就職浪人とは
ここでは就職浪人と就職留年、既卒と第二新卒とはそれぞれどういうものなのかを簡単に紹介します。
就職留年:就活はしたが就職はせず、再度来年度の就職に向けてもう1年学校に通うこと
既卒:既に大学を卒業しているが正社員としての就業経験がない人
第二新卒:学校を卒業後、一度就職をしたが、数年のうちに離職し転職活動をする人
就職浪人、就職留年、既卒、第二新卒については理解できたと思います。次は就職浪人がどのくらいいるのかを紹介します。
就職浪人はどれくらいいる?
文部科学省の「令和元年学校基本調査」によると、大学学部卒業者における「正規の職員等」「正規の職員等でない者」「一時的な仕事に就いた者」「就職準備中」の割合は、下記の図のようになっています。
※就職準備中=就職浪人(公務員志願者も含む)
参照元:文部科学省/令和元年度学校基本調査
上の図によると、1番多かったのは、「正規の職員・従業員、自営業主」でした。次に多かったのは「その他」で、その他と就職浪人はほぼ同じくらいで全体の4%でした。
最近は納得いく内定を獲得したいという目的や大学卒業後海外に留学するという目的で、就職浪人する人も少なくないようです。
続いては就職浪人のメリット・デメリットについて紹介していきます。
就職浪人のメリット・デメリット
就職浪人のメリット・デメリットはどういったものがあるのでしょうか。それぞれについて解説していきます。
就職浪人のメリット(1):自分の将来像について改めて考えることができる
初めて就活を行う場合は時間も余裕もないため、本当にやりたいことがいまいちわかっていない状態で就活を進めざるを得ないという人も多いです。
しかし、就職浪人の場合は約1年、就活期間が延びるため、自己分析や自分の将来について考える時間を十分に取ることができます。
そのため、より精度の高い志望動機や自己PRを作成することができるでしょう。
自己分析のやり方が知りたいという方に向けて、自己分析に関する動画と記事を紹介しますので、自分に合ってる方を参考にして行ってみてください。
就職浪人のメリット(2):就活を1からやり直すことができる
ESの書き方やグループディスカッション、WEBテスト、面接などの対策を一から行えるため、自分の悪かった点を改善することができます。
また、自己分析や業界研究も再度やり直すことができるため、自分自身に関することや、業界・企業について、より深く知ることができるでしょう。
就職浪人のメリット(3):精神的に余裕がある(アドバンテージがある)
一度就活を経験しており、就活はどのように行われるのか、面接ではどのような質問をされるのかについての知識があるため、初めての就活生よりも有利に就活を行うことができます。
また、1回目の就活生の場合、頼れる人は限られてしまいますが、就職浪人であれば就活を終えている友人がほとんどであるため、頼れる人が多いというのも有利な点です。
続いては就職浪人のデメリットを3つ紹介していきます。
就職浪人のデメリット(1):新卒としてエントリーできない企業がある
企業によって異なりますが、就職浪人の場合既卒扱いとなり、中途採用枠での応募になることがあります。
中途採用枠になってしまうと新卒採用のようなポテンシャル採用ではなく、スキルを求められる場合も多いため、選考を通過するのが難しくなってしまうでしょう。
既卒でも卒業後1~2年以内は新卒扱いをしてくれる企業もありますが、企業からすれば新卒時から若干のブランクがある既卒よりも、新卒の方が不安材料が少ないとされているため、新卒の方が有利といえます。
就職浪人のデメリット(2):より高いスキルが必要とされる
上述したように就職浪人は既卒扱いになることが多いため、新卒採用よりも高いスキルを求められることがあります。
また、就職浪人をした場合面接の際に「就職浪人中に何をしていたのか」を聞かれることが予想されるため、就職浪人中の自己研鑽の質が評価に影響を与えると言えるでしょう。
就職浪人のデメリット(3):面接官にマイナスの印象を持たれやすい
本記事の冒頭でもお伝えしたように、学生の大半が就活で内定を獲得し大学卒業後社会人になります。
そのため企業は就職浪人の学生に対し「この人はちゃんと就活をしていたのか」「何か問題があるのではないか」といったマイナスの印象を持ってしまうことがあります。
「就職浪人すれば全て最初からやり直すことができる」という単純なものではありません。
就職留年のメリット・デメリット
ここまで就職浪のメリット・デメリットについて紹介してきました。
