●専門商社業界の職種は「営業」「技術」「営業事務・貿易事務」。
●専門商社業界の求める人物像は「コミュニケーション能力がある」「勤勉さがある」「向上心・探求心がある」「率先して動ける」「諦めずにやり遂げることができる」「常識に捉われない柔軟な発想力がある」を満たす人。
専門商社は総合商社と違い、特定の商材を扱っているため、企業ごとの特徴は掴みやすいですが、なぜその企業を選んだのかアピールすることが重要です。
志望動機の例文を参考に書き方のコツを掴んでください。
専門商社の特徴とは
専門商社は主に[総合商社系][メーカー系][独立系]の3つに分類されます。
総合商社系とは、複数の総合商社が出資してできた専門商社で、メーカー系とは特定の製品を持ち、その販売を行っている専門商社です。
独立系専門商社は、単独で事業を行っている会社になります。
扱っている商材は、鉄鋼や食品、医薬品など企業によってそれぞれ異なりますが、共通する特徴として特定の商材を扱っている点が、総合商社との違いになります。
専門商社の業務
ここでは、数ある業務の中で専門商社が得意とするトレーディングについて説明していきます。
トレーディングとは、商社が中間業者となって、仕入れや貿易事務、販売などを行い、仲介料を得るビジネスのことです。
物を右から左に流すだけと思いがちですが、物流機能や加工機能を組み合わせ、付加価値の向上に努めています。
また、専門商社はその専門性を活かし、販売後のフォローを得意としていたり、総合商社が扱わないニッチな商材を扱っているケースがあったりと、消費者の細かなニーズに対応することが可能です。
例えば、三菱食品は、コーヒー豆の仕入れ・販売だけでなく、スーパーマーケットに対し、コーヒーマシーンやコップ、マドラーなどパッケージ提案を行ったり、企業と合同で商品開発まで手掛けたり、顧客の満足度を高める施策を行っています。
また、化学系専門商社である長瀬産業は商社でありながら製造・加工・研究開発の機能を有し、常に時代の先を読むことで柔軟に事業の転換を行っています。
専門商社の職種
総合職
営業や企画などの基幹業務に従事することになるため、仕事量が多いです。
専門商社であっても海外転勤は多く、中でもメタルワンはB職(総合職)社員のうち、「4人に1人」が海外拠点や事業会社に駐在しており、国内外を舞台に幅広くビジネスを展開していることが伺えます。
一般職
契約書の作成や取引先とのやり取りなど貿易に関する事務が主な業務となります。
基本的に勤務地が限定され、勤務時間も総合職より短いため、ライフ・ワーク・バランスの取りやすい職種と言えるでしょう。
専門商社業界で評価される志望動機を作る3つのステップ
ここでは専門商社業界の志望動機を書く際に意識してほしいポイントを3つ紹介します。
これから志望動機を作成するという人は、以下のポイントを参考に作成してみてください。
(1)志望動機に必要な要素を把握する
志望動機を作成する際は「なぜ専門商社業界か」「なぜその企業なのか」をしっかりと深掘りしましょう。
“なぜ専門商社業界なのか”については、数ある業界の中でもなぜ専門商社業界を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておく必要があります。
「新興諸国の発展に直接的に関わる仕事をしたい」「特定の分野においてスペシャリストになりたい」のような専門商社業界ならではの理由を入れると良いでしょう。
“なぜその企業なのか”については、志望企業の強みや事業形態などの特徴を調べて、競合他社と差別化しながら伝えることが大切です。
例えば、伊藤忠丸紅鉄鋼は総合商社である伊藤忠商事と丸紅の鉄鋼部門が分割・統合し、誕生した企業です。専門商社でありながら、総合商社が持つ世界中の情報・ネットワークを活用し事業を展開することができるという特徴があります。
(2)専門商社業界の求める人物像を把握する
商社の仕事は人と人、企業と企業を結び付けるパイプ役のようなものです。そのためコミュニケーション能力は必要不可欠となります。
また、専門商社は特定分野に特化している商社であるため、扱っている分野に対して幅広い知識を持っていなければいけません。そのため勤勉さ、向上心・探求心が求められます。
その他、困難なことや思い通りに進まないことがあっても、状況を判断しながら自ら率先して動き、結果が出るまで諦めずにやり遂げることが出来る、常識に捉われない柔軟な発想力があるという素養も大切です。
(3)志望動機のフレームワークを知る
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の考え方、書き方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
