●自己PRの文字数が少なすぎて何を書くべきかわからない時は、『結論(強み)』と『エピソード(強みがあることを裏付ける内容)』の2つに絞って伝える。
●自己PRの文字数が多すぎて何を書くべきかわからない時は、[結論・エピソード・結果・意気込み]という4つの要素の中でも特に『エピソード』を深掘りし、具体的な説明を追記する。
- 「自己PRの記入欄に文字数の指定がない場合、何文字で書けばいい?」
- 「文字数によって自己PRに書くべき内容って変わるの?」
履歴書やESを作成している際に、上記のような疑問を感じる就活生は少なくないでしょう。
また文字数の指定があってもなくても、どのくらいの文量を書くべきか悩んでしまう人もいると思います。
そこで本記事では『文字数制限別の自己PRの書き方やポイント』を紹介しています。また150字・200字・300字・400字・600字ごとの自己PRの例文も掲載しています。
これから自己PRを作成しようと考えている就活生は是非参考にしてください。
自己PRの文字数は何文字が最適?
自己PRはただ長く書けば良いというわけではありません。
自己PRが長すぎると、内容が伝わりづらくなったり「まとめる能力がない」と思われてしまったりする可能性があります。
また逆に自己PRが短すぎても「志望度が低い」「自己分析が足りていない」などとネガティブな印象を持たれてしまう可能性もあるでしょう。
そのため履歴書やESで自己PRを記入する際は『300字程度』を目安に作成するようにしてください。
あくまでこの300字は文字数制限がなかった場合に適切な文字数です。自己PRの記入欄に文字数制限が設定されている場合は、その文字数に合わせて内容を変更し記入するようにしてください。
評価される自己PRの基本構成
就活の履歴書やESに記入する自己PRは、以下のフレームワークに沿って書くことを意識してください。
結果:エピソードから学んだことを伝える
意気込み:入社後その強みをどう活かすかを伝える
以下では上記の4つの要素に対して、具体的にどういう内容を記載すべきかを紹介していきます。
フレームワークの各要素の例文は、日清オイリオグループの内定を獲得した22卒就活生の自己PRを参考に確認してみましょう。
●結論: 緑 ●エピソード: 青 ●結果・学んだこと: ピンク ●入社後: オレンジ
1. 結論(強み)
自己PRを書く際、まず最初に「私の強みは〇〇です」などと自分の強みを端的に伝えます。
最初に結論を伝えることで、その先にどういった内容が続くのかを聞き手側が想定できるため、その後のエピソードを理解してもらいやすくなります。
2.エピソード
次に、結論で伝えた強みが備わっていることを裏付けるエピソードを伝えましょう。
ここではできるだけ具体的なエピソードを伝えるために、その出来事の中で生じた課題・目標や、その課題・目標に対してどのような考えを持ち、どのような行動をとったのかについて詳細に書くようにしましょう。
3.結果・学んだこと
エピソードの次は、自分の取った行動によって、どのような結果に繋がったのかを書きましょう。
その際、誰が読んでも正しく結果を理解してもらうためにも、できるだけ数値で示し定量的に伝えることを意識してください。
4.入社後の意気込み
就活の自己PRでは、新卒採用担当者から「この学生は自社で活躍するポテンシャルがある!」と思ってもらうことが非常に重要です。
そのため最後は、上記で伝えたエピソードを通して何を学んだのか、その学びや強みを活かして入社後どのように活躍したいと考えているのか、意気込みを伝えましょう。
上記の要素を300字で詰め込むと以下のような自己PRが完成します。
引用:unistyle/日清オイリオグループ22卒内定(生産技術・生産管理職)
自己PRの詳しい書き方については以下の記事で紹介しているので、自己PRを考える際は是非あわせて確認してください。
好印象を残す自己PRを作成する際のポイント
ここでは好印象を残す自己PRを作成するためのポイントを5つ紹介します。これから自己PRを作成する就活生は以下のポイントを意識して作成してみてください。
1.企業の求める人物像を調べる
企業は[自社の利益を生み出してくれる人材]を採用したいと考えているため、あなたがどんなに素晴らしい能力をアピールしたとしても、その能力が志望企業もしくはその職種・業種で活かせない強みだった場合、高評価を得ることは難しいです。
そのため自己PRの作成をする際は、先ず初めに企業のホームページや採用サイトに掲載されている募集要項を確認し、志望企業が求める人物像や能力を把握してください。
