書いてあることを別の言語に訳す翻訳は、ただ言葉を他の言語に言い換えるだけの仕事と思われがちです。
しかし実際は、言葉と言葉をつなぐ重要な役割を担っており、単語の直訳と文章の意訳、調整を図りながら仕事をします。
内容によっては専門的な知識も必要で、質・スピード・正確性が求められます。
翻訳は、日本語を外国語に訳すことで国と国をつなぐ重要な役割を持っています。
神経をすり減らすような緻密で大変な仕事だからこそ、やり遂げたときの達成感が大きく、新しい知識が得られることも多い職業です。
翻訳の最新情報
翻訳職の最新情報は、下記のように2つあります。
1つ目は、翻訳者の需要は増加傾向にあるということです。最近では英語を勉強したり、複数の言語に力を入れて勉強したりと、外国語を習得する人が増えています。
日本語以外の言語を扱えることで、仕事の幅が広がる可能性があり、国際的な活躍も期待できます。
一方で、人材が増えることは競争率が上がることを意味します。仕事の精度を上げる、専門的な知識を身につけるなど、自分だけのセールスポイントを見つけることが必要です。
2つ目はAI翻訳の普及です。21世紀に入ってから、あらゆる分野でAIが急速に普及しています。
それに伴い、翻訳や電話オペレーター、レジ係など、多くの仕事がAIに変わるのではないかと考えられているようです。
最近では、人間の脳の神経回路を模した「ニューラル機械翻訳」が登場し、以前に比べてAI翻訳サービスの精度が格段に向上しています。
翻訳の仕事であると便利な資格
翻訳の仕事をする上で、取得しておくと便利な言語系の資格がいくつかあります。
以下に紹介する資格は英語関連が多いですが、言語によって必要な資格は異なるので、一度調べてみましょう。
また、これらの資格があると応募するときのアピールポイントになるので、仕事を得やすくなるでしょう。
英検1級
英検1級は大学上級レベルの英語力であり、英語の総合的なスキルが問われます。
筆記とリスニングによる一次試験とスピーキング(面接)による二次試験があります。
相手に伝える発信力と対応力がカギです。英検1級は翻訳をするためには最低限身につけておきたい資格の1つでしょう。
TOEIC(900点以上)
TOEICは世界共通のテストで、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4つの試験があります。
スコア900点以上は、専門的な知識の英語や高いビジネス英語が身についていると判断されます。ネイティブとのディベートも可能な英語レベルです。
JTA公認翻訳専門職資格基礎試験
英語の基礎力があり、これから翻訳の仕事に就こうと思っている方向けの試験です。翻訳をする上で必要な文法・法則・英日翻訳・英文リライトという、試験内容です。
JTA公認翻訳専門職資格試験
年に1回の開催で、翻訳に必要な能力を総合的に審査する試験です。
言語は英語と中国語の2つがあり、翻訳文法技能試験・翻訳マネジメント技能試験など4つの試験に合格する必要があります。
さらに、翻訳の実務経験が2年という実績審査を行った上で、初めてJTA公認翻訳専門職に認定されます。
JTFほんやく検定
実践的な翻訳の技能を測る試験で、基礎レベルと実用レベルの2つがあります。基礎は初心者向けの内容。
実用では、政経・社会、科学技術、金融・証券、医学・薬学、情報処理、特許の6分野から1分野を選んで受けます。
翻訳技能審査
4級は初心者向け、3級は基礎力がある人、2級は翻訳文が書けるレベル、1級はプロレベルと4つのレベルがあります。
翻訳技能審査の取得は企業に評価される対象で、個人での仕事も取りやすくなります。
翻訳の仕事内容
ひと口に翻訳者といっても、翻訳する内容は様々です。以下で詳しいジャンルを紹介します。
文芸翻訳
文芸翻訳は、小説やノンフィクション作品、雑誌などの出版物を翻訳する仕事です。
文芸翻訳には言語の知識はもちろん、作品のテーマを掴んだり、言い回しなどを把握してふさわしい表現で翻訳する必要があります。
実務翻訳
実務翻訳は、ビジネス用の文書・学術書・マニュアル・契約書など、企業や研究者向けの翻訳を行います。
実務翻訳では専門的な知識が求められることが多く、日本語でも翻訳する言語でも、専門的なビジネス知識を身につける必要があるでしょう。
映像翻訳
映像翻訳は、ドラマ・映画・ドキュメンタリーなど、幅広い映像の翻訳をして字幕をつける仕事です。
映像に字幕をつける際には、視聴者が素早く読めるよう、なるべく短い文章で必要な情報が全て入るように心がける必要があります。
