「印刷業界って縮小産業じゃない?」と考える就活生は多く存在すると思います。
確かに印刷業に関しては縮小傾向にあると言われていますが、近年の印刷業界では印刷業以外の様々な事業展開がされています。
例えば、電子書籍事業やM&Aなど様々な取り組みをしています。
志望動機の例文以外にも業界の動向も載せているので、是非ESを書く際の参考にしてみてください。
印刷業界の特徴
ここでは印刷業界の動向・業種・職種についてを解説していきます。
印刷業界の動向
ここでは印刷業以外の事業を3つ紹介していきます。
1つ目は、M&A事業です。特に業界大手の凸版印刷、大日本印刷が行なっています。
凸版印刷は台湾の中・小型液晶ディスプレーの会社を子会社化し、凸版印刷が保有する小型液晶パネル事業の強化を図りました。
このようなM&A事業を通して印刷事業以外の事業の強化を行なっています。
2つ目は、電子書籍事業です。大日本印刷はNTTドコモとの合弁会社トゥ・ディファクトを設立し、電子書籍サイト「honto」の運営を開始しました。
同様に、凸版印刷は「BookLive」という電子書籍サイトを運営しています。
3つ目は、クレジットカード会社とのカード事業です。共同印刷と三菱UFJニコスは法人向けプリペイドカード発行などの業務提携しました。
各業界別の動向や例文を見たい方は下記をご覧ください。
印刷業界:
【業界研究】印刷業界の動向6選!仕事内容や志望動機・自己PRのポイントも紹介
印刷業界の業種
印刷と一口に言ってもさまざまな印刷物が存在します。今回は全部で6種類の業種を紹介していきます。
❏出版印刷
出版印刷は出版社や新聞社向けの印刷物です。主な印刷物は、書籍・雑誌・教科書・地図などです。
研究機関が発行する印刷物も出版印刷に該当します。印刷のなかで最も私たちの生活と関わりがあるのが出版印刷です。
❏商業印刷
商業印刷は一般企業や団体向けの印刷物で、大きく2種類に分類されます。
1つ目は、宣伝用印刷です。企業や団体の業務を宣伝する際に利用される印刷物です。例えば、チラシ・ポスター・パンフレット・POP等が挙げられます。
2つ目は、業務用印刷です。企業商品のカタログ・会社案内・社内マニュアル・社内報などにあたります。
❏事務用印刷
事務用印刷は文字通り事務関連の業務をする際に用いられる印刷物です。事務用印刷は2種類に分類されます。
1つ目は、事務用品印刷です。例えば、名刺・ノート・封筒・ハガキ・手帳等が挙げられます。
2つ目は、ビジネスフォーム印刷です。具体的には、納品書・請求書・申込書などが該当します。
❏証券印刷
証券印刷は金銭に代替される印刷物です。例えば、株券・商品券・チケット・クレジットカード等です。
クレジットカードなどの複製対策のため、透かし印刷やホログラム箔押しなどの加工が施されています。
*ホログラム箔とは
レインボーに光るパターンを表現する箔のことです。
❏特殊印刷
特殊印刷とは、上記4つの印刷以外の印刷物のことを指します。
主な印刷物は、包装紙・ダンボール・パッケージ等です。その他にも、建材・布地・OPP袋といった紙以外の物質なども特殊印刷に分類されます。
❏データ管理、マーケティング
印刷業界は印刷業の縮小を受けて、印刷業以外の事業展開もされています。
例えば、大日本印刷は「デジタルマーケティング」というサービスを提供しています。
長年培ってきたマーケティング施策に関する実績と知見、最新のデジタルテクノロジーを活用し、デジタルマーケティングの推進を図っています。
印刷業界の職種
職種によって業務内容も異なってくるため、自分がやりたいことは何なのかや、キャリア形成のイメージをある程度もって入社する必要があります。
❏研究開発
印刷技術の研究や開発を手掛けています。最近では画像処理ソフト・有機ELディスプレイ・機能性フィルムなど印刷技術以外の研究開発も進められています。
このように顧客のニーズを元に新しい技術や製品を開発するため、印刷会社の要の職種と言えます。
❏事務
主な業務は品質管理と企画開発です。
品質管理では、出来上がった印刷物の仕上がりを見て、不備がないかを確認します。
企画開発では、営業がヒアリングしてきた顧客の要望やニーズを元に売れる商品やサービスの企画を行います。
例えば、コンセプトやコピーライティングなどを検討したりします。
❏営業
営業では実際に顧客に赴き、商品の価格や納期、デザインなどを確認しながら印刷物を作り上げていきます。
営業は単に製品やサービスを売り込むだけでなく取引先への企画立案やプレゼンテーションなども行います。
また、顧客との唯一の接点である営業は顧客の要望やニーズを正確に研究開発や事務に伝える必要があります。
❏デザイナー
デジタル化に伴い、印刷会社でデザインを行う場合も増えています。パンフレットやカタログのデザイン考案が主な業務です。
❏DTPオペレーター
デザイナーが制作したデザインを基に印刷用データを作成するお仕事です。
写真やイラストのレイアウト、用途にあったフォントの選択、行間や字間の調整などを行います。
❏印刷機オペレーター
指定された紙へ、刷色や仕上仕様、製本加工の有無などを確認しながら実際に印刷を行うのが主な業務です。
依頼の印刷物や、オフセット印刷・グラビア印刷・活版印刷・スクリーン印刷といった印刷方法によって仕事内容は異なります。
❏製本オペレーター
デザインやDTP、印刷の工程を経てできた印刷物を1冊の本にするのが製本オペレーター業務です。
具体的には、印刷された各ページを指定のサイズに断裁し、1ページから最終ページまで順番に揃え、無線綴じを用い糊でページや表紙を固めて綴じます。
志望動機の作り方のポイント
印刷業界は、企業ごとにさまざまなビジネスモデルが存在するため、しっかり企業研究し、数ある企業の中でもこの会社を選んだ理由を採用担当者に伝えなければ、書類選考を通過できません。
なぜ志望するのか、なぜ自分なのかをシンプルかつロジカルに書きましょう。
印刷業界の志望動機に必要な3つの要素
さまざまな業界の中でも「なぜ印刷業界か」「なぜこの会社か」この2点を深掘ることが必要不可欠です。
