「大切にしている価値観」の見つけ方は？答え方や深掘りポイント、例文も紹介
●企業は「大切にしている価値観は？」と質問することで、［就活生の人柄や性格］［社内メンバーとの相性］［企業の目標との一致度］の3つのポイントを見極めようとしています。
●大切にしている価値観を回答する際［PREP法］を使うと要点をわかりやすく伝えることができます。
企業はあなたが大切にしている価値観を質問することで［あなたの人柄］や［職場での適性］を見極めようとしています。
とはいえ、面接で急に「あなたの大切にしている価値観は？」と聞かれても、「何を答えればいいんだろう？」「そもそも価値観を考えたことがない…」と戸惑う就活生も多いのではないでしょうか。
しかし価値観が明確であれば、企業選びの軸が定まりやすくなったり、自己PRや志望動機に深みが生まれたりと様々なメリットがあります。そのため事前に自身の価値観を明確にしておきましょう。
本記事では、価値観の見つけ方から伝え方、回答例まで詳しく解説しています。自分が本当に大切にしている価値観を見つけ、自信を持って面接に臨みましょう。
そもそも価値観ってなに？
「価値観」とは、自分が何を大切にし、どう考え、行動するかを決定する基本的な考え方のことです。
価値観は人によって異なり、具体的には［誠実さを重視する］［新しいことに挑戦する姿勢を大切にするなど、さまざまなものがあります。
就活では、企業が求める人材像や社風と自分の価値観が一致しているかどうかが、職場での充実感や働きやすさに大きく影響します。
そのため、自分の価値観を明確にしておくことは、就活においても大切なステップの1つです。
「大切にしている価値観」と「就活の軸」の違い
［大切にしている価値観］と［就活の軸］は、似ているようで少し異なります。
価値観は、自分の生き方や行動の基盤となる考え方で、どんな場面でもブレないものです。一方、就活の軸は就活における企業選びやキャリア選択において重視する基準です。
もしあなたが［チームワーク］という価値観を大切にしている場合、就活の軸は［人とのつながりを大切にできる職場］といった形に具体化されます。
このように自分の価値観を基に就活の軸を定めることができると、エントリー企業に統一感が出て、志望動機・自己PRの説得力が増すでしょう。
「大切にしている価値観」から企業が見極めていること
企業は、価値観が自社の環境や目標と合う人材を採用したいと考えています。ここでは、企業が「大切にしている価値観」から見極めようとしている3つのポイントについて解説します。
①就活生の人柄や性格
多くの人は、価値観に沿った行動をとるため、価値観を知ることでその人の行動傾向や性格がより具体的に理解できます。
例えば、［誠実さ］を大切にする就活生は、まじめで責任感があり、信頼関係を重視する行動が期待できます。また［チャレンジ精神］を価値観に持つ就活生であれば、新しいことに積極的に取り組む姿勢が見られ、企業の変化にも柔軟に対応できるでしょう。
企業は、就活生の本質的な人柄や性格を見極めるために価値観について質問します。
大切にしている価値観は、その人がどのように行動し、判断するかの基準であり、本質的な性格を表しているからです。
多くの人は、価値観に沿った行動をとるため、価値観を知ることでその人の行動傾向や性格がより具体的に理解できます。
例えば、［誠実さ］を大切にする就活生は、まじめで責任感があり、信頼関係を重視する行動が期待できます。また［チャレンジ精神］を価値観に持つ就活生であれば、新しいことに積極的に取り組む姿勢が見られ、企業の変化にも柔軟に対応できるでしょう。
②社内メンバーとの相性
企業は、就活生が社内メンバーや企業文化とどのように相性が良いかを見極めるために、価値観について質問します。
なぜなら価値観は協調性や適応性に強く影響を与える可能性があるため、入社後に社内メンバーと良好な関係を築けるか・組織にうまく溶け込めるかといった点にも関わってくるからです。
例えば［協調性やチームワーク］を大切にしている就活生であれば、チームで協力して取り組む環境に適していると言えるでしょう。一方で、［チャレンジ精神］を大切にする就活生は、変化や新しい取り組みが多い職場や、常に成長を求められる環境と相性が良いでしょう。
このように、企業は価値観を通じて、就活生が入社後に周囲とどのような関係を築けるか、社内環境にどのように貢献できるかを判断しようとしています。
③企業の目標との一致度
企業は、自社の目標やビジョンを達成するため、同じ方向を向いて行動できる人材を求めています。
そのため、企業は価値観を質問することで、その目標やビジョンに共感し、一緒に目標達成にむけて行動してくれる人かどうかを見極めようとしています。
例えば［新しい事業や市場開拓］を目指す企業であれば、［挑戦すること］［新しい経験を積むこと］を大切にしている就活生と価値観が一致すると言えるでしょう。