その上で、企業のニーズに合った自分がアピールすべき強みやエピソードを考えましょう。
就活生の中には、エントリー企業すべてに同じ内容の自己PRを使いまわしている人もいるでしょう。しかし企業によって求める人物像は異なります。
そのためエントリー企業それぞれのニーズに合った自己PRを作成するようにしてください。
2.エピソードは1つに絞り、具体的に書く
自分の良さをたくさん伝えたいという思いからエピソードを複数記載している就活生もいるでしょう。しかし基本的にエピソードは、1つに絞って伝えた方が効果的です。
なぜなら自己PRでは限られた文字数の中で自分の良さやあなたの人柄・強みを伝えなければならないため、複数のエピソードを伝えようとしてしまうと、1つひとつのエピソードが薄くなってしまうからです。
またエピソードが抽象的になってしまうと「この学生は本当にその強みを持っているのか?」と不信感を持たれてしまう可能性があります。
そのため自己PRを作成する際は、1つのエピソードを通して、あなたがどのように感じ、どのような行動を取って、どのような結果・強みを得たのかを具体的に記入し、本当にその強みが備わっていることを証明できる内容にしてください。
3. 記述欄の8割以上を埋める
履歴書やESの自己PRの記入欄を見た時に、空白が多いと「やる気がない」「そこまでの熱意がない」とネガティブに受け取られてしまう可能性があります。
そのため自己PR記入欄の[8割程度]は埋めるつもりで記載するようにしてください。
手書きで作成する場合は、文字の大きさは小さすぎず、読みやすさを意識した字間・字の大きさで作成するようにしましょう。
4.強調部分には「」を使う
採用担当者は1日にたくさんの自己PRを読んでおり、文章が長い場合流し読みされてしまう可能性があるため、読み手の目に留まるような工夫が必要です。
その1つとして強調したい部分に「」や[]、『』といった鍵括弧を使うのもオススメです。
鍵括弧を活用することで自然とその部分が強調されるため、読み手の目に留まり印象を残すことができるでしょう。
とはいえ、鍵括弧を使いすぎると逆効果になる場合もあるため、強みの部分であったり、将来どう貢献したいかだったり、大事な部分のみに鍵括弧を使ってみてください。
5.ネガティブな内容や余計なことは書かない
自己PRではできるだけネガティブな表現は使わず、意識的にポジティブな表現に変換するようにしてください。
なぜならネガティブな表現が多いと、それだけであなたの印象が悪くなってしまい「愚痴が多そう…」「一緒に働いても何か問題が起きそうだな…」と懸念されてしまう可能性があるからです。
自己PRで伝えているエピソードは同じだったとしても、ネガティブな表現とポジティブな表現では読み手側の印象は大きく変わるため、自己PRでの言葉選びはできるだけポジティブで前向きな印象を与えられるものを選ぶようにしましょう。
【文字数別】自己PRの書き方と例文
ここでは自己PRの例文を[150字][200字][300字][400字][600字][600字以上]の文字数別に紹介していきます。どのようにまとめられているか参考にしてみてください。
●結論⇨ 緑 ●エピソード⇨ 青 ●結果・学んだこと⇨ ピンク ●入社後⇨ オレンジ
【150字】自己PRの書き方と例文
少ない文字数制限の中で[結論+エピソード+結果]が詰め込まれており、簡潔でわかりやすい自己PRです。
「いかなる状況でも最善を尽くす勇気と行動力があります」という結論から始まる自己PRにできると、より読み手が読み進めやすい文章となるでしょう
【200字】自己PRの書き方と例文
結論にあたる一文目が長いため、結論として伝えたい部分なのか、エピソードなのかが少しわかりづらくなっています。そのため現在、結論箇所(ピンク)となっている「私は人間関係の構築には自信があります」という部分を強みとしても良いでしょう。
活動を通して、「一部地域ではごみのぽい捨てが減少したという経験」を得たことはわかりますが、「この経験を通してあなたがどのようなことを学んだのか?」といった点も追記できると、あなたの考え方が伝わる自己PRになるでしょう。
【300字】自己PRの書き方と例文
引用:unistyle/日立システムズ24卒内定者(システムエンジニア)
エピソードが数字を用いて定量的に記入されていることから、調整力という強みがどのくらいの人数の中で発揮されていたのか伝わる自己PRになっています。また300字という制限があることから、語尾を[だ・である調]にすることで文字数を抑えているのも良い点です。
