従来の眼鏡は視力矯正のために使用している人が多くいましたが、今やファッションの1つとして使用している人が増加しています。
ブルーライトカット眼鏡の需要が増加するなど、今後も時代ごとにトレンドが変わり、新たな商品が開発されることが予想されます。
本記事では、動向や仕組みについて紹介するだけでなく「将来のキャリアパスはどうなっているの?」「持っておいたほうが良い資格はある?」という人に向けて、眼鏡業界の動向やキャリア、資格、自己PRの書き方についてわかりやすく解説していきます。
また眼鏡業界の売上や利益、年収、従業員数、勤続年数をランキングで紹介しています。
ビジネス規模や働きやすさ等がわかるので、確認してみましょう。
眼鏡業界の仕組み
眼鏡業界は卸売業等を介入して消費者の元へ商品を届けるビジネスモデルと眼鏡企業が直接消費者に商品を販売する場合の2種類が存在します。
まず従来型で多いのが、卸売業等を介入して消費者に届けるビジネスモデルです。
レンズやフレーム等の「部品メーカー」から「卸売業」が仕入れ、「眼鏡企業」へ商品を卸します。
そして「眼鏡企業」から「消費者」へ商品が販売されます。
次に、卸売業等を挟まないビジネスモデルです。
低価格を売りにしている企業では「眼鏡企業」が商品の企画・生産・販売をトータルに行い、「消費者」に商品を届ける流れを取っていることが多いです。
このビジネスモデルを導入することで、仕入れ等でかかるマージンを抑えられ、低価格で販売することができます。
【2023年最新】眼鏡業界の動向
ここでは眼鏡業界の動向を4点紹介していきます。それぞれ以下のトピックスについて紹介しているので、確認しておきましょう。
■眼鏡業界が抱える課題
・低価格商品の増加
・ECサイトでの販売が難しい
■事業展開
・海外展開
・M&Aや事業譲渡
■新規顧客の獲得施策
まず動向を学ぶ前に眼鏡業界について数字で見てみましょう。近年、ブルーライトカット眼鏡や単価を下げた眼鏡の販売が増えたこともあり、市場全体の伸び率が右肩上がりになっていると考えられます。
眼鏡業界の売上推移
眼鏡業界の売上推移を見ると2007年から12年は横ばいでしたが、2015年から2019年まで増加傾向にあります。
売上が伸びている理由の1つとして、ネットの普及でスマホやタブレット端末等の電子デバイスの利用者が増加したことによるブルーライトカット眼鏡等の売上が増加したことが挙げられます。
Glossomが行った「スマートフォンでの情報収集に関する定点調査2020」では、1日のスマホ利用時間の平均が2019年では112.1分、2020年では126.6分と+13.0%という結果が出ました。
電子デバイスを長時間利用することで、眼精疲労や若年層のスマホ老眼等が増加し、それを緩和・対策するためのブルーライトカット眼鏡の売上が増加しています。他にもファッション感覚で眼鏡を身につける消費者や高齢化に伴う老眼鏡・遠近両用眼鏡等の需要が増加したことも要因として挙げられます。
▶参照元:Glossomが行った「スマートフォンでの情報収集に関する定点調査2020」眼鏡業界が抱える課題
ここでは、眼鏡業界が抱えている課題について紹介します。
低価格商品の増加
「JINS」や「Zoff」などの低価格の眼鏡を販売する企業が増え、1990年代の平均は約3万円だったところ、今では5千~1万円前後で商品を販売している企業が出てきています。
そのため、今と比べると高価格帯の眼鏡を販売していた従来型の企業も低価格で商品を販売しなくては売れなくなってきたことにより、業界全体で低価格化が進んでいます。他にも雑貨店やアパレル店等でもサングラスやフレーム、伊達眼鏡等が低価格で販売されていることから眼鏡業界の売上に影響が出てきています。
現在はブルーライトカット等の需要増加で売上が伸びていますが、今後は市場は縮小する可能性が出てきています。
ECサイトでの販売が難しい
小売業に存在する多くの業界が売上を伸ばすことや今まで商品を届けることができたなかった人に対して商品を届ける手法として、ECサイト(ネット通販)での販売に力を入れ始めています。しかし、眼鏡業界はECサイトでの販売が難しい業界です。
