石油業界の仕事は私たちの生活を豊かにするためには欠かせない役割を担っています。
普段当たり前のように使用している車のガソリンや暖房、また航空機用の燃料など、様々なものに石油や原油は使われています。
本記事では石油業界の動向や仕事内容、志望動機を書く時のポイントについてわかりやすく解説していきます。
石油業界の特徴
この章では石油業界の動向と特徴について解説していきます。
石油業界の動向
日本の石油需要は人口減少や電気自動車・ハイブリッド車の普及によって減少しているため、石油以外のエネルギー関連事業や海外で事業展開を行ったりしています。
具体的にはエネルギー関連事業では太陽エネルギーやバイオ燃料などの再生可能エネルギー事業の強化、海外展開ではインドネシアでの軽油販売事業や中国での潤滑油販売事業などが例として挙げられます。
現在、様々な業界が新型コロナウイルスの影響を受けていますが、石油業界も例外ではありません。
感染拡大を防ぐために自粛が求められ、車の通行量の減少や飛行機の減便などにより石油が使われなくなっているため原油の価格が減少しています。
コロナ問題だけでなく、産油国の間の複雑な国際事情も原油価格の減少の一つの理由として挙げられます。
原油の価格が不安定になり影響を受けるのは産油国だけではなく、日本の企業も事業計画が立てにくくなり、経済状態が不安定になってしまいます。
そういった事態を防ぐために2020年4月に「G20臨時エネルギー大臣会合」が開催され、以下の内容が合意されました。
●G20で生産者と消費者の利益のバランス、エネルギー安全保障、持続的なエネルギー流通を確保するため、必要な対策をおこなう
●「短期フォーカスグループ」を設置し、対応策の監視をおこなうとともに、国際機関と連携し、その評価を定期的にG20のエネルギー大臣に報告する
●必要に応じて早期に集まる準備をしつつ、コロナウイルスのパンデミックへの対応と、より広いG20のエネルギーアジェンダについて、9月に予定されている会議で報告する
石油業界の主な仕事内容
❏開発
開発職は、石油の研究を行う人と石油施設の建築に最適な土地を探す資源開発を行っている人がいます。
石油の研究では、石油の成分や精製プロセス、石油製品の開発など行っており、資源開発では地下深くにある石油やガス資源を地質・物流調査、採掘調査、生産テストなどを行い、最適な石油プラント建設地を選定します。
また石炭を扱う企業の場合は、石炭エンジニアという権益の取得や炭鉱開発を行う職種もあります。
❏管理(プロセス管理・プラント管理)
プロセス管理は石油精製や石油化学製造など、石油の生産管理全般を担当する職種です。具体的には、需要の予測や生産計画を立案し、進捗管理を行っています。
需要に合わせた生産計画の作成から、石油を供給するところまでの役割を担っているため、幅広いプロセスの知識が必要です。
プラント管理では、石油の採掘や製造の際に必要であるプラントの設計を行っています。新設する際だけでなく、既に建築されているプラントの検査や補修を行うのもプラント管理の役割です。
❏セールスエンジニア
セールスエンジニアは潤滑油や石油の販売、メンテナンスを行っています。それだけでなく、ガソリンスタンドなどに経営のアドバイスなども行っています。
営業職といってもただ営業スキルがあるだけでいいわけではなく、供給機器の保守メンテナンスの知識や経営についてなど、様々な知識が必要となる職種です。
石油業界の志望動機のポイント
石油業界は業界全体で海外での事業展開を試みている企業が多くあります。同業界でも企業によって、事業方針は全く異なるため、自分に合っている企業を選ぶようにしましょう。
石油業界を志望する理由
エネルギー業界の中で、ガスや電力などではなく、なぜ石油業界なのかを説明する必要があります。
具体的には自分が将来何を成し遂げたいのか、例えば石油業界であれば「石油の高付加価値化に携わりたいから」などといった石油業界ならではの理由を述べるようにしましょう。
その際に業界の仕事内容や自分の過去の経験も踏まえて書けるとより深い志望動機になります。
なぜその企業なのか
石油会社と言っても企業によって強みや特徴は異なります。例えば日本コスモエネルギーHDは、50年にわたる中東産油国との信頼関係を築いています。
また強みであるスピード感を武器に環境変化に強い事業ポートフォリオバランスを早期に構築しています。
このように企業によって強みや注力している部分は異なるため、自分が成し遂げたいことを明確にしてから、企業を探すようにしましょう。
