●ホテル業界の志望動機では、「海外の宿泊客にも日本の良さを理解してほしい」のようなホテル業界ならではの理由を書く。
●ホテル業界の求める人物像は『コミュニケーション能力がある』『観察力がある』『視野が広い』『柔軟な対応力がある』のいずれかを満たす人。
ホテル業界は非日常生活を味わえることからキラキラしたイメージがあり、就活生に人気の高い業界だと言えます。
そのため、単に「ホテルが好きだから」といった理由では内定を勝ち取ることはできません。
ホテル業界で評価される志望動機を作成するためにも、本記事で紹介しているホテル業界の特徴から仕事内容、志望動機を作成するコツを参考にしてみてください。
また、実際にホテル業界の選考を通過した志望動機例文も紹介しています。
ホテル業界とは?
ホテル業界は宿泊客などの利用者に対し、宿泊するための部屋やホテル内のレストラン、結婚式場などで各種サービスを提供しています。
一口にホテルと言っても、価格帯やサービス内容、立地などにより多種多少な種類に分類されます。
ビジネスホテル:出張利用に特化した日本特有の形態である都市部にあるホテル
リゾートホテル:軽井沢や沖縄などいわゆるリゾート地に位置し、季節によって需要の変動が見られるホテル
また、経営形態によっても以下のような3つに分類されます。
リース式:土地所有者がホテルを建設し、ホテル企業に一括賃貸するビジネスモデル
運営委託方式:ホテルの土地や建物の資産を保有せず、運営のみに特化したビジネスモデル
そのためホテル業界での就職を希望する場合、選考の中で他の学生との差別化を図るためにも、業界研究を深める必要があるでしょう。
本記事を読み、ぜひ業界研究に役立ててください。
ホテル業界の仕事内容
職種によって業務内容も異なってくるため、自分がやりたいことは何なのか、キャリア形成のイメージをある程度もって入社する必要があります。
サービススタッフ
■フロント
フロントは、ホテルの受付カウンターで、宿泊客のチェックイン・チェックアウトの手続きや、会計業務、宿泊予約の管理、案内業務、外貨両替などをおこなう仕事です。
フロント業務はどのホテルにも必ず存在し、宿泊客から最も頼られる職種でもあるためやりがいは大きいと思われます。
■ベルパーソン
ベルパーソン(ベルボーイとも呼ばれることもあります。)は、ロビーに待機し、チェックイン手続きを終えた宿泊客を、客室まで案内する仕事です。
客室まで手荷物を運ぶまでの間に、宿泊施設の案内をおこなったり、チェックアウト時にフロントから車まで荷物を運んだりといった仕事もおこないます。
■ドアマン
ドアマンは、ホテルの正面玄関に立ち、車やホテル入口のドアを開けることで、スムーズに宿泊客を送迎する仕事です。
宿泊客にとっては最初と最後に顔を合わせる存在であり、ドアマン次第でホテルの印象が変わると言っても過言ではありません。
■コンシェルジュ
コンシェルジュは、お客様のありとあらゆる要望に応える、ホテルの[なんでも屋]のようなものです。
ホテル内の問い合わせのみならず、レストランやレンタカーの予約、観光案内など様々な要望に対応します。様々なリクエストが届くため、幅広い知識や経験が求められます。
また、海外の宿泊客の対応もあるため、語学力も必要です。
■ハウスキーピング
ハウスキーピングは、客室の掃除やベットメーキング、備品の補充、部屋の点検をする仕事です。
髪の毛1本でも落ちているとホテルの印象の悪化に繋がりかねないため、責任を持ち丁寧におこなう必要があります。
■レシェプショニスト、ウェイター、ウェイトレス
レシェプショニストの仕事は、レストランの入口に立ち、宿泊客を席まで案内することです。
■ルームサービス
ルームサービスは、宿泊客から電話で食事のオーダーを受け、客室まで届ける仕事です。
一般的にこのサービスを受ける事ができる時間は指定されていますが、シティホテルでは24時間提供するところも多くあります。
営業・販売促進
■セールス
ホテルの営業は、旅行代理店に向けてホテルの設備や宿泊プランなどのサービスの営業・提案をおこないます。
ホテルの売上に直接影響を与える仕事でもあるため責任は大きいですが、その分やりがいを感じることができるでしょう。
■企画・マーケティング
市場調査や顧客分析をおこない、ホテルに関わるイベントや宿泊・ブライダルプランなどの企画立案から実行までを手掛けます。
■広報
ホテルの宣伝をするために、テレビや雑誌といったメディアとのやり取りをおこないます。
番組や雑誌で紹介されることで普段知られない人たちへの認知を広げていきます。
■管理部門
管理部門は、一般企業と同じように総務・経理・人事、また料理の材料やホテルで使用する備品の仕入れをおこなう購買があります。
他にもホテルの資産である、家具や設備などをチェックする施設管理といった仕事も管理部門に含まれます。
就活で何をしたら良いかわからない、または効率的に就活を進めたいという方はぜひ就職エージェントneoを利用してください。
ホテル業界で求められる人物像とは?
