●一般企業を目指す場合、大学卒しか募集していない企業も多いため、専門学校生は就職先の幅が狭いと言える。
●専門学校生が内定を獲得するためには[学んだ分野で就活をする][卒業生が就職した企業を受ける][資格を取得する][インターンシップに参加する][就活エージェントを利用する]。
「専門学校生って就活で不利なの…?」「内定もらえるか不安…」専門学校生の中でこのような不安を抱えている人もいるのではないでしょうか?
しかしネットに書かれているネガティブな情報だけに囚われて、就活を辞めてしまったり、後ろ向きな状態で就活を進めたりしないようにして下さい。あなたの努力ややり方次第で内定を獲得することはできます。
なぜ専門学校生の就活は不利と言われているのか、内定を獲得するために何をすべきかを知り、なるべく早く行動に移しましょう。
本記事では、専門学校生の就活が難しい理由や大学生との違い、専門学校生が内定を獲得するためにすべきことなどについて紹介します。
専門学校生の就活が難しいと言われる理由
まず専門学校生が就職しにくいと言われている理由を2つ紹介します。
専門以外の仕事に就きにくい
専門学校では1つの分野に特化して学んでいるため、専門学校で学んでいる専門分野以外の仕事に就くのはハードルが高いと言えます。
例えば、美容系の専門学校に通っている学生が、商社や食品業界など、全く専門分野と関係のない業界への就職を目指す場合、企業側も「どうして美容系ではなく、うちなんだろう…?」と疑問に思います。
そこで説得力のある理由を明確に伝えられれば選考を通過することはできるかもしれませんが、簡単な道ではないでしょう。
また、採用条件に大学卒と記載している企業も多いため、そもそも選考を受けられる企業数が少ないと言えます。
スキル習得が難しい
専門学校の多くは2年制であり、2年間という限られた期間の中で専門分野のスキルを身につけなければなりません。
学ぶ分野にもよりますが、2年間ではアピールできるほどのスキルを身に着けられない可能性があります。
専門分野の企業を受ける場合、他の就活生と比べてスキル不足と判断されてしまうと選考を通過するのは難しいでしょう。
専門学校生と大学生の違い
専門学校生の就活に対して漠然な不安を感じている人は以下で紹介する、専門学校生と大学生の違いについて学んでいきましょう。
就活の考え方
大学生は一般企業への就職をメインに就活をおこなっており、幅広い業界や企業の中から自分に合う企業を探していきます。
一方、専門学校生は専門職への就職を考えている人が多く、あまり幅広い業界を見ていません。また、学校に企業が出向きガイダンスをしてくれるため、自ら業界や企業を探しにいく人はあまり多くない傾向があります。
就活支援の環境
大学生も専門学校生も、各学校のキャリアセンターで就活支援を受けることができます。
しかし専門学校生が一般企業を受ける場合、専門学校のキャリアセンターや教員は、一般企業に対する知識が専門職に比べてあまりないため、専門職を希望している人よりも支援が手薄と言えるでしょう。
募集条件
ここでお伝えするのは、一般企業に就職する際の条件についてです。企業によって求める人材は異なるため、募集条件もそれぞれ違います。
一般企業は募集条件に[大学卒]と記載しているところも多いため、専門学校卒だと選考すら受けられない場合もあります。
そのため、大学生よりも就職先の幅が狭いと言えるでしょう。
年収
厚生労働省の調査によると、大学出身者の平均年収は210.2万円、専門学校出身者は平均183.9万円で大学の方が高めでした。
就職後は、頑張り次第で専門学校出身でも年収が高くなるケースはありますが、入社時の年収は専門学生のほうが低くなりがちです。
参照元:厚生労働省/令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況
専門学校生が内定を獲得するためにすべきこと
ここでは、専門学校生が内定を獲得するためにすべきことを紹介しています。
就活に対して不安を感じている専門学校生は、以下で紹介することを実践してみてください。
学んだ分野で就活をする
専門学校で学んだスキルを活かせる企業の選考を受ければ内定を取れる可能性も上がるでしょう。
