
上記を簡単にまとめるとソフトウェア業界は情報処理の一部を担っており、IT業界はソフトウェア業界を含むより包括的な枠組みであると言えます。
ソフトウェア業界の業種
様々な業種の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
OSサービス
OSとは、ハードウェアとソフトウェアを仲介するサービスです。
例えば、スマートフォンにインストールしたアプリを起動し画面上で利用するために必要なソフトウェアとしてandroidやアップル社のiPhoneOSなどが、OSの例として挙げられます。
仮想化サービス
仮想化とは、いわば各自のパソコンの脳とも言えるソフトウェアをオンラインを通じて1つに集約し効率化させるサービスのことです。
代表例としてはGoogle社によるGmailが挙げられます。
ソフトをインストールする必要があったメールサービスですが、Gmailはクラウドソフトを通じて、デバイスに限定されない多様なソフトを提供することを可能にしました。
セキュリティソフトサービス
セキュリティソフトサービスは、ハッキングやウイルスによるデータ破損・盗難を防ぐためのソフトウェアを提供する業種です。
FireFoxやウイルスバスターなど個人向けサービスも幅広く手がけているため、最も身近な分野と言えるでしょう。
運用・管理
運用・管理では、開発したサービスを正しく維持し、運用の効率を図るためのソフトウェアを開発しています。
NTTデータ・日立製作所・富士通などが手がけており、コンビニエンスストアのWi-Fiの運用から巨大銀行システムの運用までと、幅広い場面で活躍していると言えるでしょう。
近年は継続してクラウドへの移行に関するニーズが高まっており、AIによるエラー予測など最新技術の導入も始まっています。
ERPソフト
ERPソフトは、会計・人事など分野ごとに導入されているシステムを1つのデータベースで統合するサービスを提供する業種です。
代表企業としてSAPやオラクルといった企業が挙げられます。
目下IT業界では2025年問題という課題が業界全体として挙げられていますが、その主な要因は[SAPの製品サポートの終了]であり、1企業の決断が業界全体の問題として取り沙汰されるほど大きな影響力を持っている業種です。
近年は、基幹システムにとどまらず、自社システムのクラウドへの移行やデータを用いた顧客との関係を管理するCRMなど新しいサービスを用いたソリューションサービスも手がけています。
ソフトウェア業界の職種
営業職
営業では、企業を相手に無形財の販売をおこないます。顧客企業のニーズを引き出し、システムの導入を提案することも営業の仕事です。
さらに営業で獲得した案件をコンサルタントやSEに繋げるという役割も担っています。
お客様とのコミュニケーションを通じて課題を発見する必要性からITに関する専門知識も必要とされます。
エンジニア
エンジニアには[システムエンジニア]と[ネットワークエンジニア]があります。
システムエンジニアは、ソフトウェアの開発における監督のような立ち位置です。依頼主ニーズ・要望を正確に把握し、設計から開発までの一連の流れを進行管理しつつプロジェクト全体の指揮をとります。
ネットワークエンジニアは、システムの構築や運用、保守が主な役割です。コンピューターを安全に利用するために大切なセキュリティを管理し、コンピューター同士を連携させ、Wi-Fiなどのネットワークを構築しています。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、クライアントの抱えるIT課題を発見し、専門的な知見をもとに解決手段を提供する仕事です。
また、技術課題を踏まえてエンジニアやスペシャリストに実行策の提案もおこないます。
ERP分野においては自社の基幹システムサービスをどのように運用するのかについてお客様と話し合い、運用案を決定するという役割を持っています。
ソフトウェア業界の志望動機を作成する前にすべきこと
ここでは、ソフトウェア業界の志望動機を作成する前にすべきことを2つ紹介します。
これから志望動機を作成する人は、以下を試してみてください。
ニュースサイトをチェックする
ソフトウェア業界は進化が早い業界であるため、常に最新の情報を収集する必要があります。そのため、ニュースサイトを日々チェックし、最新の情報に触れておくことが大切です。
近年では、数多くのニュースサイトが存在しているため、誰でも簡単に情報を手に入れることができます。
多くの情報で溢れている一方で、正しくない情報も混じっている可能性があるため、情報収集をする際は複数のニュースサイトをチェックし、真偽を確認するようにしましょう。
ソフトウェア業界専門の書籍を読む
上記で紹介したニュースサイトの他に、専門書を読むこともオススメします。
専門書はソフトウェア業界の専門家や専門家に監修してもらった上で執筆しているため、インターネット上の情報よりも信憑性が高いです。
しかし、専門書のデメリットとしてソフトウェア業界は変化が激しい業界であるため、読む専門書によっては情報が古い可能性があります。
そのため情報収集で専門書を活用したいという人は、出版年度を必ずチェックした上で選ぶようにしましょう。
ソフトウェア業界の求める人物像とは?
