住宅は生活の三大要素の1つであり、生きていくうえで欠かせないものです。
最近の住宅は、単に「住む場所」に留まらず、様々な働き・役割が期待されています。
例えば、近年では、エネルギーを自給自足する住宅が増えてきています。
また、日本は地震や豪雨といった自然災害が頻繁に発生する国であるため、免震構造などの高度な住宅性能に対するニーズは年々高まっています。
今後は、地球温暖化と少子高齢化という2つの問題に対応すべく、各社は環境により配慮した住宅の開発や、より積極的な海外展開を行うことが予想されるでしょう。
本記事では、動向や仕組みについて紹介するだけでなく「就職難易度って?」「働くメリットってある?」という人に向けて、住宅業界の動向やキャリア、資格、自己PRの書き方についてわかりやすく解説していきます。
また住宅業界の売上や利益、年収、従業員数、勤続年数をランキングで紹介しています。
ビジネス規模や働きやすさ等がわかるので、確認してみましょう。
住宅業界の仕組み
住宅は多くの人の手を渡って消費者のもとに届けられます。
住宅業界では以下の図のように、ゼネコンやハウスメーカーなどによって設計・建設された住宅を、販売、賃貸という形で消費者に提供するのが一般的なビジネスモデルです。
また、住宅の管理やリフォーム・リノベーションという形でサービスや商品を消費者に提供する管理会社・不動産会社も住宅業界に分類されます。
住宅業界の業態と仕事内容
先述した通り、住宅が設計・建設され最終的に消費者の元へ届けられるまでには、大小様々な企業が携わっています。
それぞれの業態によって、仕事内容は大きく異なるため、自分のやりたいことと照らし合わせながら一通り確認しておきましょう。
■ゼネコン(総合建築業)
ゼネラルコントラクター(General Contractor)の略称で、総合建築業とも呼ばれます。
公共施設や大規模な開発など、高い技術力を用いて大きな建築物を建設する仕事です。
住宅の場合だと大きなマンションなどを手掛けることが多いです。大成建設や大林組がゼネコンにあたります。
■ハウスメーカー
自社ブランドの住宅を建設・販売することが主な仕事です。
大和ハウスや積水ハウスなど、全国展開している企業が多く、テレビのコマーシャルなどで目にする機会も多いのではないでしょうか。
部材の生産から設計、施工に至るまで、工場生産化率を高めてシステム化されている点が特徴です。
■工務店
比較的狭い営業エリア内で地元に密着した仕事を行っている建設会社を指します。
「地元に密着した仕事」というのは、全国展開はせず一定の営業エリア内でのみで仕事をする、という意味です。
その地域特有の気候、災害が起こりやすい場所や交通事故が多い場所など、地元に密着して仕事をしてきたからこそ知っている情報を基に、地域に適した建物を建設してくれるという点が公務店の魅力です。
また、ハウスメーカーよりも規模が小さいですが、その分、柔軟で素早い対応が期待できます。
建築主の好みや、提示された条件に合わせて設計や施工をしてくれる自由設計が特徴です。
株式会社アイケーホーム、三陽ホームなどが工務店にあたります。
■設計事務所
設計力の高さからデザイン性の高い唯一無二の家づくりを実現できるという特徴があります。
クライアントからの要望に合わせて設計を行った後は、工務店などに施工を委託するのが一般的です。
■施工管理
住宅を安全・円滑に建設するためには、用意された設計図に忠実に従わなければなりません。
そこで、施工管理では作業が図面通り行われているか、スケジュール通りに進行しているかなど、工事の監督業務を行います。
着工前は資材調達や購入希望者に対する工事内容の説明、着工中は段取りの確認や職人への指示といった現場での総指揮を執ります。
また、住宅購入者は自分の住まいが順調に建設されているのか不安に感じる人も多いため、こうした不安を解消するために、工事の進捗情報を適宜伝える窓口的な役割も担っています。
■総合ディベロッパー
「企画」と「開発」をメインに仕事をするのが総合ディベロッパーです。
具体的にはマンション開発に加えて、大規模商業施設やレジャー施設の建設等の幅広い分野での大規模建築を開発しており、街づくりそのものに関与している仕事だと言えます。
総合ディベロッパーとしては住友不動産や野村不動産などが該当します。
■パワービルダー
パワービルダーとは戸建分譲床面積30坪程度の土地付き一戸建住宅を2,000〜3000万円程度の価格で分譲する建売住宅販売業者です。