求められる人物像
石油業界は石油需要の減少など、動きが激しい業界であり、各企業は生き残るために石油に代わる代替エネルギーの開発などといった新しい取り組みが必要とされています。
そのため自ら何が必要かを考え、新たな価値を創る主体性や挑戦心がある人材が求められます。
また石油業界の仕事は規模が大きく様々な人と関わりながら仕事を進めていくため、異なる考えや価値観の人と協力して仕事を進め、自分の役割を果たせる責任感のある人材も求められています。
志望動機の書き方
情報収集や自己分析を基に、伝えることが決まれば、あとは書くだけです。必ずしもオリジナルの構成にする必要はありません。
シンプルでわかりやすい文章構成が、相手を意識した書き方であり、読んでもらうコツです。
文章力に課題がある人は第三者にチェックしてもらうことで、「て・に・を・は」、接続語、「です・ます」調など細部まで整えましょう。
(1)志望動機をひと言で
(2)具体的に言うと
(3)理由(過去の経験と業界・その会社の関連性)
(4)入社後にどうなりたいか
志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
石油業界の志望動機の例文
実際に選考を通過したESの志望動機の例文および考察から、書き方を学び自身のESや面接に活かしてください。
国際石油開発帝石(INPEX)の志望動機の例文
特に貴社のオペレーターとして世界中で数多くのプロジェクトを推進している点や、国内トップの石油・天然ガスの埋蔵量を誇り、日本にエネルギーを安定供給することで、人々の豊かな生活や産業の発展を支えている点に魅力を感じています。
入社後はエリアスタッフとして、これまで培ってきた「相手の視点に立って考える力」を活かし、グローバルスタッフが業務を円滑に進められるように、主体性を持ちながら先回りで行動することで貴社の発展と社会に貢献していきたいと考えています。
⇨「自分の目標」→「なぜそう思ったのか」→「業界内でもなぜその企業なのか」→「入社後どうありたいか」というきれいな構成で書けています。
また内容がわかりやすいだけでなく、志望度が伝わる志望動機になっています。
出光興産の志望動機の例文
この石油関連事業において、貴社は上流から下流に至る一連のプロセスを一貫して行うことで安定供給と有効活用を実現しています。さらに、ニソン製油所の収益貢献化プロジェクトなど海外展開も積極的に行っています。日本発のエネルギー共創企業でありながら、日本だけでなく世界のエネルギーセキュリティを支えていく【チャレンジ精神】に強く魅力を感じました。
また、石油にとどまらず、高機能材や再生可能エネルギーなど幅広い事業にも注力する貴社の働く環境も魅力的です。幅広い業務により、広い視野を強みにして、刻々と変化するエネルギー情勢に柔軟に対応できる【一人前の技術者に成長できる】と確信しています。
⇨企業についてしっかりと調べられており、その企業のどこに魅力を感じているかについても詳しく書けています。
また冒頭文で自分が石油業界で何を成し遂げたいのかについても書けていてわかりやすいですが、それを成し遂げたいと思った背景について書かれていなかったので、自分の過去の経験も交えて書けるとさらに良い志望動機になります。
石油資源開発(JAPEX )の志望動機の例文
メーカーで働く父の背中と、海外で普及している日本製品を見て育ったため、直接モノに携わりたいという想いが強くなった。また、鉄鋼メーカーの中でも、「貴社が世界に深く根付いていること」「挑戦の色が根強く、努力次第で成長できる環境にあること」から、貴社を志望している。
⇨働く上での目標や、業界の中でもなぜその企業を選んだかについて詳しく書けているため、説得力のある志望動機になっています。
最後に、入社後自分の強みを活かしてどのような仕事がしたいかについて書けると、企業側もその学生が働いている姿をイメージしやすくなり、さらに良い印象を与えることができると思います。
まとめ-石油業界の志望動機の書き方・例文-
石油業界の志望動機を作成するためには、業界の動向やそれに対する企業の動き方を知っておくことが必要です。
本記事を読んで少しでも石油業界の志望度が上がった方は、企業研究を行い、石油業界への理解をさらに深めて、志望動機を作成しましょう。
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