編集は作業量が多く、締め切りに追われるなど忙しい仕事という印象を持っている人も多いのではないでしょうか?
そのような側面はあるものの、やり遂げたあとは仕事が形になり、達成感が味わえます。
作り上げた雑誌や本が多くの人の手に渡って楽しんでもらえるのも、大きなやりがいを感じるポイントです。
また、編集は本や雑誌で新しい情報を発信することで、社会を動かしています。
雑誌の場合であれば読者はお店の情報をもとに友人と出かけたり、ファッションの情報を見て購入したりといった行動を促され、社会経済が活性化することになるのです。
編集の仕事は絶えず未知の情報に触れ、視野が広がるというメリットもあります。
制作に関わるさまざまなスキルが身につき、キャリアアップできるというのも大きなプラスの要素です。
編集の最新情報
編集職に関連する世の中の動きを紹介します。
読者離れによる出版業界の衰退
近年はインターネットなど情報メディアの発達で読書離れが進み、出版業界は下降の一途をたどっています。
雑誌や小説などの紙媒体の読み物の多くは休刊や廃刊を余儀なくされているのが実情です。
Web媒体での活躍の場が増えてきている
一方で、電子書籍が普及するなど成長が見込まれる新しい領域もあります。
紙媒体にこだわるのではなく、Web媒体でも編集ができる人が生き残る可能性があるでしょう。
また、IT化が進んで誰でもできる作業はデジタルに変わるなかで、これからの編集者に求められるものも変わってきます。
斬新な企画を立てられるか、与えられた仕事以上のことをこなすことができるかという点が重要になってくるでしょう。
編集者の必要性と将来性
媒体が変わり淘汰されていく本や雑誌はあっても、編集者の需要はまだまだあります。
これまでの紙媒体を中心とした市場展開にとらわれない発想力を持ち、日常のあらゆることにアンテナを張って時代を先取りする企画力を持つ人が生き残っていくでしょう。
そのような意識を持ちながら経験を積み、実力をつければ、将来はフリーランスの編集者として活躍することも可能です。
編集で得られるスキル
編集の仕事は、経験を積むことで得られるスキルがたくさんあります。
すぐに希望するジャンルの編集ができる場所で働けなくても、キャリアを積んでいくことで希望の仕事に採用される可能性はあるでしょう。
編集の仕事で得られる主なスキルは次の通りです。
情報収集能力
編集の仕事の中でもとりわけ雑誌編集の場合、常に新しい情報を提供してトレンドやブームの仕掛け人的な役割があります。
そのため、編集者には時代の流れを読みとる力が必要です。
企画を立てるための情報収集を行うなかで、膨大な情報の中から何がトレンドになるかを嗅ぎ分ける情報収集能力を養うことができます。
柔軟な発想力、企画力
編集では、どのようなテーマで本を作るか、ライターにはどのような内容を書いてもらうか、どのような写真をどこで撮影するか、表紙のデザインはどうするかなど、さまざまな発想で企画を立てなくてはなりません。
その繰り返しで、豊かな発想力や企画力が身についていきます。
高いコミュニケーション力
編集の工程では、ライターやデザイナー、カメラマンなどさまざまな業界の人と関わります。小説家や漫画家の担当を受け持つ場合もあります。
さまざまな人と良好な関係を築きながら、企画を説明する、指示を出す、調整するなどのやりとりを行うため、高いコミュニケーション力が身につきます。
編集者の仕事内容
編集の仕事といっても、担当する媒体はいろいろあります。どのような媒体があるのか見てみましょう。
編集媒体ごとの仕事
■書籍編集
書籍の編集は文芸書をはじめビジネス書や美術書など、さまざまなジャンルがあります。小説家や評論家、漫画家など、ジャンルごとに原稿を依頼する人は異なります。
刊行する書籍の企画から始まり、著者への執筆依頼や入稿などが主な仕事です。
■漫画編集
漫画編集ではそれぞれが担当の漫画家を持ち、一緒に作品を作り上げていきます。
漫画家が描いた原稿を受け取って印刷に回すだけの仕事ではなく、漫画家と一緒にストーリーを考え、より魅力的な作品を作る手伝いをします。
漫画家が作ったあらすじ(プロット)や簡単な絵とセリフの構成(ネーム)を見て、その内容が読者を獲得できるかを確認。
OKを出してから原稿を描き始めてもらう流れになります。
■雑誌編集
雑誌は週刊か隔週、月刊などが主なサイクルで、企画から制作物の完成までの工程を毎号繰り返していきます。
書籍や漫画と比べ、タイトなスケジュールが特徴です。
編集の一連の流れ
編集の仕事内容について、一連の流れを見てみましょう。
■企画を立てる
書籍であればどのような出版物を作るかの企画を立ち上げます。
雑誌の場合はファッションやスポーツ、旅行などのジャンルに分かれ、そのテーマに沿った内容に基づき、毎号新しい企画を立案します。
■執筆依頼や制作スタッフのディレクションをする
出版物の内容に合わせ、執筆の依頼をします。
雑誌であれば、記事を書くライターや写真を撮影するカメラマン、ページのレイアウトをするデザイナーなど、制作に関わる各スタッフにディレクションを行います。
■入稿までの進捗を管理する
原稿が上がったら、内容をチェックします。さらに、写真の配置やタイトルの入れ方、文章の文字数などのレイアウトを作ります。
ライターの原稿が完成したら内容をチェックし、印刷会社へ渡します。
■制作物の品質を管理する