一建設、アーネストワン、飯田産業、東栄住宅、アイディアホーム、タクトホームの6社が、平成13年に上場を廃止し、飯田グループの傘下となりました。
そのため、パワービルダーとは主に飯田グループホールディングス株式会社を指しています。
■不動産仲介会社・不動産管理会社
不動産会社は大きく「仲介会社」と「管理会社」の2つに分けられます。
仲介会社は不動産の分譲、賃貸、仲介、管理会社は住宅の管理、鑑定・評価などが主な仕事です。
仲介会社と管理会社が別々の場合もあれば、2つが一緒になっている不動産会社もあります。
■リフォーム・リノベーション会社
主に古くなった住まいを新築時の状態に近づけるリフォームや、間取りから内装・配管等すべてをゼロから作り直すことで、新しい価値を生み出す(改修を行う)仕事です。
会社としては三井のリフォームやエディオンが有名です。
住宅業界の職種
他の業界と同様、住宅業界にも人事や総務などはありますが、ここでは住宅業界における職種として特有なものを2つ紹介します。
■設計
住宅業界と聞くと「設計」を最初に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
消費者のニーズやトレンド、住宅市場の動向など様々な要素を踏まえた上で、設計し図面に落とし込む仕事になります。
住宅デザインを考える際は、建設予定地の地質や地盤、周囲にある物などを正確に把握しなければなりません。
以上を踏まえて設計し図面に書き起こした後、住宅購入希望者に提案を行うというのが一般的な流れです。
なお、図面を描いた後も、工事の進捗状況の確認や現場の作業員・購入希望者とのコミュニケーションは建設が終わるまで行っていく必要があります。
■営業
どれだけ素晴らしい商品やサービスがあっても、それを消費者にアピールしなければ売上に繋がりません。
営業では、購入希望者がどのような住まいを望んでいるのかを丁寧にヒアリングし、それを設計者に伝達し反映させる重要な役割を担っています。
住宅業界の営業職は、自社のモデルルームや住宅展示会に訪れた消費者にアプローチをするのが一般的です。
【2023年最新】住宅業界の動向
ここでは住宅業界の動向を3点紹介していきます。それぞれ以下のトピックスについて紹介しているので、確認しておきましょう。
・新設住宅着工戸数の推移
・空き家数の推移
・リフォーム件数の推移
・(補足)リノベーションとは?
■積極的な事業展開
・海外展開
・M&A
■環境に優しい住まいづくり
・ZEH(ゼロエネルギーハウス)
・スマートハウス
まず動向を学ぶ前に住宅業界について数字で見てみましょう。
繰り返しになりますが、住宅業界に分類される企業はとても多いため、その分業界の規模も大きいのが特徴です。
しかし、少子高齢化や人口減少に伴い、今後は国内における市場規模の縮小が予想されます。
推移から見る住宅業界の現状
ここでは4つの項目に関するグラフ・推移から住宅業界の現状を簡単に紹介します。
新設住宅着工戸数の推移
以下のグラフは国土交通省が公表した建築着工統計調査報告を元に作成した新設住宅着工戸数の推移になります。
参照元:国土交通省/令和4年度 住宅経済関連データ2009年の住宅着工数は米国でのリーマンショックの影響から低い数値となりました。また、2013年に大幅に増加しているのは消費増税前の駆け込み需要によるものです。
2016年からは減少を続けており、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によって81万5,340戸と前年より大きな減少となりました。
しかし、2021年には前年比の5%増の85万6,484戸となり、5年ぶりの増加に転じています。これは、2020年の新設住宅着工戸数が減少し、その反動増が現れたと考えられます。また、2022年は85万9,529戸と2年連続の増加となりました。
近年、首都圏を中心としたマンション価格の高騰で戸建て住宅が再び注目されいます。マンションの価格が高騰しすぎているため、戸建て住宅の方が割安ととらえられ、マンションから戸建てへと需要が流れていると考えられます。
空き家数の推移
ここでは、空き家数の推移と主な原因、この問題に対する取り組みについて説明します。
