レジャー業界は、大型テーマパークや旅行・ホテルが主な商材となります。
幼い頃からの憧れや華やかな印象から、特に女子就活生からの人気が高い業界です。しかし、単に好きだからという動機だけでは内定を勝ち取ることはできません。
レジャー業界の特徴やトレンドを今一度把握し、例文を参考に書き方のコツを掴みましょう。
※本記事におけるレジャー業界とは旅行・ホテル・レジャー施設の3業界を指します。
レジャー業界の特徴
ここではレジャー業界の動向・業種・職種についてを解説してきます。
レジャー業界の動向
レジャー業界が最も活発だったのはバブル時代だと言われています。続々と新しいレジャー施設が登場し、人々も新しい施設で余暇を過ごしていました。
しかし、バブル崩壊後は低迷が続き、その後一旦は回復したものの、2009~2012年はリーマンショックなどの影響により、再び苦戦を強いられました。
ただ、ここ2年は訪日外国人の増加や「コト消費」のニーズ拡大もあり追い風が吹き始めています。
コト消費とは、商品やサービスを購入したことで得られる体験に価値を見出す消費行動を指します。例えば、コンサートやスポーツ観戦、スキーやハイキング、旅行といったものです。
近年は、人々の余暇の過ごし方が多様化しているため、レジャー業界と関連していない企業でもレジャー施設の開発や運営に参入するといった新しい動きが見られます。
レジャー業界の業種
様々な業種の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
❏旅行業界
旅行業界は、旅行業と旅行業者代理業の2つに分かれています。
旅行業は、パッケージツアーなどの企画を行います。その中でも業務範囲によって3つに分類されています。それが以下の3つです。
第2種:国内旅行のみの規格ができる
第3種:一定の条件下で国内旅行を企画できる
旅行業者代理業は、旅行業と代理人契約を結び、パッケージツアーなどの旅行商品を代理店販売しているBtoBtoC企業です。
旅行業界全体としては、2020年に開催される東京オリンピックで大きなインバウンドが見込まれています。
日本に訪れる訪日外国人旅行客の数は、2014年には1341万人だったのが、2018年には3119万人と5年で2.3倍に伸びています。
日本政府も2020年に訪日外国人旅行客を年間4000万人、2030年までに6000万人の目標を掲げているため、今後も伸びていく見込みです。
しかし、国内に目を向けてみると、国内旅行による売上は年々減少傾向にあります。その原因としてあげられるのが人口減少、団体旅行需要の低下、交通手段の発展による日帰り旅行の増加です。
今後オリンピックによりインバウンドの増加は見込まれていますが、それは一時的なものであるため、国内で継続的に売上を上げていくためのツアーの企画といった新たな施策を考えていく必要がありそうです。
また、近年の旅行業界は「ネット予約」なしに語ることはできません。
旅行する際、事前に、航空券や宿泊先、レンタカーなどを予約は必須ですが、最近では初心者には難しい海外の予約もネット上から簡単にできるようになりました。
航空券やホテルのみといった個別手配から、旅行券とホテルがセットで予約できるものもあり、非常に便利です。
最安値を検索できる比較サイトも充実してきており、2017年の国内のネット予約市場は約3.4兆円と昨年に比べて110%となりました。
その影響もあってか、日本旅行業界によると海外へ旅行する人の数は増加しており、JTB総合研究所によると、2019年12月だけでも、日本人の出国者数は171万人と前年の同月に比べて5.1%増でした。
旅行業界の職種旅行会社の店舗で航空券やツアーの販売や手配を行います。直接お客様と会話し、予算や目的にあった旅行プランを瞬時に判断し提案する力が求められます。
旅行会社の顔にもなりうるため、やりがいを感じる事ができるのではないでしょうか。
●企画(ツアープランナー)
企画の主な仕事は、その名の通りホテルや観光場所の選択、企画を行います。
また企画に沿ってホテルや交通手段を手配するところまで行うこともあります。
●ツアーコンダクター(添乗員)
ツアーに同行して旅行者の管理や引率を行います。ツアーコンダクターに成るためには、「旅行管理主任者」の資格が必要です。
■営業
営業は企業の海外進出などを手伝います。また、団体客に対してプランやツアーを提示したり、団体旅行のコンダクターに成ることも多くあります。
❏ホテル業界
2020年の東京オリンピック開催を控え、新規開業やリニューアルが続くホテル業界。旅行業界と同じく、インバウンドが増えたことで大きく成長した業界です。
最近では訪日観光客の増加により、宿泊不足が話題になることもありました。
そんなホテル業界ですが、一口にホテルと言っても価格帯やサービス内容、立地などにより多種多様な種類に分類されます。
例えば、都市部に位置し、宿泊だけでなく宴会場やレストランなどの付帯施設を十分に備えた「シティホテル」、同じく都市部に位置し、出張利用に特化した日本特有の形態である「ビジネスホテル」、そして軽井沢や沖縄などいわゆるリゾート地に位置し、季節によって需要の変動が見られる『リゾートホテル」です。
