●答えるときのポイントは、商社特有のビジネスモデルや同業他社との違いについて述べると良い
●商社が求める人物像は、変化に柔軟に対応し、多様な人々と協力しながら新たな価値を創造できる人。
多くの就活生は面接を受ける前に、志望動機や就活の軸といった頻出質問に対する回答を準備していると思います。
面接当日に回答に詰まらないよう、多くの就活生は志望動機や就活の軸といった頻出質問に対する回答を事前に準備していると思います。
しかし中には「なぜメーカーではなく商社を選んだのですか?」と聞かれて、どう答えたら良いか困った経験がある人もいるかもしれません。
今回は、商社の面接で押さえておきたい「なぜメーカーではなく商社を選んだのですか?」の質問意図や模範解答について解説していきます。その他、実際に商社を選考通過をした先輩の志望動機も紹介しています。
プロの就活エージェントが丁寧に解説をしていますので、商社志望の就活生は是非最後まで読んでみてくださいね。
「なぜメーカーではなく商社を選んだの?」の質問意図
そもそも企業が面接で「なぜメーカーではなく商社を選んだの?」と質問をする意図は何なのでしょうか。ここでは以下の3つの意図について、詳しく解説します。
模範解答が知りたい人は、「「なぜメーカーではなく商社を選んだの?」の模範解答」で詳しく解説をしています。
メーカーと商社の違いを理解できているか
面接官は「なぜメーカーではなく商社を選んだの?」という質問を通して、就活生がメーカーと商社の違いを理解しているのかを確認しようとしています。
商社とメーカーの違いが理解できていない場合、適切な志望動機を作成することができず「あなたのやりたいことは商社ではできないよ」「メーカーのほうが合っているのでは?」といったネガティブな評価に繋がってしまう恐れがあります。
それぞれの違いを理解した上で、商社を志望しているかどうかを確認することが多いです。なぜなら商社とメーカーの仕事内容の違いが理解できていない場合、「商社でなくても良いのでは?」と思われる可能性があるからです。
商社の役割や強みを理解し、自分のキャリアや志望理由にどう結びつくかを、明確に説明できるかが内定への鍵となるでしょう。
メーカー | 商社 | |
---|---|---|
仕事内容 | 自社で作った製品を売ること | 外部で作られた製品を販売すること |
扱う商材 | 様々 | 様々 |
やりがい | モノを作る工程に深く関われる | 世界中の市場とのつながりがもてる |
※企業によって異なる場合があるので、ビジネスモデルの詳細は各企業のホームページ・説明会などで確認してください。
メーカーはモノを作る工程に深く関わることができるのが特徴です。一方で商社は、外部で作られた製品を販売するので、世界中の市場と繋がりができるのが最大の特徴です。
それぞれの違いを理解した上で、学びたいことやライフプランなどを話すようにすると説得力が増すでしょう。
志望度や熱意やどのくらいか
面接官は「なぜメーカーではなく商社を選んだの?」という質問を通して、学生の志望度や熱意を確かめようとしています。
当然ですが、企業は誇りをもって仕事をしてくれる人に、入社をしてほしいと考えています。
しかし商社を志望する就活生の中には「年収が高いから」や「“商社”っていう響きがかっこいいから」、「女の子にモテそうだから」などのような、不純な動機で志望する学生が少なくありません。
そのため「なぜメーカーではなく商社を選んだの?」と質問をされた際は、志望度や熱意が見られている質問だと理解して回答を考えるようにしてください。
自己分析で客観視できているか
自分を客観視して分析した上で、商社を選んでいるかを確認するのも「なぜメーカーではなく商社を選んだの?」と質問をする意図の1つです。
前項の「メーカーと商社の違いを理解できているか」で紹介した通り、メーカーと商社は異なる特性を持っています。面接官は、自己分析を通じて自分の強みや弱みを理解した上で、商社を選んでいるのかを確認したいと考えています。
つまり、自分自身を客観的に分析し、商社の仕事が自分に最適であると判断できているかどうかを見極めているのです。
またミスマッチによる早期退職を避け、長期的に商社で活躍できるかを見極めたいという企業側の思いも背景にあります。
メーカーと商社の違いをおさらい
