コピーは言葉一つで見ている人の心を動かすものです。
もちろん購買意欲を掻き立てるという最終的な評価もそうですが、使ったとき、体験したときをイメージさせたり気づかせたりし、かなりマーケティングの真髄をついていなければなりません。
またクライアントが望む効果を得られるものでなければなりません。コピーライターの仕事は、このように、無から有を生み出す生みの苦しみがついてまわります。
しかし、生みの苦しみを経て作り上げた広告が、結果として、売上アップや企業イメージの向上につながったときは、クリエイターとしての存在を根底から肯定されたような、自信ややりがいを感じるでしょう。
また、TVCMの制作などに携わることもあり、多くの人に影響を与える仕事でもあります。
コピーライターの2つのトピックス
コピーライターを取り巻く環境は現在どのような状況にあるのでしょうか。ここでは、コピーライターのトピックをお伝えします。
インターネットでの広告分野の伸び
これまでの広告の媒体は、「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」という、いわゆるマス広告が主流でした。
しかし、電通イージス・ネットワークの調べによると、世界の総広告費のうちデジタル広告が占める割合が、2018年にデレビ広告費を上回って以降、伸び続けているというデータがあります。
また、インターネットで商品を購入する人が増えたことから、購入の意欲を引き立てる文章を書く、セールスコピーライターの需要が増えています。
参照元:電通イージス・ネットワーク「世界の広告費成長率予測(2019~2021)」
コピーライターの業務は広がりつつある
かつてのコピーライターの仕事は、広告のキャッチコピーを作ることによって、クライアントの抱えている課題を解決することがメインでした。
しかし、現代は、マーケティングの知識などにも基づきながら、企業のブランディング戦略を行ったり、新しい商品のコンセプトを考えたりする仕事にも携わるようになりました。
デジタル広告が伸び続けていることから、これからは、デジタル広告で課題解決の結果を出す力がますます必要とされるでしょう。
コピーライターであると便利な資格
コピーライターになるために、とくに資格は必要ありません。
しかし、持っているとアピールできる資格や経験はあるので、ここではそれらについて紹介します。
Webライティング能力検定
まずは、Webライティング能力検定です。これはWebライティングのスキルを持っていることの目安になる資格です。
2~3ヶ月に一度受けることができて、3級から1級まであります。
得た得点によって、何級合格になるかということが決められます。
コピーライティングのほかにも、Webライティングの知識や国語の能力、SEOや法律的な知識などを持っていることの目安になります。
実用ライティング検定
実用ライティング検定は、文章を書く力や伝える力を持っていることを判定できる資格です。3級と2級があり、年に2回試験を行っています。
3級は、文章を書く上での基本的な知識に関する試験で、2級はプロレベルのライターの知識を問う内容となっています。
様々な媒体で扱われるようになった文章の基本として、分かりやすい表現ができるかどうかというところが根幹になる試験です。
コンテストの入賞経験
コピーライターは、秀逸なコピーを作る発想力が評価される仕事です。
そのため、キャッチコピーの制作でコンテストに入賞した経験などがあれば、実力を示すための強力なアピール材料になります。
キャッチコピーのコンテストには、誰もが挑戦できる大規模なコンテストから、市町村で行う企画に採用されるキャッチコピーや、企業の新商品の名前など様々な公募があります。
日頃からいくつかのコンテストに挑戦して、スキルを磨いていくと良いでしょう。
ポートフォリオを作っておく
コンテストへの応募やキャッチコピーのスクールの課題などで作ったキャッチコピーは、評価されたものがあれば、ポートフォリオと言われる作品集にしておくと良いでしょう。
また、入選や入賞に繋がらなかったとしても、お気に入りの作品などを載せておくことで、あなたのセンスや世界観、コピー制作への熱意を伝える上での強力なツールになるでしょう。
コピーライターの仕事内容
ここでは、コピーライターの仕事内容を、時間の流れに沿って詳しく見ていくこととします。
オリエンテーション
コピー作りの始まりは、クライアントのオリエンテーションからです。
どんな商品の広告を作りたいのかということや、その商品の課題や目的とするところ、どれぐらいの予算が出せるのかといったところなど、コピー制作の土台となる情報を受け取るための機会です。
オリエンテーションには、一緒に広告作りに携わるアートディレクターやクリエイティブディレクターも同行します。
コンセプト作り
オリエンテーションでクライアントが求めていることを把握したら、「何を言うか」を考えるためのコンセプトを決めていきます。
この過程では、商品が属しているマーケットの情報を把握して商品を分析し、誰をターゲットとした広告にするのか、その訴求点などを練っていきます。
資料から情報を吸収したり、商品の売り場まで行って、その特徴や他の商品との違いなどについて思いを巡らせて、確かな土台の上にコンセプトを作りあげます。
この過程において、営業担当やアートディレクター、クリエイティブディレクターともしっかりディスカッションを行います。
キャッチコピーの制作
