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【企業トップ×就活生対談】少数精鋭で地元から全国まで国土開発に臨む-宮永建設-

「知っている企業以外の優良企業を探したい」「ナビ掲載の企業を見ていてもイマイチ魅力がわからない」と悩む就活生は多いと思います。この企画では私たち大学生が社長や人事部長へのインタビューを通して企業の魅力や想いを伝えることで、みなさんの「わからない」を「わかる」に変えます。

今回は大学生の松村が、宮永建設の宮永雅己社長にお話を伺いました。

同社は北海道当別町にある建設会社で、地元当別町を中心として道路、河川、下水道、農業基盤整備、公園、森林といった分野で国土の開発に「誠心誠意」貢献している会社です。

目次

企業を知ろうー宮永建設ってどんな会社?

宮永建設の4P

宮永建設について、会社の魅力を4つのP(理念・職業・人事・組織)でまとめてみました。

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実際にどんなことをやっているの?

宮永建設では土木部、特殊土木部、環境管理部の3つのチームに分かれ、道路・河川などのインフラ、下水道、農業基盤整備などの施工、公園や森林などの管理・造林を手掛けています。

特殊土木部では推進工法で下水道工事を担当しています。

通常の下水道工事ではマンホールとマンホールの間につなぐ管を道路の上から掘ります。

しかし宮永建設では縦坑をおろし、片一方に管を横に推し進める機械を設置してもう一つの穴の方に向かって貫通させる工事を行っています。これにより人が入れないサイズの工事を可能にしました。

現在では業界で当たり前となっているこの工法を、宮永建設では昭和50年代の初めから独自の技術開発・機械開発を行い、業界の先駆けとなりました。今までの施工実績は総延長距離300km以上におよび、高い評価から現在は下水道のほか電気、通信、ガスなど幅広い分野の施工を手がけています。

環境管理部では森林を育て、管理する業務を担当しています。

植林から育ち切った木の切り出しまで、50~60年かかる仕事になることもあります。

伐採した木は、バイオマス燃料や住宅の材料となります。森を育てることというのは地域社会だけでなく地球温暖化対策にも貢献しているのです。

今回は宮永建設株式会社の宮永社長にインタビューし、社長になるまでの経緯や内側から見た業界の姿、悩んでいる学生へのアドバイスをお話しいただきました!

【インタビュー】社長から見た自身と会社について

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ーはじめまして。本日は貴重なお時間を頂き誠にありがとうございます。

これからインタビュー始めていきたいので、ぜひよろしくお願いします!

宮永社長:はじめまして。こちらこそよろしくお願いします。

ーまず、社長自身についてお伺いいたします。学生時代や社長に至るまでのエピソードをお願いいたします。

宮永社長: この会社は私の父親が昭和30年に始めたものです。私は当時5歳でした。

現場の人や社員がいたるところにいる環境の中で、現場を見て育ちました。

高校生の時に、自分が長男だったこともあり、会社を継ごうと決心をし、会社の組織運営を学ぶため、大学では経済学部(経営学科)に進みました。

当時昭和49年売り手市場の、よい時代でした。本当は先輩がいる大企業に就職したいなと思ったんです。でもいずれ会社を引き継いで5年ほどで辞めるだろう、辞めたとき先輩に迷惑かけたらまずいなと思い、新卒から今の会社に入りました。

子供の頃から現場を見ていたため、入社後もなんとなく現場の流れや会社の仕事の仕組みについて掴んでいました。土木への興味も尽きなかったため、ワクワクしながら現場で働きました。実際に現場で施工管理をした経験が今の自分を作ってくれました。

ー宮永建設とはどのような会社でしょうか。またどのような会社にしていきたいですか。

宮永社長: 宮永建設は建設業で、主体が土木工事です。屋外の仕事で社会資本の整備、住民の安全を守るための仕事です。自分をトップに約50名の社員が所属しています。

建設会社として5つの部署に分かれており。総務部、営業部、土木部 特殊土木部、環境管理部でそれぞれ工事に特徴があって色々中身が違います。

共通していることは、どの部署も少数精鋭でやっていることです。現場でも今は機械が仕事の中心になっているため、機械の手が届かない所を手伝ってあげるという働き方が多いです。

