●エネルギー業界の志望動機を作成する際は、『なぜエネルギー業界か』『なぜその企業なのか』をしっかりと深掘りする
●エネルギー業界では『責任感』『使命感』『相手の立場になって物事を考える力』『目標に対して主体的に行動できる力』を持っている人材が求められている
エネルギー業界は社会インフラとして社会貢献度も高く、就活生に人気の業界です。また入社ハードルも高いと言われており、選考を突破するためには説得力のある志望動機が必要となります。
そのためには、業界の特徴や仕事内容などの業界理解が必須です。本記事で紹介している志望動機の例文を参考に書き方のコツを掴んでいきましょう。
エネルギー業界の特徴
この章ではエネルギー業界の動向や業種、職種についてわかりやすく解説していきます。
エネルギー業界の動向
エネルギー業界を大きく分けると「電力」「ガス」「石油」の3つに分類することができます。
電力とガス業界では、販売の自由化によって様々な企業が業界に参入してきたことにより、企業間の競争が激しくなると考えられます。
石油業界に関しては、海外からの輸入に頼っているため安定して確保できる保証はありません。
そのため業界では石油から、太陽光や風力のような再生可能エネルギーへの変換する事業などを幅広く展開している企業が増加しています。
このようにどのエネルギーに関しても、時代の流れや政策方針に対応し続けなければならないという点が特徴と言えます。
エネルギー業界の業種
様々な業種の中でどの業種を選ぶべきか、特徴と差別化ポイントを勉強しておきましょう。
❏電力
電力業界の主な業務内容は家庭や工場、ビルなどに電力を届ける仕事です。具体的には発電、送電、配電、営業と4つの事業を行っています。
電力業界は今まで、地域独占型により企業間での競争があまりありませんでしたが。しかし2016年の「電力小売全面自由化」を受け、様々な電力会社が自由に電気を売ることができるようになったため、企業間競争が激しくなると言われています。
❏ガス
具体的な仕事内容としては営業、研究・開発、設計などを行い、最終的にそれらのガスを家庭や工場などに届けています。
全国で原子力発電所が停止し火力発電の割合が増えていることにより、火力発電の燃料となるガスの需要が高まっています。その影響によりガス業界の業績は好調と言えます。
しかし、先ほども述べましたが、ガス業界も電力業界同様「電力小売全面自由化」によって企業間の競争が激しくなっています。
さらに、電力の自由化に伴い2022年には全ての会社が同じ条件でガス管鋼を共用できる「導管分離」が行われました。
これにより大手ガス会社の最大の強みであった、ガス管インフラの独占状態がなくなることから、どの企業も安泰ではないと言われています。
❏石油
ガソリンなどの燃料となる石油は人々の生活にはなくてはならないものです。
石油業界の業務内容は燃料を企業や家庭に届けたり、合成繊維の製造を行っています。その他、石油の採掘なども行っています。
また最近では、地球温暖化対策として、二酸化炭素を多く排出する石油などの燃料の使用を抑制し、太陽光発電やバイオマスなどの再生可能エネルギー、水素エネルギーなどへの代替に取り組み始めています。
このことから順調に業界規模を拡大させています。
しかし消防法の改正や人口減少により中小企業などが廃業に追い込まていたり、ガソリンなどの燃料油の販売数が年々減少しているという面もあります。
各業界別の動向や例文を見たい方は本記事最後に紹介している関連記事にてご確認ください。
エネルギー業界の職種
職種によって業務内容も異なってくるため、自分がやりたいことは何なのかや、キャリア形成のイメージをある程度もって入社する必要があります。
❏営業
電力業界は法人営業と家庭営業の2つがあります。
法人営業では、ビルや工場や病院などにコスト削減や環境対策などに対するソリューションを提案し、家庭営業では、一般家庭に最適な料金メニューやシステムを提案します。
ガス業界では業務・産業用営業と家庭用営業があり、業務・産業用営業では工場・病院・学校・ディベロッパーなどに対して、エネルギーのコストや省エネ等のソリューション営業を行っています。
家庭用営業では、家庭用設備やガス製品をマンションディベロッパーやハウスメーカに対して営業します。
また、新規顧客を獲得するために、各家庭を回ったり、イベントを開催したりもしています。
石油業界はガソリンスタンドを運営する特約店などに対し、石油製品の卸営業や提案、経営のサポートなども行っています。
その他にも潤滑油かや石油化学製品の販売からメンテナンスなどを行う技術営業職もあります。
❏技術
エネルギーの技術職はとても幅広いです。
電力業界では発電・送電・変電・配電や、発電所の運転および設備、発電所や変電所建物などの計画・設計や工事監理および維持管理を行います。
ガス業界は施工管理、家庭や企業などで使用しているガス管などの点検・修理、設備管理などを行います。
石油業界は、インフラ開発として石油施設の設計や建設、石油精製設備の運転・保守・管理・点検・改善などです。またインフラ開発では、石油やガス資源を実際に採掘して調査を行います。
エネルギー業界の評価される志望動機を作る3つのステップ
エネルギー業界は人気業界であるからこそ、他の就活生と差別化を図り、採用担当者に強い印象を与えなければ書類選考を通過できません。
ここではエネルギー業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜエネルギー業界か」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜエネルギー業界なのか”については、数ある業界の中でもなぜエネルギー業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「人々の豊かな生活を安定的・持続的に支えたい」のようなエネルギー業界ならではの理由を入れましょう。
