●本屋の志望動機では「本屋の店内レイアウトやPOP作成を行うことで自己研鑽しつつ、世の中にもっと本を読む文化を浸透させたい」といった本屋ならではの理由を伝える。
●本屋で求められる人物像は「本が好きで好奇心旺盛」「コミュニケーション能力がある」「美的センスがある」を満たす人。
「本屋の仕事」と聞くと、多くの人は「立ちっぱなしで疲れそう」「単調なルーティンワークの仕事が多そう」というマイナスイメージを抱くのではないでしょうか?
あるいは「膨大な数の本のタイトルや著者名を暗記する必要があるのかな…」と思っている人も少なくないでしょう。
しかしながら、本屋での仕事は単調そうに見えて、実は変化に富んだ業務でありたくさんの書籍を取り扱える楽しさがある仕事です。
また、毎日本屋を訪れる「多くの人々との出会い」があり、その人たちにおすすめの本を紹介することで「日本の読書文化に貢献しているという充実感」を得られる職業なのです。
本記事では、本屋の仕事内容や求める人物像、本屋で評価される志望動機の書き方・例文を紹介しています。これから志望動機を作成する就活生はぜひ参考にしてみてください。
本屋とは?
本屋とは、言葉通り本を販売しているお店のことを指します。
「本屋」以外にも「書店」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。この2つは同じものを指していると思われがちですが、実は定義が少し異なります。
違い比較辞典によると本屋は書店は「特定の分野に絞った本や専門要素が強い書籍を扱う店舗」、書店は「特定の分野に絞らず、豊富な種類の本を扱う店舗」と定められていますので、本屋を志望する際には覚えておくと良いでしょう。
本屋での勤務で得られるスキル
本屋で仕事することで身につくスキルを以下に挙げてみましょう。
書籍流通の業務スキル
本屋では日々新たなトレンドを押さえた本の販売をするため出版社から本を仕入れています。
本の仕入れは、出版社が取次店を通して本屋に本を送るという流通システムになります。
中には定価販売や返品規定など出版業界独特の決まりごとである「再販制度」というものも存在します。
そのため本屋で働く際は、取次店と折衝する業務をこなすこともあるでしょう。
上記のように本屋は他の業種とは異なる流通システム・制度が多いことから、実務交渉でのスキルは大きな財産となり、他業界への転職にも有利となるはずです。
多くの書籍を取り扱う貴重な経験値
本屋の業務は、膨大な種類の書籍類を取り扱うことです。すなわち、日常業務そのものが本に関するエキスパートとしての経験を積むことを意味しています。
実際に本を買う読者の方と触れ合う環境の中で本を仕入れて半版するという実務は、出版業界では本屋の店員しか経験できません。
本屋での仕事内容
ここでは本屋の仕事内容を紹介します。志望動機を作成する前に本屋について理解しておきましょう。
仕入れ
仕入れ方法は本屋によって異なりますが、基本的には書店員が売れる本を見出して発注をかけます。
「今、どんな本が売れているのか」を知ることは簡単ですが、これから売れるであろう本を探すのは決して簡単なことではありません。
そのため、本屋の売上は書店員の目利きによって大きく影響されると言えるでしょう。
また、お客様から注文を受けたものを仕入れるケースもあります。
書籍の陳列
取次会社から配送された書籍をジャンルごとに棚に並べます。
本屋に並べられた書籍は日々入れ替わっているため、売れ行きの良くない本は棚から撤去し、新しい本を並べ直します。
撤去した本は廃棄するのではなく、取次会社に返品しており、決められた期限内に行わなければ受け付けてもらえず本屋が損をしてしまうため、本屋の仕事の中でも責任重大な仕事と言えるでしょう。
店内レイアウト
店内レイアウトでは、本屋の内部装飾や書棚の配置、来店客の導線、カテゴリ別の本の並べ方等にこだわってレイアウトしています。
この仕事は、書店員としてのセンスが問われる仕事と言えるでしょう。
店内レイアウトを変えただけで売上がアップする実例も多く、本屋の業務としての重要度の高い業務です。
また、新刊コーナーやPOPの作成も店内レイアウトの仕事です。POPというのは本のオススメポイントやキャッチコピー等が書かれているもののことを指します。
POPをおくことでお客様の目に留まりやすいようになります。
接客、レジ対応
本屋にはたくさんの本が並んでいるため、お客様はどこに何の本があるかわかりません。そのため、お客様から「○○の本はどこにありますか?」と質問を受けることもよくあります。
その際、スムーズに案内するためにも、店内のどこの棚に何の本があるかを把握しておくことが必要です。
レジでは、会計、書籍の包装のほか、新刊予約や取り寄せの受け付けまで行います。
取次会社との折衝
出版社や取次会社とのやりとりを行います。具体的な仕事内容としては、本の売れ行きを報告したり新刊案内を聞いたり、追加で注文を行う等です。
反対に売れないと感じた本の追加注文を見合わせるケースもあります。
そのため、出版社や取次会社とやり取りする場合は注文するかしないかを判断できる目利きが書店員にも求められます。
志望動機の基本的な書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
本屋の志望動機の書き方とポイント
志望動機を書く際は、なぜ本屋で働きたいと考えているのか、数ある本屋の中からなぜその本屋を選んだのかを明確にした上で、ロジカルにアピールすることが大切です。
なぜ本屋か?
多くの業種があるなかで、なぜ本屋を選んだのかを明確に説明する必要があります。
「本屋の店内レイアウトやPOP作成を行うことで自己研鑽しつつ、世の中にもっと本を読む文化を浸透させたい」のような本屋ならではの理由を伝えるようにしましょう。
その際に本屋の仕事内容や特徴と絡めて書くことができれば、説得力のある志望動機になるため、志望動機を書く際は事前に本屋の仕事内容や特徴について調べてみてください。
なぜその本屋なのか?