レイアウトに文字と写真が入ったネーム校正紙ができあがったら、チェックを行います。執筆者やライター、取材先などにもチェックを依頼。
そのあと赤字を入れた校正紙を印刷会社へ戻し、最終確認として戻ってきた校了紙を確認していきます。
【編集職】評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは編集職の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜ編集者なのか」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜ編集者なのか”については、数ある仕事の中でなぜ編集という仕事を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「書籍を通して人々の暮らしや心を豊かにしたい」のような編集者ならではの理由を入れると良いでしょう。
“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えることが大切です。
例えば、講談社であれば「出版という事業を通して、人々の暮らしの役に立ち、心の豊かさに資する」という企業理念を掲げています。
この出版社を志望する場合は、人々の暮らしの役に立ち、心を豊かにするために自分はどのような貢献ができるかなど、自分の強みを書くといいでしょう。
また、小学館は「人生の中で大きく実となり、花開く種子をまく仕事をする」というビジョンを持っています。
このような仕事をするためにはどうするべきかなど、仕事に対する姿勢を書くと良い印象を与えます。
このように企業によって特徴や企業理念は異なるため、企業ごとの違いを把握した上で志望動機を作成してください。
(2)編集者として求められる能力・素養を把握する
読者が喜ぶ企画を考えるには、担当する分野に興味を持つことが必要不可欠です。
初めから自分が好きな分野の仕事ができるとは限らず、新卒であればまったく未知の分野を受け持つこともあり得るでしょう。そのため、何事にも興味を持てる好奇心や、探求心が大切です。また、採用される企画を考えられる発想力も求められます。
書籍を作り上げるには編集者だけでなく、ライターやデザイナーなど他にも様々な人が携わっています。各工程を調整・コントロールし、入稿の締め切りに間に合わせるのが編集者の仕事であるため、スケジュール管理力や責任感も必要不可欠です。
最後に、編集者の仕事には正解がありません。読者の好みも時代とともに変わっていくものです。
そのため正解がない中でも、完成に向けてチャレンジし続けられる、困難に立ち向かうことを楽しめるという素養は求められるでしょう。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
編集の志望動機例文
ESの志望動機の例文および考察を紹介します。書き方を学び、自身のESや面接に活かしてください。
毎回企画を練り、インタビューや取材をしたり、記事を書いたりすることで雑誌を編集することの魅力にすっかり引き込まれました。情報誌作りでは貴社の「○○」という雑誌を参考にさせていただき、自分もいつかこのような雑誌の編集を手がけたいと思うようになりました。
学生時代の経験は貴社での編集にも活かすことができ、貴社の「人々の暮らしの役に立ち、心の豊かさに資する」という企業理念を実現できる強みになると考えています。
また、私は非常に好奇心が旺盛で、最新の流行や新製品などの情報は漏らさずチェックして内容を調べたりしています。このような性格は貴社の編集で企画を立てる際の力になり、貢献できるのではないかと考え、志望いたしました。
→学生時代の経験から志望理由を分かりやすく書いており、説得力がある志望動機となっています。
志望した企業のどのようなところに共感を得ているのか、その会社の編集で具体的にどのような貢献ができるのかが分かり、しっかりアピールできている例文です。
もっと多くの例文が見たい方は以下記事をご覧ください。
編集の志望動機NG例
続いては、編集の志望動機のNG例を紹介します。どこがNGなのかについても解説しているので、チェックしてみてください。
私は作家としての才能はありませんが、本を読むときは「ここをこう変えたらもっと良くなる」と考えることがあり、編集者はまさにそれができる仕事だと思います。
このような理由から、ぜひ書籍の編集に携わりたいと思い、貴社を志望いたしました。
→自分の希望だけで志望動機を説明しており、どのような強みがあるのか、具体的にどのような貢献ができるかに触れていません。
説得力が足りない内容になっています。また、なぜその出版社なのか、他との差別化がされておらず、アピールの足りない志望動機です。
志望動機では必ず企業の特徴や強みに触れ、それに対して自分が具体的にどのような貢献ができるかを書くようにしましょう。
まとめ
本記事では編集職の動向から、得られるスキル、仕事内容、志望動機の書き方・例文まで紹介しています。
編集は本を制作する際の企画から、工程管理まで全てを行います。そのため、管理能力や責任感、真面目といった素養をアピールすると効果的でしょう。
志望動機を作成する際は、本記事で紹介したポイントと例文を参考にしてみてください。
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