●自己PRで忍耐力があることをアピールする際は、[どうして耐え続けることできたのか][どうして耐えようと思ったのか] を明確に伝えることを意識する。
●自身の自己PRに説得力を持たせるためにも、数字を用いて定量的に伝えることを意識すると良い。
- 「忍耐力があることって企業から評価される?」
- 「忍耐力をアピールする自己PRはどう書けばいいんだろう?」
- 「他の就活生に埋もれない自己PRを作るコツは?」
上記のような不安や疑問がある就活生に向けて、本記事では自己PRで[忍耐力]をアピールすると評価される理由、忍耐力があることを効果的にアピールするコツや注意点、例文を紹介しています。
また[忍耐力」を別の言葉で言い換える方法も紹介していますので、自己PRで[忍耐力]をアピールしようと思っている就活生は是非参考にしてみてください。
忍耐力とは?
goo辞書によると、忍耐力とは[つらいことや苦しみなどをたえしのぶ力。辛抱する力。]のことです。
忍耐力がある人は、「理不尽や不条理に耐えることができる」「途中で逃げ出したくなるような困難な状況の中でも、一度やると決めたことはやり切ることができる」といった特徴があります。
しかし「忍耐力がある」という自己PRは、伝え方やエピソードによって「自分の意見が言えない」「体調管理など自己管理ができない」といったネガティブな印象を与えてしまう場合があります。
そのため自己PRで忍耐力をアピールする場合は、[ストレス環境下でも心折れることなく前へ進んでいける力]や[壁にぶつかっても乗り越えていける力]が備わっていることが伝わるようなエピソードを選ぶようにしてください。
自己PRで「忍耐力」をアピールするのが効果的な理由
多くの採用担当者は、[忍耐力がある]という長所・強みをポジティブに評価します。
なぜなら企業が考える忍耐力のある人とは「どんな仕事でも最後までやり遂げることができる」「長期的に働いてくれる」人だからです。
しかし企業によって求める人物像が異なるように、求める忍耐力も異なります。そのため適切な自己PRをするためにも、まずは企業が社員に求めている忍耐力を把握する必要があるでしょう。
以下では、一般的に[忍耐力がある]という自己PRが、企業からの高評価に繋がる理由を紹介します。これらの内容を踏まえて忍耐力を最大限アピールできる自己PRを考えていきましょう。
ストレスコントロール力・ストレス耐性があると考えるため
忍耐力とは、文字通り大変なことや辛い困難があっても辛抱強く我慢することです。
仕事をしていると困難な壁にぶつかったり、大きな仕事を任されプレッシャーに押しつぶされそうになったりと、様々な場面でストレスを感じることが多々あります。
しかしストレスコントロール力・ストレス耐性がある人は、嫌なことや辛いことがあった際に「こんな仕事辞めてやる」と逃げようとするのではなく、「難しい仕事でもすぐに逃げ出さず向き合ってくれる」「負荷のかかる大きな仕事も任せられる」「ストレスも糧にし、成長してくれる」といったことが期待できます。
経済産業省が提言している「社会人基礎力」の1つにもストレスコントロール力が入っていることから、この素養はどの企業でも求められていると言えるでしょう。
長期的に働ける人材だと思われるため
入社後3年以内の離職のことを「早期離職」と言います。近年では早期離職率の増加が企業の課題となっています
厚生労働省の調査結果によると令和2年度(20卒)における離職率は、例年に比べ低下していますが、未だに約3割の早期離職者がいることからまだまだ企業の課題は解決できていないと言えるでしょう。
企業はできるだけ長く働いてくれる人材を採用したいと思い選考をおこなっているため、その観点も選考時に必ずチェックされます。
忍耐力がある人は「仕事で大変なことがあってもくじけずに頑張ってくれる」「自社で長く働いてくれる」という印象を企業側も持ちやすいため、自己PRとして効果的なアピールだと言えるでしょう。
目的達成に向けて頑張れる人材だと思われるため
仕事をする以上何らかの目標やノルマを課せられることが多いため、目標達成に向け頑張れる人材でなければ企業は採用したいと思いません。
目標達成に向け頑張れることをアピールするには[忍耐力がある]という自己PRは効果的です。
忍耐力が低い人は高い目標を設定された際に「自分には合っていない、転職しよう…」と辞めるという選択肢を選んでしまうと思います。
しかし忍耐力が高い人は辛いことから逃げるのではなく「どうしたら達成できるか」を考え、達成するために全力で取り組んでくれるだろうといった印象を抱きやすいため、自社で働いてほしいと思ってもらえる可能性が高いでしょう。
「忍耐力」をアピールした自己PRの作り方
自己PRを書く際は以下のフレームワークに沿って書くようにしましょう。
結論では自分の長所を「忍耐力があることです」と端的に述べ、その後に自分に忍耐力が備わっていることを証明できるエピソードを伝えます。
その際、忍耐力が発揮できた理由や、実際に取った行動を具体的に説明するようにしてください。
そして自分のとった行動によってどんな結果になったか、その経験を通してどのようなことを学んだのかを伝え、入社後に自分の長所である忍耐力を活かし、どうやって志望企業に貢献するかを述べましょう。
フレームワークの各要素の例文は、以下にて確認してみてください。
■結論
■エピソード
■結果・学んだこと
■入社後どう活躍できるか
自己PRの詳しい書き方については以下の記事で紹介しているので、自己PRを考える際は参考にしてみてください。
その他にも企業が自己PRを聞く意図や例文なども紹介していますので、参考にしながら自分の自己PRの作成にお役立てください。
「忍耐力」を言い換えて他の就活生と差別化しよう!
