従来、「死」は人々に負のイメージを強く与えるため、死について語ることを避ける傾向がありました。
しかし、近年の少子高齢化の影響もあり、多くの高齢者が「周囲に迷惑をかけずに人生を終えたい」という思いから、生前から葬儀やお墓の準備をする「終活」が広がりを見せています。
また、死亡者数・葬儀件数ともに増加に伴い、葬儀業を取り扱う事務所が増加し、価格競争が生まれ、葬儀1件あたりの売上は下落基調にあります。
本記事では、動向や仕組みについて紹介するだけでなく「具体的にどんな仕事しているの?」「葬儀業界で働く意義は?」という人に向けて、葬儀業界の動向やキャリア、資格、自己PRの書き方についてわかりやすく解説していきます。
また葬儀業界の売上や利益、年収、従業員数、勤続年数をランキングで紹介しています。ビジネス規模や働きやすさ等がわかるので、確認してみましょう。
葬儀業界の仕組み
葬儀業界は、顧客が直接「専門葬儀社」に葬儀を依頼し、「葬儀社」が葬儀に必要なものをすべてとりまとめ、それらを「顧客」に提供するビジネスモデルが一般的です。
しかし最近では、顧客がネット上の「葬儀仲介業者」に葬儀を依頼し、「葬儀仲介業者」が葬儀の施行を全国の提携葬儀社に委託することで、顧客の元へサービスが提供されるというビジネスモデルが増えています。
葬儀業界の業態
以下では葬儀業界における業態を3つ紹介します。
■専門葬儀社
いわゆる一般的な葬儀業者で、ベルコ、ティア、日本セレモニーなどが挙げられます。
大小問わず様々な葬儀社があり、全国的に見ると5000〜6000程度の会社があると言われています。
このような専門葬儀社は全体の7割は従業員数が10名以下という小規模で運営されており、地域密着型の葬儀社が多いという特徴があります。
■葬儀仲介業者
葬儀仲介会社とは専門葬儀社と顧客を仲介している業者です。ほとんどがインターネット上でサービスを提供しており、有名どころでは小さなお葬式、やさしいお葬式などがあります。
■冠婚葬祭互助会
冠婚葬祭互助会とは、会員が結婚式やお葬式などの冠婚葬祭行事に備えて、毎月一定金額を積み立てていくことによって、冠婚葬祭を行うときにサービスが受けられるシステムです。
日本全国で行われている葬儀の4割程が冠婚葬祭互助会で執り行われています。このシステムは多くの専門葬儀社で導入されています。
葬儀業界の職種
以下では葬儀業界において、特有の職種を4つ紹介します。
中には資格が必要なものもあるため、以下で紹介する「葬儀業界に関する資格」と合わせて確認しておきましょう。
■葬祭ディレクター
葬祭ディレクターは、ご遺体の搬送、お通夜・お葬式の進行、会場の設営やお花など必要な準備物の用意から、火葬場の手配など仕事内容が多岐に渡ります。
また、見積書・請求書、死亡届の手続き代行など、裏方の仕事もこなさなければなりません。
加えて、自分の葬儀について生前に相談したい方への窓口や四十九日法要など式の前後にも仕事があります。
■納棺師
納棺師は、亡くなられてからお通夜、葬儀が執り行われるまでの期間、ご遺体を洗い、適切に保存し、亡くなった方を館に納めることが主な仕事です。
2008年に公開された納棺師を主人公とした映画「おくりびと」が話題となり、一気に知名度が上がった職業です。
■エンバーマー
エンバーマーは、ご遺体の「修復」を行う職業です。様々な事情により別人のようになってしまったご遺体を生前の姿に修復することを主な仕事としています。
特殊な薬品を使用することで、ご遺体の長期間保存も可能にします。2011年に起きた東日本大震災の時に多くのエンバーマーが被災地に派遣されたことで注目を浴びました。
■生花業者
葬儀場を彩る花を手配する職業です。
季節の花や故人が好きだった花を遺族からヒアリングし、色や形のバランスを考えたうえで瞬時に式場をデザイン、手配、そして実際に式場で設営することが主な仕事です。
大規模な式では祭壇そのものが花でできている「花祭壇」を作り上げるため、職人的な技術とアートセンスの両方が必要となります。
【2023年最新】葬儀業界の動向
ここでは葬儀業界の動向を4点紹介していきます。それぞれ以下のトピックスについて紹介しているので、確認しておきましょう。
■異業種からの新規参入
■M&Aによる事業規模拡大
■終活による「死」への意識変化
まず動向を学ぶ前に葬儀業界について数字で見てみましょう。
近年、お通夜を執り行わない「1日葬」のように、葬儀の簡略化がトレンドとなっており、葬儀件数が増加している一方で、葬儀1件当たりの単価は下落基調にあります。
葬儀業界の売上推移
