●座右の銘を選ぶ際は「企業理念と近いもの」「経験と紐づくもの」「仕事内容に活かせるもの」を選ぶと良い。反対に「自分と関連の低い座右の銘」や「エピソードが弱い座右の銘」は避ける。
●座右の銘を面接で伝える際は「座右の銘→その座右の銘を選んだ理由→選んだ座右の銘を軸として今後どう活かしていきたいか」の順で伝える。
「面接で座右の銘を聞かれたら何と答えればいいんだろう?」このような疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、これから大切な面接に臨む人に向け、面接で座右の銘を聞かれた際の正しい回答方法と例文を紹介していきます。
面接官の心をつかむ回答方法にはポイントがありますので、本記事で確認しておきましょう。 ポイントさえ押さておけば、あなたの就職内定に一歩近づけることでしょう。
「座右の銘」とは
「あなたの座右の銘とは?」と聞かれて、何を答えればいいのかわからないという就活生も多いのではないでしょうか。
座右の銘とは、一言でいうと「生きる上で大切にしている言葉」で「一期一会」や「継続は力なり」といった言葉が挙げられます。
これらの座右の銘はその人が行動する上で指針となる言葉でもあるため、座右の銘を知ることでその人の性格や考え方を知ることができます。
これらの座右の銘はその人が行動する上で指針となる言葉でもあるため、座右の銘を知ることで面接官はその学生の性格や考え方を知ろうとしています。
そのため、就活の面接という場でも座右の銘を聞く企業が多いのです。
「座右の銘」を企業が面接で聞く意図
企業が面接で座右の銘を聞く意図は下記の通りです。
■仕事にどう取り組む人かを知るため
以下では、それぞれの意図について詳しく解説していきます。
あなたの就活の軸を知るため
面接官は、座右の銘を聞くことであなたの就活の軸を探ろうとしています。なぜなら、先程も伝えた通り、座右の銘はその人が持つ行動指針の1つであるからです。
つまり面接官は、仕事で困った時や迷った時、この人はどのような軸を中心に行動するかを知るために、座右の銘を聞いています。
仕事にどう取り組む人かを知るため
面接官は就活生の座右の銘から、その人の行動軸のほかに「人柄」「仕事の取り組み方」なども見ています。
例えば「一期一会」を座右の銘にしている人の場合「この人は人との関わり合いを大切にしているんだな」という印象を持つでしょう。
人との出会いを大事にしているからこそ、コミュニケーションを積極的に取ったり、社内の人とも協力して仕事を進めることができるのではないか、と面接官は座右の銘からその人の働いている姿をイメージしていきます。
そのため、面接で伝える座右の銘を考える際は、自分の座右の銘が面接官にどのような印象を与えるかまで考えてみてください。
自分に合った「座右の銘」の選び方
ここでは、面接で聞かれる座右の銘の選び方を3つ紹介します。「座右の銘なんてないよ…」という就活生は、以下の方法で自分を表す座右の銘を考えてみてください。
企業理念と近いものを選ぶ
企業は面接で就活生の座右の銘を聞き、仕事への取り組み方を見ているとお伝えしました。
そのため、面接で答える座右の銘は志望企業の企業理念と近いものを選んだ方が好印象を与えられるでしょう。
例えば、志望企業がチームワークを大切にし協調性が求められるような企業であった場合、座右の銘で「頑固一徹(とてもかたくなで、一度思い込んだら、どうしても自分の考えを曲げない)」とアピールしてしまうと、企業の理念や社風とマッチしていないなと思われてしまう可能性が高いです。
ここで自社と合わないと判断されてしまうと、選考を通過するのが難しくなってしまうため、座右の銘を選ぶ際は志望企業についてしっかりと調べた上で決めましょう。
自分の経験と紐づくものを選ぶ
座右の銘を選ぶ際は、自分の経験と紐づくものを選ぶとエピソードの説得力がより増します。
例えば「高校時代、部活動でレギュラーメンバーに選ばれず悔しい思いをしたが、引退するまでに絶対にレギュラーに選ばれてやる!という目標を決め、毎日欠かさず自主練を行った。」
このような経験がある人は「石の上にも三年(がまん強く辛抱すれば必ず成功すること)」という座右の銘を選ぶことで、あなたらしさがアピールできるでしょう。