続いては、就職留年のメリット・デメリットを紹介していきますので、メリット・デメリットを把握した上で自分にはどちらが合うか考えてみてください。
就職留年のメリット(1):新卒として就活をすることができる
就職浪人の場合と異なり、既卒ではなく新卒として選考に参加するという点が就職留年の大きなメリットです。
日本の新卒採用はポテンシャル採用であることから、スキルではなく人間性や性格、特性を特に重視しています。
就職留年のメリット(2):大学主催の就活イベントに参加することができる
大学で開催される説明会などのイベントに参加をすることができます。
また、大学によっては在学生のみキャリアセンターを利用できるケースもあるそうなので、就職浪人よりも誰かに相談ができる環境が整っていると言えるでしょう。
就職留年のメリット(3):交通費の学割を利用することができる
就活で企業を訪問する際には非常に多くの交通費がかかります。
そのため、学割で定期を発行することで交通費を安く済ませることができるのというのもメリットの1つであると言えるでしょう。
続いては、就職留年のデメリットを紹介します。
就職留年のデメリット(1):1年分余計に学費がかかる
交通費などは抑えられる一方で学費が1年分多くかかるため、金銭的負担が大きいのがデメリットです。
私立大学の場合は学費が高い傾向にあり、家族に負担をかける恐れがあります。
また、家族からの援助がない場合、生活費や学費を自力で稼ぐ必要があることから、就活に時間がかけられない可能性もあるでしょう。
ただし、大学によっては卒業延期制度を設けている場合があります。学費が減額される可能性もあるので、気になる方は大学に問い合わせてみましょう。
就職浪人で失敗する人の特徴
以下で就職浪人で失敗する人の特徴を紹介します。就職浪人を考えている人は、なぜ失敗してしまうのか原因を把握し、自分の就活時に役立てましょう。
就職浪人で失敗する人の特徴(1):なんとなく就職浪人している
就職浪人したはいいものの、やりたいことが見つからず、なんとなくで就職浪人期間を過ごしてしまうと、いつのまにか二度目の就活も終わっていたということになりかねません。
就職浪人期間が長くなればなるほど、企業からマイナスの印象を持たれやすくなってしまうため、就職浪人期間を有意義に過ごすようにしましょう。
就職浪人で失敗する人の特徴(2):就活仲間がいない
就活は情報戦と言われているくらい、情報量の差が合否に大きく影響します。
そのため一人で就活をしていると、就活仲間と協力して就活を進めている人より、どうしても得られる情報が少なくなってしまいます。
自分一人だけでは得られる情報にも限りがあるため、同じ業界を目指している就活仲間を作ることで様々な情報を得ることができるでしょう。
就活浪人ではなく就活留年を選択した就活生の声
繰り返しにはなりますが、就職浪人は大学在籍中の就活よりも選考基準が高く、難易度が高いと言われいます。
ゆえに確固たる目的がない場合を除いては就職浪人は避けることが望ましいでしょう。
以下では、就職浪人ではなく就職留年を選択した21卒のMさんの声をご紹介します。
「新卒採用の枠で就活したかった」
もう一度就活をしようと思った時に、先輩に話を聞いたり、簡単に自分で調べたりして、やっぱり新卒枠と比較すると既卒は採用の枠がせまいなと感じたので就職留年を選びましたね。
就職留年のメリットとしては、実際に就職留年してみて、去年とあまり変わら無い状態で就活を行うことができている点だと思いますね。 もし留年ではなく浪人を選択していたら、「採用枠が少ないな」と感じていたかもしれないし、就活がやりづらくなっていたかもしれませんが、今は何も変わらず就活ができているので、それは就職留年の良い点だと思います。
あとは就職留年はまだ学生なので、気持ち的に「まだ学生だしな」という安心感を持ちながら就活できているところも良かったなと思います。 もし既卒だったら「俺卒業しているのに仕事もないのか…」という焦りを感じながら就活をしていたかもしれないので、気持ち的にも楽ですね。
僕的には自分の経験を通して、1番良いのはその年に内定を獲得することですが、就職浪人するよりは就職留年の方が良いと思います。
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就職浪人を決定する前にやるべき2つのこと
ここでは就職浪人を決定する前に行うべきことを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