ここではメーカーと商社の特徴を踏まえた上で、両者の違いを解説します。上記で少し紹介していますが、あらためてメーカーと商社の違いを解説します。
商社の特徴と働き方
商社は情報収集力によるマーケット分析やリスクマネジメント、豊富な資金力によるビジネスサポート、グローバルな物流網や販路の構築などに強みがあります。
そんな商社ではこれらの強みを生かして[トレーディング]と[事業投資]をおこなっています。
トレーディング
トレーディングは、商社の持つネットワークを用いて、中間業者として他の事業会社の商品・サービスの需要・供給をマッチングすることです。
そしてマッチングをした際に発生する仲介手数料と売値と買値の差額分がトレーディングの収益となります。
このように業者の仲介に入る必要があるので、相手の需要を見極めることが大切になります。
様々な業界の人と接する機会が多く、繋がりが持てることはトレーディングならではの良いところです。
事業投資
事業投資とは、他社のさまざまな事業に、商社が保有する経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を投資・もしくは買収をし、投資先企業が利益を上げるとその分リターンを得るビジネスのことです。
商社の事業投資では、企業の株式を取得する[カネ]の投資だけでなく、人員の派遣や国内外に広がるネットワークを生かした情報提供や経営ノウハウなど、投資先企業の多面的なサポートをおこないます。
トレーディングと比べると、デスクワークをする頻度が高いです。
しかしトレーディングと同様、海外企業が行政機関などと関わりがあることから、毎日刺激のある日々を過ごせるでしょう。
メーカーの特徴と働き方
メーカーは、原材料を加工して製品を生み出す企業を指します。製品を製造する過程に関わるため、[製造業]とも呼ばれることがあります。
メーカーの強みは、自社で製品の企画や設計、製造までを一貫しておこなえる点です。その分野は多岐にわたり、自動車や食品、化学、化粧品など、さまざまな業界に分類されます。
メーカーでの働き方は企業や業種によって異なりますが、基本的には以下のプロセスでおこなう企業が多いです。
STEP1. 製品開発における設計をおこなう
まずは製品を開発するために設計をおこないます。その際市場調査や競合分析などを通して、どのような製品を作るのかを検討します。
STEP2. 生産ラインに共有するための原材料を調達・管理する
製品を作るための部品や資材、材料などを調達し、生産ラインに供給します。ただ調達するだけではなく、コスト管理もあわせておこなっています。
STEP3. 製造をしたら、販売・提供を開始する
製品が完成後、顧客への販売・提供を開始します。この際、製品が必ず売れるように、プロモーションや販促活動を丁寧におこないます。
「なぜメーカーではなく商社を選んだの?」の模範解答
ここでは「なぜメーカーではなく商社を選んだのですか?」という質問に対する模範解答を紹介していきます。ポイントもあわせて紹介しているので、確認してみてくださいね。
商社特有のビジネスモデルの魅力を伝える
商社を選んだ理由を伝える際は[あなたが思う商社特有のビジネスモデルへの魅力]を伝えるようにしましょう。
以下の例文のように、商社で求められる幅広い製品知識と市場全体の把握力が、メーカーとの大きな違いであることを説明すると良いでしょう。
商社を選んだ理由の1つとして、製品の知識だけでなく、その製品を通じて市場全体を把握する力が重要だと考えています。
メーカーでは特定の製品や分野に特化した知識が必要ですが、商社では幅広い製品知識を持つことが求められます。
そのため、単に1つの製品の良さを知るだけでなく、取引先や顧客のニーズ、そして市場全体の動向を捉えながら、最適な製品を提案できる点に魅力を感じました。
商社の仕事では、グローバルな視点で幅広い知識を活用し、多様なニーズに対応できることが、私の成長に繋がると考えています。
他社の同業他社と比べて魅力に感じた点を伝える
他社の商社と比較して魅力に感じた点を伝えることは、企業への熱意をアピールするのにうってつけです。
以下の例文のように、他社にはないその企業ならではの強みを具体的に挙げながら、どの点に魅力を感じたのかを明確に説明しましょう。
