●面接で聞かれる最後に一言に対する回答も選考の合否に影響する可能性がある。
●面接で最後に一言を聞かれた場合は『自分の強みを補足する内容』『熱意・志望度の高さをアピールする内容』『面接官への質問』『面接のお礼』などを伝えると良い。
面接では「最後に一言ありますか?」と聞かれることがあります。しかし、「回答を用意していなかった」「何を答えれば良いのかわからない」と回答に困ってしまう就活生も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、本記事で説明している「なぜ企業が最後に一言を求めてくるのか」を把握し、どのような内容を話すべきか理解しておくことが大切です。
また、最後の一言として好印象となりやすい内容とその回答例も紹介していますので、是非参考にしてみてください。
面接で「最後に一言ありますか?」と質問する意図
まずは、企業側が「最後に一言」を質問する意図を紹介します。
企業側は単に締めの言葉がほしいわけではなく、明確な目的を持って聞いています。
面接官の意図に沿った回答ができるように、まずは最後の一言を聞いてくる目的を正確に把握しましょう。
面接で把握できなかった人柄を知るため
「最後に一言ありますか」と質問する1つ目の意図は、面接で把握しきれなかった就活生の人柄をもっとよく知りたいという目的があります。
ほとんどの就活生は面接で話す内容を事前に準備してきているため、似たような回答になりがちです。当たり障りのない回答ばかりで、就活生独自の個性が見えない場合もあるでしょう。
そこで、「最後に一言」という事前に準備してなさそうな質問をすることで、就活生の人柄や熱意を見極めたいと思っているのです。
言い換えると、最後の一言から『自社に合う人材かどうか』を判断しているということになります。
そのため、「最後に一言ありますか?」と質問された際には、面接で伝えきれなかった強みの補足や、入社に向けたやる気・熱意をアピールするなど、自身の人柄や個性が伝わる内容にしましょう。
最後にアピールのチャンスを与えるため
「最後に一言ありますか?」と聞くもう 1つの意図は、面接の最後にアピールチャンスを与えるためです。
どんなに優秀な人材でも、面接で緊張してしまいうまく話せなかったというケースはよくあります。
そのような就活生に向けて面接官はこの質問を聞いています。
一通りの質問が終わったころは就活生の緊張もだいぶ落ち着いてくるため、最後の一言で力を出し切ってくれることを期待しているのです。
面接官は最後の一言も採用の参考にしているため、与えられたチャンスを逃すことなく、しっかりアピールすることが大切です。
もしも面接の前半でアピールが足りなかったと思うところがあれば、最後の一言を使ってしっかり補足や追加をおこないましょう。
面接で聞かれる「最後に一言」は合否に影響する?
「最後に一言ありますか?」という質問って合否に影響するのかな?と思っている就活生もいるでしょう。
面接では、就活生の発言1つひとつが評価対象となります。そのため、「最後に一言」に対する回答も合否に影響すると言えるでしょう。
「終わりよければすべて良し」という言葉や「ピーク・エンドの法則※」があるように、最後は印象に残りやすい場面です。
例えば、レストランの料理がとても美味しくても退店時の店員の対応が不快であれば全体の印象が下がってしまったり、反対に、隣の席がうるさく不快に感じていても、店員が最後に丁寧に謝罪をしてくれると印象が上がったりすることがありますよね。
面接でも同じように、「最後に一言」で何を話すかがあなたの印象に良くも悪くも大きく影響するため、「最後に一言」は予め対策をしたうえで、しっかりと答えられるようにしておきましょう。
※ピーク・エンドの法則とは、「人はある出来事に対し、感情が最も高まったとき(ピーク)の印象と、最後の印象(エンド)だけで全体的な印象を判断する」という法則です。
面接の「最後に一言」で伝えるべき内容
面接で聞かれる「最後に一言ありますか?」という質問で、何を答えればいいのかわからないという就活生もいるでしょう。
そのような人に向けて、以下で面接官に好印象を持たれやすい内容を4つ紹介します。面接官が「最後に一言」を問う理由をしっかりと理解したうえで、自分にあった内容を選んでいきましょう。
自分の強みを補足する内容
面接は「面接官に自分を売り込む」時間です。つまり、自分を採用することで得られるメリットを感じてもらう必要があります。
だからこそ、最後に自分の強みを改めて強調することで、面接官に採用メリットを強く印象付けることができます。
特に、面接の中で自分の強みを伝える機会が少なかった、思った通りに話せなかったという人は、最後のチャンスと考えて積極的にアピールしていきましょう。
熱意・志望度の高さをアピールする内容
「最後に一言」を活用して、もう一度、その企業を志望する理由や入社したいという思いを伝えることも効果的です。
選考が進めば進むほど『志望度の高さ』が学生を比較する要素の1つとなっていきます。
そのため、面接官に「この学生は熱意があり志望度も高い」と思ってもらうことができれば、選考突破に大きく近づくことができます。