健康や身体に関わる商品を扱っているため、基本、視力検査等が必須になりECサイトでの販売が不向きだからです。しかし、企業によっは病院で視力検査を行うことを促してから、ECサイト上で度数情報を入力することで眼鏡を購入できる取り組むを行っています。
例えばオーマイグラスが2012年に「オーマイグラス オンラインストア」を始めました。手数料はかかりますが、気になる眼鏡を5本まで選択して自宅で試着できるサービスです。コロナで巣ごもり需要が増加したことから利用者が増えています。
しかし細かい眼鏡の調整や検査、複数の商品を試着する際は、実店舗の方が利便性が高いため、眼鏡業界のECサイトでの販売は依然と難しいのが現状です。
事業展開
ここでは、眼鏡業界が売上を伸ばすために行っている事業展開について紹介します。
海外展開
眼鏡業界が抱える課題について紹介しましたが、コンタクトレンズが一般的になったことも影響し、国内の眼鏡市場が縮小傾向にあります。そこで世界共通の製品という特徴を活かし、海外展開を行うことで売上を伸ばそうという動きが取られています。
例えば「JINS」を展開するジンズホールディングスは2010年に中国に進出し、2015年には米国や台湾へ展開しました。2019年時点では185店舗を展開しています。
「PARIS MIKI」を展開する三城ホールディングスはアジア、ヨーロッパ、オーストラリア、アメリカに店舗を展開し、2020年3月時点では124店舗を展開しています。
M&Aや事業譲渡
海外展開の他にもM&Aや事業譲渡を行うことで、売上を伸ばす企業が出てきています。
例えば2017年にはメガネスーパーの子会社である関西アイケアプラットフォームが、メガネスーパーからシミズメガネを含めた11店舗の小売事業を譲り受けることとなりました。
2018年にはビジョナリ―ホールディングスがVISIONIZEの全株式を取得し子会社化しています。
2019年にはジンズが装飾品・装身具の販売を行うVios INTERNATIONALの眼鏡販売事業を取得しました。それにより、Vios INTERNATIONALはジンズのフランチャイズ加盟店として沖縄県で5店舗を展開しています。
新規顧客の獲得施策
海外展開やM&A・事業譲渡での事業拡大以外にも新規顧客を獲得する施策を展開しながら、売上向上に向けた動きを取っている企業も出てきています。
例えばキャンディフルーツオプティカルが2007年に、秋葉原にメイドの眼鏡屋をオープンさせました。メイドカフェが全盛期の時代だったため、メイドが売る眼鏡屋が流行るのではないかと考えた事がきっかけになります。
上述で紹介した「JINS」や「Zoff」等も従来では高価格の眼鏡が主流だった際に、低価格を売りにした商品を展開したことで、今まで容易に購入ができなかった若者にヒットしました。
メガネスーパーでは、個室の検査室や眼のリラクゼーションサービスを行い、2021年9月時点で37都道府県にリラクゼーションサービスの店舗を展開しています。
眼鏡業界の動向を知ることは選考を突破するために必要です。
そのため「志望業界についてもっと知りたい」「選考の通過率を上げたい」という方は、ぜひ無料無修正エロ動画を利用してみてください。
眼鏡業界で目指せるキャリアパス
眼鏡業界には接客のプロになる以外にも様々なキャリアが存在します。
動向を知るだけでなく、将来何をやりたいのか、何に興味があるのかという今後のキャリアも考えてみましょう。
例えば、店長やエリアマネージャー等を経験してマネジメント力をつけたり、接客を経験した後に人事や商品開発、バイヤー、営業等のキャリアを展開したり、接客以外の選択肢もあります。
こちらはあくまで一例になりますので、興味のある企業のキャリアパスも確認しておきましょう。
また現在、資格を持っていなくても問題ないですが、キャリアを歩む上で将来的に下記の資格を取得する場合があります。
認定眼鏡士
国家資格に該当します。
適切な視力測定、使用目的やライフスタイルにあったレンズ選定、フレーム選び、フイッティング調整、レンズレイアウトなどを安心して提供ができるスペシャリストという証になります。
販売士
