営業アシスタント職には、営業職以上のスキルが要求されるケースがあります。
一般的に「営業職並みに残業が多くハードである」「営業職と一蓮托生で営業成績不振の責任も課せられる」といったマイナスイメージがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、それだけ会社の期待値も大きくやりがいがある仕事なのです。
単調なデスクワークばかりではなく、取引先や顧客など多くの人々との出会いの場も多く、目標を達成したときの喜びも大きいのです。
また、事務職よりも月収が高めに設定されている企業も多く、営業成績次第で賞与も多く獲得できるという大きなメリットがある職種です。
営業アシスタント職をとりまく現在の社会情勢
旧態依然の営業方法では通用しにくい時代となり、営業職がより効率的・効果的に職務に取り組めるよう、営業アシスタントの重要度と必要性は日増しに高まっています。
職務の多様化とITスキル
AIなど最新鋭のITシステムを導入する企業が増えており、営業職の「スケジュール管理」や顧客および見込客の「属性・趣味嗜好・ニーズ・購買理由・断り理由の分析」などに活用されています。
こうした次の営業に必要な項目の割り出し・分析は、これまで手作業で時間をかけて行っていましたが、AIの導入により大幅な時間短縮が実現しています。
このことから、営業の現場でも上級レベルのPCスキルを取得した営業アシスタントが必要とされています。
市場規模の拡張
パソコン開発メーカーや飲料水・菓子類製造業などを筆頭に、さまざまな業種が、市場規模の拡張を大きな課題としています。
市場を広げることにより、営業活動のマンネリ化を防ぎ、新たな事業展開を期待できるというメリットがあるのです。
営業アシスタント職であると便利な資格
営業アシスタント職は、入社後早い段階で即戦力として期待されます。そのためにも、次に挙げる資格のうち、ひとつでも取得、もしくは勉強中であると採用時に有利に働くでしょう。
MOS
“Microsoft Office Specialist”の略でマイクロソフトのオフィスソフト(Word・Excel・PowerPointなど)の技能を認定する民間検定です。
デスクワークでは必須のスキルであり、比較的取得しやすい技能検定です。
秘書検定
業種を問わず、接遇から書類作成・スケジュール管理など事務系の仕事をこなす営業職を目指すなら、取得しておくと就活にも有利な技能検定です。
1級・準1級・2級・3級があり、1級でも合格率は約30%程度あるので、できれば1級を取得しておくのがベストです。
日商PC検定
IT検定の登竜門ともいえる商工会議所認定の技能検定です。1級・2級・3級と3段階あり、2級・3級は合格率も高いので、MOS検定の前に取得しておくとよいでしょう。
営業アシスタント職の仕事内容と社内での貢献度
営業アシスタント職の仕事は、営業職よりも多く広範囲にわたります。以下にその仕事の内容と、社内での貢献度について紹介しましょう。
企画書作成
営業は、企画書の作成によってスタートします。綿密な計画をもとに文書・図表を作り、誰が見ても理解できる内容にして完成させます。
営業の指針を決める重要な業務なので、社内への貢献度も高い仕事です。
スケジュール管理
営業職の行動を管理するための予定と工程を、1ヶ月・1週間・1日単位でスケジューリングし図表化します。
営業職の行動を逐一把握できるので、管理職のチェックがやりやすくなり、営業方針の軌道修正などに役立ちます。
スケジュール管理により営業効率がアップすれば、社内で高い評価を得られます。
アポイント業務
電話やメールで営業職が訪問する日時の約束を取り付けるのがアポイント業務です。
連絡の際、相手から商談内容について質問を受けることも少なくありません。対外的営業サポート業務として責任が大きい職務です。
計数管理
営業職の行動・経費・実績などはすべて数値化されており、それらの計数を正確に管理します。幹部社員が営業計数をいつでも閲覧可能にしておくことは、営業アシスタントの重要な職務のひとつで、社内貢献度も大きいです。
議事録作成
営業の現場では、頻繁にミーティングや定例会議が実施されます。毎日の簡単なミーティングでもメモを残しておくことが大切です。
そして重要な定例会議では規定のフォーマットで議事録を保管します。
営業に関する記録の保存は会社の事業計画上、重要な作業であり、正確で分かりやすい議事録の作成はマストで必要な業務です。
営業アシスタント職の志望動機を書くポイント
就職先の職務ターゲットを営業アシスタントに絞ったら、いかに自分をアピールするか、という点に全力を傾注しましょう。
なぜ営業アシスタント職なのか
企業の採用担当者が最も気にするのが、営業アシスタント職を選んだ経緯とその理由です。選んだのには必ず理由があるはずです。
