「三菱商事の強み・弱みは?」「どのような選考対策をすればいいの?」「会社の安定性や成長性はどうなの?」などと考えていませんか?
本記事では三菱商事の事業や会社の強み・弱みなど、企業研究に役立つ情報を紹介していきます。
他にも内定を獲得するために知っておくべき”過去の選考情報”なども紹介していくので、企業研究に自信が持てない人や選考に不安を抱えている人は、確認してみてください。
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総合商社業界のホットニュース
今までの総合商社は、海外の資源ビジネスに大量に投資し、その資源を世界中に販売することで巨額の利益を上げてきました。
このような鉄やエネルギーは、国の根幹となる領域ということもあり、取引額も非常に大きいのが特徴です。
とはいえ資源分野の収益は資源価格の市況次第で大きく変動するため、収益がコントロールできないという危険な側面があります。
実際、2016年に起きた「資源の急激な値崩れ」により、収益における資源分野の割合が高い三井物産と三菱商事は創業以来の赤字を出しました。
一方、繊維や食品、機械など非資源分野に強い伊藤忠商事が首位に君臨し、総合商社業界のパワーバランスを大きく塗り替えました。
上記を受け現在、商社業界全体が「非資源分野への注力」を掲げています。
非資源分野とは資源分野に含まれない事業のことを指しており、様々な商材があります。特に有名なものを挙げると、食料品や機械、住宅、繊維、情報通信事業などです。
しかし2020年は記録的な原油安に加え、石炭や天然ガス、鉄鉱石などの資源価格が下落したため、資源価格の影響を受けやすい総合商社業界にとっては厳しい1年となりました。
三菱商事のホットニュース
上述でもお伝えしましたが、三菱商事は2016年3月期の当期損益が赤字に転落したことを受け、資源分野の資産を増やさず、非資源分野の資産を拡大する方針を打ち出しています。
抜本的な改革として、三菱商事は2017年3月期決算から事業の分類を、「資源・非資源」から「事業系・市況系」に変更し、2019年3月期末までにそれらの割合を3対7の最適比率のバランスを実現するとステークホルダーに対し約束しています。
また中期経営計画資料においても、2020年には非資源の純利益3,500億円を目指すと宣言しました。
その中で注目されたのが、2017年2月に約1500億円を投入して行ったローソン子会社化です。
もともと三菱商事はローソンの大株主であったものの、完全に傘下に入れることで非資源ビジネスの中核にコンビニ事業を組み入れました。
このようにして今まで力を入れていたトレーディングのその周辺のビジネスに加えて、事業投資にも目を向け「事業投資」へとシフトを進めています。
また三菱商事は経営人材の輩出には力を入れており、経営人材の育成に向けた新たな人事制度などを盛り込んだ、中期経営戦略も発表しました。
参照元:三菱商事|統合報告書2017
参照元:三菱商事|中期経営戦略2021
データで見る三菱商事の企業研究
ここでは、企業研究で見るべき事業内容や業績について紹介します。さらにSWOT分析という企業研究を深堀りする際に役立つ分析方法についても紹介するので、見てみましょう。
三菱商事の企業概要
三菱商事の企業概要について紹介するので、以下の情報を参考に企業選択をする手段の1つとしてご利用ください。
創立年月日 :1954年7月1日(設立1950年4月1日)
資本金 :204,446,667,326円
従業員数 :82,997名(三菱商事単体および子会社従業員数)
全社拠点数 :9社(国内)・112社(海外)(2022年4月1日現在)
▼2020年度の人事データ
平均年齢 :42.7歳
平均年間給与:約1,678万円
平均勤続勤務年数:18年5ヶ月
有給休暇取得率:55%
平均残業時間:月27.2時間
参照元:三菱商事|人事データ
参照元:三菱商事|2020年度有価証券報告書
三菱商事の事業内容
三菱商事は、各種産業分野において、国内外のネットワークを通じて、川上の天然資源開発から川中での多種多様な商品の売買や製造、川下での消費者向けの商品・サービスの提供を行っています。
全産業を俯瞰する統合力を活かし、新しいビジネスモデルや新技術の事業化、新たなサービスの開発・提供など、広い範囲で多角的に事業を展開しています。
以下にて、各グループの概要を簡単に紹介します。
●天然ガスグループ
天然ガスグループは、エネルギーの安定供給責任を全うしつつ、カーボンニュートラル社会実現に向けて事業を推進しています。
また、北米・東南アジア・オーストラリア・ロシア等、世界中で展開するLNG事業を通じ、気候変動・大気汚染等の環境問題の解決を図りながらエネルギーの安定供給を担っています。
その他、LNG事業のバリューチェーンを広げるとともに、シンガポールの販売子会社を通じたマーケティング活動、新興市場開拓等、新たな取り組みにも挑戦しています。
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● 総合素材グループ
