志望動機は、あなたの強みや働く意欲を伝えるための項目です。採用担当者は、あなたの経歴や志望動機を見て、面接するかどうかを判断します。
つまり志望動機は、初対面の採用担当者にあなたの人柄や仕事の意気込みが伝わるようにわかりやすく書く必要があります。
しかし志望動機に何を書けばいいのかわからず、とりあえず企業理念に共感したことをアピールしておこうと考えている人もいるのではないでしょうか。
実際、”企業理念への共感”は、内容次第であなたの働く意欲を伝えるのに効果的です。ただし共感した理由をしっかりと説明できなければ、マイナスなイメージを与えてしまう可能性があります。
本記事では志望動機の中で企業理念への共感を効果的に記載するための注意点や書き方を紹介します。ぜひ参考にしてください。
企業理念とは?
そもそも企業理念とは何なのでしょうか?企業理念とは、『企業が大切にしている・大切にしたいと考えている価値観』を言葉にしたものです。
この企業理念は通常の業務だけでなく新規事業の立ち上げなど、企業がなにか大きな決断をする時[企業の方向性や判断軸を明確にする]という重要な役割を担っています。
つまり企業理念を知れば、誰でもすぐにその会社の考え方や在り方を理解することができます。
また企業理念は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」といった構成で構成されることが多いです。また「スピリット」や「スローガン」も設定されている企業もあります。
企業理念と経営理念の違いとは?
企業理念を調べる際に、”経営理念”という言葉を目にする人も多いでしょう。
企業理念と経営理念はどちらも「企業が経営するうえで大切にしている価値観」ですが、「誰」の考え方・価値観であるかという点が異なります。
経営理念は「経営者が」経営をするうえで大切にしたい価値観を指しているのに対して、企業理念は「企業が」ビジネスを展開するうえで大切にする価値観です。
経営理念は経営者によって変わることがありますが、企業理念が変わることはなかなかありません。
企業理念を志望動機に入れる時の注意点
企業理念への共感を志望動機にするには注意が必要です。
なぜなら企業HPや会社案内パンフレットをさっと確認するだけで、誰でも簡単に企業理念を把握し共感を伝えることができるので、内容次第では企業への熱意が伝わらなくなってしまうのです。
以下にて企業理念を志望動機に入れる際の3つの注意点を紹介します。
①ありきたりの内容になっている
繰り返しになりますが、企業理念に共感することは誰にでも簡単にできます。
中には「御社の○○という企業理念に共感しました」と○○に該当する企業理念の部分だけを変更して使い回している人もいるようです。
このように企業が公表している情報をそのまま引用し、それに共感したからとだけ伝えているようでは、採用担当者は「なぜ志望したのか」というはっきりとした理由がわかりません。
またこのような志望動機はどこの企業にも当てはまる内容のため「その企業でなければならない」という深い内容になっておらず、「当たり障りのないことだけ言っているのだろうな」とマイナスな印象を与えてしまいます。
そのため企業理念への共感を伝えたいときは、なぜその企業を志望したのか、なぜその企業でなければならないのか、そしてなぜその理念に共感したのかを自分の価値観を踏まえて具体的に伝えるようにしましょう。
②企業理念の意味を正しく理解できていない
企業理念が作られた背景や創業者、経営者の想いを知らないと、企業理念の理解が不十分になり「企業への関心が薄い」「企業研究不足だ」と判断され、評価を落としてしまう可能性があります。
企業理念は難しい言葉で書いてあることもあり、簡単には理解できないことがあります。しかし企業理念が長いからと勝手に途中を省略したり、一部だけを強調したりすると、本来の意味を理解していないと思われてしまうことがあるので注意が必要です。
そのため企業理念を志望動機に用いるときは表面的な言葉だけで理解しようとせずに「どうしてこの企業は今こういう企業理念を掲げているのだろう?掲げるに至ったのだろう?」と企業やその背景についてしっかり調べることが重要です。