(1)就職浪人が自分の人生にとってベストなのか考える
就職浪人しようか迷っている人は、まず自分の人生の目標や目的を考えてみてください。
そして、自分の目標を考えた時に就職浪人という選択肢が最適な手段なのかを考えます。
就職浪人以外にも、就職留年やフリーター、留学などと、様々な選択肢が存在するため、まずは自分の目標を明確にしてから考えるようにしましょう。
(2)就活エージェント&キャリアセンターに相談する
明確な目的のもと就職浪人を決意した場合、次は就活エージェントやキャリアセンターなどに相談するのがオススメです。
就活エージェントでは、就活に関する悩みや相談に乗ってくれる個人面談や、最初に行った面談の内容を踏まえた上での企業紹介、企業目線での履歴書・ESアドバイス、各企業の評価基準をもとに面接のアドバイスなどをしてくれます。
そのため、自分ひとりではどうしたらいいかわからないという人は相談してみても良いでしょう。
さらに時期によっては即日内定や2週間で内定が出る企業などの選考ルートを教えてもらえる場合もあります。
就活エージェントで受けられる具体的なサービス内容や良いエージェントを選ぶ際のポイントについて知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
本記事では、就活エージェントのサービス内容の紹介やエージェントを選ぶ際のポイント、エージェントの効果的な活用方法について解説をしていきます。
不利にならないためにも就職浪人するならすべきこと
不利にならないためにも就職浪人期間中にすべきことを3つ紹介します。
本記事で紹介しているように、就職浪人には様々なデメリットが存在するため、少しでも好印象を与えられるように、過ごし方には注意しましょう。
就職浪人するならすべきこと(1):就職浪人した理由を明確にする
就職浪人すると、面接時に「なぜ就職浪人をしようと思ったのですか」「就職浪人中に自分が成長したことを教えてください」などの質問をされる可能性が非常に高いです。
人によっては「希望企業から内定が出なかった」「そもそも内定がもらえなかった」などと頭に浮かぶかもしれません。
ですが一般的にそのような理由を話したとしても、面接官は良い印象をもつことはありません。むしろ「自己中心的な考えが強いと判断されてしまう場合もあります。
ゆえに就職浪人をした納得感のある理由を話す必要があります。
以下で「なぜ就職浪人をしたの?」に対する回答例について紹介しますので、思いつかないという人は参考にしてみてください。
就職浪人するならすべきこと(2):就職浪人期間にスキルを身に着ける
上述したように、面接では就職浪人中の過ごし方を聞かれることが予想されるため、何もせずだらだらと過ごしてしまうとマイナスな印象を持たれてしまう可能性があります。
一方で、就職浪人期間中の過ごし方をうまくアピールすることができれば、好印象を与えることもできます。
そのため就職浪人中は志望業界で役に立つ勉強などを行っておくと良いかもしれません。
どんな勉強をすべきかは志望業界によります。
例えば、英語を使うことが多い業界であれば、英語の勉強をしておく、不動産業界であれば宅地建物取引士(宅建)の資格を取得するなど、自分に必要なものを学んでおきましょう。
そうすることによって、志望度の高さをアピールすることができるはずです。
就職浪人するならすべきこと(3):早めに選考対策をする
就職浪人をする場合は早めに選考対策を始めましょう。
まだ時間があるからとのんびりしてしまう人もいると思いますが、あまりにものんびりしてしまうと、気づいたらもう時間がないといった状況にもなりかねません。
時間をかけた方がより精度の高い選考対策ができるため、早めに行うことをオススメします。
そこで、今回は面接での正しい答え方や、面接官のタイプ別の特徴・対策方法を紹介します。
まとめ
本記事では就職浪人のメリット・デメリットや、就職浪人期間中にすべきことについて紹介してきました。
就職浪人という選択肢が悪いわけではありませんが、本記事で説明したように様々なデメリットやリスクが存在するため、しっかりと把握した上で選択するようにしましょう。
また、学費はかかってしまいますが、就職浪人よりも就職留年の方が就活の難易度としては低くなるため、就職留年も検討してみることをオススメします。
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