●正確に作業ができる、計画的に業務ができる、数字への抵抗感がない人が経理の仕事に向いている。
●経理の志望動機は、「なぜその企業を志望するのか」、「なぜ経理になりたいのか」、「なぜ自分が経理に向いているのか」の3つのポイントを踏まえて考える。
経理は、営業などの華やかな仕事とは違って、計算、書類作成などの裏方業務だけをおこなう地味な仕事だと思っている人は多いのではないでしょうか。
しかし、実際には、企業の経営判断に関わる重要な資料を作成するなど、企業の円滑な活動をサポートできる仕事でもあります。
本記事を読んで、経理の仕事内容を深く理解し、より優れた志望動機を書けるようになりましょう。
経理の仕事内容とは?
はじめにも伝えたとおり、経理の仕事内容は日々の企業活動の記録だけにとどまりません。具体的に何をしているのかこの項で詳しく説明します。
■ 計算関係
企業におけるお金の動きを計算し記録することが経理の主な仕事です。具体的には、経費処理、売り上げの集計などが挙げられます。
しかし、これらは「日」単位で行われる業務に過ぎず、月次業務では請求書や給与、取引先関係の計算、発行、年次業務では決算作成、年末調整、税務申告などを担います。
1日、1ヵ月、1年単位で決められた集計や請求書などの作成をおこなわければならず、計画性が重要で、特に年度の始まりと終わりは決算業務で忙しくなりがちです。
■ 書類作成関係
経理の仕事内容の1つとして、報告書などの書類作成が挙げられます。
収支報告書や損益計算書、貸借対照表など、主に経費に関する報告書を作成しますが、一般事務と経理業務を兼任している企業では、それ以外の書類作成も必要な場合があります。
また、信用分析という、契約を獲得した企業が本当に信用できるか数字を使って分析し、報告書にまとめる業務もおこないます。経理は自社との取引先にふさわしいかどうかを判断する大事な役割も担っているのです。
最近では、経理アウトソーシングという、企業の経理業務の一部もしくはすべてを外部の企業に委託するサービスが人気です。このサービスの活用で、日次や月次で発生する伝票処理や、請求書の発行などの業務を委託することができ、人手不足の解消、コスト削減が見込めます。
■ 管理関係
企業におけるお金の流れの計算と同時に、管理も行います。具体的には、入出金や収支のバランス、受発注や在庫などの管理が挙げられます。
メーカーや小売店で経理の業務を担当する場合には、自社が保有している原材料、商品などの資産を管理することも必要となります。
収益のバランスを保ち、会社の運営を直接サポートするのに欠かせない業務と言えるでしょう。
■ コミュニケーション関係
1日中パソコンの前にいるイメージが強い経理ですが、コミュニケーションが全く必要ないというわけではなく、社内や社外の人達に経理関係の説明や確認をおこなうことも業務の1つです。
社内であれば、経費や給与の支払いに関して説明が必要な場合があります。社員から「これ経費で落とせる?」などの質問に対してもわかりやすく回答しなければなりません。
また、外部の会計士や銀行との折衝をおこなう場合もあります。
経理のことは経理が一番詳しいですが、相手にわかりやすく説明する必要があるので、コミュニケーション能力は意外と重要です。
会計は、経理が作成した財務諸表をもとに、利害関係者や経営者に報告をおこなう。
財務は、経理が作成した財務諸表を参考にし、企業のお金の使い方を考える。
→ 経理はほかの業務の根幹となる重要な役割を担っている。
経理の仕事を通して得られるスキル
企業および業種によって担当する業務の範囲は異なりますが、経理では様々なスキルを身につけることができます。以下にて、代表的な例を3つご紹介します。
■ ビジネスマナーやコミュニケーション能力
経理はパソコンの前に座って、数字の計算や集計だけを行っているわけではありません。
黙々と1人で遂行する業務以外にも、経理処理の方法について社員にレクチャーをしたり、外部の会計士や銀行と商談をおこなったりするなど、円滑に業務を進めるために、社内外の人とコミュニケーションを取る業務も多々あります。
これらの業務を通じて、必然的に[コミュニケーション能力]が磨かれていきます。また、外部の人との折衝を通じてビジネスマナースキルを身に着けることもできるでしょう。
■ 判断能力
1日の業務内容は、事前に計画を立てておくことができますが、急遽対応が必要となる案件が発生した場合には、優先度を都度確認しながら、緊急度に応じた対応をする必要があります。
そのため、業務を滞りなく進めていくため、常に適切な優先順位を見極める[判断力]を身に着けることができるでしょう。
■ 専門的なスキル
経理になるためには、簿記などの会計知識や会計ソフトを使うことのできるパソコンスキルが必要です。
仮にスキルや資格がない状態で入社をした場合であっても入社後の研修や企業が保有するマニュアルを参考にすることで、働きながら会計の基礎や業務に必要なソフトの使い方を覚えていくことができます。
また、企業によっては経理業務だけでなく総務や管理部門の業務も兼任する場合があるため、マルチにいろんなスキルを学ぶことができるでしょう。
経理に向いている人とは?