参照元:総務省/「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」グラフは総務省が5年ごとに行っている「平成30年住宅・土地統計調査」の空き家数及び空き家率の推移です。居住世帯のない住宅のうち、空き家は849万9千戸となっており、前回の調査よりも29万3千戸増加しました。また、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.6%で過去最高となりました。
少子高齢化により人口減少社会が加速する中、単純に総住宅数が総世帯数を上回り、その差が徐々に開いていることが空き家増加の主な原因です。
この問題を解消するために、国はリフォーム市場の活性化に取り組んでいます。2016年度の「空き家対策総合支援事業」に計上された予算が約20億円だったのに対し、2021年度は2倍以上の45億円が計上されていることから、空き家問題の解消が強く求められていることが分かります。
以下では、リフォーム件数の推移を紹介します。
参照元:国土交通省住宅局/「令和3年度住宅局関係予算決定概要」リフォーム件数の推移
リフォームとは、劣化した住まいや購入した中古住宅を、住める状態に復元するといった「改修作業」を指す言葉です。
国土交通省が公表している「建築物着工統計」や人口数等の様々な情報を基に作成された調査によると、2020年の住宅リフォーム市場規模は前年からほぼ横ばいの6兆5298億円でした。
コロナ禍で多くの業界が打撃を受ける中、2020年リフォーム事業があまり長期的な悪影響を受けなかった理由としては、新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅時間が増加したことによって住宅への関心を持ち、住空間の改善への支出が増加したことが挙げられます。
また、2022年の住宅リフォーム市場規模は過去最高の6.9兆円になると推計されており、今後も少しずつ増加することが予想されています。
参照元:矢野経済研究所 /「住宅リフォーム市場規模推移と予測」積極的な事業展開
少子高齢化に伴う人口減少が進む国内において、住宅への需要減少は避けられないでしょう。そこで、各社は様々な分野・方向への事業展開を繰り広げ生き残りをかけています。
海外展開
以下は住宅業界の主要なハウスメーカーとその進出先になります。各社は国内における住宅市場の縮小を補うため、人口増加を続ける米国やオーストラリアを中心とした海外展開に力を入れています。
・旭化成ホームズ
アメリカ、オーストラリア、台湾
・一条工務店
アメリカ、オーストラリア
・住友林業
アメリカ、オーストラリア、東南アジアなど
・セキスイハイム(積水化学工業住宅カンパニー)
タイ ・大和ハウス工業 アメリカ、オーストラリア、中国など
・プライム ライフ テクノロジーズ(パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホームなど)
アメリカ、オーストラリア、台湾、インドネシア、マレーシア、ニュージーランドなど
・三井ホーム
アメリカ
積水ハウスは2017年に米国の住宅会社Woodside Homesを買収し、米国での戸建住宅事業に参入しました。
同じ年には大和ハウスも米国バージニア州を中心とする東部地域で戸建住宅事業を行うスタンレー・マーチン社を子会社化しています。また、18年にはタイのブンロード・ブリュワリーグループの不動産開発・建築請負会社と合併事業契約を締結し、戸建分譲事業に乗り出しました。
旭化成ホームズは2017年にオーストラリアで鉄骨構造を主力商品として持つMcDonald Jones Homesと資本提携、翌年18年には米国のErickson Framing Operations社を買収するなど海外での拠点づくりを進めています。
住友林業は、米国やオーストラリアを中心に事業を拡大しています。、18年度には販売戸数が1万戸に達する勢いで推移しており、堅調な販売が続いています。住友林業は海外事業のウエイトが高い会社の1つであり、21年度には国内対海外売上が45:55、利益では16:84と海外が国内を大幅に上回っています。
参照元:住友林業/「2021年12月期 第3四半期決算短信」M&A
住宅業界においてもM&Aが活発に行われています。2016年にはミサワホーム株式会社がオフィスビルの修繕や原状回復・内装・リニューアル工事などを全般に手掛けるアルゴスペースデザイン株式会社をM&Aし、これによって事業多角化推進が図られました。