上述で紹介した4つの要素が全て綺麗に含まれており、非常に簡潔で読みやすい自己PRです。文字数が多い企業に自己PRを提出する際は、「行動している中で苦戦したことは?その際どのような工夫をしたのか?」といった点も組み込むことができると、あなたの人柄が伝わるさらに良い自己PRになるでしょう。
【400字】自己PRの書き方と例
引用:unistyle/村田製作所24卒内定者(商品開発・設計)
上述でお伝えした自己PRに必要な4つの要素が紹介した順序で含まれており、読み手が理解しやすい自己PRです。技術職で求められるであろう[分析力]という強みをアピールしている点、入社後の意気込みで「技術者として成長したい」と締めている点も高評価に繋がっていると考えられます。
「相手を一面的に判断せず多角的な分析をすること」「最適な人員配置を実現させた。」とは具体的にどういう行動だったのでしょうか?抽象的な表現になっているこの2箇所が具体的に伝えられるとさらに良い自己PRになるでしょう。
【600字】自己PRの書き方と例文
退塾の原因は生徒と講師の相性不一致だった。そこで私は生徒の要望を把握し話題や授業スタイルが合うような講師と授業を設定するため個別面談を実施した。個別面談を行う上で困難が二つあった。一つ目は、100人以上いる生徒との面談を行う時間の確保だ。他講師との信頼関係を活かして協力を仰ぎ、分担して面談を行うことでこれを解決した。二つ目は、短い面談の中で生徒の本音を引き出すことだ。このために日頃から生徒皆に声をかけ面談外で定期的な会話時間を創出することに加え、生徒との会話の際は目線を揃え共通の話題を持つことを意識した。 その結果生徒の多くが心を開き本音を話してくれるようになった。
そして個別面談で得た情報をもとに生徒それぞれにあった講師を提案した。その結果相性不一致が改善され退塾者数は2人に大きく減少した。さらに生徒と講師の距離が縮まり以前に比べ会話が飛び交う活気ある塾へと生まれ変わった。 私の「主体的に取り組む姿勢」、「人を巻き込む人間性」、「一人一人と向き合う誠実さ」が現れたエピソードである。
この自己PRはエピソードから始まっているため、最後まで読み進めないとあなたのアピールしたいことがわかりづらくなってしまっています。エピソードは具体的であなたに強みが備わっていることが伝わる内容になっていますので、是非構成の順番を入れ替えて、読み手に優しい文章にすることを意識してみてください。
引用:unistyle/東日本高速道路(NEXCO東日本)24卒内定者(事務系)
エピソードが2つ記載されていますが、結論の次の文章で「高校と大学で発揮しました」と記載されているため、読み手が混乱することなく読み進められます。
しかし「どのように勉強を進めれば目標を達成できるかを月に1回考えました」など一部抽象的な箇所もあるため、エピソードを高校・大学どちらかに絞り「具体的に何をどう考えてどのような結論がでたのか?」といった要素を含めるなど、さらにエピソードを深堀した内容に変更してもあなたの人柄・性格が伝わる自己PRになるでしょう。
【600字以上】自己PRの書き方と例文
大学3年生から、バイト全員が働きやすい環境作りを目標に掲げバイトリーダーに就任しました。しかし就任直後、後輩数人が立て続けに離職してしまい、その後も離職が続いた場合店員が足りなくなる可能性がありました。私はバイトリーダーとして今回の離職が起きてしまったことに責任を感じ、これ以上の離職は阻止したいという考えが芽生えました。
まず原因調査をしたところ、離職の直前に新店長が赴任したことで、接客の質を重視するパート店員と店の回転を重視する店長とで指揮系統が分裂したことだと判明しました。そこで、双方の考えを両立した指揮系統の確立が必要だと考えました。
そして、体制改革のための会議の場を設けるために、店長やパートを含めた各店員に、可能な限り自分の考えを発信し続けました。
この経験から、積極的に自分の考えを口に出し行動に移していくことで、組織全体により良い影響を与え、一体感を強めていくことやりがいを感じました。また、問題解決にあたって、異なる視点から意見を出し合い共有することの大切さを学びました。
貴社においても、様々な立場の人々と共に働くにあたり、お互いの思いを伝え合い共有していくことで、より良い信頼関係を築いていきたいです。(788字)
文字数制限に合わせエピソードが具体的に記載されており、あなたが課題に対しどのように考え、行動をしたのかが伝わる非常に良い自己PRです。
文字数に合った自己PRが書けないときは?
