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【企業トップ×大学生対談】120年以上地域を支えてきた中田組の社長が語る、街に対する熱い思い-中田組-

「知っている企業以外の優良企業を探したい」「ナビ掲載の企業を見ていてもイマイチ魅力がわからない」と悩む就活生は多いと思います。この企画では私たち大学生が社長や人事部長へのインタビューを通して企業の魅力や想いを伝えることで、みなさんの「わからない」を「わかる」に変えます。

今回は大学生の松村と大野が、中田組の中田 伸也社長にお話を伺いました。

同社は北海道の稚内市にある土木・建設会社で、明治30(1897)年に利尻島で創業してから120年という長い歴史を刻んでおり、建設業を中心に日本最北の地「稚内」の地域貢献・活性化に力を注いでいます。

地域貢献に対して全力を注いできた想いやこれからを担う若手への期待など、中田社長の考えをお伝えします。

目次

企業を知ろうー中田組ってどんな会社?ー

北海道の稚内市・利尻島で建設業を中心に事業を営んでいます。120年以上を超える歴史があり、昔は養殖などを通して水産物を育てたり、副港開発などを手がけていました。現在は土木・建設業に絞り、道路や橋の工事を行っています。

中田組の4P

中田組について、会社の魅力を4つのP(理念・職業・給与・人)でまとめてみました。

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同社は、建設業として、漁礁設置の工事を県から高く評価されており、稚内や利尻島を中心に高い技術力でインフラを支えています。

2020年12月には、現場代理人の方が北海道より優秀賞を、北海道の知事から「水産林務部工事等優秀業者表彰」を受賞しました。

実際にどんなことをやっているの?

建設業といっても、実際にはどのような場所で工事をしているのでしょうか?

株式会社中田組が施工した実績から振り返ってみます。

稚内や利尻島のインフラ工事は、中田組が主導して行われています。

まず、港の開発を多く手掛けており、具体的には、稚内港の浚渫工事(水底をさらって土砂などを取り除く工事)があります(写真①)。また、橋の工事も行っており、利尻町の中心部に位置する沓形(くつがた)地区の橋も2019年度に施工しました(写真②→③)。

また、土木工事以外にも新築・建築工事も行ってます。利尻富士町からは、消防庁の建築を引き受けました(写真④)。工事の場所は稚内だけに留まらず、旭川においては、トヨタ自動車(株)グループの単身社宅の新築工事を手掛けました(写真⑤)。

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① 稚内港の浚渫工事
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② 利尻町沓形地区の橋の工事
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③ 利尻町沓形地区の橋の工事
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④ 利尻富士町 消防庁の建築
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⑤ 単身社宅の新築工事

今回は、稚内や利尻島を中心に建設業として地域に貢献してきた中田組の中田社長にインタビューしました。

【インタビュー】業種にこだわらず、地域のために全力を注いできた中田組

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ーはじめまして。本日はわざわざお時間を頂きありがとうございます。

これからインタビュー始めていきたいので、よろしくお願いします!

中田社長:こちらこそよろしくお願いします

ーはじめに、120年の歴史を持つ株式会社中田組ですが、中田社長はどのような経緯で社長になられたのでしょうか?

中田社長:そうですね、私は小さい頃から一貫して親の会社を継ぐことを意識していました。大学で専門的に勉強し、その後現場について学ぶために、親の会社にそのまま戻るのではなく他の会社で経験を積ませてもらいました。

平成8年(1996)に弊社が創業100周年を迎えまして、ちょうどその年の5月に父が体調を崩して入院したことを機に、話し合いの末、私が代表として会社を継ぐことになりました。

100周年を迎え、改めて自分に課された責任は重いものだなと実感しました。

ー100年の歴史を背負うのは相当なプレッシャーですよね…そのプレッシャーの中でどのような経営を中田社長は心がけていたのでしょうか?

中田社長

地方の会社として、利益追求だけでなく社会的責任という責務があることを特に意識して経営をしてきました。社会的責任とはいろんな人と付き合っていくことで、だんだんとわかってくるものです。

100年企業として地域と一緒に歴史を歩んできたからこそ、ベクトルをいっしょにしていかなければならない、と強く感じています。

ーやはり昔から地域貢献には力を入れていたのでしょうか?

中田社長:

地域と一緒にという形は昔からやっていて、「なんでもやりますよ、地域のことなら」という姿勢でいました。

水産物が取れない時期には養殖のお手伝いをしたり、復興・開発のために、国立公園を中心とした開発・地域おこしを行い、観光貢献にも力を入れました。

最初は同じ業種・年代の人たちを集めて話のタネができ、その後他の業界や、行政にいる若い子たちを巻き込んで事業を行っていました。みんな町の将来について危機感を抱いていて、それが形になって話が進んでいました。

最近だと、コロナもあって観光どうしようかという話をしています。ただ、自分も年取ってきたから、若い人間にもっと議論してほしい!と思っています。

【インタビュー】働きやすい環境を作ることで町の活性化へ

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ーコロナの影響もあって観光をどうするか町のためにも話し合っている、とのことですが、会社としてはどのような取り組みをしているのでしょうか?