また、住宅業界では周辺業種の大手企業によるM&Aも行われています。2017年には大手ゼネコン会社である熊谷組が住友林業と資本業務提携を結びました。これにより、熊谷組の持つ再生エネルギー事業の強化と、住友林業の介護福祉事業の拡大など、住宅事業以外の面でシナジー効果の獲得を目指しています。
各社がM&Aに力を入れる理由としては、
①事業規模の拡大
②人材の確保
が挙げられます。
まず、M&Aすることによって、買い手側の会社は新事業を1から始める必要がなく、事業拡大を手早くスムーズに始めることができます。また、事業買収をすることによって人材を確保することができ、少子高齢化による人手不足解消に繋がるという点もM&Aが持つメリットの1つです。
環境に優しい住まいづくり
2015年に採択されたSDGs(※)の11番目には「住み続けられるまちづくりを:都市と人間の居住地を包括的、安全、強靭かつ持続可能にする」という目標が掲げられました。
それに伴い、一般財団法人日本建築センターは、建築産業がSDGにどのように関係していて、どのように取り組むべきかを示した「建築産業にとってのSDGs(持続可能な開発目標)‐導入のためのガイドライン-」などを発刊しています。
このように、住宅業界において「持続可能性」はとても重要な要素の1つになりました。そこで、以下では住宅業界がSDGsの目標達成に向けて行っている対策を紹介します。
(※)SDGsとは「Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)」の略称。2030年までに達成すべき17の目標が掲げられており、2015年の国連サミットにおいて採択されました。
参照元:一般財団法人日本建築センター/「建設産業にとってのSDGs(持続可能な開発目標) -導入のためのガイドライン-」ZEH(ゼロエネルギーハウス)
「Net Zero Energy House (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、「エネルギー収支をゼロ以下にする家」という意味です。家庭で使用するエネルギーと、太陽光発電などで創るエネルギー(※省エネ・創エネ)でバランスを取り、1年間で消費するエネルギーの量を実質的にゼロ以下にする家ということになります。ZEHは快適な心地よい暮らしを実現しつつ、高い省エネ・省CO2効果を発揮する対策の切り札として注目を集めています。
ZEHはエネルギーの地産地消を可能にするため、CO₂の排出量を削減でき、環境へ配慮した生活を送ることができるようになります。
他にも、断熱性能が高いことから「夏は涼しく冬は暖かい」という快適性、停電時でも太陽光発電などを備えておくことで電力を確保できるという災害対策、省エネ・創エネによる光熱費を抑えることができる経済性と、ZEHには様々なメリットがあります。
政府は地球温暖化対策に繋げるため、ZEHの補助金制度を導入し普及の促進を行っています。
※省エネ→ 高断熱の壁や窓、高性能の省エネ機器の導入により、住宅に必要なエネルギーを最小限にする
※創エネ→ 太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入によって住宅に必要なエネルギーを創る
スマートハウス
スマートハウスとはITを使い家庭のエネルギー消費をコントロールする省エネ住宅のことを指します。中でも注目を集めているのはHEMS(Home Energy Management System)です。
HEMSとは「家庭内で電気を使用している機器について、一定期間の使用量や稼働状況を把握し、電力使用の最適化を図る」管理システムのことです。例えば、電気やガスなどの使用料をモニター画面などで「見える化」することや、使用量に応じて家電機器を「自動制御」するなどがあります。
このようなITシステムを用いたスマートハウスは、家庭で必要な電力と無駄な電力の把握を可能にする他に、CO₂の排出量削減という点で高く評価されています。
政府はスマートハウスについても補助金・助成金制度を設けていましたが、2013年に打ち切りました。
その代わり、国としてはHEMS以外の補助金制度を充実させ、また、自治体ごとのHEMSの補助金制度を実施することで、国は2030年までに国内普及率100%を目指しています。
