家事代行は細かい作業が多く、体力も必要で大変な仕事と思う人も多いのではないでしょうか。家事の仕事は重労働と考えると、そのように思うのも無理はないかもしれません。
しかし、家事代行は家事を行う余裕がない人をサポートする仕事であり、働く人を助けることで経済社会発展の一翼を担っています。
2020年夏にヒットしたTV番組「私の家政夫ナギサさん」の中でも描かれていましたが、家事を助けることは、女性の社会進出をサポートできるという側面もあります。
また、効率よく家事をこなすプロのスキルを学べることは、自分の家事にもプラスになるでしょう。
家事代行の最新情報
近年、共働きや単身世帯、高齢者世帯が増える中で、家事代行サービスを利用する家庭が増えています。
新規の家事代行サービス会社が次々と参入し、格安事業者も増えるなど家事代行サービスは拡大の傾向にあります。
最近はITによるマッチングサービスや予約サービスが普及しつつあり、さらに利用しやすくなっています。
家事代行は一部の富裕層が依頼するものではなくなり、多くの人にとって気軽に利用できる便利なサービスという認識に変わりつつあるのが現状です。
家事代行であると便利な資格
家事代行の仕事をするために必要な資格は特にありませんが、持っておくと便利な資格を以下で紹介します。
ハウスクリーニングアドバイザー
日本生活環境支援協会が主催している資格試験です。資格を取得することで、掃除に関してプロの知識を持ち、的確な判断やアドバイスができるスペシャリストであることが認められます。
試験では、掃除道具や洗剤などのツールに関する知識が求められ、一から独学するのは難しい内容です。
日本生活環境支援協会の認定校で対策講座が設けられているので、資格を取得するにはそちらを受講するのが確実。
資格の取得は家事代行サービスに登録する際にアピールポイントになるのはもちろん、研修での技術習得もスムーズに進むでしょう。
整理収納アドバイザー
ハウスキーピング協会が認定する資格です。資格を取得することで整理収納のプロと認められ、部屋の整理や収納で困っている人にアドバイスができます。
1~3級まであり、プロの整理収納アドバイザーを名乗れるのは1級からです。1級を受験するには2級の取得が必要ですが、家事代行サービスに登録するためのアピールなら3級だけでも十分でしょう。
クリーニングインストラクター
日本インストラクター技術協会主催で、掃除に関する幅広い知識を持ち、それを生かして掃除を行う技術のある人に与えられる資格です。
キッチン、浴室、トイレなどさまざまな場所をきれいにする技術や害虫対策などについての知識を判断する試験になります。
栄養士・管理栄養士
家事代行の仕事では、掃除のほかに料理の代行もあります。
代行サービスに登録したあとは掃除の仕事だけを請け負うこともできますが、料理もこなせれば仕事の依頼も多くなり、高給にもつながるでしょう。
料理代行も資格は特に必要ありませんが、栄養士や管理栄養士の資格があれば便利です。栄養士は、栄養面から健康な食生活をアドバイスできる能力が認められる人に与えられる資格です。
国家資格ですが試験を受けて取得するのではなく、大学や短大、専門学校など厚生労働省が指定した昼間部の栄養士養成施設で必要な課程を履修し、卒業することで資格が取得できます。
管理栄養士は栄養士の上位に位置する資格で、栄養士の資格を持つ人が国家試験を受けて取得します。管理栄養士は、栄養士よりも専門的かつ高度な栄養指導を行える資格です。
調理師
調理師の免許は、料理代行の仕事に役立ちます。料理に特化した仕事をする場合、代行サービスによっては調理師免許が必須というところもあります。
調理師免許を取得する方法は2つあり、飲食店などで2年以上の実務経験を経て国家試験に合格する方法と、専門学校などの調理師養成施設を卒業することで取得する方法があります。
家事代行の仕事内容
家事代行サービスの企業に入社してから具体的にどのような作業をするのか、以下で詳しく説明していきます。
1日に2〜3件訪問
家事代行のフルタイム勤務は8時間労働のうち、2〜3時間の仕事を数回行うスケジュールになります。
一例を挙げると、午前中に1件のサービスを行い、休憩をはさみ、午後に2〜3件訪問するというスケジュールです。
営業の仕事もこなす場合があります。例えば、午前中に1件訪問してサービスを行い、午後はサービスを知ってもらうために営業に回ったりします。
研修やトレーニングを受ける
入社後、実際に働く前に研修やトレーニングを受けます。日程は2〜3日ほどで、顧客の自宅に訪問したときの接客マナーやサービス実務に関する研修を行います。
研修の修了後も、希望者に対して料理やシッターなどの専門講座を用意している代行サービスもあり、 仕事の幅を広げ、スキルアップすることができます。
仕事開始の際は、すぐに1人で派遣されることはありません。はじめは担当者が同行し、それぞれのペースに合わせて独り立ちできるまでサポートしてくれます。
顧客の自宅を訪問する
会社に出社し、その日のサービスに向かう準備をします。朝礼やその日の連絡事項の確認などを行い、出発します。
顧客が在宅している場合もありますが、不在時は会社から預かった鍵を利用して自宅に入り、作業を行う場合もあります。
依頼内容の確認
依頼主が在宅の場合、まずその日の依頼内容を確認し、優先順位などを確認して作業を開始します。
依頼主が不在の場合は、事前に確認した依頼内容や自宅に置かれたメモ書きなどを参考に作業を行います。
家事作業を開始
依頼された家事作業を開始します。掃除や片付け、料理の作り置きなどが主な仕事です。一回あたりの家事代行サービスは2時間ほどが一般的で、長くても3時間程度です。
依頼のあった作業をしっかりこなし、物損トラブルなどがないよう、注意をしながら作業を進めます。