ここまで経理の仕事内容について説明してきましたが、実際に経理の仕事に向いている人はどのような人なのでしょうか。経理を目指す人は自身の素養が以下の特徴に当てはまるかどうか、確認してみてください。
■ 正確な作業ができる人
経理の業務は、会社のお金の入出金管理を担うため、ミスの許されない非常に重要度が高い仕事です。もし会社の財政状況を表す財務諸表に誤りがあった場合、利害関係者からの信用を失ってしまうなど、重大な損害を与えることにも繋がりかねません。
このようなミスを起こさないためにも、日々の業務から確認を怠らず、正確な作業ができ、細かいところにまで目を配ることのできる人が経理の仕事に向いているでしょう。
■ 計画的に業務を進めることのできる人
経理の業務内容でもお伝えした通り、経理は日単位から年単位までの仕事があり、毎日計画的に業務を進めていくことが求められます。
学生時代からテスト勉強やレポート作成をコツコツ進められるような、計画性を持って業務に当たれる人が経理の仕事に向いているといえるでしょう
■ 数字への苦手意識がない人
経理では日々、さまざまな業務において数字と向き合うこととなります。数字に苦手意識がなく、会計システムやExcelなどでの計算、データ入力を学ぶ意欲のある人が経理の仕事に向いているでしょう。
さらに意欲のある学生は、今から簿記の勉強をして、お金に関する知識をつけておくことで就職活動の際に自分のアピールポイントとなりますよ。
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経理の志望動機の書き方とポイント
志望動機を書く際は、なぜ経理を志望するのか、なぜその企業を志望するのかを明確にしましょう。以下の3点を参考にしてみてください。
①なぜ経理がいいのか
数ある職種の中でなぜ経理職に就きたいのか説明する必要があります。具体的には、志望するまでに至った経緯と理由を述べることが必要です。
例えば「数字に強い特性を活かしたい」「企業の会計や税務に興味がある」「事務職の中でも専門性が高い職種に就きたい」などの理由が挙げられます。
また、企業に経理として入社して、自分の最終的なゴールは何なのかについて説明することができれば、自分が経理になりたい理由をさらに明確にすることができるでしょう。
②なぜ志望企業がいいのか
経理は様々な業種や企業に存在している職種です。
そのため、企業が行っている事業や会社の規模、経営理念などを把握し、どこに興味を持ったのか、惹かれたのかなどを明確に述べる必要があります。
また、その企業でどのように貢献したいと考えているのかもプラスポイントになります。
③経理でアピールすべき強み
経理に即戦力を必要としている企業は多いです。そのため、新卒の場合もできる限りすぐ業務に対応できそうな人材は重宝されるでしょう。
積極的に経理について学ぶ意識があることや、コミュニケーション能力があることをアピールしましょう。
また、パソコンスキルがある場合や普段からパソコンを使用する機会が多いなど、操作に抵抗がないこともアピールポイントの1つになります。
強みをアピールする時には具体的なエピソードが必要なので、学生時代の部活動やアルバイトでの経験談を活用しましょう。
実際に書く際は以下のフレームワークに沿って書いてみてください。
(1)志望動機を一言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
経理のキャリアプラン例
経理への志望動機が少しづつ固まってきたら、将来自分が経理の仕事を通してどのような人物になりたいかをイメージするようにしましょう。
ここでは、経理のキャリアプランの一例を紹介します。
経営に携わる上位職を目指す
経理から経営に携わることのできる経営企画や、役員を目指すプランです。
経営企画とは、企業の中長期にわたる経営企画の策定、管理をおこなう部署のことです。さらに、役員になると、会社の経営において責任をもって事業方針の決定や業務、会計の監督などをおこなうようになります。
