●商社業界の主な職種は「営業職」「事業企画」「営業事務・貿易事務」。
●商社業界の求める人物像は「コミュニケーション能力がある」「提案力がある」「営業旅力や交渉力がある」「リーダーシップがある」「チャレンジ精神がある」を満たす人。
●商社業界は人気のある業界だからこそ、競合他社との差別化ポイントを含めた志望動機を作成する必要がある。
商社業界は、事業規模が大きく海外展開している企業が多いことから、グローバルに働くことができる点や年収が高いという印象が強く、就活生からの人気が毎年高い業界です。
ライバルが多いからこそ、志望動機の質を上げなければ内定を勝ち取ることはできません。商社業界のデータや特徴を今一度把握し、例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。
商社業界の特徴
商社業界は、他企業で作られた製品およびサービスを仲介して販売する仕事です。
具体的に、商社は商品やサービスが消費者の手に届くまでの原料→製品→販売と様々な工程を総合的にサポートしています。
商社業界の仕組みや動向について詳しく知りたいという方は、以下の記事をチェックしてみてください。
商社業界の業種
様々な業種の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
総合商社
総合商社は、特定の分野に限らず多種多様な商材を扱うことが特徴とされている企業です。
総合商社が取り扱う商品は、ガスや金属といった資源はもちろん、自動車を始めとする機械類やアパレルなど、ジャンルを問わず実に3万を超えるほど豊富な商品を取り扱っていると言われています。
よく「鉛筆からロケットまで」というフレーズで言い表されているのは、これが基になっているのかもしれません。
また、国内で総合商社と呼ばれている企業は多くなく、基本的に次の7社のみ対象となっています。
(伊藤忠商事・住友商事・丸紅・三井物産・三菱商事←5大商社/双日・豊田通商←7大商社)
専門商社
専門商社は特定の分野に特化した商品・サービスを取り扱う企業を指し、売上比率の50%以上が特定の商品である場合がほとんどです。
取り扱う商材としては日用品を始めとし、化学製品や情報・通信といった特定の分野及び業種の商品やサービスです。
ビジネスの規模としては、総合商社のほうが大きいですが、分野ごとの規模や知識、競争力、メーカーや顧客との繋がりで比較すれば、勝っているケースもあります。
専門商社と言っても中には「複合専門商社」と呼ばれる複数の商品を取り扱っている専門商社も存在します。
専門商社として有名な企業は以下の通りです。
(伊藤忠丸紅鉄鋼・大塚商会・住友グローバルメタルズ・フジテックス・メタルワンetc…)
商社業界の職種
職種によって業務内容も異なってくるため、自分がやりたいことは何なのかや、キャリア形成のイメージをある程度もって入社する必要があります。
営業職
商社の代表的な職種として挙げられるのが営業職です。一般的な企業の営業は特定の顧客が対象となるのに対し、商社の営業は企業同士をつなぐパイプの役割を果たします。
デスクワークよりも外回りの方が多いのが特徴で、会社に戻らずに外で仕事をする営業スタッフが居ることもあります。
事業企画
事業企画は商社の中では花形と言われる職種です。
一般企業で言うマーケティングの役割を担う仕事で、例えば、どのような分野に進出するかをふまえ、取引先の選定を行ったり、新たに事業を立ち上げるために必要な事業企画を立案したりするのも、この事業企画の仕事です。
また、他企業への投資の計画も行うこともあり、経営問題に対する解決策・計画の提案、経営戦略を考えるなど、コンサルティング要素を含む業務を行うことも特長と言えます。
営業事務・貿易事務
営業事務は営業担当社のサポートを行う職種です。デスクワークが多く、電話対応や書類整理と言った基本的な仕事内容ですが、営業が命とも言われる商社にとっては欠かせない存在です。
ただ、商社の取引先には海外の企業も含まれ、ビジネスレベルの語学力が必要とされる企業もあります。
また、原料や製品を輸出入するケースが多いため、税関を通す手続きを行う「貿易事務」も重要な仕事とされています。
ここでも外国語の読み書き、また通関手続きに関する幅広い知識が求められます。
海外事業が多い商社ほど、営業事務と貿易事務を分けて採用する傾向もあるようです。
商社業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは商社業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜ商社業界か」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜ商社業界なのか”については、数ある業界の中でもなぜ商社業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
例えば「新興諸国の発展に直接的に関わる仕事をしたい」のような商社業界ならではの理由を入れると良いでしょう。
“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えば三井物産であれば、ヘルスケア分野に注力しており、アジアを中心に世界10カ国に約80病院と約3000万人の患者データを保有するIHHを核とした病院・クリニック事業を行っています。
そのほかにも、医薬品開発支援・販売事業、予防を含む検査・診断事業を築き上げたという強みがあります。
このように企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望動機を作成してください。
(2)商社業界の求める人物像を把握する
商社は企業と企業とつなぐ役割のある仕事です。