1~3級まで存在し、小売業のみならず、流通業や卸売業、製造業、サービス業においても活かせる資格です。
こちらは消費者に満足のいくサービスを提供できるプロフェッショナルという証になります。
企業によっては、資格支援制度等が制度として整えられている企業もあります。
制度がないといけないわけではありませんが、将来的に取りたい資格があれば、希望する企業に制度があるのかどうかを確認しておくと良いでしょう。
眼鏡業界の求める人物像
接客をメインに行う仕事のため、大前提コミュニケーション能力が必要です。
また、お客様が何を求めているのかを聞き出す傾聴力や適切なアドバイスができる商品知識と提案力も必要になってきます。
目というデリケートな部分を扱っているため、目の構造や視力検査に関する医学的知識等を学びます。そのため眼鏡や目に興味があり、学び続ける勤勉さがあると良いでしょう。
製造や企画関連の仕事をする際は、世の中が求めている商品は何か?どのような機能が付いていると喜んでもらえるのか?を考える場面があります。世の中のトレンドやお客様の声をキャッチアップしていく情報収集力やトレンド力が必要になります。
眼鏡業界の求める人物像について学んだら次は自己PRの書き方を学んでいきましょう。
眼鏡業界で評価される自己PRの書き方
自己PRを書く際は、以下のように「強み⇨エピソード⇨結果・学んだこと⇨入社後どう活躍できるか」の順番で書きます。
(1)結論
自己PRを書く際は最初に「私は○○することができます」といったように自分の長所を端的に述べます。
その際は、損害保険業界の求める人物像に合わせ「コミュニケーション能力」や「行動力」といった長所を選ぶようにしましょう。
このように最初に結論を述べ面接官に今から何の話をするのか伝えることで、聞き手側も話が入りやすくなります。
そのため、自己PRをする際は結論として、まず長所を伝えるようにしましょう。
以下で「行動力」という長所を選んだ場合の例を紹介します。
(2)エピソード
長所を伝えたら、実際にその長所があることを証明できるエピソードを交えます。
理由としては、企業は、課題・目標やそれに対する行動を通してその人の人柄や価値観を判断しているためです。
(3)結果・学んだこと
エピソードの次は、自分がとった行動によってどのような結果になったか、この経験を通して何を学んだのかについても書きます。
また、結果を書く際は定量的に伝えることでよりイメージしやすい自己PRを作成することができるため「〇〇というアイディアを出し実践したところ、売上を40%上げることができた」など、数字を用いてアピールしてみましょう。
(4)入社後どう活躍できるか
企業は採用活動を通して、自社に貢献してくれる人材を求めています。
つまり、面接官にこの学生は「自社で活躍する素養がある」と思わせることが大事です。
そのためには繰り返しになりますが、企業が求める人物像を把握しておく必要があります。
業界研究・企業研究を通してどのような強みをアピールするのか考えておきましょう。
眼鏡業界の志望動機の書き方
眼鏡業界の志望動機を書く際は「なぜ眼鏡業界なのか」「なぜその会社なのか」をしっかりと深堀りしておくことが必要です。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えば「単なる視力矯正器具として扱うのではなく、ファッションの一部として眼鏡をかける楽しさを味わってもらいたい」などといった眼鏡業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
“なぜその会社なのか”については、他の企業ではなくその企業でなければいけない理由を伝えます。
例えばジンズであれば、商品開発力と市場創出力を強みにしています。
デザイン性や機能性に優れた商品を次々に開発し、新しいマーケットを切り開いてきました。
それにより、今では世界で500店舗を超えるほどの店舗展開をしています。
企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。
小売業界の志望動機の例文を見てレベル感を掴みたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