経理の業務を通して経営状態の分析能力を磨き、戦略立案などをおこなえるようになることでこれらの職へのキャリアアップの道がひ開けることでしょう。
上位資格を取得する
就職して経理業務の実務経験を積みながら、税理士や公認会計士などの国家資格を取得することで、文字通り『お金のプロ』を目指すことができます。
資格を取得し、独立開業するというプランもありますが、その際には営業力なども必要です。
経理の志望動機のNG例
以下では経理の志望動機NG例を紹介します。どこがNGなのかについても解説しているので、チェックしてみてください。
私は人を支えることにやりがいを感じております。特に御社は自動車部品事業において、自動車の安全を支えています。高齢ドライバーの増加や自動運転車の普及で安全性が重要になる中、御社の〇〇技術が社会を支えることに魅力を感じております。
職種は経理職を希望します。一つのことに集中して取り組める性格が経理に向いていると社員の方からお話を伺いし、私に最適だと感じました。
なぜこのようなやりがいを感じるようになったのか、どうして企業の特定の事業に魅力を感じたのかについての経緯や、具体的なエピソードがないため、根拠のない志望動機になっています。
また、なぜ経理が自分に向いているのかについても理由が述べられていないため、本当に経理に向いているかどうかがわかりづらいです。
経理の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
私は中高時代の◯◯部経験や、大学時代に◯◯サークルの幹部を務めた経験から、人を支えることにやりがいを感じております。特に御社は自動車部品事業において、自動車の安全を支えています。
私の祖父は優良ドライバーでしたが、発作が突然出て自動車事故を起こしてしまいました。このような経験から、事故の危険性が日常に潜んでいることを学びました。 高齢ドライバーの増加や自動運転車の普及で安全性が重要になる中、御社の〇〇技術が社会を支えることに魅力を感じております。
職種は経理職を希望します。一つのことに集中して取り組める性格が経理に向いていると社員の方からお話を伺いました。私は中学で始めた◯◯を今現在まで続けており、継続する楽しさを感じております。また、工場全体の予算を管理するなど若いうちからも責任の大きい仕事に携われることも魅力だと考えております。
過去の経験を踏まえて学んだことや、やりがいを感じるようになったことが書かれているため、説得力のある志望動機になっています。
企業の事業について理解している内容や、明確なビジョンが書かれているのも、しっかりとアピールできています。
もっと様々な例文を見たいと思っている人は下記記事をご覧ください。
経理業務が体験できるインターンシップ紹介
経理への志望が高まってきた人は、インターンシップに参加して経理の仕事の流れを実際に体験することをオススメします。
マイナビでは、経理の業務が体験できるインターンシップの募集が随時公開されていますので、これらの情報を参考にして是非経理への理解を深めてみてください。
参照元:マイナビインターンシップ
まとめ
経理職は会社の経営を数字で支える「縁の下の力持ち」であり、責任が大きい仕事です。計算処理だけでなく、判断能力やコミュニケーションスキルなども必要になります。
企業によっては事務作業も多く担う場合もあり、より素早く正確な業務が求められるため、積極的に学ぶ姿勢があることをアピールすることが大切です。
またすでに経理として就職する意欲が強い就活生は、インターンシップに参加して経理の仕事の流れを実際に体験することをお勧めします。
リクナビでは、経理の業務が体験できるインターンシップの募集が随時公開されていますので、これらの情報を参考にして是非経理への理解を深めてみてください。
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- 「経理を目指す志望動機とはどういう内容?」
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