このような徹底した情報収集を通して「この企業理念を掲げている御社でなければ駄目なのだ!」と自身の志望動機に強い説得力を持たせることを意識しましょう。
③あなた自身の意見が記載されていない
「志望動機に共感しました」とだけ書いても、ただ企業を褒めているだけなのです。褒められて「嬉しい」と感じることはあっても、「褒められたから面接しよう、採用しよう」とはなりません。
「なぜ企業理念に共感し、自社でどのような仕事ができる(成果を上げられる)のか」という理由やあなたの強みが書かれていなければ、採用担当者はあなたを採用するメリットやあなたの魅力を感じられません。当然、面接はもちろん内定には至らないでしょう。
そのため企業理念に共感した理由や経緯、あなたの強みなどを盛り込み、採用担当者の心を動かすことができるような志望動機の作成を意識しましょう。
企業理念への共感を盛り込んだ志望動機の書き方
繰り返しですが「企業理念に共感したため応募しました。」といった内容が抽象的な志望動機は、書類選考で確実に落とされます。
そのため、志望動機を書く際は以下で紹介している2つのポイントを抑えて採用担当者の印象に残る志望動機を作成してみてください。
共感した内容を具体的に伝える
志望動機に限らず、就活生が作成したガクチカや自己PRによくあるのが、内容が抽象的でわかりにくくなってしまうことです。
具体性がある内容の方であれば、採用担当者は読んでいてイメージしやすくなります。また、志望動機と過去の経験を結びつけられることで、共感しやすくもなるため、具体性を持たせることを意識すると良いでしょう。
例えば「人と本気で向き合い、未来を切り拓く。」という企業理念の場合は「御社の〇〇事業における〇〇というポジションで、御社の企業理念にあるように、すべてのお客様に対し本気で向き合い、お客様それぞれの幸せを実現できるよう具体的には○○といった行動したいと考えています」というように、企業でどのように活躍したいかまでを伝えられると、企業理念と同じ意思のもと業務を遂行できる人物と受け取られ、印象はよくなります。
このように具体的な内容を伝えることは、採用担当者や面接で実際に話を聞く面接官が入社後のイメージを強く連想させることを可能にします。
自分の価値観と重なるところを伝える
繰り返しになりますが企業理念は[企業が大切にしている・大切にしたいと考えている価値観]を言葉にしたものです。
企業は書類選考や面接試験、筆記試験などさまざまな選考を通して、あなたの性格・人間性そして思考が自社と合っているのかを判断しようとしています。
そのため企業理念に同感して自分の価値観と重なるところを伝えると、会社とあなたの価値観が合っており、入社後のミスマッチも少なく仕事にやりがいを感じてくれる人物であるとアピールすることができます。
そのため、過去の経験からどんな能力が身につき、入社後どの様に活かせるか、企業にどう貢献できるのかを伝えることを具体的に伝えることが重要です。
本ぺージでは、志望動機の書き方や作り方のコツだけでなく、業種・職種別の志望動機の例文に関するコンテンツを多数公開しています。
そちらもぜひ合わせてご覧ください。
「企業理念への共感」はあなただけの共感ポイントを盛り込もう!
今回は志望動機に”企業理念への共感”を入れ込む際のポイントや注意点を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
企業理念への共感は、あなた自身の価値観と企業の価値観が一致していることをアピールできるため、強い入社意欲を伝えるためにも効果的です。
だからこそ「企業理念に共感しました」といった内容の薄い伝え方をするのではなく、本記事にて紹介したポイントや注意点をしっかりと理解したうえで志望動機を作成してみてください。
それでも「自分の場合はどうすればいいの?」「こんな企業理念の場合はどういうエピソードがいいの?」と不安な方も多いと思います。
そんな時は、自分ひとりで抱え込まず、客観的な視点からフィードバックをもらってみることをおすすめします!
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