今回は大学生の松村が、帯広ガスの内木真紀衣社長にお話を伺いました。
同社は地域のインフラをエネルギー面で担う公益事業として誇りと使命感を持って都市ガスを安全・安心に供給する会社です。実際に内木社長にインタビューを実施し、理想の組織や一緒に働きたい人物像、学生のみなさんへのアドバイスをもらいました。
企業を知ろうー帯広ガスってどんな会社?ー
帯広ガスの魅力
帯広ガスの特徴を4つのP(理念・職業・給与・人)でまとめてみました。
実際にどんなことをやっているの?
帯広ガスは新技術や新しい発想を積極的に取り入れながら、環境に優しい天然ガスを使ってインフラをエネルギーから支えている会社です。
ご家庭や企業様へのエネルギー供給を行っていて、お客様が快適にガスを利用できるように、幅広いプランを用意しています。
帯広ガスは天然ガスを主成分とした都市ガスを供給しています。天然ガスは安心・安全且つクリーンなガスで普及が進んでいます。
(1)安心:天然ガスは一酸化炭素(CO)を含んでないため中毒事故の心配がありません。
(2)安全:天然ガスは空気よりも軽く、空気中では上昇する性質があります。そのため万が一ガス漏れの際も拡散され、窓を開けることで待機中に放出されます。
(3)クリーン:天然ガスは燃焼する際に発生する二酸化炭素・窒素酸化物の排出量が少ない特徴があります。また、硫黄酸化物は全く排出しないためクリーンで環境に優しいエネルギーです。
具体的にどんなサービスを提供してるの?
まず一般のお客様向けに、お引っ越しされる時のガス利用開始の手続き、ガス機器が故障した時の対応、またコンロ・給湯器・厨房機器・暖房機などのガス機器も提供しています。
次に法人のお客様向けには、一般のお客様にも提供しているサービスに加え、発電型GHPや高効率ガス吸収式冷温水機など業務用のガス機器も提供しています。
365日、24時間職員が待機しており、ガス臭い時・警報機が作動した時・ガスが出ない時・地震の時などの対応を行います。
人材育成の面では人事考課制度によって職種に応じて能力評価を行い、フィードバック面談を各従業員に行っています。
次の項目からは、帯広ガスの内木社長との対談の内容をお伝えします。
社長になるまでの経緯や悩んでいる学生へのアドバイスをもらいました!
【インタビュー】内木社長が考える理想の組織と、これからのあり方
ーはじめまして。本日はわざわざお時間を頂きありがとうございます。
これからインタビューを始めていきたいと思います。よろしくお願いします!
内木社長:はじめまして。内木と申します。こちらこそよろしくお願いします!
ー早速ですが、内木社長の理想の組織像をお聞きしたいです。
内木社長:ご質問ありがとうございます。
社員一人一人が何事にも能動的であり、社員同士がしっかりコミュニケーションが取れている組織や現場が1番理想だと考えています。
当社には60人〜70人の社員がいますが、この少ない人数でインフラ事業に取り組んでいるため、能動的であることはとても重要です。
またコミュニケーションに関しては、必ずチームにファシリテーターのような存在がいるなど、バランスが取れている状況が望ましいと考えています。
ー社員同士がしっかりコミュニケーションを取る必要があるとのことですが、改めてどういった背景でそのように思われているのでしょうか?
内木社長:都市ガスだと人の命がかかって来るからです。
小さなことでも報連相の1つかけると、命にかかわる事故に繋がる可能性があります。
だからこそ、安心・安全をお客様に提供するためにも、当社では日常的なコミュニケーションをとても大切にしています。
ー命に関わるお仕事だからこそ、日頃のコミュニケーションが大切ということですね。貴重なお話ありがとうございます。エネルギー産業のこれからやコロナによる影響についてはどのようにお考えですか?
内木社長:都市ガス事業は、コロナの影響に関してそんなにダメージはないんです。
もちろん飲食店業界の衰退やテレワーク推進に関しては影響がありましたが、逆にその分家庭への供給が大きくなったので、全体としては安定しています。
これからのエネルギー産業におきましては、温室効果ガスの排出量についての規制が厳しくなっていきます。
しかし当社では環境にやさしい天然ガスも扱っていますので、これからも当社におけるエネルギー供給の社会的需要はまだまだあると私は考えています。
今後は電気への移行も進むと思われますが、当社は北海道の中でも帯広というすごく寒いところに位置しており、通常のエネルギーを貯蓄するシステムが機能するかどうかが問題です。
ー確かに、私もスキー場にいく時に、寒さでよくスマホが落ちてしまう経験があります。
内木社長:そうなんです。EV車についても都内では絶対環境にもやさしくて良いと思うのですが、私たちのいる帯広のような場所ではエネルギーを貯蓄するシステムがどのように機能するかが疑問です。
だからこそ、当社は環境にもやさしく安心・安全な天然ガスを扱い、地域のお客様の暮らしを支えれることに誇りを持って仕事をしています。
ー貴重なお話をたくさんありがとうございます。地域ならではの将来におけるエネルギー産業についてのお話も大変興味深かったです。
【インタビュー】素直さの重要性と、ライフラインで働くことに対する想い
ーここからは、人材にフォーカスしてお話を伺いたいと考えています。改めて、内木社長はどのような方と一緒に働きたいと思われていますか?