多くの本屋があるなかで、なぜその本屋を志望しているのかを説明します。
例えば、本屋には大型店舗型・専門書店舗型・古書店舗型など、客層別にいくつかの種類が存在します。
「自分は将来各店舗を統括するエリアマネージャーになりたいので大型店舗を志望しました」という風に自分の希望を明確に主張すると好印象を与えられるでしょう。
このように本屋によって特徴が異なるため、それぞれの特徴を把握するためにも企業研究は必ず行いましょう。
本屋で求められる人物像
まず大前提として本屋で働くには、本が好きであることは非常に重要な素養と言えます。
本が好きでなければ絶対に受からないというわけではありませんが、本を読むことが好きという人は知識欲が旺盛というイメージを持たれやすいため、探求心や向上心がありそうという印象を与えられるでしょう。
また、そもそも書店員は本を扱う仕事であるため、本が好きで本を大切にできる人でなければ務まらないと言えます。
そして本屋は、毎日多くの来店客がある職場だけに、人とのコミュニケーションが得意であることも重要な要素です。
学生時代の経験から自身に人付き合いを得意とするコミュニケーション・スキルの素養があることをアピールすると良いでしょう。
また、上述していますが本屋の仕事の一つである店内レイアウトでは美的センスが問われます。特に誰が見ても美しいと思えるデザインや色彩感覚は大切です。
仮に絵を描くのが不得意であっても、美的感覚があれば店内装飾に役に立つと言えるでしょう。
本屋の志望動機例文
ここでは本屋の志望動機例文を紹介します。志望動機のイメージがまだ掴めていないという就活生は以下の例文を参考にしてみてください。
■例文1
私は、幼い頃から本を読むことが好きでした。読む本のジャンルは、幼少期は趣味に関するものだけでしたが、持ち前の好奇心も手伝って現在では数多くのジャンルの本を読み漁る「本の虫」となりました。
書店を訪れることも多くなり、親しくなった書店の店長さんから「本屋で働くことの難しさと楽しさ」を教わりました。
やがて「書店員のエキスパート」になりたいと考えるようになり、本屋を多角的に経営されている御社であれば多くのことを学ぶことができ、将来的には店長として店舗経営を任せられる存在へと成長したいと考えて御社を志望しました。
他人とコミュニケーションを取ることも得意なので、性格的にも毎日多くのお客さんと接する書店員は自分に向いていると思います。
入社後は、店の業務をこなすだけでなく、書店のマネジメントなどもしっかり身につけていきたいと思っています。
⇒志望するきっかけをきちんと語り、自分は好奇心旺盛であることと、本屋での業務の実態もよく把握していることが伝わってきます。
「書店員のエキスパート」になりたいという明確な目標があり、書店マネジメントを学んで店舗経営をしたいという将来の夢を語っています。
企業にとって「真面目に長く頑張ってくれる人材」であると評価される可能性が高い志望動機の文章になっている点に好感が持てます。
■例文2
紙の本を一人でも多くの読者に手に取ってもらうためには出版社も書店も図書館も一つになって新しい方法を考えていく必要があります。例えば現在ブックカフェが流行っていますが、それと似たことが図書館でもできるのではないかと考えています。日本の図書館は本を借りに来る人以外が利用しづらいのが現状です。
ブックカフェのような図書館を増やすことができれば若者が紙の本に触れる機会も多くなり、その良さを広めることができると考えています。他にも月額で利用できるブックカフェを作ったり様々な工夫ができると思います。このように私は紙の本の良さを多くの人に知ってもらえるような事業に挑戦したいと考えています。
⇒紙の本のシェアを上げるためにどうすべきか、自分の考えをしっかりと書けており、熱意の伝わる志望動機になっていると言えるでしょう。また、自分の考えをしっかりと持っている人という印象を与えることで、入社後活躍してくれそうと判断される可能性が高いと言えます。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(トーハン23卒)
本屋の志望動機NG例文
続いては本屋の志望動機NG例文を紹介します。どの部分がNGなのかも解説していますので、チェックしてみてください。
本屋の店員さんとも顔なじみとなり、店員さんに本屋の仕事を聞くと「君でもできるよ」と言われたことがきっかけで本屋で働きたいと思うようになりました。
たくさんの本に囲まれて仕事をすることは、学校の図書館で働くようで楽しそうだと思います。
⇒店員に「君でもできるよ」と言われたのがきっかけというのがあまりにも単純過ぎます。
まるでアルバイトの延長のような感覚だと思われて「入社してもすぐに辞めるタイプ」と判断されかねません。
また入社後「こうなりたい」という将来の夢を書いていない点もマイナスとなります。
まとめ
本記事では本屋の仕事内容や志望動機の書き方について紹介してきました。
企業側にとって、本屋での書店員としての業務に対し、どれほどの情熱を持っているかという点が採用を見極める際の重要なポイントとなります。
志望動機を伝える上で、入社後の自分のイメージを具体的に語ることが大切です。
「アルバイトの延長」のような感覚で志望したと思われる表現は避けましょう。
本屋が社会に果たしている役割を充分に認識し「将来、店舗を任せられるような人材」だと思ってもらえるような志望動機を作成してください。
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- 「本屋への就職を目指すならではの志望動機とはどういう内容?」
- 「本屋の選考で評価される志望動機を書くにはどうしたらいい…?」
- 「書類選考を突破して内定獲得したい!」
このように就活に関する悩みは人それぞれでしょう。
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