また経営形態によっても3つに分類されます。
・リース式:土地所有者がホテルを建設し、ホテル企業に一括賃貸するビジネスモデル
・運営委託方式:ホテルの土地や建物の資産を保有せず、運営のみに特化したビジネスモデル
上記の様に複雑なビジネスモデルをしているホテル業界が抱える課題は「人手不足」です。多くのホテルで従業員が不足しています。
東京オリンピックを控え、訪日外国人観光客だけでなく、国内旅行客の増加が予想されていることも考えると、従業員の確保が急務となりそうです。
また一斉を風靡したAirbnbなどに代表される民泊。
行政の取り締まりが厳しくなったことにより、一時低迷したもののホテル業界に与える影響は大きく、民泊が1%増加するごとに、ホテル一部屋あたりの平均売上が0.02%減少すると言われています。
民泊の成長率を考えると、今後はホテルでしか経験できないサービス面の充実が求められそうです。
ホテル業界の職種サービススタッフには、ホールスタッフやフロント、ウエイター、客室係などが含まれます。主に、ホテル内での接客やサービス全般に関わります。
宿泊客に最も近く、ホテルの顔とも言えるポジションであるため、明るく礼儀のある対応や清潔感が求められます。
また最近では、国内だけでなく海外からのお客様も増えているため、外国語でのコミュニケーション能力も必要です。
●営業・販売促進
ホテルの営業は、旅行代理店に向けてホテルの設備や宿泊プランなどのサービスの営業・提案を行います。
ホテルの売上に直に影響を与える仕事でもあるので責任は大きいですが、その分やりがいを感じることができます。
●サービス開発
サービス開発は市場調査を行い、ホテルに関わるイベントや宿泊・ブライダルプランなどの企画立案から実行までを手掛けます。
❏レジャー施設
レジャー施設は、人々の思い出に残る場所であり、華やかに見える業界です。しかし現実はそう甘くなく、少子高齢化の影響をダイレクトに受けている業界と言っても過言ではありません。
レジャー施設の多くは若者や子供向けに作られた施設が多いため、少子高齢化が進む今、テーマパークやスポーツ施設はアクティブシニア(定年を迎えてお金や時間に余裕があるシニア層)など、幅広い年齢層が楽しめる新しいサービスを企画していく必要があります。
また、訪日外国人観光客によるインバウンドの影響で、旅行業界とホテル業界の売上は好調を保っている一方で、レジャー施設業界全体の売上高の中で、外国人旅行客が占める割合は2%ほどに留まっています。
そのため、アクティブシニアや訪日外国人を含めた幅広いターゲットに向けた、新たな企画立案を実行していくことができれば、まだまだ拡大の余地はあるのではないでしょうか。
レジャー業界の職種施設スタッフは、その名前の通りレジャー施設で働くスタッフを指します。アトラクションの添乗員や施設内の販売スタッフを行います。
また、迷子や落とし物、体調不良者への素早い対応が求められたり、トラブル対応も冷静に行わなければならないため、状況判断を素早く行い、迅速に動くことができることが求められます。
■施設運営
施設運営は、基本的には現場ではなく本社での仕事になります。レジャー施設全体に新しいイベントやアトラクションを考えることで、施設のグレードアップを図ります。
基本的に、施設の運営に必要なこと全てに関わります。
そのため、アトラクションに関わる対応も求められることもあり、故障対応や備品の管理、清掃管理など、基本的なサービス技術や接客マニュアルなどを含む、自社施設の詳細まで把握しておく必要があります。
■広報・販促
広報や販促は、施設の宣伝を担う仕事です。どんなに楽しい施設があっても、その情報が私達ユーザーに届かなければ意味がありません。
顧客を獲得し収益を上げていくためにも非常に重要な仕事です。
宣伝のためにプロモーションするにもたくさんのお金が動くため責任が重い仕事でもあります。
志望動機の作り方のポイント
レジャー業界はサービスの提供方法が別れているものの、「お客様をもてなす」という大枠の目的に違いはありません。
そのため、なぜこの業種・企業を選んだのかを採用担当者にしっかり伝えなければ書類選考の通過は難しくなります。
なぜ志望するのか、なぜ自分なのかをシンプルかつロジカルに書きましょう。
レジャー業界の志望動機に必要な3つの要素
なぜその業界か、業種か、会社か。この3点の深堀りが必要不可欠です。
まず業界について。レジャー業界は様々な体験を通して人々の余暇を充実させることに特化した業界です。
その中でどんな仕事に携わりたいのか、様々な体験を提供する仕事ならではの理由を書きましょう。
次に業種について、旅行・ホテル・レジャー施設では、提供するサービスが異なります。
1つの商品の専門性を身につけたいのか、それとも総合的に様々な商品の知識を身につけたいのかを考えておくようにしましょう。
最後に企業について。その企業がどのサービスを強みとしているのか、どんなお客様をターゲットとしているのかなどの特徴を調べましょう。
それが終わったら競合と比較してください。そうすれば自ずと各社ごとの特徴が明確になります。