ここまで好印象を残す自己PRの書き方や文字数ごとの例文を紹介してきました。
しかしいざ文字数制限に合わせた自己PRを作成しようとすると「文字数が足りない」「文字数が多すぎる」といった壁にぶつかったことのある就活生もいるのではないでしょうか?
ここでは上記のような場合の対処法を紹介します。
文字数が少なすぎて何を書けばいいかわからない時
自己PRの文字数制限が少ない場合は、伝えるべき要素を絞り要点のみを伝えましょう。
具体的には、結論となる[あなたの強み]とあなたにその強みが備わっていることを証明できる[理由とエピソード]、この2点を伝えます。
結論や理由に関しては省略してしまうと自己PRを通して伝えたいことがぼやけてしまうため、エピソードをシンプルにすることで文字数を抑えると良いでしょう。
また文字数制限が少なすぎる場合、最初から文字数にあった自己PRを作成しようとすると難しいと思いますので、まずは300字程度を目安に作成してから余分な表現や句読点などを削り文字数を抑えるようにしてみてください。
その他、文章の語尾を[です・ます調]から[だ・である調]に変えることも1つの手です。
文字数が多すぎて何を書けばいいかわからない時
文字数制限がない場合は『300字程度』が適切とお伝えしましたが、企業によってはその倍以上の文字数で作成した自己PRを求められます。
このように求められる文字数が多い場合、企業は自己PRを通してより深くあなたの性格や考え方などの人柄を知ろうとしていることが考えられます。
そのため上述にてお伝えした自己PRに必要な4つの要素の中でも、エピソード(強みが備わっていること証明する内容)をさらに具体的に伝えることを意識してください。
その際「なぜ行動しようと思ったのか?」「具体的にどのような行動をしたのか?」「何を学んだのか?」といったあなたがどのように考え行動したのかが伝わるような、[あなたならではの要素]を追記できると良いでしょう。
また就活生の自己PRに[入社後の意気込み]まで書かれていることは多くありません。
そのため最後に「本経験で発揮した壁に当たっても諦めずにやりきる力を、貴社で研究開発者として活かしたい。(TOPPAN25卒内定者)」というように、入社後に自身の強みをどう活かそうと考えているのか、を伝え自分を採用するメリットを提示できると良いでしょう。
もしくは最後に「以上のことから私の強みは○○です」というようにあらためてアピールポイントを伝えることも、好印象を残すための手法の1つです。
最後に
履歴書やESに記入する自己PRの基本的なフレームワークは同じですが、文字数によって含むべき内容は異なります。
文字数制限がない場合は300字を目安に、文字数制限がある場合は企業が指定した文字数に合わせて内容を修正するようにしてください。
もしも自身が考えた自己PRに自信が持てないのであれば、志望する企業の先輩社員や大学のキャリアセンター、就活エージェントに添削を依頼してみると良いでしょう。
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- 「自己PRのためのエピソードの選び方がわからない…」
- 「自分の自己PRがアピールになっているのか自信がない…」
- 「履歴書の自己PRと面接の自己PRは別のエピソードにすべき…?」
このように就活に関する悩みは人それぞれです。
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