ホテル業界の仕事は、ほとんどが接客業務です。接客をするとなると、様々な国、価値観の人と関わる機会が多くなるため、コミュニケーション能力は必須と言えるでしょう。
また、宿泊客が満足に過ごすことができるよう、小さなことにも気づき、求められているニーズを把握できる観察力や広い視野も必要です。
様々な人との接点が増えればトラブルが起きることも予想されます。そうなったときに慌てず対処できるような柔軟な対応力も求められると言えるでしょう。
志望動機の基本的な書き方
情報収集や自己分析をもとに、伝えることが決まればあとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで「て・に・を・は」、接続語や「です・ます」調など細部を整えましょう。
(1)志望動機を一言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい就活生は下記をご覧ください。
ホテル業界で評価される志望動機の書き方
志望動機の基本的な書き方について理解したら、続いてはホテル業界で評価される志望動機の書き方を学んでいきましょう。
志望動機を作成する際は『なぜホテル業界なのか』『なぜこのホテルなのか』をしっかりと深掘りしましょう。
なぜホテル業界なのか
[なぜホテルなのか]については、数ある仕事の中でもなぜホテル業界を選んだのかについて明確な理由を準備しておく必要があります。
具体的には「海外の宿泊客にも日本の良さを理解してほしい」「自分のおもてなしでお客様に笑顔になってほしい」のようなホテル業界ならではの理由を伝えられると良いでしょう。
その際、ホテル業界の仕事内容や特徴と絡めて書くことができれば、説得力のある志望動機になるため、志望動機を書く際は事前にホテル業界の仕事内容や特徴について調べてみてください。
なぜこのホテルなのか
[なぜこのホテルなのか]については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えば、リゾートトラストでは、ホテルやグループ施設が日本国内全国に86ヶ所あり、会員数も業界内シェア72%を誇っています。
また、アパホテルでは、カナダとアメリカ合衆国に39ホテルを展開しています。
このように企業によって強みや特徴は異なるため、しっかりと企業研究をおこない、企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。
ホテル業界の志望動機の例文
ここでは実際にホテル業界の選考を通過した志望動機例文を紹介します。志望動機の書き方について理解できたら、次は例文を見て書き方のイメージをさらに掴んでいきましょう。
星野リゾートの志望動機の例文
〇〇施設でのインターンシップと〇〇のイベントは、お客様と直接関わる仕事なので、お客様の反応を間近に見ることができました。お客様の笑顔や感謝の言葉のおかげで、ゴミの分別や枯れ木の回収、イベントの事前準備など裏での地道な作業も一生懸命におこなうことができました。
この経験から、お客様の楽しそうな姿が、私が働く上で1番のモチベーションに繋がっていると思っています。また、その上で挑戦的である企業で働きたいと考えています。それは私自身が周りがやっていないことに挑戦していくことが好きな性格だからです。
貴社は規模が大きくなっても、脱プラスチック提言、OMO7新今宮の開業など他社がやっていないことを真っ先におこなっています。そのような貴社で、私自身も挑戦し続けていきたいと考えています。
⇒過去の経験をもとに働く上でのモチベーションについて書けており、あなたの人柄が伝わる且つ、説得力のある志望動機と言えます。また、ホテル業界の中でも星野リゾートを志望している理由がしっかりと書けていてGoodです。
引用元:unistyle/ 選考通過者本選考ES(星野リゾート23卒)
リゾートトラストの志望動機の例文
私にとって記憶に残るホテルとは、日常の安心感という空間に新鮮さを加えることで作られると考えます。私は、自分を飾らず自然体で楽しめるという安心感のある空間で過ごすことに居心地の良さを感じます。
そして、その中で非日常な体験を通し、新鮮さという刺激を得ることで、より安心と楽しさを感じられるのです。貴社の会員制ホテルでは、ホテルならではの非日常の提供に加え、お客様1人ひとりに特別な接客を提供できると考えています。
入社後は、気配りを感じさせない細やかな接客を通し、安心と新鮮さを生み出したいです。