忍耐力という言葉は抽象的であるため、自己PRで「私には忍耐力があります」とだけ伝えてしまうと、面接官との齟齬が生まれ本当に伝えたいことが伝わらない可能性があります。
また上述でもお伝えしましたが面接官によっては、「辛い状況でも我慢する」というネガティブなイメージを持たれ、場合によっては「受動的」「消極的」であると受け取られる可能性もあります。
そのため忍耐力を自己PRとしてアピールする際は、[忍耐力]という言葉を「決めたことに対して前向きに取り組み続けることができる」といったように具体的な言葉に言い換えてみてください。
このように具体的な言葉に言い換えると、自分の強みをシンプルにわかりやすく相手に伝えることができるようになります。
以下にて[忍耐力]を言い換える言葉を紹介しますので、是非参考にしてみてください。
- 継続力がある
- 粘り強く最後まで諦めない
- 決めたことをやりきる
- 地道な作業も根気強く続けることができる
- 辛い状況でも前を向くことができる
- 打たれ強い
- 意地が強い
- ストレス耐性が高い
- 芯が通っている
【経験別】「忍耐力」をアピールした自己PRの例文
ここでは忍耐力をアピールしている自己PRを、上述でお伝えしたフレームワークに合わせて7つのカテゴリーごとに15の例文を紹介していきます。
また例文は、全てunistyleに掲載されている過去の就活生が選考通過をした自己PRを引用しています。[忍耐力]をアピールする自己PRを考える際に参考にしてみてください。
●結論⇨ 緑 ●エピソード⇨ 青 ●結果・学んだこと⇨ ピンク ●入社後⇨ オレンジ
アルバイト編
■例文1
どのような工夫をして生徒の成績を60点上げたのかが具体的に記載されており、わかりやすい自己PRです。構成に関してもきちんとしており、良い自己PRと言えるでしょう。
■例文2
どのような思いからやり抜きたいと思ったのかとその思いに対しての行動がきちんと記載されており、この人らしさが伺える自己PRです。入社後に関しての意気込みも追加できるとさらに良い自己PRになるでしょう。
学業編
■例文1
文武両道の【文】と【武】の両方の内容がきちんと書かれており、数字での説明もあることで根気強く取り組んだことがより伝わります。
【貴社の業務でも、この強みを活かしたい】では、【どんな強み】で【どのように活かすのか】まで書けるとさらに良い自己PRになるでしょう。
■例文2
「260字以内で自分の長所・短所を含めて自己PRをしてください。」という設問に対して、文字数制限内で長所・短所を含めることができています。
しかし長所では大学の勉強とサークル活動と2つのエピソードを組み込んだことで、具体的な説明が省略されてしまいどのような自己貫徹力があるのかが伝わりづらくなってしまっています。
最後の一文を「入社後、完璧主義な短所をカバーしてどのように長所を活かしたいと考えているのか」といった内容にできると良い自己PRになるでしょう。
部活編
■例文1
【他のポジションにもスポットが当たる作戦】は、【何をして】【どんな変化があったのか】といった具体的な情報を記載できると、よりわかりやすい自己PRになるでしょう。
■例文2
【他のポジションにもスポットが当たる作戦】は、【何をして】【どんな変化があったのか】といった具体的な情報を記載できると、よりわかりやすい自己PRになるでしょう。
サークル編
■例文1
行動のきっかけ・実際にとった行動などが具体的に記載されていることで[諦めない姿勢と周囲の協力を引き出せることができる]ということが伝わる自己PRです。
■例文2
この自己PRはあなたの心情が「断られてしまう。だが諦めたくない。カバーしよう。取り組んだ」と感じたままに書かれており、読みづらさを感じます。
エピソードの中身自体は、具体的に記載されており素晴らしい内容だと思いますので、あらためて[自己PRはあなたの人柄や性格、考え方をアピールするためもの]という点を踏まえて文章を考え直してみてください。
インターン編
■例文1
数字を用いてエピソードが記載されており、一見わかりやすく感じる自己PRですが具体例がありません。
【顧客はどんな課題を持っていたのか】【断られた要因は何で、改善案は何か】の具体例を記載できると良い自己PRになるでしょう。
■例文2
成し遂げたことが数字を使って定量的に説明されていることから、大きなことを成し遂げたことが伝わります。