以下のグラフは、2010年から2022年までの葬儀業の売上高と取扱件数をまとめたものになります。
2022年の売上高は2年ぶりの増加となり、取扱件数は過去13年間で最も高い水準となりました。
国内における死亡数の増加に伴い取扱件数が増加を続けているのに対して、売上高は2010年からほぼ横ばいで推移しています。これは葬儀の簡素化や縮小が原因と考えられています。
実際、近年は葬儀の形式も多様化し、家族葬や散骨、樹木葬等、様々なタイプの葬儀が自由に選択できるようになりました。そのため、1日葬などの簡素で小規模な葬儀を希望する人が増えています。
また新型コロナウイルス感染症の拡大により「オンライン葬儀」の需要が増加しました。オンライン葬儀とは、コロナ禍に登場した新たなサービスで、葬儀や納骨の様子を配信し、遠方に住む方や実際に参列できない人にも、リモートで様子を見てもらうというものです。
これらのことから、 葬儀自体の平均単価が下がり、葬儀業界の売上が減少していると考えられるでしょう。
異業種からの新規参入
葬祭業を開始するにあたって、資格や行政の許認可は必要ありません。
つまり、いつでもだれでも葬祭業を始めることができ、いわゆる「参入障壁(※)」が無いのがこの業界の特徴です。そのため、異業種からの新規参入がとても多いと言えます。
同業者が増えると、顧客を獲得するために商品の販売価格を下げ、競合他社へ競争をしかける「価格競争」が起こってしまいます。
元々、葬儀業界では葬式を価格評価することは良くないという考えがあったため、価格競争が起きにくい業界でした。
しかし近年は、イオンのお葬式や小規模のお葬式等、比較的低価格で行えるサービスが台頭していることから、葬儀業界全体で価格競争が激化することが予想されています。
また流通小売業、京王電鉄、京浜急行電鉄などの鉄道業、JA(農業協同組合)、生活協同組合、そして京王プラザホテルなどのホテル業界による新規参入も活発化しています。
(※)参入障壁とは、ある業界に新規参入しようとする会社にとって「費用がかかる」「難関な資格が必要となる」といった参入を妨げる障害を指します。
M&Aによる事業規模拡大
上記にて説明した通り、葬儀業界は参入障壁が無く異業種からの参入が多いことから、今後も価格競争がより激しさを増すと予想されます。
そこで、各社はM&Aを通じて、地元密着の葬儀社を囲い込むことで事業規模を拡大し、競争市場を生き抜こうとしています。
冠婚葬祭の「あいネットグループ」は、2013年以降、静岡県を拠点する平安閣や、長野県南信地域で葬儀式場を運営する平安を含む計6社を買収しました。
他にも、福島県を中心に葬儀式場を運営する「こころネット株式会社」は、2015年に同業である茨城県の牛久葬儀社を買収、2018年9月には栃木県の株式会社北関東互助センター、同年11月には福島県の有限会社玉橋を立て続けに買収・子会社化し、エリアと事業規模の拡大を行いました。
少子高齢化が進む日本において、葬儀業界への需要は増加を続けるでしょう。
このような社会状況を踏まえて、今後はより多くの企業が葬儀業へ新規参入をすることが考えられ、価格市場に打ち勝つ手段として、M&Aへの関心はより高まっていくと予想されます。
終活による「死」への意識変化
「終活」とは、「人生の終わりのための活動」の略称です。
具体的には、自分の介護、保険、お墓、葬儀に向けた準備や、財産相続などを円滑に進めるための準備を生前に行うことです。
自分の死後についてあらかじめ準備をしておくことで、遺された家族の負担やトラブルを大幅に減らせるのみならず、自分を見つめ直すことで、残りの人生をより良く、自分らしく生きることができるようになると言われています。
終活という考え方が広まった背景には、少子高齢化による家族の構成が変化したことで、1人暮らしの高齢者が増加したことが深く関係しています。
近年、核家族化や未婚・離婚が珍しくない世の中となり、自然と1人暮らしの高齢者が増加しました。
1人暮らしをする高齢者の方には、「頼れる人がそばにいない」「老後の資金不足」など様々な不安が募ります。
このような不安が、終活を促進させていると考えられています。
かつては、子供が親の面倒を見ることが当たり前であったため、お葬式も「子供が決める」というのがほとんどでした。
しかし、現代では1人暮らしの高齢者が増えたことで、子供が決めるのではなく「自分の納得できる最期を迎えたい」と考える人が増えています。
加えて、2020年から世界で大流行している新型コロナウイルスは高齢者の死亡率が高いため、コロナ禍で「死」をより身近なものに感じた高齢者が多いのではないでしょうか。
