コンサルタントと聞いて、どんな仕事をしているか業務形態がいまいちわからないという方もいるでしょう。
コンサルタントは専門知識を武器に経営についてのアドバイスするだけでなく、課題を見極め問題解決に向けた革新的な戦略や企画を提案する仕事です。
プロジェクトを実行する際には、クライアント企業の社員とチームを組み、目標達成に向けて協力し合う貴重な経験ができます。
上層部と関わることも多く、経営に大きく貢献できるやりがいのある仕事なのです。
コンサルタントのトレンド
コンサルタントのトレンドは、大きく分けて3つあります。以下で詳しく紹介します。
IT化にともなうIT系コンサルタントの需要の拡大
あらゆる業種の企業がITを活用するようになり、ITを専門とするITコンサルタント以外でも、ITリテラシーの高さは必須です。
また、コンサルタントの仕事をするうえで、データ解析は必要不可欠です。
ビッグデータ時代と言われるなかで、データ集計~分析、活用までの一連の業務は、経営戦略の基盤です。
多くのコンサルティングファームで、プログラミングの知識と高いITスキルを持つ人材への求人が増えています。
コンサルタント業務が分業から統合に
時代の変化とともに、これまで明確に分けられていた「戦略系コンサルタント」、「総合系コンサルタント」の枠組みが曖昧になり、違いが無くなってきています。
クライアントのニーズが多様化していることから、全社戦略を立てることが主だった「戦略系コンサルタント」にも、各事業でのサポートや管理が求められるようになっています。
一方、「総合系コンサルタント」は、業務プロセスとつながる全社戦略の案件を扱うようになっています。このように、両社の境目は曖昧になってきているのです。
特定のクライアントとの長期契約の増加
クライアントから高い信頼を得たコンサルタントが、契約期間終了後も契約を延長したり、リピートされたりする傾向があります。
主な理由の1つは、プロジェクト自体の長期化です。本来は、6ヵ月ほどでプロジェクトを完結させ、その間にクライアントの能力を高めて自走させる必要があります。
しかし年単位で契約し、数年に及び同じクライアントのコンサルタントをおこなうことは、クライアント企業のケイパビリティが育たない、といったマイナスの側面もあります。
コンサルタントであると便利な資格
コンサルタントの職に就くにあたり、絶対に資格が必要なわけではありません。しかし、あると採用時に有利な資格や、業務に役立つ資格もあります。
ここで、コンサルタントを目指す方におすすめの資格を3つ紹介します。
中小企業診断士(国家資格)
中小企業診断士は経営コンサルタントの国家資格で、中小企業に対する経営の相談や、課題解決の手助けをします。
ただし資格取得まで3年以上はかかると言われるほど、難易度の高い資格です。
中小企業診断士を名乗ることで、経営に関する専門的知識があることを証明できる、といったメリットがあります。
公認会計士(国家資格)
公認会計士は、会計に関する資格のなかでもトップクラスの資格です。
会計は経営に必要不可欠なものなので、公認会計士の資格があることで、コンサルタントとしての優位性や信頼性を高めることができます。
税理士(国家資格)
税理士とは、税とお金に関する専門的な資格です。コンサルタントの業務を進めるうえで、税に関する専門知識があるというのは間違いなく強みになります。
コンサルタントの仕事内容
コンサルタントの仕事内容を、すぐにイメージできない方も多いかもしれません。
コンサルタントには、実に幅広い業務があります。以下でコンサルタントの具体的な仕事の流れを紹介します。
依頼内容のヒアリング
はじめにクライアント企業の現状や依頼内容をヒアリングし、問題点を抽出します。
ここで綿密にヒアリングしておくことで、具体的な改善点を見出すことができます。
企画書の作成
問題解決のための段階的な戦略を、企画書に記します。
詳細に作り込まれた企画書があれば、クライアントが抱える問題点の改善や目標達成に向けてやるべきことを、クライアントにわかりやすく提示できます。
企業内資料の調査やミーティング
クライアント企業のもつデータ集計と分析、さらに経営計画書などの内部資料を調査し、ミーティングを行います。
この作業を詰めることで課題点が可視化され、企業側との認識のズレがなくなります。
企画に基づく業務活動の実行
経営の立て直しや目的達成に向けて、計画してきた企画を実践に移します。
この時にコンサルタントがもっとも力を注ぐべきなのは、業務を行ううえでの「段取り」です。
段取り次第で、無駄のないスムーズな業務を遂行できます。
レビュー(批評&再調査)をおこなう
足りない点や修正点を見極め、レビューしながら目的達成に近づけていきます。コンサルタントの腕の見せ所です。
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コンサルタントの志望動機の書き方とポイント