この場合、エントリーシートや面接ですでに話した内容を述べるのではなく、自分が1番伝えたい企業の魅力や貢献できる点などを伝えると良いでしょう。
面接官への質問
面接官に企業や業務に関する逆質問をしてみるのも良いでしょう。入社を見据えた質問をすることで、志望度や入社意欲の高さをアピールすることができます。
逆質問する場合は、『社内の人でなければ答えられない質問』をすることが望ましいです。積極性や意欲の溢れる質問は、面接官に好印象を与えることができます。
反対に、インターネットに載っている(=調べたらわかる)ようなことを質問するのは避けましょう。質問によっては知識不足だと考えられ、マイナスな印象につながる恐れがあります。
面接のお礼
「伝えたいことは全部伝えきれた」と満足のいく面接ができた場合は、無理に「最後に一言」を絞りだす必要はありません。
しかし、何も答えないのはマイナスな印象を与えてしまう恐れがあるため、そのような場合は「面接のお礼」を述べて感謝を伝えるのが良いでしょう。
お礼や感謝の気持ちを伝えられて嫌な気持ちになる面接官はいないはずです。また、礼儀正しさや真面目さをアピールすることにもつながります。
お礼を伝える場合は、「本日はありがとうございました」という一言だけではなく、「本日はこのような面接の機会をいただきありがとうございました。面接の中で御社が環境問題に力を入れているということをよく知ることができ、さらに御社で働きたいという気持ちが強まりました。御社での仕事を通じ、社会貢献ができたらと考えています。」というように、感想や自分の考えを交えたお礼を伝えましょう。
面接で「最後に一言」を答える際のポイント
ここでは「最後に一言ありますか?」という質問に答える際のポイントを紹介します。
面接は、面接官とコミュニケーションを取る場です。全く同じ内容であっても話し方が違えば印象は大きく異なります。
そのため、以下で紹介するポイントをしっかりと理解し、内容だけではなく言葉や話し方にも意識を向けて話すようにしましょう。
クッション言葉を入れる
最後の一言で、すでに伝えている内容をさらに補足して伝えてしまうと、面接官に「同じ回答を繰り返しているだけ」と捉えられてしまう可能性があります。
これを防ぐために『クッション言葉』を使うことを意識してください。
この場合のクッション言葉とは、「志望動機でも申し上げましたが」「再度のアピールとなってしまうのですが」「ESにも書かせていただきましたが」「繰り返しになりますが」などが挙げられます。
このような言葉を挟んだうえで補足することで、より効果的にアピールすることができるでしょう。
話し方に気を配る
繰り返しになりますが、面接はコミュニケーションの場です。いくら好印象を抱かれやすい内容だったとしても、自信のない話し方や棒読みでは面接官に伝わりません。
そのため、「最後に一言」の回答においても気を抜くことなく、話し方を意識することが大切です。
特に、熱意や強みをアピールする際は、アイコンタクトはもちろん、抑揚をつけることや、はっきり話すのが効果的です。
面接での回答と一貫性を持たせる
最後に一言を伝える際は、面接の内容を踏まえた上で答えることが大切です。
いろんな強みをアピールしたいという気持ちから、面接で伝えた内容と矛盾した話をしてしまうと「さっきと言ってたことが違うな…?」と不信感を持たれてしまう可能性があります。
面接全体で一貫性を持たせることを意識しましょう。
面接で聞かれる「最後に一言」の回答例文10選
これまでの説明で、最後に一言を伝える際の流れについては理解できたと思います。
ここからは、よくある「最後に一言」の回答例を内容別に10個紹介します。
以下の内容を参考にし、もしも自分が聞かれたらどう答えるのかを事前に考えておき、本番で聞かれたときにスムーズに回答できるようにしましょう。
自分の強みを補足したい場合
■例文1
中学、高校時代は父の転勤が多く3回も転校を経験しましたが、転入したクラスではその日にみんなと打ち解け友人をたくさん作ってきました。
このようなコミュニケーション力が高いという私の強みは、御社の「顧客へのサービス第一」という方向性にも存分に活かせると考えています。
■例文2
高校時代は文化祭の委員などに積極的に立候補していました。催しの企画を立ててスケジュールを組み、実行するなど、常に他の生徒の先頭に立っておこなってきた自負があります。高校2年の時には、隣の県で大規模な豪雨災害が起こりましたが、その際はクラスで支援の呼びかけをおこないました。家にあるものを持ち寄る提案をして、たくさんの援助物資を送ることができました。
入社後もこの行動力を活かし、御社の業務に貢献したいと思っています。
熱意・志望度の高さをアピールしたい場合
■例文1
私の父は10年前に重い肝臓病を患いましたが、最新の医薬品によって一命を取り止めたという経緯があります。この経験で私は新薬の開発が多くの人を助けることを痛感し、自分もこのような仕事の一翼を担いたいと強く思うようになったのです。
開発への取り組みで先端を走る御社に貢献し、少しでも多くの人を助けたいと考えています。本日の面接で御社が海外進出を本格的に進めているというお話を聞くことができ、入社して貢献したい気持ちがさらに強くなりました。
■例文2