ソフトウェア業界は「変化への対応力」がキーワードです。
日々進化しているソフトウェア業界で生き残っていくためには、最新のトレンドや技術をいち早くおさえ、変化に柔軟に対応できることが重要となります。
そのため、ITへの興味関心を持ち、技術やスキルをインプットし続ける知的好奇心がある人材が求められると言えるでしょう。
また、ソフトウェアを制作するためには、論理的な構造を持つシステムを理解する必要があります。その他、仕様を検討する際やトラブルの原因究明の際にも、論理的に考えることが求められるため、論理的思考力も重要な能力の1つです。
最後にソフトウェア業界の仕事は、1人で黙々とパソコンに向かっているというイメージが強いかもしれません。
しかし実際は、顧客や取引先や社内のスタッフなど、多くの人たちと関わりながら仕事を進めていかなくてはならないため、どんな人ともうまくやっていける高度なコミュニケーション能力も必要と言えます。
つまりソフトウェア業界で求められる人物像をまとめると以下のようになります。
●知的好奇心がある
●論理的思考力がある
●コミュニケーション能力がある
志望動機の基本的な書き方
情報収集や自己分析をもとに、伝えることが決まればあとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで「て・に・を・は」、接続語「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機を一言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい就活生は下記をご覧ください。
ソフトウェア業界で評価される志望動機の書き方
志望動機の基本的な書き方について理解したら、続いてはソフトウェア業界で評価される志望動機の書き方を学んでいきましょう。
志望動機を作成する際は『なぜソフトウェア業界なのか』『なぜこの会社なのか』をしっかりと深掘りしましょう。
なぜソフトウェア業界なのか
[なぜソフトウェア業界なのか]については、数ある業界の中でもなぜソフトウェア業界を選んだのかについて明確な理由を準備しておく必要があります。
具体的には「ソフトウェアを通して顧客の課題の解決をしたい」「自身の経験を生かして、利便性の高いソフトウェアをつくりたい」のようなソフトウェア業界ならではの理由を伝えられると良いでしょう。
その際、ソフトウェア業界の仕事内容や特徴と絡めて書くことができれば、説得力のある志望動機になるため、志望動機を書く際は事前にソフトウェア業界の仕事内容や特徴について調べてみてください。
なぜこの会社なのか
[なぜこの会社なのか]については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えばセキュリティソフトで有名な企業であるトレンドマイクロの提供する[ウイルスバスター]は他のセキュリティソフトよりも日本を狙う脅威に強いという特徴があります。
詐欺やウイルスも世界の地域ごとによって流行りや攻撃の仕方が異なるため、トレンドマイクロは各地域の特徴を捉えて、対策をおこなっています。
このように企業によって特徴や強みが異なるため、企業ごとの特徴を把握した上で志望動機を作成してください。
ソフトウェア業界の志望動機例文
ここでは実際にソフトウェア業界の選考を通過した志望動機例文を紹介します。
志望動機の書き方について理解できたら、次は例文を見て書き方のイメージをさらに掴んでいきましょう。
トレンドマイクロの志望動機例文
私は大学3年次からweb制作系の長期インターンに参加しており、ユーザーがより使いやすいサービスを提供することに面白さを感じていた。その経験から、IT技術を用いてより質の高いサービスや価値を提供したいと考えている。
貴社には幅広い業界の顧客にICTサービスを提供し課題を解決してきた経験とノウハウがあり、高い技術力と共に顧客課題を解決し貴社に貢献していきたいと考えている。
また、経済的価値と社会的価値の創出のために、貴社特有のパートナー企業とのネットワークがあり、業界を越えた新しいビジネスを実現できると考えている。
入社後は、IT技術だけでなく幅広いビジネススキルを身につけるための意欲を持ち続け、顧客課題の解決に取り組み貴社に貢献していきたいと考えている。
⇒ソフトウェア業界の中でトレンドマイクロを志望している理由について具体的に書けており、企業研究を十分におこなったことがアピールできている志望動機と言えます。また、入社後どのように貢献したいかまで書けており、熱意の伝わる内容になっています。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(トレンドマイクロ23卒)
SAPジャパンの志望動機例文
これまでオーケストラで、立場の違う人間たちと協同し成果を作り上げる経験を長年積んできた。折衝能力に長けた私が営業を行うことで、顧客の抱えている問題を解決しながら貴社の利益に貢献することができると確信している。
⇒志望動機の中でどのような営業マンになりたいのかについて書けており、志望度の高さが伝わる内容になっています。また、「折衝能力に長けている」という自分の強みをアピールできている点もGoodです。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(SAPジャパン22卒)
野村総合研究所の志望動機例文
私は不可能を可能にするITで、私のやりがいである「人を成功に導くこと」を実現できると信じている。具体的には、高校の野球部での体の使い方に悩んでいる後輩の育成だ。
私はそんな後輩を見て、「何とか改善したい」と考え、動画分析した。ただ、私の力には限界があったので、私の強みである「人を成功に導く行動力」をもとに、ITでスポーツを分析している友人に分析を依頼し、新たな課題を発見し、付きっきりで指導した。
そして、後輩は最適なフォームで人生初のホームランを打つことができた。この経験から、ITと私の強みで人の成功に貢献したいと考えるようになった。
以上を踏まえて、私は貴社のCPSの活用事業に携わり、ITで生産の最適化を実現し、世界を輝かす日本の製造業を発展させたい。ITを導入する際は、クライアントの成功のために潜在的なニーズを見つけるヒアリング力が必要だと考える。そのヒアリング力を身につけ、私の強みとともに、日本の製造業をITで輝かせ、その先の世界の人々まで輝かせたい。
⇒過去の経験を交えた上でソフトウェア業界を志望する理由を書けており、説得力のある志望動機と言えます。また、野村総合研究所で具体的にどのような事業に携わりたいかまで書けている点も熱意をアピールできていると言えるでしょう。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(野村総合研究所(NRI)24卒)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。
下記画像からサイトに移動できるので、是非ES作成の参考にしてください。
まとめ
本記事では、ソフトウェア業界の仕事内容や評価される志望動機の書き方・例文を紹介してきました。
評価される志望動機を作成するには、ソフトウェア業界について理解しておく必要があるため、本記事でソフトウェア業界の理解を深めた上で志望動機を作成するようにしましょう。
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- 「ソフトウェア業界への目指すならではの志望動機とはどういう内容?」
- 「ソフトウェア業界の選考で評価される志望動機を書くにはどうしたらいい…?」
- 「書類選考を突破して内定獲得したい!」
このように就活に関する悩みは人それぞれでしょう。
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