そのため、多様な人との関係を作っていけるようなコミュニケーション能力が必要です。
また企業の担当者へ商品や新規事業の提案を行っていかなければならないため、提案力やそのストレスに負けないタフさも求められるでしょう。
商社の代表的な職種である営業職に就く場合においては、仕入れた商品にどれだけ付加価値を付けて売ることができるかどうかが会社の運営に大きく影響します。
そのため営業力や渉外能力も必須と言えます。
さらに、これからの新たな分野への着手やITの進化に伴う新しい仕組みを作り、推進できるリーダーシップやチャレンジ精神も必要です。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
商社業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
総合商社業界の志望動機の例文(1)
この経験から、各産業分野に高い技術力を有する日本の価値を最大化したく感じ、総合商社を志望している。中でも貴社は、「技術大国日本」の中核である自動車産業に強みを持ち、世界中に強固なネットワークを有している。
そのため、日本ならではの課題解決型ビジネスを創出し発信することができる最高の環境であると確信している。入社後は「現地・現物・現実」の理念を体現し、各地における等身大の課題に向き合うことで夢の実現に向けた更なる自己研鑽に励みたい。
⇒商社業界の中でも総合商社を志望している理由を過去の経験を交えて書けています。また、企業を選んだ理由についてもしっかりかけており、熱意の伝わる志望動機と言えます。
引用元:unistyle/内定者本選考ES(豊田通商23卒)
総合商社業界の志望動機の例文(2)
⇒総合商社業界で働きたいと理由を具体的に書けています。また、自分の強みについてもアピールできており、将来働いている姿がイメージしやすい志望動機と言えるでしょう、
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(兼松23卒)
専門商社業界の志望動機の例文(1)
⇒100文字という少ない制限の中で、企業を選んだ理由とあなたの強みをしっかりとアピールできています。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(長瀬産業24卒)
専門商社業界の志望動機の例文(2)
将来は世界を舞台に多様な人と協働し、後世に残るビジネスづくりを通して社会課題の解決に挑みたい。その上で貴社は、生活に欠かせないLPガスから冷凍食品まで幅広く手掛け、市場の変化に合わせて事業を拡げる提案力と、水素発電を目指し日本を代表してサプライチェーン構築を先導する挑戦力が魅力だ。
「世の中の必要」を見据えて価値創造を続ける貴社において、私の強みである挑戦力と粘り強さを活かし、新規事業や海外市場開拓にも率先して挑むことで組織の火付け役として活躍したい。
⇒将来成し遂げたいことや、企業を選んだ理由について具体的に書けています。あなたの強みをアピールできている点もGoodです。
オーケストラの経験についてももっと触れられるとさらに良い志望動機になるでしょう。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(岩谷産業24卒)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。
下記画像からサイトに移動できるので、ぜひES作成の参考にしてください。
商社業界の志望動機を作成する際に注意すべき点
最後に商社業界の志望動機を作成する際の注意すべき点を2つ紹介します。志望動機を作成する前にチェックしてみてください。
抽象的な志望動機になっていないか?
商社業界は華やかなイメージや給与も高いことから、なんとなく憧れを持っている就活生も少なくないでしょう。
しかし明確な志望理由がないと抽象的な志望動機になってしまい、企業の採用担当者にも「この人はなぜ商社業界を志望しているんだろう…」と疑問を持たれてしまう可能性があります。
熱意が伝わらなければ、選考を通過するのは難しいため、なんとなくで商社業界を志望している場合は、志望動機を作成する前に「新興諸国の発展に直接的に関わる仕事をしたい」といったような、商社業界で働きたい明確な理由を見つけておきましょう。
商社業界の中でも「なぜ総合商社なのか」「専門商社なのか」が明確になっているか?
商社業界には「総合商社」と「専門商社」の2つの業種があります。
志望動機では商社の中でもなぜ総合商社の企業なのか、なぜ専門商社の企業なのかを明確にする必要があります。
そのためには総合商社と専門商社の違いについてしっかりと理解できていないといけません。
それぞれの違いが曖昧なまま志望動機を作成してしまうとどっちつかずな志望動機になってしまい、あなたの熱意が十分に伝わらない可能性があります。
あなたの熱意をアピールするためにも両者の違いを理解した上で、選んだ理由を伝えるようにしましょう。
まとめ
本記事では商社業界の動向や業種・職種、志望動機の書き方、例文を紹介してきました。
商社業界はグローバルで働くことができる点や年収が高いということから、幅広い就活生から人気の業界となっています。
人気のある業界の選考を突破するためには、他の就活生と差別化を図ることが大切です。
まずは本記事で紹介した商社業界で評価される志望動機の書き方を学び、志望動機から他の就活生と差をつけていきましょう。
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- 「商社業界で評価される志望動機を書くにはどうしたらいい…?」
- 「商社業界の選考の書類選考を突破したい!」
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