理由としては、企業にとって専門スキルを学んでいる学生は即戦力になるという印象を持つためです。
実際、専門学校生の9割が学んだ専門分野に関連した職種に就職しています。
専門学校の卒業生が就職した企業を受ける
同じ専門学校の卒業生が就職している企業は、他の企業に比べて選考を突破しやすいと言えるでしょう。
就活は学生個人の人柄やポテンシャルを見て評価しているため、先輩が就職しているからといって必ず内定をもらえるわけではありません。
しかし、同じ専門学校の先輩が就職しているということは、学歴フィルターの壁は突破できるということになるため、1つの指標として持っておくと良いでしょう。
資格を取得する
志望企業や職種で活かせる資格を持っていれば、就活で優位になる可能性があります。
また、資格を持っていることで志望度の高さをアピールすることにも繋がるでしょう。
企業は自社への志望度が高い学生を採用したいと思っているため、熱意を伝えることで選考を突破できるチャンスになるかもしれません。
資格の勉強はしているが、まだ取得には至っていないという人は、資格取得に向けて勉強していることを伝えましょう。それだけでも志望度の高さを評価してくれる企業もあるはずです。
インターンシップに参加する
時間に余裕がある人はインターンシップに参加することをオススメします。
志望企業のインターンシップに参加し、実際の業務を体験することで自分に合っているのかを確認することができます。
また、インターンシップ中に成果を上げられれば、早期選考に参加できたり、選考で優遇されたりなど、有利な状態で就活を進められるかもしれません。
可能性を広げるためにも、余裕がある人はインターンシップに参加してみても良いでしょう。
就活エージェントを利用する
「専門学校生の就活は不利って聞いたけど大丈夫かな…」このような不安を感じている人は就活エージェントを利用してみるのも1つの手です。
就活エージェントはあなたの不安や悩みに耳を傾け、過去の出来事や強みなどからあなたにマッチした業界や企業を紹介してくれます。
就活情報サイトを利用し、就活イベントに参加することも大事ですが、「どう就活を進めたらいいかのわからない」「自分に合う企業がわからない」という人は、就活エージェントに相談することで効率的に就活を進められるためオススメです。
専門学校生の就職以外の選択肢
最後に、専門学校生の就職以外の選択肢を紹介します。
一般企業に就職するか悩んでいる人は、参考にしてみてください。
留年
専門大学を留年することについてのメリットとデメリットを紹介します。場合によっては[就活留年]という場合もあるので、覚えておきましょう。
■メリット
留年の1番のメリットは、現在の就活を活かしながら新卒として再度就活に挑めることです。
新卒と既卒では求められるスキルや選考を突破する難易度が大きく変わります。そのため、ポテンシャル重視の新卒枠で就活が出来ることは大きなメリットと言えるでしょう。
さらに今年の就活経験を活かせることや、先に入社した同期からの情報をもらえることもメリットの1つです。
■デメリット
留年の大きなデメリットは、お金がかかることです。分野によって異なりますが、昼間部の授業料だけで平均約57万円ほどかかるため、金銭面的には大きな負担となるでしょう。
さらに、就活のときに「なぜ留年したのか?」を問われることが多いため、留年をした理由や留年をしていた時期に何をしていたのかを明確に伝えられるようにしておきましょう。
就活留年を検討している人は、留年期間の過ごし方などについても確認しておくことをオススメします。以下の記事で紹介しているので確認してみてください。
参照元:令和4年度 学生・生徒納付金調査
フリーター
まず、フリーターとは、15~34歳までの正社員以外の就労雇用形態で働く人のことを指します。例えば、アルバイトやパートの人などが当てはまります。
■メリット
フリーターの1番のメリットは、時間の融通が効くことです。好きな日数、時間に働くことができ、正社員よりも責任を問われることも少ないでしょう。
また、人間関係や仕事内容に不満を持った際は、正社員よりも比較的簡単に職場を変えることができるといったメリットもあります。