レジャー業界で求められる人物像
toBよりもtoCが圧倒的に多いレジャー業界では、お客様に楽しんでもらうこと・良い体験を提供することが重要です。
良いサービスを提供するためには、自分のためではなく、相手のためを考えた行動が必要となるため、利他精神が求められるでしょう。
また、接客をしていくとなると、様々な国、価値観の人と関わる機会が増えるため、コミュニケーション能力は必須と言えるでしょう。
様々な人との接点が増えればトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。そうなったときに慌てず対処できるような柔軟な対応力が求められます。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
本記事では志望動機のセオリーとも言える書き方のコツをお伝えしているので、是非参考にしてください。
レジャー業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文から、フレームワークや表現方法を学び、自身の書類に活かしてください。
旅行業界の志望動機の例文
私は、旅行を問わず「何かを企画して人に提供し、楽しんでもらうこと」が好きです。相手と一緒になって1つのこと・商品を創造して行くプロセスにやりがいを感じられると考えています。御社の強みとして「全国規模に展開している企業かつ、アウトセールス・カウンターセールスどちらにも尽力できる」ところがあります。
これは、自身がコーディネートした旅を、カウンターで商品として提供出来るだけでなく、自分も添乗して旅を過ごすことで、1番身近でお客様の反応を見られる励みになります。
また、営業ではアウトセールスにおける一貫したフォローを、自分の裁量で行えるので、お客様の反応を即座に取り入れられるところが、自身の強みと繋がります。こうした旅行を自分のオリジナルの形にして届けたい、その挑戦ができるのは御社が1番であると考え、志望いたします。
→志望理由が明確に述べられています。
また、「営業ではアウトセールスにおける一貫したフォローを、自分の裁量で行えるので、お客様の反応を即座に取り入れられるところが、自身の強みと繋がります」と企業でできることと自分の強みを結びつけて書くことができていて、働くイメージ持たせることができる文章を作成できています。
企業の仕事内容を少し削り、なぜ『「何かを企画して人に提供し、楽しんでもらうこと」が好き』なのか理由を経験を基にもう少し書けるとよりよい志望動機になります。
ホテル業界の志望動機の例文
日本旅館はただ寝泊まりするためだけの場所ではなく、その地域に根差した文化を一体化した非日常空間をお客様に楽しんでもらえるという点で魅力的です。その中でも、地域文化を尊重したおもてなしを日本だけでなく海外にも積極的に推進しようとしている貴社の理念に強く惹かれました。
また、飲食店アルバイトでの経験を通じ、ホールやキッチンと全ての業務をこなすことで現場の一連の流れを俯瞰的に把握することが出来、結果サービスの質も向上するということを学びました。そのため多様な業務を経験できる企業で働きたいと考えており、マルチタスク体制で仕事の効率化を図っているという点でも貴社に強く惹かれました。
私は大学生活の中で「自分が率先して行動をすることで周囲の信頼を獲得し、チームで団結する」ことの重要性を学びました。この強みを活かし、周囲と協力しながらお客様に最善のおもてなしを提供し、いずれはより広範囲の地域での事業展開に携わりたいです。
→「インバウンド観光事業をより活発にする~貴社の理念に強く惹かれました。」の部分で、志望動機→キッカケ→企業を選んだ理由までをシンプルにわかりやすく述べることができています。
その後、自分の過去の経験と企業に惹かれた理由・将来やりたいことを結びつけて書くことができていて非常に良い文章です。
レジャー施設の志望動機の例文
まず私が上記のような人生の目標を立てたきっかけはカフェでのアルバイトです。私はアルバイトを通し、目の前の多くのお客様に良いものを提供してきました。
一方で、多くても1日に200人という自分の影響の小ささに満足できませんでした。そのため場所や面という観点から、より多くの人々に影響を与えたいと考えています。
特に貴社は、舞浜という確固たる面を持ち、それを土台にテーマパークやホテル等、感動体験をもたらす事業を保有しているため、私の目標を達成できると確信しています。
→志望理由・志望したキッカケ・将来成し遂げたいことまでを、少ない字数の中で簡潔に述べることができています。
欲を言えば、なぜ影響の小ささに満足できなかったのか、その理由を簡単に述べることができているとよりよい文章になります。
まとめ
レジャー業界は人気が高いため志望動機で細かい差別化が求められます。志望理由をなぜなぜと掘り下げて具体的でロジカルな構成で制作しましょう。
志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
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