高校時代は本格的にTOEICの試験に挑戦し、大学1年のときには830点を獲得しています。現在も英会話スクールに通い、ビジネスコミュニケーション能力を鍛えているところです。
これからさらにスキルを磨き、御社の仕事に貢献できるよう努力していきたいと考えています。
面接官に質問をしたい場合
■例文1
■例文2
■例文3
面接のお礼を伝えたい場合
■例文1
新しい事業に参入するというお話は驚きで、自分もぜひ参加したいという気持ちが強くなっています。チャレンジ精神が旺盛という私の強みを発揮し、事業の発展に貢献したいと考えています。
■例文2
入社できましたら、IT業界の先端を行く御社で、新しいシステム開発に貢献したいと考えています。
■例文3
御社での仕事を通じ、社会貢献ができたらと考えています。お忙しいところ貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
面接でよく聞かれる質問集と回答例は以下の記事を参考にしてください。
このような面接に関する不安は誰しもあると思います。そこで今回は面接でよく聞かれる質問とその回答方法をフレームワークを用いてわかりやすく解説していきます。
面接で「最後に一言」を伝える際の注意点
ここでは、面接で聞かれる「最後に一言ありますか?」に答える際の注意点を紹介します。
「特にありません」は避ける
何も伝えることが思い浮かばない場合でも、「特にありません」は避けてください。
先程もお伝えしましたが、「最後の一言」は面接官が就活生に与える最後のアピールチャンスです。
ここで「特にありません」と伝えてしまうと、「この学生はそこまで志望度が高くないな…」と判断されてしまう可能性があります。
とっさに「最後に一言ありますか?」と聞かれ、何と答えればいいかわからないという就活生は、面接のお礼や入社の意欲だけでも伝えるようにしましょう。
同じ回答を繰り返さない
「最後に一言」は、面接で把握できなかったことを確認したり、うまく自己アピールできなかった就活生にチャンスを与えたりするために聞いてきます。
そのため面接で答えた内容を繰り返してはあまり意味がありません。
似たような内容を繰り返す場合は、上記で紹介した「繰り返しになりますが」というような「クッション言葉」を使うようにしましょう。伝えきれなかった自分の強みや熱意を、上手に補足することが大切です。
長くなりすぎないようにする
「最後に一言」では、伝えたい内容を簡潔に話さなければなりません。長く話してしまうと、内容が伝わらないだけではなく、マイナスな印象を与えてしまう恐れもあります。
長くても1分以内、文字数でいうと300字以内に収めるのが良いでしょう。要点を上手くまとめて、合格の後押しとなるような内容を準備しておくようにしてください。
面接で「最後に一言」を聞かれなかった場合は?
「最後に一言」の対策をしたとしても、実際の面接では聞かれない場合があります。
ここでは、多くの就活生が感じる疑問や不安に対して回答していきます。
聞かれない=不合格とは限らない
就活生の中には、面接で「最後に一言」を聞かれなかったら不合格と思っている人もいるかもしれません。
しかし面接は限られた時間の中でおこなわれるため、残り時間が少なければ「最後に一言」を聞かれない場合もあります。
そのため、「最後に一言」を聞かれなかっただけで「不合格だ…」と落ち込む必要はありません。
しかし、「最後に一言」を聞かれず、「伝えたかった内容を伝えきれなかった…」と後悔しないためにも、面接における1つひとつの質問に対して、しっかりとアピールすることが大切です。
自分から切り出してみるのもOK
面接を終えた時点で「伝えたかったことが伝えきれなかった」「手ごたえを感じなかった」と不安が残る学生も少なくないでしょう。
そのような場合は、勇気を出して自分から「最後に少しだけお時間をいただいてもよろしいでしょうか」「最後に一言よろしいでしょうか」と切り出してみるのも良いでしょう。
面接官が「最後に一言」を聞かないのは「予定した面接時間が経過している」「聞きたいことはすべて聞けた」「合否の判断が確定している」などの理由があるからです。
自分から「最後の一言」を切り出す場合は30秒ほどでより短く伝えるのをオススメします。長々と話してしまうとマイナス評価にもつながりかねないため注意してください。
まとめ
本記事では企業が面接で「最後に一言ありますか?」と質問する意図や好印象を与える内容、回答例を紹介してきました。
「最後に一言」は緊張してうまく自己アピールができなかった就活生を助ける、また採否の決定打がない場合の判断材料にするという意図があります。
本記事で紹介した回答例などを参考にして、最後の一言をスムーズに伝えられるよう十分な対策をしておきましょう。
下記ページに面接突破のためのノウハウ記事をまとめているので、面接に少しでも不安がある方は参考にしてください。
以下の記事にて、面接でよく聞かれる質問と計500本以上の回答例や社会人マナーや逆質問例など面接時のノウハウなども紹介していますので、合わせて参考にしてください。
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