終了と報告
仕事が終わったら顧客と会社に完了の報告をし、火の元や戸締りの確認をして退出します。
帰社後は営業で取り付けた依頼の見積もり作成などを行います。技術や営業方法などの勉強会を行う場合もあります。
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家事代行の志望動機の書き方とポイント
志望動機を書く際は、なぜその職種なのか、その職種の中でもなぜその企業なのかを明確にし、ロジカルにアピールできるようにしましょう。
なぜその職種か
数ある職種の中でなぜその職種なのかを説明する必要があります。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えば家事代行であれば、「きれい好きで家事が得意なので、少しでも忙しい人の役に立ちたい」などといった、家事代行ならではの理由を述べるようにしましょう。
家事代行でアピールすべき強み
家事代行の仕事にエントリーするときにアピールできる強みには、どのようなものがあるでしょうか。ここでは代表的なものを3つ記してみました。
■効率的に家事をこなせる
家事が好きで得意である、効率的にこなせるということは最大の強みになります。掃除道具や洗剤の使い方や顧客へのマナーなどは研修で教えてもらえるので、心配はありません。
なによりも家事が好きで楽しみながら働ける、効率よくこなせるということが、仕事を続けていく上で大切です。志望動機でアピールできるポイントになるでしょう。
■人に喜んでもらうことが好き
家事代行は直接人に奉仕する仕事です。依頼に適った仕事をこなすことで、感謝の言葉をもらうことも多いでしょう。
人に喜んでもらうことが好きな人にとってとてもやりがいを感じ、さらに頑張ろうという気持ちになります。志望動機にも、この点を強調すると好印象になるでしょう。
■片付けること、汚れをきれいにすることが好き
家事代行に向いているのは、片付けること、汚れをきれいにすることが好きな人です。そうでなければ、細やかな配慮ができません。
好きという気持ちがあれば、決められた作業をこなすだけではなく、本当にきちんと片付いているか、しっかりきれいになっているかまで気を配ることができます。
応募する際も、積極的にアピールしたい強みになるでしょう。
なぜその企業か
家事代行サービス会社はたくさんあり、どこも同じではありません。会社ごとに強みや特徴は異なります。
例えば、CaSy(カジー)であれば「お客様に幸せな時間をお届けする」「家事代行というサービスを当たり前の存在にして女性の社会進出をサポートする」という理念を掲げています。
この家事代行サービスへの登録を志望する場合は、お客様に幸せな時間を届けるにはどのようにすべきかなど、仕事に対する姿勢を書くといいでしょう。
また、ダスキンメリーメイドでは「キレイの感動とゆとりの時間を届ける」という内容をモットーにしています。
応募の際は、お客様に感動してもらい、ゆとりある生活をしてもらうためにどう貢献するかなどを書くといいでしょう。
このように家事代行サービス会社によって特徴は異なるため、会社ごとの特徴を把握するためにも企業研究は必ず行いましょう。
実際に書く際は以下のフレームワークに沿って書いてみてください。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
・「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」
・「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」
家事代行の志望動機のNG例
以下では家事代行の志望動機NG例を紹介します。どこがNGなのかについても解説しているので、チェックしてみてください。
家事はあまり上手な方ではありませんが、研修制度もあると聞き、自分でも頑張れると思っています。
→家事代行に対し、具体的にどのような貢献ができるか触れておらず、自宅から近いことや条件が良いなど自分のメリットしか書いていません。
家事代行に対する自分の強みがアピールできていないのもNGです。また、なぜその家事代行サービスなのか、他との差別化がされておらず、説得力の欠ける志望動機です。
志望動機では必ず代行サービスの特徴や強みに触れ、それに対して自分が具体的にどのような貢献ができるかを書くようにしましょう。
家事代行の志望動機の例文
ESの志望動機の例文および考察から書き方を学び、ES作成や面接に活かしてください。
最近は共働きの家庭が増え、家事代行の需要も高まっているとされています。このような状況にアルバイトの経験が役立つことや、忙しい人の助けになりたいという思いから家事代行の仕事に携わりたいと考えています。
貴社に応募させていただいたのは、アルバイトの経験から「きれいの感動を届ける」という理念に共感できたからです。自分の掃除や片付けが得意という強みを活かし、貴社の理念に貢献できるよう、精一杯がんばりたいと思います。
→自分の過去の経験から志望理由を分かりやすく書いており、説得力を持つ志望動機になっています。
志望している理由も、志望した代行サービスのどのようなところに共感を得ているのかが分かり、具体的にアピールできている例文です。
まとめ
家事代行は忙しい人を助け、社会に貢献する大切な仕事です。働く女性が増え、これからますます需要が高くなってくるでしょう。
家事代行サービス会社の入社試験を受ける際は、会社によって力を入れている内容や経営理念は異なってくるため、比較しながら企業研究を行い、具体的な志望動機を作成するようにしてください。
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