「終活」の広がりを踏まえて、各社は葬儀や墓石の準備から遺言相続についての相談サービスの提供を積極的に行っています。
葬儀業界の動向を知ることは選考を突破するために必要です。
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葬儀業界の仕事のやりがい
葬儀業界の仕事は常に人の「死」と隣り合わせにあるため、「楽しみ」よりも「悲しみ」を感じることが多いでしょう。
そのため、葬儀業界に対して消極的なイメージを持ってしまう人も少なくないと思います。
しかし、葬儀というものは、故人のためだけではなく、遺された人たちのために執り行われるものであり、悲しみに暮れる遺族に配慮しながらも、葬儀を着実に遂行させ、遺族の未来を照らす仕事です。
ここでは葬儀業界で実際に働く方々のエピソードをいくつか紹介します。消極的なイメージを持っていては、葬儀業界を本当の意味で理解することはできず、将来の選択肢を狭めてしまいます。
実際に働く方々のお話を通して、「葬儀業界で働く」という意味をもう1度考えてみましょう。
葬儀業界で働く社員の声
「ドタバタの2日間が終わり、ご遺族のご自宅でご挨拶。「不安だったけど、無事に葬儀を終えることができました。これで明日からまた、前を向いて生活していけそうです。本当に、本当にありがとう!」とガッチリ握手。 ときには、涙を流して感謝されるご遺族もいます。昨日初めて会った方に、そこまで深く感謝される仕事は、世の中を見渡しても他にはありません。」参照元:ティア/新卒採用ページ「48 HOURS STORY」より
僕にとって葬儀の仕事は、純粋に好きで興味があることでお給料をいただいている、本当に幸せな感覚なんです。 亡くなった方のお葬式は、世界で1つだけの大切なもの。決して誰にでもできる仕事ではないと思いますし、想いが込められているご家族のお手伝いをすることは最大の誇りなんです。参照元:北神舎/新卒・キャリア採用サイト「社員のインタビュー」より
葬儀場でよく、ご家族の集合写真を撮影することがあります。あるお葬儀でも家族写真をということになり、お持ちのカメラをお預かりして撮ろうとしたら、ご家族から「藤原君も一緒に入って」と言われました。 遠慮しようと思ったのですが、「担当してくれた君と一緒に撮りたいんだよ」とのことだったので、一緒に写らせていただきました。 後日、四十九日でご自宅にお参りに伺った際、その写真が額に入れて飾られてあって、それは本当に嬉しかったですね。その後も一緒に写真を撮ろうと言われたことは何度かありましたが、それを飾ってくださっていたというのはそのご家族だけです。 毎回、思い残すことのないように誠心誠意努めていますが、その気持ちが通じたように感じて、今でも心に残っています。参照元:MEMORIAL GROUP/企業・採用情報ページ「人を、思う、人」より
葬儀業界に関する資格
以下では、葬儀業界に就職するうえで、取得しておくと役に立つ資格を紹介します。
葬祭ディレクター技能審査
先述した「葬儀業界の職種」で紹介した葬祭ディレクターになるためには、厚生労働省認定の試験を受験する必要があります。
2級と1級があり、葬儀業界で2年以上の実務経験を経ることで2級の受験資格が得られ、1級は2級取得後に2年間の実務経験を経る、もしくは5年以上の実務経験を経て受験資格が与えられます。
グリーフケアアドバイザー
グリーフケアアドバイザーとは、一般社団法人日本グリーフケア協会が認定する民間資格です。
主に、大切な人を亡くした遺族の悲しみや、それに伴う反応を理解し、回復をサポートする役割を担います。
2級・1級・特級の3種類があり、認定講座に参加することで資格を得ることができます。
仏事コーディネーター
仏壇や仏具、法事に関する仏教の知識を有していることを証明する資格です。宗教用具を扱う事業所の経営者・従業員であれば受験資格が与えられます。
お葬式を終えた遺族が仏壇や法事などの相談に来ることもあるため、アフターフォローをする葬儀業者では、この資格を持っていることで活躍の場を広げることができるでしょう。
お墓ディレクター
一般社団法人 日本石材産業協会が認定する資格で、お墓に関する様々な知識を持っていることを証明します。2級と1級があり、検定試験に合格しなければなりません。
検定内容は、お墓の歴史や文化をはじめ、種類や形状、石材の加工方法、お墓を立てる上での法律上の手続きなど、幅広い知識と教養が問われます。
終活カウンセラー