例えば営業部は昔は発注官庁に出向いて入札をしていましたが、現在は入札まで全部電子でやっています。例えば公共工事でみると、WEBで公開されている案件を自分たちでダウンロードし、積算・入札して仕事を受諾するという感じです。

少数で仕事を行うため、それぞれが独立して責任もって工事を施工することが一番重要です。中々カチッとした形で進んでくれず、ここをうまく動かしていくことが組織としての目標です。

現場一本一本が主体になっていくので施工するにあたって、部長や課長がしっかり指導していく体制を作っています。「現場は現場の管理をし、その集合体を本社機能がやっていく」というところが一番大事なところです。

現場は利益を生み出す核となります。現場がスムーズに利益をあげることができるように管理する事が会社としての大仕事になっているのです。

社長である私をトップとした縦の組織でしっかり繋がり、それぞれの部署で決定権を社員と色々打ち合わせしながら行使できるようになることが理想です。

【インタビュー】現場から聞く!建設・土木業界の今

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ー建設・土木業界についてお聞きしていきたいです。

宮永社長: この業界にはライバル企業が本当に多いです。技術と経営に優れた会社が生き残る業界といわれていて、どの企業もいろんな特徴をつくったり、工夫をしています。そもそもしっかりとした技術者がいてくれないと次の受注につながりません。

以前は発注者の監督と上手くやっていれば問題ありませんでした。ですが、今は発注者とのコミュニケーションをしっかりしないと良い評価を得られません。現在は設計通りに施工するだけでなく、すべてを提案しないと物事も進まないし、決まらない時代になっているからです。

ー地方の土木ならではの苦労などはありますか。

宮永社長:冬に雪が1日に50センチ降ることがある場所で、道路を作る工事を受注したことがあります。7月ぐらいから3月までの仕事でした。北海道は3月も雪が多いので、雪の中道路を作るのは本当に厳しいんです。

道路工事は、道路にする部分の土を掘り下げ、砂利をいれて舗装して仕上げます。夏は順調に進むのですが、冬に雪が降ると一日の作業効率が低下してしまいます。除雪してからでないと仕事が始まらないためです。

業務もコストもロスが多い中、どうやって効率の良い業務を行うか、どう利益につなげていくか。大変ですが面白い魅力の1つです。

【インタビュー】会社に求める人材・合う人材

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ー会社にどういった人にきてもらいたいなどの採用に対する思いはありますか?

宮永社長: 興味を持ってくれる人が一番良いです。もちろんプロでなくてもかまいません。新卒で何もわからない人から工業高校や大学工学部系出身まで歓迎しています。

ただし最終的に、会社に入ってからスキルアップして国家資格を取れるぐらいになってもらいます。この仕事が好きじゃないと中々難しいです。しかもただの好きだけだと、こんなひどいのかと思ってやめることになります。本当に興味のある人に入ってほしいです。

建設会社というと、汚い、給料低いと負のイメージがついています。昔札幌の現場で仕事していたときに、こちらを見たある親が子供に「ちゃんと勉強しないとあんな人になるよ」と言っているのを聞いたことがあります。そんなことはないんです。みんな誇りをもって仕事している精鋭ばかりです。

事務的な仕事だけではなく、現場で人を導いて動かしていく仕事です。社長の代わりに責任をもって指示を出す必要があります。最初から人に指示したくはないと思っている人には向かないかもしれません。逆に自分がトップで仕事したいと思ってる人はいち早くスキルアップすると思います。

普通のサラリーマンのように会社に入って指示に従って動くというより、現場で物事を育んでいくイメージです。1人ひとりが自立し、色々考えて行動に出ないと上手くいかない環境に耐えうる人を求めています。