中田社長:今の町の課題として、人口が少ないことが挙げられます。そこからさらにコロナで観光ができないので、きつい状態ですね。

そこで、地域に住んでいることの楽しさを仕事を通じて感じてもらえるように、会社としては気にかけています。そうなれば、いろんな仲間であったりとか、ポジティブな要因がどんどん生まれてくると思います。

ー人口が減少しないためにも、地域の楽しさを従業員から広げているのですね。人という観点でいうと、御社は働き方改革などの認定企業ですが、どういった点を気を付けてますか?

中田社長:そうですね、今女性が働くことに対してかなり注目しています。女性の視点でどう見えるかというのを考えていて、女性の意見が取り入れやすい環境作りにも重要視しています。具体的には、男性女性関係なく頑張っている人に対しては仕事があるという感じです。

ー他にも取り組みはありますか?

中田社長:業界のイメージアップのために、給料アップには取り組みましたね。他には、地域のために何でもできる環境や、大企業などと比べて直接地域のために働ける部分は宣伝していました。

あと、北海道ならではの宣伝もしておくと、北海道は子育てにとても良いです。地域間が広いので医療の面で不便なところもありますが、落ち着いた環境で自然と触れ合いながら子供が成長できます。

【インタビュー】多くの人と出会うことが自分の成長につながる

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ーここまで大変興味深いお話をありがとうございます。最後に、地域のために尽力してきた中田社長だからこそ言える、学生へのアドバイスはありますでしょうか?

中田社長:いろんな人と会うことが大事だと思います。いろんな人間と交わって、まじめな話をして議論できる人が、社会人として大成する人だと僕は感じています。

また、少しかぶってしまうけど、学生時代にはいろいろな経験をすることが大事だと思います。将来、専門的な職について仕事をするのであれば、しっかりと勉強をした方がいいですが、そうではない人の方が多いと思います。

私たちもそうですが中小企業は、専門的な職よりも幅広い地域のニーズにこたえることが大事だと思います。その中で、多くの経験を通して、いわゆる自頭の良さを鍛えるのが良いと思っています。

ー多くの人を巻き込んで事業を進めてきた中田社長だからこそ伝えられる熱いメッセージですね。インタビュー内容は以上になります。本日はお忙しい中お時間を頂きありがとうございました。

中田社長:

ありがとうございました。

業界を知ろうー建設・土木業界とは?ー

改めて建設・土木業界の構増や動向についておさらいをしておきましょう。

建設・土木業界の構造と仕事内容

建設業ってよく聞くけど、実際にはどのように仕事が行われているのでしょうか?

建設業界は住宅やビル、学校、工場などの建物を建築する建築と道路やトンネル、橋、ダム、水道などのインフラ整備を行う土木に大別されます。一つの案件に対する規模が大きいため、さまざまな企業が連携を取り合い、工事や整備を行います。

業界における仕事の流れとして、まず国や自治体からの受注をゼネコンが引き受けます。ゼネコンは工程や資材費の管理や現場の安全管理を行い、下請け企業の取りまとめをします。その下請け企業にあたるのが、専門工事業者です。

今回インタビューした中田組は、高い技術を持った土木中心の専門工事を手掛ける業者です。先ほどの企業紹介で見たように中田組は多くの橋や港の工事を行っており、数多くの実績があります。

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建設・土木業界の市場と動向

土木業界は、道路や河川、ダムや上下水道、空港や鉄道などのインフラ建築を担っており、インフラ整備は経済活動や人々の生活を支える重要な役割です。

1960~70年代の高度経済成長期に整備されたインフラは、現在50年以上が経過し老朽化が進んでいます。国土交通省によると、50年以上経過するインフラ建築の割合は、道路橋では2018年の25%が15年後の2033年には63%に、水門などの河川管理施設では32%が62%へ、港湾岸壁では17%から58%など、多くのインフラの老朽化が進んでいる状況です。

そのため、インフラの維持管理・更新費用は30年後には1兆円増加すると予測されている。最近では異常気象の影響もあって、国を中心として老朽化したインフラを整備・強化する動きが強まっています。

このような状況の中、土木・建設業界では人手不足が深刻化しています。汚い、きつい、危険という「3K」の負のイメージが根付いてしまっているのが原因ですが、多くの企業がこのイメージを払拭するために、働き方改革やロボットやAIなどの技術導入を積極的に行っています。

さいごにー株式会社中田組のインタビューを通してー

今回のインタビューを通して、多くの人を巻き込んで事業を進めてきた中田社長の懐の深さに驚くばかりでした。

中田社長はインタビューでは常に冷静な受け答えであり、創業100年というプレッシャーを感じさせませんでした。また多くの賞をもらっているのに関わらず、謙虚な姿勢でした。

インタビューにおいても、「中間管理職で威張るような人はそこまでの人間だ。いくら組織的な社会関係があったとして、先輩や年上の人に丁寧に接する関係がすごく大事。」とおっしゃっていて、多くの人を巻き込める力がこのような人への接し方にあると感じました。

自分自身もこれから社会人になるにつれて、多くの人と関わってくると思います。中田社長の言葉を忘れずに、良い人脈を築いていきたいです。

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