内木社長:素直な人が良いと一番に思います。
まずは、知らないことを自覚して積極的に理解しようとする素直さが何よりも大切だと考えています。
次に、経験していく中で改善意識や発信力を持てるような方と一緒に働きたいです。
ーそのように思われるようになった経緯をお聞きしたいです。
内木社長:素直でないと、誰かのアドバイスや意見を受け止めることが難しいと思うからです。
実際に私は大学時代はとにかく優しい仲間に恵まれていたので、わがままな状態のまま社会に出ました。
元々勝ち気な性格だったのですが、社会に出て、みんなに教えてもらうには素直でないといけないと感じて、素直になることを強く意識するようになりました。
またファミリービジネスとして経営しているので、小さな頃からこの会社の人たちに育てられてきた分、みんなに支えてもらっていることを日々実感しています。
ーとても素敵なお話をありがとうございます。学生の皆さんが知っておくとよい、地方ならでは、業界ならではのポイントはありますか?
内木社長:当社は環境に優しい天然ガスを使って、エネルギー面からインフラを支えている会社です。
学生の皆さんには、当社で働く上での大変な側面も知って、それでも一緒に覚悟感を持って働ける方と一緒にお仕事がしたいです。
大変な側面と言いますのは、お客様の暮らしを支える業界なので、災害時・地震・豪雨、どんな状況であっても緊急時は夜中であろうと出勤する必要があります。
この厳しさは多くの人の命や生活を支える業界だからこそなので、そこにやりがいを持てる方にぜひ入社していただきたいです。
【インタビュー】学生のみなさんへ
ーここまで大変興味深いお話をありがとうございました。さいごに、学生の皆さんへのメッセージをお願いしたいです。
内木社長:まず、目を見て、しっかり挨拶ができる人になってください。
挨拶ってコミュニケーションのはじまりなので、とても重要です。
次に、人生の3分の1が仕事だからこそ、心に余裕のあって楽しいと思える働き方をして欲しいです。
当社の社員のみなさんにも、個々がそれぞれのキャリアや人生の幸せを掴んで欲しいと思っています。
「どのように働くか」というのは、「どのように生きていくか」ということだと思うんです。
その人が楽しければどこで働いても良いと思いますし、ライフスタイルによっても変わってくると思います。
「どんな自分になりたいか」などこれからの長い人生を想像して、より自分らしいキャリアについて考えるとより良いと思います。
業界を知ろうーガス業界とは?ー
改めてガス業界の構造や動向についておさらいをしておきましょう。
ガス業界の構造と仕事内容
まずはガス業界の構造について、そもそも私たちの家で使うガスとは何か違うのでしょうか?
ガス業界は「都市ガス」と、「LPガス(いわゆるプロパンガス)」に大別することができます。都市ガスは東京ガス、大阪ガスなど大小合わせて約200社あり、LPガスの会社は全国に約2万社ほどあります。
下の図のように、都市ガスは主成分がメタンで導管を利用して配給するのに対して、LPガスは液体として運ぶことができるので、配管のない地方にも適した形になっています。
次にガス会社の仕事内容は、大きく3つに分けることができます。
ガスを通してお客様との接点を持つ「営業」、ガス製造プラントの「設計・維持管理」、ガス供給パイプラインの「敷設・保安」です。求人としては技術系、営業系、事務系で分かれている場合がほとんどです。
ガス業界の市場と動向
2016年4月の電力の小売り全面自由化に続き、2017年4月には都市ガスにおいても全面自由化が始まったことにより、電力、ガス業界は競争が激しくなってきています。
また、大手ガス会社がガスで電気とお湯を作る家庭用燃料電池「エネファーム」の普及活動を行っていたり、温暖化防止のための再生可能エネルギーに注目が集まったりしているなど、ガスを含めたエネルギー産業は注目すべき業界ともいえるでしょう。
最後に-帯広ガスのインタビューを通して–
今回のインタビューを通して、人としてもキャリアを考える上でも大切なお話がたくさんあったと思います。
例えば、コミュニケーションにおいて、やはり素直さが大切であり、社会においても求められるということも学びました。
また最後のアドバイスでおっしゃっていましたが、”どんな自分になりたいか”を想像した上で、キャリアについて考えることはとても重要だと改めて感じました。
帯広ガスについてのお話では、エネルギー業界が私たちの生活を守る大切な役割であることを改めて実感しました。
内木社長、貴重なお話を誠にありがとうございました。