このように就活生が大切にしている価値観が企業の目標やビジョンと一致していると、企業は就活生を［共に成長してくれる仲間］［自社に貢献してくれる即戦力］として考えることができます。
大切にしている価値観を明確にしておいた方が良いワケ
就活において、自分が大切にしている価値観を明確にしておくことは、企業選びや志望動機を考える際に役立ちます。ここでは、価値観を明確にすることで得られる3つの利点について説明します。
企業選びの助けになる
自分の価値観が明確であれば、どんな企業が自分に合っているのかが判断しやすくなります。
例えばもしあなたが［成長環境］を大切にしているのであれば、若手社員にも積極的に活躍の場を提供している企業や研修制度やメンターサポートが充実している企業が合っていると考えることができます。
このように自身の価値観を基準にして企業を選ぶことができると満足度の高い職場を見つけやすくなり、入社後のミスマッチも防ぐことができるでしょう。
志望動機の根拠に深みが増す
価値観が明確であると、志望動機に説得力と深みが生まれます。
例えば「チームワークを大切にしているからこそ、御社の協調性を重視する文化に共感した」というように、具体的な根拠をもとに志望動機を語ることができるため、自分の熱意や意欲が企業に伝わりやすくなります。
価値観に基づいた志望動機は、面接官にも好印象を与え、真剣な姿勢が伝わるでしょう。
長期的なキャリアパスの構築に役立つ
自分の価値観をもとにキャリアを考えると、長期的に充実した働き方ができるキャリアパスを描きやすくなります。
もしもあなたが［社会貢献］を大切にしているのであれば、［その分野で専門性を高めること］を軸に置き、キャリアを考えることができます。
このように、価値観を軸にキャリアを積み上げることで、長期的に目標を持って成長を続けられる環境を選ぶことができるでしょう。
自分が大切にしている価値観の探し方
「そもそも自分が大切にしている価値観ってなんだろう？」と思っている就活生は少なくないでしょう。ここでは、価値観を探るための様々な方法を紹介します。
過去の経験談を振り返る
まず、自分の価値観を見つけるために過去の経験を振り返ってみましょう。
「達成感を感じた場面」や「忘れられない出来事」などを思い出すことで、あなたが大切にしていることが浮かび上がるかもしれません。
また成功を収めた経験や困難を乗り越えた経験から、自分が大切にしている価値観が見えてくることもあります。
一般的な価値観タイプから見つける
自分の価値観が具体的に分からないときは、一般的な価値観のタイプから探すのも良い方法です。以下に、いくつかの価値観タイプを挙げるので、参考にしてみてくださいね。
タイプ①成長・学び重視
［成長や学び］を大切にする人は、向上心が強く新しい知識やスキルの習得などを重視します。このタイプには、以下のような特徴があります。
- 新しい知識をつけることに積極的で好奇心が旺盛
- 成長を重視しているため、失敗を恐れず挑戦することができる
- 自己成長に意欲的のため、自己改善意欲が高い
- フィードバックを前向きに受け入れる
- 長期的な目標を持っている
タイプ②人間関係重視
人間関係を大切にする人は、職場での協調性や仲間とのつながりを重視します。このタイプには、以下のような特徴があります。
- 周囲との信頼関係を築くことに積極的で、人との交流を大切にする
- 困った時には支え合い、互いに助け合う姿勢を持っている
- チームワークを重視し、チームの成果に貢献することにやりがいを感じる
- 仲間との関係から安心感や満足感を得やすい
- 調和を大切にし、円滑なコミュニケーションを心がける
タイプ③社会貢献重視
社会に貢献することに喜びを感じる人は、自分の仕事が世の中のためになっていると感じられる職場を重視します。このタイプには、以下のような特徴があります。
- 自分の仕事が社会にどのように役立つかを常に意識している
- 福祉や環境問題など、社会的意義のある分野に強い関心を持っている
- 地域への貢献を重要視し、自発的に支援活動に参加することが多い
- 長期的な視野で社会に対する影響を考え、行動に反映させる
- 社会的課題を解決することに対して情熱を持ち、持続可能な変化を目指している
タイプ④挑戦・達成感重視
挑戦や目標の達成に喜びを感じる人は、新たなことに挑み、結果を出すことに意義を見出します。このタイプには、以下のような特徴があります。
- 高い目標を掲げ、それを達成するために積極的に行動する
- 新しい挑戦に対して前向きで、困難を楽しみながら乗り越える意識がある
- 達成感や成果を重視し、自分の成長や成功に喜びを感じる
- 競争力のある環境でモチベーションを高め、さらなる成果を目指す
- 長期的な視点でキャリアやスキルアップを計画し、継続的に努力を重ねる
タイプ⑤感謝・感動重視
