医師が行う治療や診察のサポートをする看護師は、医療現場では補助的な立場にみられがちです。
しかし、実際は患者の日々のケアや、病状などの経過の確認、医師に代わって、医師と患者がコミュニケーションをとりやすくするためのサポートをすることも仕事であり、単に体のケアだけではなく心のケアも担っています。
看護師は直接的な治療は行いませんが、医療現場に必要不可欠な存在なのです。
看護師のトレンド
看護師には大きく2つのトレンドがあります。
1つ目は新型コロナウイルスの流行です。コロナウイルスは感染力が非常に強く、短期間で感染者が爆発的に増えました。
また、感染しているかどうかは病院の検査でしかわからないため、感染者や感染の疑いがある人が病院に集中することになってしまったのです。
その結果、看護師など医療従事者の人手が不足することになりました。
さらに患者から感染した看護師や、激務により心身に大きな負担がかかり不調をきたした看護師が、休職・退職することで人出不足が加速してしまったのです。
しかし、医療従事者をはじめ、国民全員の感染防止の運動が効を奏し、現在ではコロナウイルスの感染者数は落ち着きつつあります。
2つ目のトレンドは、医療現場のツールのIT化です。
現在医療現場では、従来はアナログだったシステムが次々とIT化されることで、業務の効率化が進んでいます。
例えば、2019年の11月には、住友電設がクラウドサービス上の仮想電話交換機と同社製のナースコールソリューションである「スマートフォンゲートウェイ」を連携させたシステムを開発し、病院に納入したことを発表しました。
このシステムは、スマートフォン等の端末に「vPhone-HN」というアプリをインストールすることで、今まではナースステーションで受け取り、確認をしていたナースコールがスマートフォンなどの端末で受け取れるようになったり、内線電話ができるようになったりしたものです。
このように医療現場のシステムがIT化されていくことで、看護師はより早く患者の異変に気づき、対処できるようになりました。
看護師で必要な資格
看護師になるためには看護師の国家資格の試験へ合格することが必須です。国家試験を取得しなければ、看護師になることはできません。
この資格を得るためには、主に4つの方法があります。
まず一つ目は、一般高等学校卒業後、養成校を通して資格を取得する方法です。
この方法では、一般的な3年制の高等学校卒業後、看護師養成校へ進みます。養成校は3年制の専門学校か、短期大学、あるいは4年制の看護大学へ進みます。
2つ目は、5年制の看護高等学校へ進むことです。
この方法は、最短で看護師の資格を取得できます。
また、5年の内、最初の3年の課程を修了すれば、高等学校卒業の資格を取れるので、その後大学や短期大学へ編入することも可能です。
3つ目は、准看護師の資格を取得していることが前提ですが、看護専門学校あるいは看護短期大学の2年課程を修了していれば、看護師の国家試験を受験する資格を得ることができます。
4つ目は、社会人になってから看護師を目指す方法です。
准看護師の資格を取得してから、前述した3つ目の方法で目指すか、3年制の看護専門学校に通うことで国家試験の受験資格を得ることができます。
なお、看護専門学校は夜間のコースがある場合も多いので、働きながら看護師の勉強をすることも可能です。
看護師の仕事内容
一口に看護師と言っても、その仕事内容は医師のサポートから患者のケアまで多岐に渡ります。以下で詳しく説明します。
バイタルサインチェック
看護師は患者の血圧・体温・脈拍(心拍)・呼吸状態など、日々の状態をチェックすることが仕事です。これらの状態をチェックすることで、異常やその兆候が無いかを確認します。
病棟の巡回・ナースコールの対応
入院中の患者に異常が無いか、様子や状態はどうかを、巡回で定期的に確認することも看護師の役目です。
巡回やナースコールへ即座に反応してくれる看護師がいることで、医師は診察や治療へ専念することができるのです。
患者の生活補助(食事・排泄・入浴等)
患者の食事や排泄、入浴など、日常をサポートするのも看護師の仕事です。
サポートをしている中で僅かな変化や異常に気がついたら、医師へ連絡することも大切な仕事の一つと言えます。
患者のベッド周りのケア・サポート
患者のベッド周りを整えたり、患者に合わせたベッドケアを行うのも、看護師の大切な仕事のひとつです。
患者が一日の大半を過ごすベッド周りは、日頃ケアしている看護師が最もよくわかっている領域です。
患者がどのような状態が一番良いか見極め、患者が過ごしやすい環境を整えるのも看護師の大切な仕事と言えます。
カルテの記録
患者の様子を事細かに記す「カルテ」の記録も看護師の仕事です。
カルテを残すことで、医師は患者の様子を詳しく知ることができ、今後の治療方針を決めることができるのです。
そのため、カルテの記録も看護師の重要な仕事の一つと言えます。
他職種とのカンファレンス
医療現場には様々な職種の人が存在しています。
例えば、薬剤師や理学療法士など、それぞれの専門分野のプロフェッショナルが集まっているわけですが、それらの方々と患者さんの情報を共有し、治療をスムーズにするのも看護師の役目です。