上述していますが、企業は座右の銘からその学生の人柄を判断しようとしています。そのため、その座右の銘を表す過去の経験について具体的に伝え、あなたの人柄を十分にアピールしましょう。
その際は、あなたの人柄を表しているのは本当にその座右の銘で適切なのか、しっかりと調べてから決めるようにしてください。
仕事内容に活かせるものを選ぶ
ここまで座右の銘を選ぶ際は企業理念と近いものや経験と紐づくものを選ぶとお伝えしてきましたが、この2点だけでは十分とは言えません。
上記2点から志望企業の雰囲気や企業理念等と合っているかどうかは判断できますが、その企業の仕事内容に適性があるかまでは判断できません。
つまり座右の銘から伝わるあなたの人柄や考え方が、志望企業の仕事内容にも活かせるといった観点からもアピールする必要があります。
そのため、まずは志望企業の仕事内容を把握し、自分の強みや性格の中で何か活かせるものがないか探してみてください。
面接で「座右の銘」を聞かれた時の答え方
面接で座右の銘を聞かれた際は、上記のフレームワークに従って回答しましょう。
最初に、結論の部分で自分の座右の銘を述べます。
次に、エピソードの部分で「なぜ自分がこの座右の銘を選んだのか」を簡潔に解説しましょう。
最後に、一連のエピソードをまとめつつ、 座右の銘を軸にして、今後の社会人生活でどうしていきたいかを述べます。
座右の銘を回答する際は、エピソード部分よりも「今後の社会人生活でどう活かしていきたいか」の部分を重点的に述べるとよいです。
「面接の質問」への答え方の詳細、注意点、面接官のタイプ別対策方法を知りたい方は下記の記事をご覧ください。
面接で使える!「座右の銘」の例
ここでは面接で使える座右の銘を「ことわざ」「四字熟語」「有名人の言葉」の3つに分けてそれぞれ紹介します。
「座右の銘なんてない」「座右の銘が思いつかない」という就活生は、ぜひ以下の例を参考に考えてみてください。
面接で「座右の銘」を聞かれた時の回答例
以下では、面接で座右の銘を聞かれた際の回答例を紹介していきます。
「座右の銘はあるけどどうアピールすれば良いかわからない」という就活生は、以下の例文を参考に、伝え方を学んでいきましょう。
また、それぞれの回答に対して深堀りされることもあるため、追加の想定質問も紹介していきます。
日進月歩
■例文1
それまでの私は、何をするにもただ目の前にあることを作業のようにこなすだけでした。日進月歩という言葉を知り、成長することの楽しさややりがいを知り、人生の充実度か何倍にも跳ね上がりました。例えば「早く終わらないかなぁ」と思っていた部活動も、目標を持ち成長することに焦点を当てるようになってからは、逆に時間が少ないと感じるようになりました。
これから会社で働く際も、成長を停滞させることなく、常に新たな成長を模索しながら取り組んでいきたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨成長するコツは何ですか?
⇨どのような目標を持って練習していましたか?
■例文2
これから社会に出ると、うまくいかないこともたくさんあると思います。しかし、どんなに辛いことがあっても諦めず、昨日の自分より少しでも成長できるよう、何事にも前向きに取り組んでいきたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨なぜ成長することが大切だと思いますか?
一期一会
■例文1
私は高校時代から飲食店でのアルバイトを経験し、たくさんの人と関わってきました。アルバイト先で知り合った友達とは高校を卒業したあとも連絡をとっており、今もさまざまな刺激をもらっています。また、アルバイト時代の友達からまた新しい友達を紹介してもらったこともあり、その新友達とボランティア団体を立ち上げたこともありました。このような経験から、たくさんの出会いに支えられて今の自分があるということを実感しています。
これから社会に出て、たくさんの人と出会うことがとても楽しみです。会社の人たちとも積極的に交流を深め、新たな出会いを紡いでいきたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨人とコミュニケーションをとる際に気をつけていることは何ですか?