住宅業界の男女比・就職難易度
ここでは、住宅業界の男女比や就職難易度を紹介します。
男女比
以下は大手企業の内定者の男女比をまとめた表です。
ご覧の通り、住友林業、大和ハウスでは男性の割合が7割を超えており、オープンハウスに至っては8割に近い数値となっています。
週刊東洋経済の「CSR企業総覧(雇用・人材活用編)2022年版」の掲載されているデータを基に作られた「女性部長の比率が高いランキングTOP50」に建設業の会社は1つもランクインしていません。
女性の社会進出が進んでいないわけではありませんが、他の業種と比べると男性の割合が高いと言えるでしょう。
以下は「業種別女性部長比率の平均・合計人数」をまとめた表になります。
ご覧の通り、建設業に関しては、女性部長の比率が1%を下回っており、他業種よりも大幅に低い数値を記録しています。
参照元:東洋経済ONLINE / 「女性部長の比率が高い会社」ランキングTOP50」住宅業界の就職偏差値
駿台予備学校と大学通信が行った調査を基に算出された「業種別・入社難易度ランキング」によると、建設・住宅業界は32位中30位でした。
この数字だけを見ると、難易度は高くないようにも見えますが、住宅業界は大和ハウスや積水ハウスなど知名度の高い企業が多く、また給与も高いため人気の高い業界です。
そのため、このランキングだけで一概に「入りやすい業界」と言うことはできず、しっかりとした対策が必要となります。
参照元:東洋経済ONLINE /「業種別・入社難易度ランキング」住宅業界で働くメリット
住宅業界はその業態・業務内容が多岐に渡るため、イメージが掴みにくい人もいるかと思います。
そこで、以下では「ハウスメーカー」と「設計事務所」の新卒採用ページに掲載されている社員の声を例として紹介します。
実際に働いている人の声を通して、住宅業界で働くということはどういうことなのか、仕事を通して何が得られるのかを理解し、志望理由を作成する際に役立てましょう。
ハウスメーカー
「お客様のこだわりやライフスタイルに寄り添った最高の住まいをご提案できること、そして手がけた物件がその土地にずっと残り続けていくことがこの仕事のやりがいです。」
(積水ハウス 戸建住宅設計者)
「そして食事会の後、なんとご自宅に招いていただいたのです。(中略)自分の担当したお客様の住まいに子どもを連れて遊びにいくというのは滅多にない貴重な体験でした。そうした関係が作れたことはもちろん、お客様がとても大切に住まわれていたことがとてもうれしかったです。」
(積水ハウス 現場監督)
「(石巻市営栄田復興住宅が完成し、設計を担当した〇〇ですと自己紹介をすると)集まった人々から思いもかけない大歓声が上がったのだ。よくやった!ありがとう!オォーッと響きわたる声を聞き、石井は背中が身震いするほど嬉しかった。(中略)「現場の声」を体感することで、人は頑張れる。石井自身、人々の声を聞き続けたことで、やりがいと、暮らしに寄り添う気概が生まれたのだから。」(大和ハウス 住宅系設計担当)
参照元:積水ハウス/ 2023年新卒採用ページ「仕事を知る」
大和ハウス工業株式会社/「Spirit of Hearts~創業者精神を引き継ぐ者たち~」
設計事務所
「入社2年目に東京2020オリンピック選手村のビレッジプラザの実施設計を担当しました。この案件ではいくつかの画期的な手法が用いられていて、全国の木材を使った仮設建築である点もそのひとつです。大会終了後に木材を廃棄するのではなく、各都道府県に返還して再利用するというコンセプトになっています。木材の一つひとつに返還先の都道府県が明記されていて、建物の中に入ると想像以上に「全国の木材が一堂に会している」というインパクトが強く感動を覚えました。」(日建建設)
「設計のおもしろさは、自分が関わったものが具体的なかたちになるところですが、その前段階で、建築主の希望を少しずつ引き出しながら提案を重ねているので、”そういうものを求めていました”という反応が返ってくるのが、いちばん嬉しい瞬間です。いわれたことを絵にするのは誰でもできることなので、対話のなかで引き出した相手の意図を自分なりに解釈した上で、相手の想像を超えたものを提案する。それが受け入れられて、建物が完成した喜びを建築主と共有できたとき、おもしろさややりがいを感じます。」(安井建築設計事務所)
