ガラス業界と聞いて就活生のみなさんは何をイメージしますか。例えば窓やスマートフォンなど、ガラスはその他にもたくさんのものに使われているため、私たちの生活を支えてくれています。
本記事ではそんなガラス業界の動向から仕事内容、志望動機の書き方などについて紹介しているので、本記事を読んで企業に評価される志望動機を作成しましょう。
ガラス業界の特徴
この章ではガラス業界の動向や業種、職種についてわかりやすく解説していきます。
ガラス業界の動向
2009年の金融危機を発端に世界は同時不況に陥り、自動車、建築用ガラス、薄型テレビ向けなど、全てのガラス需要が減少し、業績は一気に悪化しました。
13年以降、景気の回復に伴い、従来の自動車や建築用ガラスに加え、急速に拡大したスマートフォンやタブレット端末向けのガラスの需要が増加したことによってガラス業界は再び増加基調になりました。
ところが、これまで日本のガラスに比べて品質が劣ると言われていた中国や韓国のガラスの品質が高くなり、日本国内でのシェアを伸ばしていることから日本のガラスメーカーは海外進出を加速させています。
具体的には、旭硝子(AGC)が中国やブラジルに工場を増設し、積極的に設備投資を行い、国外でのガラス生産を倍増させようとしています。
また、ガラス業界各社は、従来のガラス需要が伸び悩んでいることから新たな付加価値を持つ商品の開発に取り組んでいます。
例えば、断熱・遮断効果が高く、冷暖房効率が良い、Co2排出量を削減する効果があるとされている「エコガラス」や、通信に必要な各種電波を通しやすくする「電波透過型ガラス」、鉄筋に代わるコンクリート補強材として使われる「ガラス繊維」などを開発しています。
ガラス業界の職種
❏研究・開発
最先端のテクノロジーを使ってガラスや製造装置の開発、自社が製造を行うガラス関連の研究・開発を行う職種です。
ガラスの機能と特性を活かし、ガラスの用途の可能性を追求しています。近年ガラスの需要が減少しているため、業界全体として付加価値の高い製品が求められていると言えます。
またメーカーから受けたオーダーに対応したり、開発側から製品の提案を行なったりすることもあります。
❏製造
ガラス業界の製造の仕事は製造工程の管理です。生産機器の操作や検査、メンテナンスを行ったり、製造のコストや効率を考えてシステムを最適化したりします。
企業の業務内容によりますが、電気や機械などの専門的な知識が必要になることもあります。製造工程の設計は品質や生産量に大きな影響を与えるため、量産化にあたって重要な役割です。
❏営業
自社で開発・製造したガラスを、さまざまなメーカーに販売する仕事です。
多くのガラスメーカーは海外にも製品を販売しているため、国内だけでなく、海外のメーカーに売り込むことも考えられます。
英語力や海外経験があると、活躍の場も広がるでしょう。
また販売戦略を立案するために、実際に市場調査に出向くこともあります。
このようにただ販売するだけでなく、調査を行ったり、クライアントと良好な関係を築きニーズをヒアリングして新商品の企画を行うこともあります。
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志望動機の作り方のポイント
ガラス業界は企業によって得意な分野であったり、今後の施策などが異なります。
そのため各企業についてしっかりと調べ、ガラス業界の中でもなぜその企業が良いのかについて、ロジカルかつ簡潔に書けるようにしましょう。
「なぜ」ガラス業界を志望するのか
素材業界の中で、化学や繊維などではなく、なぜガラス業界なのかを説明する必要があります。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えばガラス業界であれば「暮らしを守ってくれているガラス作りに携わり、たくさんの人の生活を支えたい」などといったガラス業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
その際に業界の仕事内容と絡めて伝えることができればより深い志望動機になるため、業界の職種や動向についても把握しておきましょう。
「なぜ」そのガラス会社を志望するのか
例えばHOYAであれば光学技術を軸に多角化を進め、情報・通信、ヘルスケア、医療分野へと事業フィールドを拡大しているという強みを持っており、建築用板ガラス、自動車用加工ガラス、スマートフォンなどに利用されている化学強化用特殊ガラスなどに強みを持っています。
このように企業によって強みは異なるため、しっかりと企業研究を行い、企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。
ガラス業界で求められる人物像
ガラス業界では国内外に関わらず様々な企業が参入しており、顧客に選ばれるためには常に新しく最適なものを作る必要があります。
そのため企画や商品を考えられる発想力や、形になるまで何度も挑戦し続けるチャレンジ精神が求められます。
また、顧客のニーズをくみ取るためにも、コミュニケーション力や顧客視点も求められる素養だと言えます。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
ガラス業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
日本板硝子の志望動機の例文
→結論として一番始めに自分の夢について簡潔に述べることができています。
また自身の経験をもとに「なぜガラス業界なのか」「なぜその企業なのか」についてもしっかりと書けており、説得力のある志望動機となっています。
さらに、企業のことをよく調べた上でアピールできているため、志望度の高さもアピールできる志望動機だと言えるでしょう。
日本板硝子の志望動機の例文
多様化する世界のニーズを捉え、グローバルニッチな分野でオンリーワン・ナンバーワンを目指し高付加価値のものを提供し続けることで、国内だけでなく世界中の人々の生活に貢献できるところも魅力の一つです。製品を製造するにあたり、生産技術は品質だけでなくコストに直結する重要な仕事であり、幅広い知識と技術が必要だと聞いています。
大学で培った化学工学の知識と経験は、生産技術で大いに役立てることができると考えています。以上の理由から貴社とともに国内外問わず、社会全体を支えたいです。
→結論から書けているためわかりやすい文章構成となっています。
将来成し遂げたいことやガラス業界の魅力については非常に伝わる内容ですが、自分自身の過去の経験などを踏まえ、「~~という経験から~~という夢を持ちました」というように書けると、さらに信憑性の高い志望動機になると思います。
セントラル硝子の志望動機の例文
また、少数精鋭で若いうちから責任のある仕事を任せてもらえる環境であることに魅力を感じています。貴社のそのような環境下に身を置くことで、自身を成長させ、豊かな社会の実現に貢献できるものづくりが可能であると考えました。これまで学んできた化学工学の知識を活かし、多角的な視点から、安全かつ低コストに生産ができるプロセスの設計を行いたいです。独自の製品を世界に多く送り出す担い手として、貴社のグローバル化や、生産技術力のさらなる向上に貢献したいと思います。
→個社を志望している理由や、自分のどのような強みを活かして入社後どのような仕事がしたいかについて書けています。
また一番最初に将来成し遂げたいことを書けているのは良いと思いますが、なぜそのような夢を持ったのかについて触れられていなかったので、背景についても書けるとさらに良いと思います。
まとめ-ガラス業界の志望動機の書き方と例文-
ガラス業界は中国や韓国の急成長に対して、新しい付加価値を作り出さなければならないため、各企業が自社の強みを活かし、新しい製品の開発や海外進出などと様々な施策を行っています。
そのため、各企業がどのような施策や事業を展開しているのかを把握し、具体的かつ説得力のある志望動機を作成しましょう。
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