一般社団法人 終活カウンセラー協会が認定する資格です。初級・上級・上級インストラクターの3種類があり、いずれも筆記試験などが行われます。
また、終活カウンセラーは、終活に関する全般的な知識を踏まえて、それぞれの人に適切なアドバイスをすることが仕事であるため、コミュニケーション技術も問われる資格です。
「終活による「死」への意識変化」で説明した通り、終活は少子高齢化が進む日本においてより注目されるでしょう。
この資格を持っておくことで、エンディングノートの書き方からお墓について幅広い相談に乗ることができるため、活躍の場が広がることは間違いないでしょう。
葬儀業界の求める人物像
依頼から式の終了までの48時間(約2日間)という短い時間の中で、悲しんでいる遺族と打ち合わせをし、それを瞬時に式に反映させなければなりません。
そのため、コミュニケーション能力はもちろん、ご遺族が何を求めているのかを聞き出す傾聴力や適切なアドバイスができる知識と提案力が求められます。
また、葬儀の失敗は決して許されないため、高い集中力と冷静かつ臨機応変に対応できる柔軟な思考も必要となるでしょう。
そして、葬儀は1人ですべての作業を行うわけではなく、進行を決める担当から、司会をする担当、会場を準備する担当など「チーム」で行うものであるため、チームワークを意識した行動を取ることも非常に重要です。
加えて、宗派により葬式の形式が異なり、それぞれの宗派で覚えなければならないことも多いため、常に勉強する姿勢が大切です。
葬儀業界で評価される自己PRの書き方
自己PRを書く際は、以下のように「強み⇨エピソード⇨結果・学んだこと⇨入社後どう活躍できるか」の順番で書きます。
(1)結論
自己PRを書く際は最初に「私は○○することができます」といったように自分の長所を端的に述べます。
その際、葬儀業界の求める人物像に合わせ「傾聴力」や「柔軟な思考力」といった長所を選ぶようにしましょう。
このように最初に結論を述べ面接官に今から何の話をするのか伝えることで、聞き手側も話が入りやすくなります。
そのため、自己PRをする際は結論として、まず長所を伝えるようにしましょう。
以下で「傾聴力」という長所を選んだ場合の例を紹介します。
(2)エピソード
長所を伝えたら、実際にその長所があることを証明できるエピソードを交えます。
理由としては、企業は、課題・目標やそれに対する行動を通してその人の人柄や価値観を判断しているためです。
以下で「臨機応変に対応できる柔軟性がある」という長所を選んだ場合の例を紹介します。
(3)結果・学んだこと
エピソードの次は、自分がとった行動によってどのような結果になったか、この経験を通して何を学んだのかについても書きます。
また、結果を書く際は定量的に伝えることでよりイメージしやすい自己PRを作成することができるため「〇〇というアイディアを出し実践したところ、売上を40%上げることができた」など、数字を用いてアピールしてみましょう。
(4)入社後どう活躍できるか
企業は採用活動を通して、自社に貢献してくれる人材を求めています。つまり、面接官にこの学生は「自社で活躍する素養がある」と思わせることが大事です。
そのためには繰り返しになりますが、企業が求める人物像を把握しておく必要があります。
業界研究・企業研究を通してどのような強みをアピールするのか考えておきましょう。
葬儀業界で評価される志望動機の書き方
葬儀業界の志望動機を書く際は「なぜ葬儀業界なのか」「なぜ葬儀会社なのか」をしっかりと深堀りしておくことが必要です。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えば「葬式を故人に別れを伝える場として提供するのではなく、遺族や参席した人たちのこれからの人生を支えられるようなサービスを提供したい」などといった葬儀業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
“なぜその会社なのか”については、他の企業ではなくその企業でなければいけない理由を伝えます。
例えば業界大手であるティアでは「おもてなしの精神」と「人材育成」に力を入れています。
失敗が許されない”葬儀”を迅速に遂行しながら、遺族のケアやアフターサポートも行うという高度なサービスが求められます。
そこで、ティアでは実際の式場と同じ設備が準備されている研修センターを設けており、実践を交えた練習に加えて徳育・命の教育を徹底して行っています。
それにより、年間の葬儀依頼件数は15,700件を超え、全国トップクラスです。
