繊維業界は学生にあまり馴染みのない業界ですが、私たちの生活の一端を担う業界です。繊維素材は私たちが気づいていないだけで様々な用途があります。
例えば、炭素繊維は自動車や航空機、医療品などに使用されています。このように繊維業界は化学の可能性を追求し社会の進化を加速させるソリューションを提供する社会貢献性の高い業界です。
以下で業界の動向を掴み、質の高い志望動機を書くコツを学びましょう。
繊維業界の特徴
繊維業界の志望動機を書く際に、市場の動向はもちろんのこと、事業内容や仕事内容の理解は不可欠です。以下では、最低限知っておくべき基本知識を述べていきます。
繊維業界の動向
近年、国内の繊維業界では衣料品繊維の需要が低下しています。その背景には世界の繊維生産量50%を超える中国からの輸入増加にあります。
そこで国内繊維業界は従来の衣料品繊維事業を見直し、炭素繊維やアラミド繊維、高機能ポリエチレン繊維など価格競争力のある高付加価値製品へとシフトを開始しています。
実際、炭素繊維の分野では東レが米ボーイング社から一兆円を超える炭素繊維の受注に成功しました。
また東洋紡は2018年にオランダの炭素繊維メーカーを買収し、炭素繊維事業の強化を図っています。
このように繊維業界各社は従来の衣料品繊維事業を見直し、炭素繊維などの高付加価値製品に転換しつつあります。
繊維業界の職種
ここでは繊維業界の様々な仕事の中から、主な4つの業務についてピックアップして説明していきます。
❏営業
営業は自社の製品をさまざまな企業やメーカー、ユーザーに売り込んでいきます。さらに、顧客の要望を研究や商品開発に伝えることも仕事の一つです。
繊維といっても種類はさまざまであり、用途もアパレルで使用される糸や人工皮革、建築業界で利用されている住宅用の断熱材、自動車の内装など、多岐にわたります。
そのため、繊維全般の知識を獲得することが求められます。
❏生産
生産では生産ラインの設計や品質管理が主な業務です。生産ラインの設計では、国内外の生産現場における繊維・複合材料・樹脂・ケミカル・重合設備といった製造設備の設計から開発を行います。
一方、品質管理では生産ラインの状況を随時把握し、発生した問題に対処するだけでなく、さらなる不良品が発生しないように効率的に生産する方法を立案します。
ただ現在ではこの工程をインド、パキスタンなどの海外工場に委任する場合も増えています。
❏商品開発
商品開発は顧客ニーズをもとに商品設計を行うのが主な業務です。開発の際には、自動車メーカーやアパレル業界など繊維製品を必要とする顧客と連携を取りながら製品の開発を行います。
この職種では専門性だけでなく視野の広さも求められます。
❏研究開発
ものづくりを行う繊維業界にとって研究職は花形の職種です。
研究では商品に使われる繊維の研究・実験・解析、性能及び安全性評価及び生産技術の開発などを行います。
繊維企業の多くは自社に工場を持っており、糸や生地を大量生産しています。その生産工程の管理をするのは生産の仕事です。
その他にも生産のスケジュールを立案したり、効率的に生産できる方法を立案します。
商品開発のための根本的な技術を開発する職種であるため非常に高度な専門性が要求されると言えます。
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志望動機を作る前に考えておくべきポイント
繊維業界に限らず志望動機には一貫性と論理性が求められます。深く、細かく理由が必要ですが、最低限「なぜ」を言語化した上で作成しましょう。
「なぜ」繊維業界を志望するのか
素材業界の中で、ガラス業界や鉄鋼業界ではなく、なぜ繊維業界なのかを説明する必要があります。
繊維業界を選んだ理由を答えるためには、上述した業務や動向の他に、過去の経験と考えをもとに、どんな軸で業界を選んでいるか明確にしておきましょう。
「なぜ」その会社を志望するのか
会社を志望する理由が明確でなければ採用担当者の心に響きません。
繊維業界の中でもなぜその企業を志望しているのか、強みや事業形態を調べて、競合他社と差別化しながら伝えていきましょう。
例えば、東レは業界1位の売上高を誇り、繊維・炭素繊維複合材料などの分野が強みの一つです。
このように企業によって強みは異なるためしっかりと企業研究を行い、企業ごとの特徴や強みを把握した上で、志望企業を決めるようにしましょう。
求められる人物像
近年、繊維業界は従来の衣料品用繊維事業だけではなく高付加価値繊維事業に特に力を入れています。常に顧客に求められる新しい製品を作っていくために「発想力」が求められると言えます。
その他にも、顧客とのやり取りでニーズを汲み取るために関係構築力やコミュニケーション力が求められます。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
関連記事:
・「志望動機の書き方~選考通過率をUPさせる方法~」
・「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」
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繊維業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
東レの志望動機の例文(研究職)
多角的な事業を展開し、それらを横断して能動的に新たな価値を生み出し続ける貴社に大きな魅力を感じ、私もその中で豊かな社会の実現に貢献したいと思いました。具体的には、高齢化が進行する今後の社会でより一層要求されると考えられる「上質な健康」の実現のため、人工臓器等の医療材料や疾病の早期診断に向けたバイオツールの開発に携わりたいです。
私が研究生活を通して獲得した有機化学と分子生物学についての横断的な知見を、長年にわたり蓄積された貴社独自のコア技術と組み合わせることでより有用な製品を開発し、今後の社会を支える一翼を担いたいと思います。
→「将来の夢⇨個社を志望する理由⇨強みを個社でどう活かすか」という構成で書かれており、説得力のある志望動機になっています。
繊維業界を志望する学生はこの構成を参考にしてはいかがでしょうか。
帝人の志望動機の例文(総合職)
帝人株式会社を志望した理由を100文字以内でご記入ください。
→100文字という字数制限がある中、「個社を志望する理由⇨強みを個社でどのように活かすか」が書かれています。
実際の面接では、具体的にどのような新たな価値を創造し、クオリティ・オブ・ライフの向上に努めるのかを答えられるように準備をしましょう。
倉敷紡績の志望動機(営業職)
最終製品を売るだけでなく、クライアントや技術職の方と連携をとりながら、文系職種としてモノづくりに深く携わることのできる御社の営業職に強く惹かれました。とくに御社は、繊維の機能だけでなく環境にも配慮した製品など、付加価値の高い製品を多く生み出しています。御社の長い歴史の中でも原点となる繊維事業において、そのような高い付加価値を持つ製品を市場に繋ぎ、新しい価値を生み出したいです。
⇨「モノづくりに深く関わる」という就活の軸が形成された原体験をもとに個社を志望する理由が述べられています。
1文目に数ある素材業界の中でなぜ繊維業界を志望したのかを書けばより説得力のある志望動機になったでしょう。
東洋紡の志望動機(研究職)
→一段目で将来の夢を抽象的に述べた後、二段目では将来の夢が具体的に述べられています。
一文の中に多くの内容が含まれているので、「私は〜考えている。具体的には〜」と書くと文章の繋がりがよくなるでしょう。
上記の例文は直接的に志望動機を聞かれている訳ではありませんが、志望動機に成し遂げたいことを書く際は例文のように「抽象⇨具体」の流れを意識して書くようにしましょう。
まとめ
繊維業界は高い技術と品質の良さで国内外で活躍している業界です。世界的に高い評価を受けている企業も多いです。
業界研究・企業研究を徹底して行い、志望動機では素材や技術に関心を持ち、追求していける人材であることを訴求していきましょう。
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「志望動機の書き方・例文」
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