参照元:日建建設/2023年新卒採用ページ 社員インタビューハウスメーカーと設計事務所で働く社員の声を紹介しました。「規模の大きなプロジェクトに関われる」「自分の作ったものが目に見える物として残り続ける」「お客様からの感謝の声」「大切に住んでもらえる」という、住宅業界ならではのやりがいを感じられるのが業界で働くメリットの1つです。
1つの建築物を作るのに多くの時間と労力が必要になるからこそ、目に見える形で完成し、それが消費者のもとに渡った時の達成感は桁違いでしょう。
住宅業界の求める人物像
住宅業界は業種が多岐に渡るため求められる人材も様々ですが、接客を行う際にも、会社内で共有するにしても大前提コミュニケーション能力が必要です。
また、住宅を設計する際にはお客様が何を求めているのかを聞き出す傾聴力や適切なアドバイスができる知識と提案力も必要になってきます。
そして、社会状況やお客様の声から、世の中が求めているものはなにか?、どのような機能が付いていると喜んでもらえるのか?と考え深堀していく能力が必要になります。
住宅業界で評価される自己PRの書き方
自己PRを書く際は、以下のように「強み⇨エピソード⇨結果・学んだこと⇨入社後どう活躍できるか」の順番で書きます。
(1)結論
自己PRを書く際は最初に「私は○○することができます」といったように自分の長所を端的に述べます。
その際は、住宅業界の求める人物像に合わせ「コミュニケーション能力」や「提案力」といった長所を選ぶようにしましょう。
このように最初に結論を述べ面接官に今から何の話をするのか伝えることで、聞き手側も話が入りやすくなります。
そのため、自己PRをする際は結論として、まず長所を伝えるようにしましょう。
以下で「提案力」という長所を選んだ場合の例を紹介します。
(2)エピソード
長所を伝えたら、実際にその長所があることを証明できるエピソードを交えます。
理由としては、企業は、課題・目標やそれに対する行動を通してその人の人柄や価値観を判断しているためです。
(3)結果・学んだこと
エピソードの次は、自分がとった行動によってどのような結果になったか、この経験を通して何を学んだのかについても書きます。
また、結果を書く際は定量的に伝えることでよりイメージしやすい自己PRを作成することができるため「〇〇というアイディアを出し実践したところ、売上を40%上げることができた」など、数字を用いてアピールしてみましょう。
(4)入社後どう活躍できるか
企業は採用活動を通して、自社に貢献してくれる人材を求めています。
つまり、面接官にこの学生は「自社で活躍する素養がある」と思わせることが大事です。
そのためには繰り返しになりますが、企業が求める人物像を把握しておく必要があります。
業界研究・企業研究を通してどのような強みをアピールするのか考えておきましょう。
住宅業界で評価される志望動機の書き方
住宅業界の志望動機を書く際は「なぜ住宅業界なのか」「なぜその会社なのか」をしっかりと深堀りしておくことが必要です。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えば「単に住む場所を売るのではなく、業務を通してお客様の人生に寄り添いたい」などといった住宅業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
“なぜその会社なのか”については、他の企業ではなくその企業でなければいけない理由を伝えます。
例えば大和ハウスであれば、戸建住宅事業での「高耐震」「高耐久」「省エネ」を強みにしています。
また、賃貸住宅事業においてはセキュリティ使用搭載率を伸ばしており、時代のニーズに柔軟に対応した事業創出を行っています。
上記のような企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。
住宅業界の志望動機の例文を見てレベル感を掴みたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
住宅業界ランキング
ここでは住宅業界のランキングを「業績」と「社内環境」に分けて紹介します。
住宅業界の業績ランキング
参照元:業界動向サーチ/損害保険業界の売上高ランキング(2021-2022年)は上記企業の有価証券報告書に基づき作成しています。ランキングは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。また企業名にあるホールディングスを「HD」と省略しています。(※2023年9月時点)売上については1位が大和ハウス工業、2位が積水ハウス、3位が飯田グループHD、経常利益は1位が大和ハウス工業、2位が積水ハウス、3位が旭化成です。