手術の補佐
手術前に手術環境を整えたり、手術中に道具の手渡しなどで医師をサポートする業務もあります。
患者の様子の確認や手術の様子の記録など、手術における看護師の仕事は多岐に渡り、重要な役目を担っています。
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看護師の志望動機の書き方とポイント
志望動機を書く際は、なぜ看護師を志したのか、また看護師の中でもなぜその病院なのかを明確にし、アピールできるようにしましょう。
なぜその職種か
数ある職種の中でなぜ看護師を選んだのかを記す必要があります。
例えば「小さい頃入院した際に、看護師の人に励まされ病気を克服した」など看護師ならではの理由を挙げられるようにしましょう。
看護師でアピールすべき強み
看護師に必要なスキルとしては、まず忍耐力と心身が健康であることが挙げられます。
看護師の仕事は夜勤や緊急時の出勤などもあり、心身ともに健康で、多少辛い勤務環境でも耐える力が必要です。
ただし、辛いことが多い分、患者から感謝され、人々の命を守っているという誇りを持てるのでやりがいのある仕事であると言えます。
また、看護師の仕事では、患者が退院するまで、または退院後も様子や病状を記録し、最も良いケアや対処法を考える必要があるため、責任感があることも重要です。
そして、治療を施す上で、患者と心を通わせ、患者自身の意思を引き出さなければならない場合もあるので、コミュニケーション能力が高いことも看護師を志望する上でアピールすべき強みとなるでしょう。
なぜその企業か
一口に看護師と言っても、企業、病院によって強みや方針が異なります。
全ての病院は病気、怪我の治療を行うことに力を入れていますが、例えば病後のリハビリテーションに特に力を入れている病院や、特定の器官の治療を専門とする病院もあります。
それらを踏まえて、なぜその企業・職場を選んだのかを説明できるようにしておく必要があります。そのためには企業研究が必要です。
実際に書く際は以下のフレームワークに沿って書いてみてください。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
・「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」
・「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」
看護師の志望動機のNG例
以下では看護師の志望動機NG例を紹介します。どこがNGなのかについても解説するので、チェックしてみてください。
そして子どもが好きなので、小児科のある貴院を志望致しました。まだまだ技術面では未熟な部分もありますが、何事も精一杯頑張りたいと思いますのでどうぞ宜しくお願い致します。
→小児科を希望する理由として、それだけでは印象が弱いので、子ども好きというだけではなく、例えば「その病院を訪れた際に子どもに優しく接していた看護婦の姿に憧れた」など、その病院ならではの特徴を盛り込みましょう。
「まだまだ未熟な~」という部分は謙遜しているようですが、仕事で頑張るのは当たり前であり、雇う側の病院からすれば特に魅力を感じません。
どんなスキルを持っているのか、どんな特技を活かせるのかを細かく伝えられるようにしましょう。
看護師の志望動機の例文
看護師の志望動機の例文を紹介します。ポイントも解説するので、志望動機を書く際や面接で参考にしてください。
そして子どもが好きであり、貴院を見学させて頂いた際に子どもたちやそのご家族に対してとても温かいサポートをされているスタッフの方々に感銘を受け、貴院を志望致しました。
私は看護学校の実習で、実際に入院している子どもたちと触れ合い、病児の精神状況や接し方を学んで参りました。そのスキルを活かし、病児を精神的に癒し、医療に貢献したいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
→相手の病院を見学した際のエピソードを盛り込むことで、なぜその企業(病院)を志望しているのかが明確にわかります。
また、自分が持っているスキルや、そのスキルをどう活かしたいかを説明することで、しっかりとした志望動機となっています。
レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
関連記事:
「志望動機のおすすめ例文10選!」
まとめ
看護師は医師のサポートをするだけではなく、患者の日々のケアや治療方針を見極めるためのデータの記録など、医療現場で無くてはならない職業です。
患者の回復のサポートをするという点では共通ですが、病院や企業によって特徴は異なるので、病院を比較しながら研究した上で志望動機を書くようにしましょう。
志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
「志望動機の書き方・例文」
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