感謝や感動を大切にする人は、感情のつながりや心温まる体験を重視します。このタイプには、以下のような特徴があります。
- 人を助けたり、相手を喜ばせることにやりがいを感じる
- 感謝の気持ちを大切にし、相手の思いに共感しやすい
- 心温まる体験や、人と人とのつながりから充実感を得る
- サポート役として力を発揮し、周囲の人を支えることに喜びを見出す
- 相手の喜びや感謝の言葉が、自分のモチベーションや働きがいにつながる
自問自答を繰り返して深堀りをする
価値観を見つけるために、自分自身に問いかける「自問自答」を繰り返すのも効果的です。具体的には、「なぜその価値観が自分にとって重要なのか」や「その価値観が自分にどんな影響を与えるのか」を考えることで、より深い理解に繋がります。
自問自答を続けることで、価値観の核が少しずつ明確になっていくでしょう。
ジャーナリングをおこなう
自分の考えや感情を紙に書き出す「ジャーナリング」も、価値観を明確にする手助けとなります。毎日、自分の気持ちや出来事について自由に書くことで、日常の中に自分が大切にしているものが浮かび上がってくることがあります。
書くことで思考が整理され、自分の価値観をより理解できるようになります。
プロのキャリアアドバイザーに頼る
自分だけで価値観を見つけるのが難しいと感じる場合は、キャリアアドバイザーに相談してみましょう。専門的な視点から、あなたの価値観や適性を引き出し、自己理解を深めるサポートをしてくれます。
またプロのアドバイスを受けることで、就活の軸を明確にすることができ、企業選びに役立つ情報を得ることもできるでしょう。
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大切にしている価値観の深堀りポイント
自分が大切にしている価値観をより深く理解することで、企業選びや自己PRの軸がより明確になります。ここでは、価値観を深掘りするためのポイントを5つ紹介します。
価値観の起源を考える
まず、その価値観が自分にとってなぜ大切なのか、起源を振り返ってみましょう。
例えば、「誠実さ」を大切にしているのであれば、幼少期に両親から「嘘をつかない」や「約束を守ることの大切さ」を教わったり、学生生活で仲間との信頼関係を築く中で誠実さの重要性を感じた経験が影響しているかもしれません。
このように自分の価値観がどのようにして形成されたのか、その起源を理解することで、自分の成長過程と価値観が結びつき、自己理解を深めることができるでしょう。
価値観が日常にどう反映されているのか
次に、その価値観が日常生活にどのように現れているかを考えます。
もしも［人との繋がり］を大切にしているのであれば、普段から友人や家族との関係を重視し、親しい人との交流を大切にしているのではないでしょうか。
自分の価値観が日々の行動や習慣にどのように表れているかを確認することで、その価値観が自分にとってどれほど根付いているものかを実感できます。
さらに、価値観が自分の行動基準であることを具体的に伝えることができるでしょう。
価値観が最も大きく表れた場面を考える
自分の価値観が最も強く現れた出来事や場面を振り返ってみましょう。
どんな価値観であっても、日々の行動の中で特にその価値観が強く反映された場面があるはずです。例えば、「挑戦することを大切にする」価値観がある人であれば、困難なプロジェクトに積極的に取り組み、成果を上げた経験などが思い浮かぶかもしれません。
このように価値観が色濃く表れた瞬間を振り返ることで、その価値観の重要さを再認識できます。また、自己PRの際には、エピソードと結びつけることで、価値観の具体性が増し、面接官にも伝わりやすくなります。
価値観の優先順位を考える
複数の価値観がある場合は、それぞれの優先順位を考えてみましょう。
［人間関係］［成長］［社会貢献］など、さまざまな価値観がある中で、どれが最も自分にとって大切かを整理することで、日常的に重視している考え方がどれであるかが見えてきます。
価値観の優先順位がわかることで、どんな環境や仕事が適しているかを考えやすくなり、面接でも自分がどのような価値観を持ち、それをどう仕事に活かそうとしているかを的確に伝えられます。
価値観と将来の目標の関連性を探る
最後に、価値観とすでにある将来の目標との関連性を見つけてみましょう。例えば、［挑戦］を大切にしている場合、すでに描いているキャリアビジョンの中で、新しい分野への挑戦や継続的な成長がどのように反映されているかを確認することができます。
価値観と将来の目標が結びついていると、就活の場でも一貫した考え方を持った人物として印象づけやすくなります。自分のキャリアの軸を明確にするためにも、価値観がどのように将来のビジョンに影響しているのかを振り返ってみましょう。
大切にしている価値観は「PREP法」で伝えるべし