志望動機を書く際に重要なのは、なぜその職種なのか、その職種のなかでもなぜその企業を選んだのかを明確に書くことです。ロジカルな文章でアピールするようにしましょう。
なぜその職種か
コンサルタントに興味を持ち志望した理由を、具体的に書きましょう。コンサルタントになってからの明確な目標や目的まで書くと、熱意が伝わります。
コンサルタントには様々な分野があるため、自分が得意とする分野が総合系なのかシンクタンク系なのか、細かく記述するようにしてください。
志望のきっかけとなった体験なども、詳しく書くと良いでしょう。
コンサルタントでアピールすべき強み
コンサルタントは企業の上層部と打ち合わせをする機会が多いため、コミュニケーション能力が高いと活躍の場が増えます。
また、起業家目線・経営者目線で物事を考える力や向上心の強さも、非常に大きな強みです。
企画力に自信があり、刷新的なアイデアを提案することにやりがいを感じられる人や、体力があり精神的な面でも打たれ強い人は、コンサルタントに適しています。
なぜその企業か
企業によって、「戦略立案に強い」、「ITソリューションに強い」などの特徴があります。
例えばウルシステムズの場合、IT戦略立案からプロジェクトマネジメント、さらにシステム開発までを総合的に請け負い、「お客様自身にイノベーションをもたらし、戦略と技術、実行力をもってゴールに導く」という企業理念を掲げています。
このように企業ごとにプロジェクトの進め方や特色が異なるため、企業研究を入念に行ったうえで、なぜその企業を選んだのか具体的に書きましょう。
実際に志望動機を書く際には、以下の構成に沿って作成してください。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
コンサルタントの志望動機のNG例
次に紹介するのは、コンサルタントの志望動機のNG例文です。どの部分がNGなのか、その理由も細かく解説しているので、参考にしてみてください。
私はコンサルタントとしての使命の一つに、日本企業のプレゼンスを高めることが大きなものとしてあると考えています。
その難題に対してアプローチするという点に、特に魅力を感じています。
私がもしコンサルタントを職業にできたら、自分の力を発揮できると思います。
→最も重要な志望の動機が「コンサルタントへの憧れ」と書かれていますが、これではコンサルタントになりたいという熱意が伝わらず、業務内容への理解がないと思われてしまいます。
また、その企業を志望した理由が一つも記述されておらず、採用する側の心に響きません。
自分の強みとなる部分もアピールできていないため、入社後にどのように力を発揮したいのかもわかりません。
入社後に自分がどうなりたいかというビジョンも、もっと具体的に書くといいでしょう。
コンサルタントの志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文を紹介します。どの点が優れているのかも解説しているので、チェックしておきましょう。
野村総合研究所(NRI)の選考通過ESの志望動機
現在は変革の時代と言われ、先行きを予測することが非常に困難であるとされていますが、その中でも顧客のニーズを正確に把握するだけでなく、その企業に本当に必要なものが何かを常に考えることで顧客の期待以上の仕事をすることができる人間になりたいです。
私がそれを実現する場として貴社を志望する理由は、貴社の掲げる「未来創発」という姿勢に共感したからです。
私は経営コンサルタントの最も大きな価値は、自分たちでなければ考えつかないような新しいビジネスモデルを創出することであると考えており、この「未来創発」の姿勢は経営コンサルタントの第一人者となるには最適の風土であると考えています。
また、貴社が世界に選ばれる企業であるというのもまさにその結果であると思い、魅力に感じました。
→コンサルタントを志望する動機が明確に書かれており、将来自分がどのように活躍したいのかというビジョンも具体的です。
また、志望する企業の理念を十分理解したうえで、志望した理由もしっかりと書かれています。
レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
まとめ
コンサルタントには論理的思考力、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力が必要不可欠です。
経営者と直接やりとりする機会が多く、企画力や経営に関する知識、起業家的思考も求められます。
コンサルタントは高収入ですが、成果を出さなければ認められない実力主義の業種です。
企業によって求められる専門知識やスキルは異なるので、各社を比較しながら企業研究を行ったうえで志望動機を作成しましょう。
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