そして“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えます。
例えば、日本コスモエネルギーHDは、50年にわたる中東産油国との信頼関係を築いており、強みであるスピード感を武器に環境変化に強い事業ポートフォリオバランスを早期構築しています。
また、関西電力は、海外事業に力を入れており、発展途上国に対し大規模な発電事業やコンサルティング業務を行っているという点が特徴です。
このように企業によって特徴や強みが異なるため、企業ごとの特徴を把握した上で志望動機を作成してください。
(2)エネルギー業界の求める人物像を把握する
エネルギー業界の仕事は人々の生活を支えている仕事であり、大きな事故にも繋がりやすい側面もあるため、ミスは許されない仕事です。
そのため自分の仕事に対する責任感や使命感が必要となります。
また業界内の変革に伴い、企業間での競争が激しくなると上述しましたが、競争が激しいということはお客様に選ばれる必要があるということです。
つまり、相手の立場になって物事を考えられる力や、目標に対して主体的に行動できる力が求められると言えます。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
企業は、「志望度の高さや会社の社風・ビジョンとマッチする人材かどうか」を判断するために志望動機を聞きます。本記事では、志望動機を作成するために必要な4つのポイントを紹介します。
エネルギー業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文から、クオリティと書き方を学び、自身の書類に活かしてください。
電力業界の志望動機の例文
東日本大震災、北海道胆振東部地震を経験し、人々の暮らしにおいて電力は必要不可欠であると感じ安定供給に携わりたいと思い志望しました。
その中でも貴社を志望する理由は、変革期を迎えているエネルギー業界で新たな価値創造への挑戦の姿勢に惹かれたからです。
貴社は品質に差がないエネルギーに”多様なニーズに応えた新たな価値”をつけサービスを提案されています。電力販売にとどまらない総合エネルギー企業としての姿勢に魅力を感じました。
私は入社後新たなサービスの開発・提案に携わりたいと考えます。貴社のインターンシップに参加し、電力自由化された市場での戦略の難しさを体感しました。
私の強みのお客様視点で考えることを活かしお客様のニーズを把握し、新たなサービス開発やソリューションの提供に貢献し快適で安心な暮らしを実現したいです。
→自分がどのような仕事がしたいのか、なぜこの業界を志望しているのかを自分の過去の経験を踏まえて具体的に書けています。
また、なぜ個社がいいのかについてはその企業の特徴を調べた上で入社後どのように活躍したいかまで書けていて働いている姿をイメージさせやすい回答になっています。
強みで述べている「お客様視点」の具体例まで書けるとより信憑性のある志望動機になると思います。
ガス業界の志望動機の例文
私は体育会サッカー部に所属し、部の合宿所で生活しています。近年、地球温暖化の影響もあり、夏場は特に暑さを感じます。そのため、合宿所内のどの部屋でも冷房が使用されており、そうした環境は、炎天下の中でも練習する私達にとって、大変快適です。
しかし同時に、こうした快適さが、地球温暖化を促進させているという皮肉さも感じます。この問題を解消できるのが、貴社の最大の特長である「天然ガスコージェネレーション」です。
お客さまのニーズに沿った価値あるサービスの提供を通じて、お客さまに笑顔を提供し、同時に地球にも笑顔を提供できる舞台が貴社にはあると確信しています。
→個社のサービスを活用して地球温暖化問題を解決したいというビジョンを、自分の経験をもとに書けているため、説得力がある回答になっています。
石油業界の志望動機の例文
社会を支えるインフラ事業の中でも全ての産業・生活に必要不可欠であるエネルギー事業は資源の乏しい日本において国策を担うほど重要であり、自身の取り組みにより多くの人々に大きな影響を与えることが出来ると考えます。
その中でも貴社は伝統的な石油製品の精製事業だけでなく、石油代替エネルギーやシェールガス事業への参画など今後を見据えた事業に積極的であり、その将来性に非常に魅力を感じました。
また、創業者の「人間尊重」「広く社会で期待され信頼される企業」いう想いが脈々と受け継がれている貴社でなら、自身も社会人として成長でき、上記の自身の成し遂げたい明確な想い・使命感を強く持ち活躍できると思います。
以上の理由から企業としての社会貢献を第一に掲げ、将来性溢れる事業を展開する貴社を志望致します。
→「夢→業界である理由→個社である理由」と抽象的な内容から具体的な内容に深掘り、回答しているため、わかりやすい構成になっています。
また、企業研究で企業についてしっかりと調べられているため、個社への志望度が高く感じられやすい回答だと言えるでしょう。
もっと多くの例文が見たい方は以下記事をご覧ください。
まとめ
本記事では、エネルギー業界の動向や仕事内容、求める人物像、志望動機の書き方について紹介してきました。
インフラを支えているエネルギー業界は社会貢献度も高いことから就活生に人気のある業界の1つです。
人気業界だからこそ、選考を突破するには他の就活生と差別化を図ることが大切になります。
志望動機を考える際は、本記事で紹介した作り方を参考にして、自分だけの志望動機を作成してみてください。
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- 「エネルギー業界を目指すなら志望動機はどういう内容が良いの?」
- 「エネルギー業界で評価される志望動機ってどんなの?」
- 「自分の魅力が伝わる内容になっているか不安…」
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