専門商社の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
メタルワンの志望動機の例文
海外研修制度やジョブローテーション制度によって若手から海外を意識して主体的に働くことで、多様なスキルを身につけられながら、改善の余地のある鉄鋼業界で、将来新規事業に取り組むために必要なスキルが身につけられると考えます。
チャレンジするにあたって必要なことは、市場の動向を把握する力と、現場力だと考えます。
そこで5年目までにインフラ向けの商材を扱ったトレーディング業務に携わり、私が実現したいと考える「人々の生活を豊かにする」上で、人々の生活基盤を支えるインフラで社会的に与えるインパクトが大きく、仲介としてステイクホルダーのビジネスを支える中で、私の好奇心の強さを生かして信頼関係構築能力、すなわち現場力を高めたいです。
→志望企業だからこそ成長できることについてしっかりと書けており、志望度の高さが伝わる志望動機になっています。
また、チャレンジするにあたって必要な力まで考えられていて、やる気や真剣さがとても伝わる内容になっています。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(メタルワン24卒)
伊藤忠エネクスの志望動機の例文
将来は人々の生活基盤を支える仕事を通じて、より多くの人が夢に挑戦できる社会を実現したい思いがある。その上で、資源の安定供給と環境課題解決の両立を先駆けるエネルギー業界と、時代の変化と共に柔軟に事業を展開する商社に関心がある。
中でも貴社は、LPガスから再生可能エネルギーまで幅広く手掛ける提案力と、国内外のパートナーと連携し次世代エネルギーの新規事業に挑む挑戦力が魅力だ。貴社において、私の強みである挑戦力と粘り強さを活かし、新領域の事業創出に主体的に取り組むことで組織の火付け役として活躍したい。
→とても綺麗な構成で書けています。目標を持ったきっかけについても過去の経験を交えて書けていることから、説得力のある志望動機になっています。
志望動機の締めで自身の強みをしっかりとアピールできているのも効果的でしょう。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(伊藤忠エネクス24卒)
長瀬産業の志望動機の例文
貴社で強みの挑戦力と粘り強さを活かし、持続可能な社会の発展に貢献したい。
→100文字と短い文字数の中で、その企業を志望している理由、志望企業で活かせる自身の強みをしっかりとアピールできています。
引用元:unistyle/選考通過者本選考ES(長瀬産業24卒)
上記例文の他にも就活支援サイトunistyleでは選考通過者のESを7万件以上掲載しています。 下記画像からサイトに移動できるので、ぜひES作成の参考にしてください。
専門商社の志望動機を作成する際のチェックポイント
ここからは専門商社の志望動機を作成した際に確認すべきチェックポイントを2点紹介します。
当てはまるものがあれば修正し、他の就活生と差別化できる志望動機を作成しましょう。
”憧れだけ”の志望動機になっていないか
志望動機がただ憧れを伝えているだけになっていないかチェックしてください。
企業は志望動機を通して就活生のやる気や熱意を確認しているため、ただ憧れを伝えるだけでは、採用したいと思ってもらうのは難しいでしょう。
もちろん憧れの気持ちを伝えるのがNGというわけではなく、それに加えて具体的なビジョンや行動についても書けていれば問題ありません。
総合商社と混同していないか
専門商社の志望動機を作成する際は、総合商社ではなく、専門商社を志望している理由を明記することが必要です。
専門商社の企業を受けているのに、総合商社の内容と混合しているような志望動機を伝えてしまうと「この学生は本当にうちの会社に入りたいのかな?」「ちゃんと事前に調べてきたのかな…?」とマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
そのため志望動機を作成する前に、まず総合商社と専門商社の違いについて把握することから始めましょう。
総合商社と専門商社の違いについては、以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
まとめ
本記事では専門商社の動向や仕事内容、評価される志望動機の書き方について紹介してきました。
専門商社は、企業によってある程度扱っている商材が決まっているため、比較的志望動機は書きやすいかもしれません。
しかしその中でも、他の就活生と差別化できるポイントを志望動機に盛り込む必要があるため、本記事で紹介した書き方を参考に作成してみてください。
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