⇒自身の考えを交えた上で書けており、ホテル業界に対する想いが伝わる志望動機になっています。また、入社後どのように志望企業で貢献したいかについて書けている点も良いでしょう。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(リゾートトラスト23卒)
ホテルグランヴィアの志望動機の例文
人の人生を豊かに出来る点でホテル業界に興味を抱きました。また自らの成長スピードが速い環境で働き、自分の器を大きくしたいと思っております。
グローバルに展開し、高いブランド価値とそれに見合う満足をお客様に提供している貴社であれば、私の企業選びの軸にも重なるため志望致しました。留学時の専門学校で学んだホテル経営の知識と今まで培ってきた強い精神力をもとに、貴社のさらなる発展に寄与できるように努力致します。
⇒「働く」ことについての価値観を伝える事ができている志望動機です。
ただ、全体的に自分の経験や考えについての記述が多く、業界や企業についての内容が少ないため、人事に「ちゃんと業界・企業について調べたのかな?」という印象を与えてしまう可能性があります。
そのため自分の意見を述べている文章をスリムにし、『グローバルに展開し、高いブランド価値とそれに見合う満足をお客様に提供している貴社』の部分をより具体的に書くことができるとバランスの良い志望動機になるはずです。
ホテル業界の志望動機を作成する際の注意点
ここではホテル業界の志望動機を作成する際に避けるべき3つのポイントを紹介します。
あなたの熱意や情熱をアピールできる志望動機を有効活用するためにも、避けるべきアピール内容を事前に把握しておきましょう。
他の業界でも通用する志望動機になっていないか
中には「接客の仕事が好きだから」という志望動機を考えている就活生もいるでしょう。もちろん「接客が好き」というアピール自体がNGなわけではありません。
しかし接客業の仕事は、ホテル業界の仕事だけではないため「接客が好きだから」だけでは「それなら他の業界でも良くない…?」と思われてしまいます。
志望動機で「接客業が好き」というアピールを用いるのであれば、接客業の中でもホテル業界でなければならない理由まで伝えるようにしましょう。
そうすればあなたの熱意をアピールすることができるはずです。
そのホテルならではの志望動機になっているか
上記と同様で「サービスに感動した」というエピソードが悪いわけではありませんが、このアピールだけだと「それならうちのホテルでなくても良いのでは…?」と思われてしまう可能性があります。
企業は、志望動機を通して就活生の熱意をチェックしているため、他の企業でも通用するような志望動機では選考通過は難しいでしょう。
そのため「サービスに感動した」というエピソードを伝える場合は、そのホテルならではの特徴や強みを交えて伝え、志望度の高さをアピールするようにしてください。
希望部署を限定しすぎていないか
入社後にやりたい仕事が明確に決まっているのは良いことですが、志望動機では過度な特定部署へのこだわりをアピールするのは避けた方が良いでしょう。
ホテルであっても一般企業同様、入社後どの部署へ配属されるかはわかりません。〇〇部署で接客がしたいと思っていても、初めのうちは接客以外の部署へ配属される可能性も往々にしてあります。
志望動機で「この部署が良い!」と頑なにアピールしてしまうと「この就活生は配属先が希望部署でなかったら辞めてしまいそうだな…」など、採用担当にマイナスなイメージを持たれてしまうかもしれません。
希望部署を伝えること自体は問題ないですが「そこの配属でなくても自分に与えられた役割の中で貴社に貢献したい」など、前向きな印象を与えられるような志望動機を作成しましょう。
まとめ
本記事ではホテル業界の特徴や評価される志望動機の書き方を紹介してきました。
ホテル業界は人気が高い企業も多く、書類選考突破の難易度も高いと言えるため、志望理由を「なぜ?なぜ?」と掘り下げ、具体的且つロジカルに作成しましょう。
また、本記事ではホテル業界の選考を実際に通過した志望動機の例文も紹介していますので、これから志望動機を作成するという人はぜひ参考にしてみてください。
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- 「ホテル業界を目指すならではの志望動機とはどういう内容?」
- 「ホテル業界で評価される志望動機を書くにはどうしたらいい…?」
- 「書類選考を突破して内定獲得したい!」
このように就活に関する悩みは人それぞれでしょう。
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