それを文頭で簡潔明瞭に記述することで、あとに続く文章に自然に入っていきやすくなります。
営業アシスタント職でアピールすべき強み
自分の個性や性格、長所を最大限にアピールします。そして、それらが仕事に活かすことができるという風に結びましょう。
■スケジュール管理能力
営業職の行動を管理・把握するために欠かせないスケジュールを作成し、なおかつ予定どおりに進行しているかどうかをチェックするスキルが重要視されます。
場合によってはスケジュールを変更することも必要で、それを進言できる能力も必要です。
■ヒューマンスキル(人付き合いの能力)
人と接することが仕事である営業職には欠かせない資質がヒューマンスキルであり、営業職のサポート役である営業アシスタント職にも要求されます。
■ITスキル
オフィスソフトはもちろん、最新IT関連の情報にも精通している点は大きなアピールポイントとなります。
ビジネスで必要と思われる最低限のIT用語を的確に説明できるよう、面接の前にマスターしておきましょう。
■適応能力
営業アシスタント職は、ときには営業職のミスを担当に成り代わって処理することも少なくありません。
何が起きても動じずに素早く臨機応変に対応できるスキルが営業アシスタントに求められます。
なぜその企業なのか
営業アシスタント職にも、さまざまな種類の企業があります。
一般企業では、営業アシスタントが複数の営業職のフォローをするパターンが多いのですが、例えば、営業職とマンツーマンで仕事をこなす外資系の企業もあります。
外資系企業では、営業職と同等の報酬が設定されている会社もあるので、英語力を活かしたい人には最適です。
会社を選んだ理由は職種をふまえ「御社なら、自分の個性を活かすことができそうだと思いました」という表現が良いでしょう。
そして、入社したら取り組みたい仕事の希望や社員としての夢を述べ、意欲旺盛であることを最大限にアピールすることが大事です。
実際に書く際には以下のフレームに沿って書いてみてください。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
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営業アシスタント職の志望動機のNG例
志望動機を書く際には、やってはいけないNG行為に注意しましょう。以下で、「志望動機のNGな書き方」を例文をもとに解説します。
「とりあえず楽しそうだから志望した」という消極的で安易な考えが文面に表れています。これは採用担当者が最も嫌う表現です。
また、営業アシスタント職を営業事務職よりも楽しそうな仕事と誤解しており、現実を知るとすぐに辞めてしまいそうなタイプと判断されかねません。
さらに、営業アシスタント職とは直接関係のない自分の趣味や特技を自慢気にアピールしても、「職務を分かっていない」と判断されるだけです。
営業アシスタント職の志望動機の例文
ここでは、営業アシスタント職の志望動機の構成案と例文を記述しています。よく読んで参考にしてください。
私は、団体で行動する際、自分が先頭に立って行動するよりも、事前に行動計画を練ったり、ミーティング資料を作ったりするのが得意であることから、営業アシスタント職が自分にとっての適職と考えるようになり、同職に必要な資格を取得しました。
そして、多くの業種の中で御社を選んだ理由は、御社の将来性にあります。仕事は厳しく、辛いこともあると覚悟しておりますが、やはり自分が好きな分野の世界で仕事ができるという点に魅力を感じています。営業職の先輩とともに喜びを分かち合い、それが会社への貢献につながるという仕事にやりがいを感じ、御社への志望となりました。
→営業アシスタント職についてよく理解しています。入社後に必要な資格を取得しておくなど、事前準備を怠らず先を見て行動している点も好感が持てます。
営業アシスタント職の厳しさも覚悟の上で、自分を磨きたいという前向きな考え方は、まさに営業アシスタントとしての適性を感じさせます。
まとめ
営業アシスタント職を目指す就活生のために、仕事内容やアピールポイントになるスキルなどを解説しました。
自身が持つヒューマンスキルと基礎技能をアピールすることがいかに重要か理解いただけたでしょうか?
営業アシスタント職は、いわゆる「営業事務」とは異なり、営業職のよきパートナーとして営業目標に向かって二人三脚で職務を遂行する仕事です。
ただし、同じ営業アシスタント職であっても、企業によって力を入れている事業は異なってくるため、企業研究をしっかりと行ってから志望動機を作成するようにしましょう。
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