自由に時間管理ができるため、資格の勉強などに時間を割きたいという人は特にメリットに感じるでしょう。
■デメリット
フリーターは収入が安定しないことや保障制度がないことがデメリットとして挙げられます。
正社員であれば月収が決まっているため、一定の金額を安定的に得ることが出来ますが、フリーターは職場の状況によっては勤務時間が減ることもあり、月の給料に波があります。
さらに、正社員のような保険や福利厚生などがないことをデメリットに感じる人もいるでしょう。
大学に編入
専門学校によっては[大学編入コース]を用意しているところもあり、文部科学省により定められている条件(※)をクリアすれば、大学への編入が可能です。
(※)修業年限が2年以上であること、そして総授業時間数が1,700時間以上の要件を満たす課程を修了することの2条件を満たしている場合
■メリット
大学編入のメリットとしては、専門的な知識だけでなく大学で幅広い知識を得ることができることです。キャリアアップや進路変更を考えている人に特にオススメで、就活の際は留年をするよりも面接官に良い印象を与えやすいです。
■デメリット
大学編入のデメリットは友達ができにくいことです。もちろん大学の環境など、個人差はありますが、すでに人間関係が構築されている輪の中に入るということもあり、友達を作りにくいと感じる人もいるでしょう。
他にも専門学校と同じく学校に通うことになるため、当然費用が発生します。なんとなくで大学へ編入してしまうと費用面もデメリットになるでしょう。
フリーランス
フリーランスとは、特定の企業や団体に所属せずに個人で仕事を請け負いながら働く方法です。
■メリット
フリーランスで働くメリットは、取引先で常駐しながら働く企業でなければ、働く場所も時間も自由に決められます。
一切、人と関わらなくて済むということはありませんが、組織に属するよりも人間関係に対するしがらみがなくなることもメリットの1つです。
■デメリット
フリーランスで働くデメリットは、安定した収入が得られないことと、自ら営業をしなければならない点です。
仕事を依頼する企業側は、あなたのスキルを見て取引の有無や任せる仕事の質や量を判断します。
そのためあなたの能力次第で収入は大きく変わります。
また、働くことで生じる税金や保険の支払いに関しても自分で手続きをしなくてはいけないため、手間がかかることもデメリットと言えるでしょう。
起業
起業とは、新しく事業を立ち上げることを指します。
■メリット
起業するメリットは、フリーランス同様、自由に仕事ができることです。
組織に属さないため、自分の思い通りに働く日や時間、仕事内容、方向性などを決めることができます。
新卒では経営について実践的に理解を深めることは難しいため、自分の力で経営や社会についての理解を深め、チャレンジをしたい人にとっては1つの手と言えるでしょう。
■デメリット
起業のデメリットは、安定的な収入を得られないことや自ら仕事を獲得しなければならないことです。起業したばかりで安定した収入を得られる人はほとんどいません。
多くの場合、初期投資などをおこない、赤字経営からスタートします。そのため、起業する前に起業できるだけの費用があるのかを確認しておきましょう。
また、1度も就職をせずに起業をする場合、ビジネスマナーなどの基本スキルを自ら学ばなければなりません。
ここまで、就職以外の選択肢を紹介してきましたが、いかがでしょうか?
やってみたいことがある場合は、就職以外の選択をしても良いかもしれません。しかし、簡単なことではないことは覚えておきましょう。
まとめ
本記事では、大学と専門学校の違いや、専門学校生が内定を獲得するためにすべきことなどについて紹介してきました。
一般企業への就職を希望している専門学校生は、一般職を希望している大学生よりも就職難易度が高く、不利と言われています。
しかし、就活対策をしっかりとおこなえば、一般企業への就職も不可能なわけではないため、諦めずチャレンジしてみるのも良いでしょう。
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