■例文2
私は幼少の頃からダンスをやっており、同世代の仲間たちだけでなく、ひと回り以上上の大人とも関わってきました。大学生になってからはダンスでお世話になった年長者に相談をすることが増え、勉強や進路などに限らずさまざまなことを教えてもらいました。相談を通して、自分が本当にやりたいことを見つけることができたため、この出会いにとても感謝しています。
ダンスを通じて出会った人たちからの数々の教えを通じて、今こうして素敵な会社に出会い、就職活動ができています。これからも一期一会という座右の銘を大切にし、今度は自分が何かを与えられる側になれるよう、精進していきたいと考えています。
【想定追加質問】
⇨年上の人たちと関わる際に気をつけていることは何ですか?
初志貫徹
■例文1
高校時代サッカー部に所属していた私は、1年生の時から「絶対にインターハイに出場する」と心に決め、練習に取り組んでいました。周りの仲間たちはあまりインターハイという言葉を口にしませんでしたが、自分だけは色々なところでインターハイに出場したいという思いを口にしていました。すると、3年生になったころには、サッカー部員のほとんどが「インターハイを目指す」を目標に、とても熱心に練習に励んでいました。
最終的にインターハイに出場することはできませんでした。しかし、一度思ったことを最後までやり通したことで、他の部員たちのモチベーションをあげられたことは、自分の中で大きな成功体験となりました。社会に出たあとも高い目標を持ち、与えられた業務にはひたむきに取り組んでいきたいと思います。
【想定追加質問】
⇨大変な時は何を考えながら練習していましたか?
⇨インターハイに出場したいと思ったきっかけは何かありますか
■例文2
私は小中高とラグビー部に所属しており、小学生の頃から絶対に途中で諦めないと心に決めていました。 中学時代は一度もレギュラーになることができず、辞めたいと思ったこともよくありました。しかし、必死に練習を続けたことで、高校時代のラグビー部ではキャプテンになれました。さらに、県大会で優勝することもでき、全国大会に出場することができました。残念ながら全国大会で良い結果を残すことはできませんが、小中高とラグビーに取り組み続けたことで、諦めないことの大切さを知ることができました。
これから社会に出た後は、自分が選んだ会社一筋で取り組んでいきたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨同じ会社に何年くらい所属したいと思っていますか?
⇨途中で諦めないと心に決めたきっかけはなんですか?
有言実行
■例文1
私がこの四字熟語を座右の銘にしている理由は、人前で目標を宣言することで成功しようとする意識を高められるからです。以前私は「半年以内に英検1級に合格する」ということを決め、それを親や友達に宣言していました。
当時の私は英語があまり得意ではなかったためとても苦労しましたが、宣言したからには頑張ろうという一心で勉強に励みました。その結果、勉強開始から1年半ほどで英検1級に合格できました。
これから社会人になった後も自分の目標を宣言し、達成を重ねていきたいです。
【想定追加質問】
⇨目標を達成するために工夫していることはありますか?
⇨なぜ英検1級を取ろうと思ったのですか?
■例文2
私はこれまで有言実行することで、さまざまな目標を達成してきました。例えば「アルバイトで1年で120万円を稼ぐ」という目標を決めた時にはSNSで宣言し、結果月12万円を稼ぐことに成功しました。SNSなどを利用して宣言することは、自分のモチベーションを維持するための仕組みづくりだと考えています。
私はこれからも、目標を達成するための仕組みづくりをして、たくさんの成功体験を積み重ねていきたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨モチベーションを上げる際のコツはありますか?