【インタビュー】学生へのアドバイスーまずは時間の管理からー

ー社会人になる前の学生に対して、経営者の立場からアドバイスをお願いします。

宮永社長: 社会人としての時間管理を身に着けることです。

今の学生はアルバイトなどである程度フリーに動いていると思います。社会に出るとけじめをしっかりつけた生活に変えないといけません。例えば物事が決まった場合10分前に行動する、早め早めに対応をするといった具合です。

どんな職業に関しても同じことが言えますが、この業界ではさらに重要です。現場は朝が早く、7時から稼働するために6時半までには現場にいかなければいけません。もちろん判断も自分で行わなければいけません。

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入った会社でどれだけ意識していけるかということですね。今はどの会社もしっかりと育ててくれます。だからこそ、自分が会社に入ってから、教えられることしかできない真ん中から下におちつくのではなくて、常に上を目指してほしいと思います。

この点に関しては部活していた人はしっかりできている印象を受けています。自分の時代に運動部出身者ほど先に仕事が決まっていったのは、指示命令系統に慣れていてこういった技術を習慣として身に着けていたからですね。

ぜひ今の学生さんにもまずは時間の管理から気を付けていってほしいものです。

業界を知ろうー土木・建設業界とは?ー

土木・建設業界では実際どのような仕事が行われているのでしょうか。

土木・建設業界の構造と仕事内容

建設業ってよく聞くけど、実際にはどのように仕事が行われているのでしょうか?建設業界は住宅やビル、学校、工場などの建物を建築する建築と道路やトンネル、橋、ダム、水道などのインフラ整備を行う土木に大別されます。一つの案件に対する規模が大きいため、さまざまな企業が連携を取り合い、工事や整備を行います。

下の図のように、まず国や自治体からの受注をゼネコンが引き受けます。ゼネコンは工程や資材費の管理や現場の安全管理を行い、下請け企業の取りまとめをします。その下請け企業にあたるのが、専門工事業者です。ゼネコンから工事を受注し、大工や左官などの専門分野の工事を行います。電気、空調などの各種設備を担う設備会社は一般にサブコンと呼ばれ、これらの事業者から実際に作業を行う技能工を抱えている中小の事業者に発注をかけ、建設が進んでいくのです。

今回インタビューした宮永建設は、土木工事現場の施工管理から実際の現場工事まで扱っているため、ゼネコン専門工事業者、技術工にあたる業者です。

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土木・建設業界の市場と動向

土木業界は、道路や河川、ダムや上下水道、空港や鉄道などのインフラ建設を担っており、インフラ整備は経済活動や人々の生活を支える重要な役割です。

1960~70年代の高度経済成長期に整備されたインフラは、現在50年以上が経過し老朽化が進んでいます。国土交通省によると、50年以上経過するインフラ建設の割合は、道路橋では2018年の25%が15年後の2033年には63%に、水門などの河川管理施設では32%が62%へ、港湾岸壁では17%から58%など、多くのインフラの老朽化が進んでいる状況です。

そのため、インフラの維持管理・更新費用は30年後には1兆円増加すると予測されており、最近では異常気象の影響もあって、国を中心として老朽化したインフラを整備・強化する動きが強まっています。

このような状況の中、土木・建設業界では人手不足が深刻化しています。汚い、きつい、危険という「3K」の負のイメージが根付いてしまっているのが原因ですが、多くの企業がこのイメージを払拭するために、働き方改革やロボットやAIなどの技術導入を積極的に行っています。

今回インタビューを行った宮永建設では、技術導入を積極的に行って、仕事の大部分を電子化しています。少数精鋭の社員さん方はこうした環境の変化に適応されています。

最後にー宮永建設のインタビューを通してー

今回のインタビューでは宮永建設のことだけでなく、現在の土木・建設業界についても教えていただきました。

業務効率化が進む中、「建設のプロ」になるためには興味をガソリンにして突き進まなければなりません。もちろん「興味」は建設業界だけでなく他業界、ひいては就職活動全体にも言えることであるなと感じました。

改めて、宮永社長、貴重なお時間とお話をありがとうございました。

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