調査の上で「何を言うか」が固まったら、次は「どう言うか」です。
ここは、コンセプトに基づいて、消費者の心に届く言葉を考えるキャッチコピー制作の段階です。
およそ数十本から数百本のキャッチコピーを考えますが、最終的に選ばれるのは、その中の1本です。
キャッチーで、ただのダジャレのように思えるコピーにも、実は周到に考え抜かれた意図があるのです。
そのほかにもあるコピーライターの仕事
媒体によっては、キャッチコピーのほかにも、サブキャッチやボディコピー、タグラインなども必要になります。
また、商品のCMのためのナレーションをしたり、CM用の歌を作ったりすることもあります。
他には、パンフレットやカタログ、チラシやダイレクトメールなどの文章の作成、会社案内や企業のPRの冊子を作ることなどもコピーライターの仕事です。
また、CM撮影やオーディションの立ち会いなどもすることがあります。企業にもよりますが、自分が携わる広告制作の過程全般を見守ります。
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コピーライターの志望動機の書き方とポイント
では、コピーライターを志望する場合、どのようなことを意識して志望動機を書けば良いのでしょうか?ここでは、そのポイントを説明します。
なぜその職種か
まずは、なぜコピーライターになりたいと思ったのか、具体性のある理由を伝えましょう。
例えば、クロネコヤマトの「場所に届けるんじゃない。人に届けるんだ。」というキャッチコピーを見たときに、言葉や発想力によって多くの人の意識を変えるコピーライターの仕事に強い憧れを抱きました」と言った感じです。
コピーライターでアピールすべき強み
ここでは、どんな人がコピーライターに向いているかを紹介します。自分に当てはまる点があれば、志望動機を書く際にアピールすると良いでしょう。
■コピーライターに向いている人
コピーライターは、幅広い分野に興味を持てる人、トレンドに敏感な人、物事を様々な角度から見ることができる人などが向いています。
このような発想力の土台があってこそ、優れたコピーの制作につながります。
また、自分の考えを整理して伝えられるコミュニケーション力やチームをまとめるリーダーシップも重要視されます。
なぜその企業か
コピーライターを募集している企業は様々あるなかで、なぜその企業に入りたいと思ったのかを伝えましょう。
例えば、「インターネットを使った広告が主流となりつつあるなかで、デジタル広告に力を入れておられる御社にて、時代の先端を行くクリエイティブを生み出し、クライアントに貢献したいと思いました」といった感じです。
実際に書く際は以下のフレームワークに沿って書いてみてください。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
コピーライターの志望動機のNG例
ここでは、コピーライターの志望動機として良くない例を挙げています。どこが良くないのか考えながら読んでみてください。
テレビのCMのセリフを考えるのもコピーライターがやっているということを知ったからです。
自分の作ったものがテレビで流れれば、有名になれると思い、「コピーライターってかっこいいな」と思いました。その上、広告代理店最大手の御社でコピーライターになれれば、自分にも有名になれるチャンスがあり、家族や知人にも自慢できるので、ぜひ御社に入社したいと思います。
→コピーライターという職業にかっこよさを感じる側面は多かれ少なかれあるのかもしれません。
しかし、そのことを全面に出した志望動機には、制作の過程の大変さに耐えうる忍耐力は感じられません。
コピーライターの志望動機の例文
ここでは、コピーライターの志望動機の例文を紹介します。良い点などを参考にしてみてください。
電通の選考通過ESの志望動機
まず言葉のプロとして、広告を見た人の心を動かしたいからです。
昔から、手紙や日記に自分の気持ちを書いて来たので言葉にこだわりがあります。
手紙を渡すと相手が喜んでくれるのが嬉しくて、この経験から言葉で人の心を動かす仕事をしたいと思いました。
また、私は「ひねくれ者」です。誰もが当然だと思っている「普通」を疑う癖や、まわりと違うことを言おうとする癖があります。
前例のない未来をつくろうとする貴社と、常識にとらわれない私は親和性が高いと感じ、伸び伸びと能力を発揮できると思い志望しました。
→「言葉」の魅力に対する思いは、コピーライターを志望する思いの原点と言えるかもしれません。
また、ただ言葉に興味があったことを伝えることだけではなく、その思いを裏付ける自分だけのオリジナルエピソードを入れると、よりあなたの人となりが伝わるでしょう。
また、志望する職種がコピーライターなので、志望動機の文章の中にもあなたのユーモアや才能のかけらなどを見られるものです。
そのような思いで、普段から磨いておいた文章のセンスを嫌味なく表すと良いかもしれません。
レベルの高い例文集を見たい方は下記記事をご覧ください。
まとめ
コピーライターは、生みの苦しみや業務の多忙さなどのデメリットはありますが、様々なスタッフと力を合わせて作りあげた作品が社会に大きな影響を与えたときには、かけがえのない仕事のやりがいを感じるでしょう。
企業によって携わる業務や得意分野が異なるので、必ず各社を比較しながら企業研究をし、強い志望動機を書くようにしましょう。
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