思い立ったが吉日
■例文1
私がこのことわざを座右の銘にしたのは、大学生の時に「思ったら行動することが大切である」ことに気づいたからです。高校生までの自分は、やらなければいけないことを後回しにしてしまうことがとても多かったです。
大学生になり「思い立ったが吉日」を座右の銘にすることで、すぐに行動できるようになりました。素早く行動することの習慣化に成功したことで、考えてから行動するまでのスパンがどんどん短くなりました。習慣化に成功したことで、講義の課題を済ませる時間が速くなり、アルバイトや自主学習の時間が増えました。
これから会社で働く際も、やるべきことを後回しにせず、能動的に行動していきたいと思っています。
【想定追加質問】
⇨なぜ思ったらすぐ行動することが大切だと思ったのです
⇨習慣化する際に意識していたことはありますか?
■例文2
私は趣味の一環として、英語の勉強方法を Twitter で発信しています。普段何気なく過ごしていると、フォロワーに発信したい英語の勉強方法を思いつくことがあります。そんな時、つい後回ししてしまいたくなるのですが、そこで「思い立ったが吉日」を頭の中でつぶやくようにしています。
すると、面倒くさがらずにスっと情報発信できるようになりました。思いついたことをすぐ発信すると、熱量を持って伝えることができるため、フォローしてくれている中学生や高校生にもとても喜んでもらえます。
これらの経験から、すぐに行動することの大切さを学びました。社会人になった後も、自分から積極的に行動を起こし、周りに良い影響を与えられる人材になりたいと思います。
【想定追加質問】
⇨すぐ行動を起こした時に失敗してしまった体験はありますか?
⇨なぜTwitterで英語の勉強法を発信しようと思ったのですか?
面接でよく聞かれる質問集と回答例は下記の記事を参考にしてください。
「座右の銘」を面接で伝える際の注意点
面接で座右の銘を聞かれた際、NGとなる回答例は下記の通りです。
■エピソードが弱い座右の銘はNG
それぞれのNG例について詳しく解説していきます。
自分と関連性の低い座右の銘はNG
自分と関連性の低い座右の銘を回答するのはあまりおすすめできません。
自分と関連性の低い座右の銘というのは例えば
■自分に合っていないことわざや四字熟語
などといったことを指します。
特に多いのが、自分の軸として持っている考え方と座右の銘の意味合いが少し違うという状態です。
例えば「初志貫徹」を座右の銘としている人が「私は物事を柔軟に考えることが得意で、その場に合った正しい行動を選択するのが得意です」というと、少し違和感を覚えませんか。
また、自分に合っていないことわざや四字熟語を座右の銘にしている人も多いです。
例えば「私は一つのことをやり抜くことが得意です」という人は、「石の上にも三年」ということわざよりも、「初志貫徹」という四字熟語の方がしっくりくると思います。
面接を受ける前には、自分が掲げている座右の銘の意味を今一度しっかり確認しておくとよいでしょう。
ポイントは座右の銘を基準として考えるのではなく、あなたが大切にしてきた価値観や考え方を基準にして座右の銘を選ぶことです。
エピソードが弱い座右の銘はNG
エピソードが弱い座右の銘を回答するのはあまりおすすめしません。先ほども紹介した通り、座右の銘というのはその人の行動規範であり迷いが生じた際に軸となる重要な部分です。
面接官も「この人は仕事で行き詰まった時、どのような考え方を軸にして行動するのだろう」という観点で見ています。
そこに「私の座右の銘は有言実行です。理由は、嘘つきになりたくないからです」といったような内容の薄いエピソードを回答してしまうと、面接官は心配になってしまうでしょう。
したがって、面接官を納得させられるエピソードを用意しておくことが重要になります。
まとめ
本記事では、面接でアピールする座右の銘を選ぶ際のポイントや伝え方を紹介してきました。
本記事を読むことで「座右の銘って何…?」「座右の銘なんて考えたことない…」という就活生も自分にぴったりな座右の銘の選び方が理解できたのではないでしょうか。
再三お伝えしていますが面接でアピールする座右の銘を選ぶ際は「企業理念と近いものを選ぶ」「経験と紐づくものを選ぶ」「仕事内容に活かせるものを選ぶ」の3点を意識するようにしてください。
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