また、ドラマや映画ではスラングや文化・風習も出てくるので、それらも踏まえて翻訳する必要があるでしょう。
翻訳職で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは翻訳の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜ翻訳なのか」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜ翻訳なのか”については、数ある仕事の中でなぜ翻訳という仕事を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「子供の頃から海外の小説が好きでした。海外の小説でもわかりやすい日本語訳があることで読書を楽しむことができ、自分も将来翻訳者になりたいと思った」のような、翻訳ならではの理由を入れると良いでしょう。
そして“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えることが大切です。
例えば、BRAINWOODSという翻訳会社では、「プロフェッショナルパートナーとして、お客様に喜んでいただける多言語サービスを提供する」という企業としてのミッションを掲げています。
このように企業ごとの特徴や企業理念を把握した上で、志望動機を作成してください。
(2)翻訳職で求められる能力・素養を把握する
翻訳の仕事は、正確性や丁寧さが求められます。また作成したものを時間をかけて確認・修正を行うため、根気強さも必要です。
さらに、翻訳をする際、ジャンルによって文化や専門知識など、幅広い知識が求められます。そのため常にアンテナを張って新しい情報を追いかけ続ける必要があり、日頃から新しい知識を取り入れる姿勢が重要となります。
最後に、翻訳の仕事は読者や視聴者がいるからこそ成り立つ仕事です。そのため、受け手のことを一番に考えた上で、翻訳をしなければなりません。
例えば、動画の字幕であれば、より端的な文章で必要十分な情報を伝えるなど、いかにわかりやすく読みやすい文章が考えられるかが大切になります。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
翻訳職の志望動機の例文
翻訳の志望動機の例文を紹介します。ポイントも解説するので、志望動機を書く際や面接で参考にしてください。
私は学生時代1年間アメリカに留学しました。英語が話せるようになりたいというよりも、「海外で暮らしてみたい」「文化に触れてみたい」といった単純な動機でしたが、現地では、翻訳を生業としている先生との出会いがありました。
彼女は小説の翻訳をしており、彼女が翻訳した作品を読みましたが、とても素晴らしくて感動しました。これをきっかけに小説の翻訳をしたいと思い、貴社に応募しました。
貴社では小説や映画など様々な作品を取り入れており、「サクサクと読み進められる文章」を心がけておられると聞いています。私も貴社のように読者のことを考えた上で翻訳をし貢献したいと思います。
翻訳の仕事に就くにあたり、TOEICを900点以上、英検1級、海外の文学作品を読んで英語力を高めたので、それを活かしたいと思います。
→翻訳を志すきっかけになった出来事が詳しく書かれており、動機の部分がわかりやすいです。
また、翻訳の仕事に就くために努力した部分が書かれているので、企業側に評価されやすいでしょう。
もっと多くの例文が見たい方は以下をご覧ください。
翻訳の志望動機のNG例
以下では翻訳の志望動機NG例を紹介します。どこがNGなのかについても解説するので、チェックしてみてください。
海外の留学経験をきっかけに英語を使った仕事がしたいと思い、翻訳を希望しています。
翻訳では小説の翻訳をしたいと思っており、貴社では小説・映画などの様々な作品を訳しているため、応募しました。
→学生時代の海外留学経験をもう少し掘り下げると良くなるでしょう。海外での出会いはどのようなものだったのか、なぜ翻訳に繋がるのかなど書かれていると良いです。
まとめ
翻訳には、文芸翻訳・実務翻訳・映像翻訳など様々な分野があります。それぞれ必要な知識が違い、専門的な知識も必要なので、日本語と翻訳する言語の両方での勉強が必要です。
応募する際には企業によって特徴が異なるため、企業研究を必ずしましょう。
志望動機の基礎から応用まで網羅的にノウハウを知りたい方は下記をご覧ください。
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