数ある商社の中で、御社を選んだ理由は、御社が他社と比べて幅広いネットワークと柔軟な対応力を持っている点です。
特に、御社は単なるモノの仲介だけでなく、付加価値の高いサービスやソリューションを提供している点が他社にはない強みだと感じました。
さらに、御社は海外展開にも力を入れており、世界各地での多様なビジネス経験を積むことができると感じています。
このような環境で、私自身もグローバルな視野を広げ、商社としての価値をより高めていきたいと考えています。
商社が求める人物像
商社で求められる人は、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは商社が求める人物像について、詳しく解説していきます。
ただし、企業ごとに求める人物像や必要とされる人材は異なるため、あくまで一例として参考にしてください。
コミュニケーション能力が高い人
商社では国内外の取引先や顧客と、円滑にビジネスを進める必要があるため、高いコミュニケーション能力が求められます。
商談や交渉、さらにはクライアントやチームとの連携を通じて、相手のニーズを的確に把握し、適切な提案をしなければなりません。
商社で成功するためには、単に言葉のキャッチボールをするだけでなく、文化や背景の異なる相手と信頼関係を築ける力が必要とされます。
最後までやりきろうと努力をする人
長期的なプロジェクトや複雑な取引が多い商社では、1つひとつのタスクを最後までやりきることが重要です。
時には予期せぬトラブルや困難な状況に直面することもあると思いますが、そこですぐに諦めるのではなく、目標達成に向けて最後までやり遂げることができる人が評価されるでしょう。
またプロジェクトの締め切りや目標を確実に守るために計画的に行動する・問題解決に向けた努力を惜しまないといった姿勢も求められます。
チャレンジし続ける姿勢をもっている人
商社では、日々変化するグローバルなビジネス環境の中で、新たなチャンスやリスクに直面する機会が多くあります。そのため、既存の枠にとらわれず、常に新しいことに挑戦し続ける姿勢が求められます。
商社で成功するためには、好奇心を持ち続け、新しい価値を創造し続けることが必要不可欠でしょう。
商社の選考を通過した先輩の志望動機
最後に商社の選考を通過した、先輩の志望動機を実際に見ていきましょう。今回はUnistyleで公開されている、内定を獲得した先輩の志望動機の例文を紹介します。
三菱商事の選考通過志望動機
丸紅の選考通過志望動機
伊藤忠商事の選考通過志望動機①
伊藤忠商事の選考通過志望動機②
私の地元の生活基盤となる橋の建設に,祖父が関わっていた話を幼い頃に聞き,憧れとロマンを感じていた.また,アルバイトや研究室では,私がいなくなった後でも受け継がれる良き伝統をつくるため,リーダーとして周りを巻き込んで行動してきた.貴社ではインフラ事業に関わり,継続的な事業を作り上げるという目標に向かって様々なステークホルダーをまとめ,次の世代に残るような仕事をしたい.建設業界ではモノを作るだけで,継続的なビジネスの仕組みを作ることはできない.俯瞰的視点を持って,事業に一貫して関われる商社だからこそ,インフラ事業を受け継がれる安定的な事業に作り上げることができると考えている.そして貴社には同じような野心を抱く社員がおられることを知りました.そのような熱い思いを持った仲間と共にこの夢を成し遂げたいと思う.
伊藤忠商事の選考通過志望動機③
豊田通商の選考通過志望動機
メーカーか商社で悩んだら、プロに相談しよう!
今回は、商社の面接前に押さえておきたい「なぜメーカーではなく商社を選んだのですか?」の質問意図や模範解答について解説していきました。
あなたの志望理由に対して納得感を持ってもらうためには、メーカーと商社の違いや特徴を押さえた上で志望理由を答えると良いでしょう。
そもそも自分がメーカーと商社、どちらの方が自分に合っているのかわからないという人は、あらためて自己分析をおこなうなどして自分の就活の軸を整理するようにしてください。
本記事を読んで、自分がなぜメーカーではなく商社を選んだのか改めて自己分析をしてから、就職活動を進めてくださいね。
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