就活の場面で自分の価値観を効果的に伝えるには、［PREP法］を活用するのが効果的です。
PREP法とは、［Point（結論）→Reason（理由）→Example（具体例）→Point（結論）］の順で話す伝え方で、要点を分かりやすく相手に伝えることができます。
Step1. Point（結論）
まず、自分が大切にしている価値観をシンプルに結論として述べましょう。例えば、「私が大切にしている価値観は、誠実さです」といった形で、はっきりと伝えます。
Step2. Reason（理由）
次に、その価値観がなぜ重要なのか、理由を述べます。「誠実さは、信頼関係を築くための土台であり、仕事や人間関係で最も大切にしている要素です」といった具合に、価値観の重要性や意味を説明しましょう。
Step3. Example（具体例）
続いて、実際のエピソードを交えて価値観が表れた経験を伝えます。例えば、「以前のインターンシップでは、チームでの活動を通じて誠実さを意識し、常に正確な情報を共有し、チームメンバーとの信頼関係を築きました」といった具体例を示します。
Step4. Point（結論）
最後に、もう一度価値観を繰り返し強調して結びます。「このように、誠実さを大切にすることで、今後も信頼される社会人として成長していきたいと考えています」とまとめることで、自分の価値観が確固たるものであることを印象づけます。
大切にしている価値観の回答例10選
本項では、価値観別に例文を10選紹介します。自己分析や自己PR、エントリーシート（ES）などの参考にしてみてくださいね。
コミュニケーション
感謝
挑戦
成長
思いやり
努力
向上心
人との繋がり・縁
責任感
誠実・礼儀
大切にしている価値観を伝える時の注意点
自分が大切にしている価値観を面接で伝える際には、相手にしっかりと響くように話すことが大切です。ここでは、面接官に好印象を与えるためのポイントと注意点を解説します。
福利厚生や条件ばかりを話さない
企業は職場環境や条件面だけでなく、仕事に対する熱意がある人を採用したいと考えています。そのため、福利厚生や給与など条件面だけに偏った価値観を伝えることは避けましょう。
「働きやすさを重視しています。」
→これだけでは、条件面に関心が偏っているように見えてしまい、仕事に対する熱意が伝わりにくくなります。
▼良い例
「働きやすさを重視していますが、これは自分がよりパフォーマンスを発揮できる環境で、チームに貢献したいと考えているためです。」
→具体的なエピソードを交え、［働きやすさ］を仕事への意欲やチームへの貢献に結びつけると、前向きな姿勢が伝わりやすくなります。
このように、条件面の話題でも仕事に対する意欲や前向きな姿勢を強調することで、面接官に好印象を与えやすくなります。
相手の視点を意識して具象的に話す
価値観を伝える際は、面接官が理解しやすい具体的なエピソードを使うことが大切です。
例えば、「成長を大切にしている」という価値観を伝えるとき、ただ「成長が大事です」と話すのではなく、「ゼミ活動で新しい知識を得て自分の考えが広がり、それが次の研究にも役立った」という具体的なエピソードを交えると良いでしょう。これにより、価値観のイメージがより明確に伝わります。
面接官の視点に立ち、わかりやすくエピソードを使って説明することで、自分の価値観をより効果的に伝えられます。
ポジティブに伝わるように話す
価値観を伝える時、なるべくポジティブな表現を心がけましょう。例えば、同じ［責任感］を伝える場合でも、表現次第で印象が異なります。
「失敗を避けるために、どんな状況でも責任を果たさなければならないと考えています。」
→これでは、失敗への不安が強調されているため、少し後ろ向きな印象を与えやすくなります。
▼ポジティブ表現
「困難にぶつかった時こそ責任感を発揮して乗り越えたいと考えています。」
→こちらは、困難に対して前向きに取り組む姿勢が感じられ、ポジティブな印象を与えます。
また、価値観を通じて「どのように仕事に取り組んでいきたいか」を前向きに示すことで、面接官に仕事への熱意や責任感が伝わりやすくなります。このように表現を工夫することで、より好印象を与えられるでしょう。
【まとめ】大切にしている価値観を明確にした上でアピールしよう
「大切にしている価値観」を明確にすることは、企業選びや自己PRを通じて自分を効果的に伝えるために大切です。
価値観が明確であることで、就活の軸が定まり、自分に合った企業やキャリアを見つけやすくなります。また価値観に基づいたエピソードや行動を具体的に話すことで、面接官にも理解されやすくなり、自分の強みや個性を印象づけることができるでしょう。
この記事を読んで、価値観の深堀りや整理を行いながら、将来の目標や自分に合った職場環境を考えた上で就活に臨んでくださいね。
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