[PDCAを回した内容]や[チームを巻き込んで行動する際に大変だったこと]といった内容を組み込むことができると、あなたの人柄も伝わる自己PRになるでしょう。
ゼミ・研究活動編
■例文1
行動した期間や取り組み内容、そして結果に数字を使って説明されていることで読み手がイメージしやすい自己PRです。
また「忍耐力」を「困難に直面しても努力をする」といった言葉に言い換えられていることであなたの強みを具体的にイメージすることができます。
■例文2
努力をどれぐらいの期間続けたのかを数字で記載されていることで、継続力があることが伝わる自己PRです。【地道な努力】については、【どんな努力だったのか】【なぜ努力することができたのか】を記載できるとよりあなたらしさが伝わる自己PRになるでしょう。
■例文3
内容自体はインパクトが大きいわけではないですが、構成もきちんとしており読みやすい自己PRです。多くの学生が提出期限より遅れて提出している中、どうして自分は遅れたくなかったのかを記載できると、あなたの人柄がより伝わる自己PRになるでしょう。
その他
■例文1
300文字以内という文字数制限の中、結論部分はなくとも、困難にぶつかってきたことが伝わるエピソードからスタートしていることにより忍耐力があることが伝わる自己PRです。面接時には、複雑な家庭環境・過去の失敗エピソードなど具体的な話を追加できるとさらに人柄が伝わる自己PRになるでしょう。
■例文2
この自己PRを通してあなたがアピールしたいことが何なのかがわかりづらい内容になっています。もしも[どんな環境でも持前も忍耐力・適応力を活かした行動できること]を結論とした自己PRにする場合は、エピソードはこのままで結論を見直すと持前の忍耐力がアピールできる良い自己PRになるでしょう。
自己PRで「忍耐力」を効果的にアピールする2つのコツ
ここでは自己PRで忍耐力があることを効果的にアピールするために意識すべきポイントを2つ紹介します。
せっかくの長所もアピールの仕方によって面接官に与える印象は大きく異なってしまうため、効果的なアピールの仕方を理解しておきましょう。
なぜ苦しい状況にも耐えてこられたのかを明確に伝える
繰り返しになりますが[忍耐力がある]という自己PRは、「辛い状況の中でも、我慢し続ける力」でもあるため、「言いたいことがあっても言えない人」「自分からは周りの環境を変えようとしない人」というようなネガティブな印象を与えてしまうことがあります。
そのため自己PRで忍耐力があることをアピールする際は、[何を耐え続けてきたのか]はもちろんですが、 [どうして耐え続けることできたのか][どうして耐えようと思ったのか・そのモチベーションは何だったのか] についても伝えるようにしてください。
なぜなら企業は自己PRを通して学生の人柄・考え方、困難への向き合い方をチェックしようとしているからです。
また[辛い状況の中でも積極的に行動したこと]や[耐えた後にどのような結果を得ることができたのか]といったエピソードも組み込むと、さらにあなたの人柄が伝わる自己PRにすることができるでしょう。
数字を用いて伝える
自己PRで忍耐力があることをアピールする際は、数字を用いて具体的に伝えるようにしましょう。
ただ「~~をおこなっていました」よりも「~~を毎日2時間おこなっていました」という伝え方のほうが、どのくらい努力をしてきたかがより伝わりやすくなります。
また「メンバーと研究に注力した」というエピソードも「メンバーと約2年間研究に注力した」と具体的な期間を組み込むと2年という期間継続して研究に取り組んできたことがわかるため、忍耐力・継続力が備わっていることが伝わります。
このように自身の自己PRに説得力を持たせるためにも、数字を用いて定量的に伝えることを意識しましょう。
まとめ
本記事では自己PRで忍耐力があることをアピールする際の考え方やポイント、例文を紹介してきました。
忍耐力は企業が求めている素養の1つであるため、自己PRとしては非常に効果的だと言えます。
しかし「忍耐力がある」という自己PRは、やや抽象的な表現であるため、自己PRのエピソード部分でどのような忍耐力を指しているのかを具体的に伝えたり、忍耐力を他の言葉に言い換えたりと、工夫してアピールするようにしてください。
そうすることでより効果的な自己PRをすることができるでしょう。
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