海外展開や新型コロナウイルスの感染拡大等の社会状況に応じて、顧客のニーズへの柔軟な対応を積極的に行っている企業の売上が比較的上位にきています。
売上や利益、利益率をチェックした方が良い理由は、以下の2点です。
・利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しているから
売上は企業の財務力、ビジネスの規模を表しています。つまり売上が高い企業の方が行っているビジネスの規模が大きいということです。
またA社とB社が同じ利益の場合、売上が大きい企業の方が金融機関からの融資を受けやすいとされているため、売上を見ることで企業の資金調達力もチェックすることができます。
次に利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しています。そのビジネスによる付加価値がどれくらいあるかを測る指標です。
つまり利益がほとんど出ていなかったり、赤字だとビジネスに何らかの問題があるということになります。
ただし、このランキングだけでなく、成長率も大事であるため各企業の過去についても振り返っていきましょう。
住宅業界の社内環境ランキング
参照元:業界動向サーチ/損害保険業界の売上高ランキング(2021-2022年)は上記企業の有価証券報告書に基づき作成しています。ランキングは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。また企業名にあるホールディングスを「HD」と省略しています。(※2023年9月時点)年収は1位が積水化学工業、2位が大和ハウス工業、3位が住友林業、勤続年数は1位が土屋HD、2位が積水ハウス、3位が住友林業となります。
勤続年数が長いということは定着率が高いということになります。一概には言えませんが、定着率が高い会社は良い会社である可能性が高いです。
また従業員数が多い会社は多様な人と関わり合うことができるというメリットがあります。
しかし多いと自分の意見が通りにくい場合もあるというデメリットもあるため、自分にとってどの環境が合っているのか考えてみましょう。
まとめ
本記事では住宅業界について紹介してきました。ZEHやスマートハウスのような「環境に配慮した暮らし」を提供する住宅が増え、「住宅」に求められる役割が幅広いものとなりました。
しかし、少子高齢化に伴う人口減少による市場規模の縮小は避けられないでしょう。
そこで、各社は海外展開やM&Aによる事業規模の拡大を図っています。
本記事を通して動向について理解ができた人は、自分のキャリアややりたいことにも目を向けてみましょう。
自分の言葉で話せるようにしておくことで、面接で説得力を増すことができます。
●”住宅業界”の動向
動向(1):推移から見る住宅業界の現状
・新設住宅着工戸数の推移
・空き家数の推移
・リフォーム件数の推移
・(補足)リノベーションとは?
動向(2):積極的な事業展開
・海外展開
・M&A
動向(3):環境に優しい住まいづくり
・ZEH(ゼロエネルギーハウス)
・スマートハウス
●”住宅業界”の求める人物像
・コミュニケーション能力
・アドバイス力
・提案力
“住宅業界”に関するその他の記事
ここでは、住宅業界に関連する記事をご紹介します。
ES作成をしたり、面接に望んだりする際には、その業界や企業でなければならない理由を明確化しておくことが重要です。
「住宅業界に興味はあるけれど、具体的な業界はまだ定まっていない」「この業界でしかできないことって何だろう」と悩んでいる人は、是非参考にしてください。
⇒【2023年最新】住宅設備業界の動向3選!仕事内容や志望動機・自己PRのポイントも紹介
⇒【2023年最新】不動産業界の動向3選!仕事内容や志望動機・自己PRのポイントも紹介
⇒【業界研究】インテリア業界の動向8選!仕事内容や志望動機・自己PRのポイントも紹介
その他にも、本サイトでは志望動機・自己PRの書き方、業界研究のやり方に関するコンテンツなども多数公開しています。
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