企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。
葬儀業界の志望動機の例文を見てレベル感を掴みたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
葬儀・セレモニーの志望動機の書き方と例文
葬儀業界ランキング
ここでは葬儀業界のランキングを「業績」と「社内環境」に分けて紹介します。
葬儀業界の業績ランキング
参照元:業界動向サーチ/警備業界の売上高ランキング(2021-22年)は上記企業の有価証券報告書に基づき作成しています。ランキングは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。(※2023年9月時点)売上については1位がベルコ、2位が日本セレモニー、3位がセレマ、経常利益は1位が日本セレモニー、2位が燦HD、3位がベルコです。
全国に拠点が展開されているだけでなく、また顧客のニーズに柔軟に対応した式を提供するための取り組みを積極的に行っている企業の売上が比較的上位にきています。
売上や利益、利益率をチェックした方が良い理由は、以下の2点です。
・売上は企業の財務力を表しているから
・利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しているから
売上は企業の財務力、ビジネスの規模を表しています。つまり売上が高い企業の方が行っているビジネスの規模が大きいということです。
またA社とB社が同じ利益の場合、売上が大きい企業の方が金融機関からの融資を受けやすいとされているため、売上を見ることで企業の資金調達力もチェックすることができます。
次に利益、利益率は企業が行っているビジネスの成否を示しています。そのビジネスによる付加価値がどれくらいあるかを測る指標です。
つまり利益がほとんど出ていなかったり、赤字だとビジネスに何らかの問題があるということになります。
ただし、このランキングだけでなく、成長率も大事であるため各企業の過去についても振り返っていきましょう。
葬儀業界の社内環境ランキング
参照元:業界動向サーチ/警備業界の売上高ランキング(2021-22年)は上記企業の有価証券報告書に基づき作成しています。ランキングは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。(※2023年9月時点)年収は1位が燦HD、2位はニチリョク、3位がきずなHD、勤続年数は1位がこころネット、2位が平安レイサービス、3位が 燦HDとなります。
勤続年数が長いということは定着率が高いということになります。一概には言えませんが、定着率が高い会社は良い会社である可能性が高いです。
また従業員数が多い会社は多様な人と関わり合うことができるというメリットがあります。
しかし多いと自分の意見が通りにくい場合もあるというデメリットもあるため、自分にとってどの環境が合っているのか考えてみましょう。
まとめ
本記事では葬儀業界について紹介してきました。人の「死」を商売にするのが葬儀業界であるため、マイナスな印象を持つ人も多いです。
しかし、葬儀業界で働く人たちは悲しみの渦中にいる遺族を支え、冷静でありながらも思いやりを持ったサービスの提供が求められるため、葬儀業界は時より「究極のサービス業」とも呼ばれています。
しかし、最近では式の簡略化がトレンドとなっており、葬儀単価の下落が続いています。
また、異業種からの新規参入が多いという特徴があるため、今後は価格競争がより激しくなるでしょう。
そこで、各社はM&Aによる事業展開や高齢者の中で広がりを見せている「終活」に関する取り組みを積極的に行っています。
少子高齢化が進む日本において、葬儀業界への需要が低下することは考えにくく、将来性のある業界の1つです。
動向について理解ができた人は、自分のキャリアややりたいことにも目を向けてみましょう。
自分の言葉で話せるようにしておくことで、面接で説得力を増すことができます。
●”葬儀業界”の動向
動向(1):葬儀業界の売上推移
・取扱件数は増加、売上高はほぼ横ばいで推移 動向(2):異業種からの新規参入
動向(3):M&Aによる事業規模拡大
動向(4):終活による「死」への意識変化
●”葬儀業界”の求める人物像
・コミュニケーション能力
・傾聴力
・冷静かつ臨機応変に対応できる柔軟な思考力
・チームワーク
・知識を常に学び身に着けようとする姿勢
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