眼鏡業界ランキング
ここでは眼鏡業界のランキングを「業績」と「社内環境」に分けて紹介します。
眼鏡業界の業績ランキング
参照元:業界動向サーチ/眼鏡業界の売上高ランキング(2021-2022年)は上記企業の有価証券報告書に基づき作成しています。ランキングは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。また企業名にあるホールディングスを「HD」と省略しています。※2023年9月時点売上については1位がメガネトップ、2位がジンズHD、3位がパリミキHD、経常利益は1位がメガネトップ、2位がジンズHD、3位が ビジョナリーHDです。
海外展開や新規顧客を獲得するための取り組み等を積極的に行っている企業の売上が比較的上位にきています。
売上や利益、利益率をチェックした方が良い理由は、以下の2点です。
■利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しているから
売上は企業の財務力、ビジネスの規模を表しています。つまり売上が高い企業の方が行っているビジネスの規模が大きいということです。
またA社とB社が同じ利益の場合、売上が大きい企業の方が金融機関からの融資を受けやすいとされているため、売上を見ることで企業の資金調達力もチェックすることができます。
次に利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しています。そのビジネスによる付加価値がどれくらいあるかを測る指標です。
つまり利益がほとんど出ていなかったり、赤字だとビジネスに何らかの問題があるということになります。
ただし、このランキングだけでなく、成長率も大事であるため各企業の過去についても振り返っていきましょう。
眼鏡業界の社内環境ランキング
参照元:業界動向サーチ/眼鏡業界の売上高ランキング(2021-2022年)は上記企業の有価証券報告書に基づき作成しています。ランキングは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。また企業名にあるホールディングスを「HD」と省略しています。※2023年9月時点年収は1位がジンズHD、2位がパリミキHD、3位が愛眼、勤続年数は1位がパリミキHD、2位が愛眼、3位がジンズHDとなります。
勤続年数が長いということは定着率が高いということになります。一概には言えませんが、定着率が高い会社は良い会社である可能性が高いです。
また従業員数が多い会社は多様な人と関わり合うことができるというメリットがあります。
しかし多いと自分の意見が通りにくい場合もあるというデメリットもあるため、自分にとってどの環境が合っているのか考えてみましょう。
まとめ
本記事では眼鏡業界について紹介してきました。
眼鏡業界はジンズやゾフ等のような低価格な商品を展開する企業が増え、手軽に購入ができるようになったことから市場全体の売上は上がってきています。
しかし、低価格の商品を販売する企業が増えたことで1つあたりの売上単価が下がり、今後の市場に影響が出てきそうです。
そこで各社は海外展開や新規顧客を獲得するための動きを強めています。
動向について理解ができた人は、自分のキャリアややりたいことにも目を向けてみましょう。
自分の言葉で話せるようにしておくことで、面接で説得力を増すことができます。
「業界研究って他に何をしたらいいの?」と思う人は下記の参考記事を見ておくことをオススメします。
●”眼鏡業界”の動向
動向(1):眼鏡業界の売上推移
動向(2):眼鏡業界が抱える課題
・低価格商品の増加
・ECサイトでの販売が難しい
動向(3):事業展開
・海外展開
・M&Aや事業譲渡
動向(4):新規顧客の獲得施策
●”眼鏡業界”の求める人物像
・コミュニケーション能力がある人
・傾聴力がある人
・商品知識と提案力がある人
・学び続ける勤勉さがある人
・情報収集力やトレンド力がある人
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