まず業界について。冒頭の印刷業界の動向でも書いたように、印刷業界は印刷業の縮小を受けて別事業も大きく展開しています。
そのため、会社ごとに多くのサービスやソリューションを持っています。自分がどのような事業に関わりたいのかを明記できるようにしましょう。
次に企業について。印刷業界を志望する理由だけでは、採用担当者の心には響きません。
印刷業界の中でもなぜその企業を志望しているのか、強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えていきましょう。
例えば、大日本印刷はクラウド技術を活用した電子書籍事業が強みの一つです。
このように企業によって強みは異なるため、しっかりと企業研究を行い、企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。
印刷業界で求められる人物像
印刷業界は印刷業の縮小を受け、電子書籍やエレクトロニクスなど様々な事業を展開しています。さらに大きな展開をするためにチャレンジングな人材が求められています。
例えば、凸版印刷の採用メッセージは「可能性を絞るには、早すぎる。」です。
メッセージ通り、さまざまなことにチャレンジできる社風であり、若いうちからの挑戦を支える風土がある企業と言えます。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
・「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」
・「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」
印刷業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文から、クオリティと書き方を学び、自身の書類に活かしてください。
大日本印刷の志望動機の例文
そのような考えは、身近にあるITサービスを使い、楽しさや衝撃といった感情を覚え、実際に作ってみたいという「好奇心」が芽生えたことからだ。
そして、貴社のインターンシップを通して、ブロックチェーンという今後のIT分野におけるセキュリティーの最先端技術やVR・デジタルサイネージといった情報処理の強みを生かした技術を体感し感銘を受けると同時に、きっかけとなった「好奇心」を動かされた。
事業の幅広さと技術力を体感し、どの事業部で働くとしてもやりがいのある仕事をできると魅力を感じ貴社に志望した。
貴社で、特に取り組みたい仕事としては、医療情報システム事業である研究で◯◯という共同研究の経験があり、◯◯の能力を再現できるということを体感している。
効果的な診断のできる医療システムの導入を進めることは、現在、問題視されている医師不足を打開することができると考える。
⇨インターンシップで体感した大日本印刷の強みがで自身やりたいことに通じると書かれています。
入社後自分の強みを活かしてどのように貢献していくかについても書けているため、読み手が入社後の姿を想像しやすい志望動機となっています。
インターンシップに参加したことがある就活生の方はそこで感じたことを内容に盛り込んではいかがでしょうか。
凸版印刷の志望動機の例文(営業)
背景として、高校の部活動の組織改革をはじめ自ら当たり前をつくり出してきた経験から、より多くの人々の当たり前をつくることで社会に貢献したいと考えたことがあります。
印刷業界は情報産業であり、全産業に関わることができます。
中でも貴社は、約25000社のクライアントを抱えており、より多くの人々に寄与することができ魅力を感じます。
加えて、単に特定のモノを扱うのではなく、お客様のあらゆるニーズに応えるべく、様々なモノつくり・コトつくりを行えます。
トータルソリューションを行える貴社でなら、多様なお客様と築き上げた多くの実績や経験をもって、お客様に真に寄り添った提案ができると感じます。
貴社で自身が今まで培った「変革力」を活かすことで、新しい「当たり前」を創造し、社会をよりよい方向へ変えていきたいと考え志望します。
⇨一文目に人生をかけて叶えたい目標が書かれています。
その後自身の強みを活かして、凸版印刷でどのように活躍していくのかが明記されています。印刷業界を志す就活生はぜひ参考にしてはいかがでしょうか。
共同印刷の志望動機の例文(総合職)
お客様のご意向に沿った上で、消費者の予想を裏切る提案したい。
以前、山芳製菓のプテトチップスの緑一色で「ピリピリピリリ」と書かれたパッケージに興味を示し購入したことがある。
味は美味しくなかったが、パッケージに騙されて買ってしまった。パッケージには人の興味を集め騙す力が備わっていると感じた経験だった。
デザイナーを社内に抱えることで早い対応ができ、印刷の技術力を持つ貴社ならばお客様の要望を叶えた上でより面白みのある包装パッケージを提案できる。
また斬新なパッケージを提案するにはお客様から新商品を任されるほどの信頼を築く必要がある。
行動をもって相手との信頼関係を構築することに強みを持つ私なら、お客様を何度も訪問しヒアリングすることで、信頼を得ることで「挑戦」が実現できると考える。
⇨実際の消費体験を元に共同印刷を志望する理由が書かれています。
このような書き方をする場合、消費者からサービスを提供する側になりたいことを論理的にアピールしましょう。
まとめ
印刷業界はどの企業も印刷業以外に多様なサービスやソリューションを持っています。
どこにでも当てはまるような志望動機を書いていては、通過は難しいでしょう。
選考通過ESを参考にしながら志望理由をなぜなぜと掘り下げて、自身の経験と結びつけつつ、ロジカルな構成で作成しましょう。
志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
「志望動機の書き方・例文」
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