総合素材グループでは、自動車・モビリティや建設・インフラといった対面業界において、セメント・生コン、硅砂、炭素材、塩ビ・化成品、鉄鋼製品等多岐にわたる素材の販売取引、事業開発、事業投資を行っています。
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● 石油・化学ソリューショングループ
石油・化学ソリューショングループは、幅広い分野において社会や人々の生活を支える不可欠なものとして、燃料、化学素材の安定供給を目指し、原油・石油製品・LPG・石油化学製品・塩・メタノール等の商品製造事業やトレーディング事業を推進しています。
また持続可能な社会の実現に向けて、燃料アンモニア事業やリサイクルPET・環境対応素材製造事業の推進等にも取り組んでいます。
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● 金属資源グループ
金属資源グループでは、石炭・鉄鉱石などの鉄鋼原料、銅・アルミなどの非鉄金属の各分野において、トレーディング、開発、投資などを通じて、事業経営に携わっています。
また原料炭・銅を中核とし、世界最高水準のコスト競争力と品質を兼ね備えた優良資源をさらに磨き、環境・安定供給の両面において長期的に持続可能なビジネスモデルの実現を目指しています。
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● 産業インフラグループ
産業インフラグループは幅広い業種、産業およびパートナーとの接地面積を有し、プラントエンジニアリング・産業機械・船舶・宇宙航空機での各分野において多様なビジネスモデルを展開しています。
技術革新・デジタル化や産業構造変化および低環境負荷など各産業のニーズに応えるサービスやソリューションを提供しています。
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● 自動車・モビリティグループ
自動車・モビリティグループは、乗用車・商用車の海外現地生産・販売、販売金融、アフターセールスなど、自動車関連の一連のバリューチェーンをアセアンを中心にグローバルに展開しています。
デジタル化やCASEの進展による業界構造変化を捉え、長年培ってきた機能と地域密着型のネットワークといった事業基盤をさらに強化し、ヒトやモノの移動に関する課題を解決するモビリティ・サービス事業への取り組みを進めています。
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● 食品産業グループ
食品産業グループは、食糧・生鮮品・生活消費財・食品素材などの「食」に関わる商品を消費者にお届けする事業をグローバルに展開しています。
原料の生産・調達から製品製造に至るまでの各事業領域において、消費者のニーズを捉えた商品・サービスを安定的に提供し、多様で豊かな生活の実現に取り組んでいます。
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● コンシューマー産業グループ
コンシューマー産業グループは、リテイル、アパレル・S.P.A.、ヘルスケア、食品流通・物流、タイヤ等の各事業領域において、リアルとネットの融合を通じて、益々多様化・細分化する生活者ニーズを的確に理解し、サプライチェーンの最適化と新たな需要創造に取り組むと同時に、サプライチェーン全体を通した社会・環境課題の解決に取り組んでいます。
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● 電力ソリューショングループ
電力ソリューショングループは、「海外電力本部」「エネルギーサービス本部」「ユーティリティーリテイル本部」と「Eneco※室」の3本部1室体制から成り、再生可能エネルギーを「つくる(発電)」、天候により変動する電気を「整える(需給調整)」、そして整えた電気と付加価値の高いサービスを「届ける」という電力バリューチェーンの事業を核として、水事業を含む多様化するユーティリティーニーズに応えるさまざまな取り組みを行っています。
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● 複合都市開発グループ
複合都市開発グループは都市インフラ、都市開発、アセットファイナンスの3本部体制で事業を推進しています。
都市化や低環境負荷といった社会・環境ニーズに応え、都市開発、インフラ、アセットファイナンスの事業を複合的に組み合わせ、付加価値が高く、規模感のある都市開発事業の確立を目指し、取り組んでいます。
→詳細はこちら
三菱商事の業績
次に、過去3年間における三菱商事の売上高・営業利益(本業で稼いだ利益)を紹介します。
三菱商事の売上高
売上高とは、営業活動として商品やサービスを提供した際に、対価として受け取った販売額のことを指します。
*各年度の決算書より就職エージェントneoが独自に作成
三菱商事の営業利益
営業利益とは、販売した商品の「売上高」から「売上にかかったコスト」を差し引いた残りのもののことを指します。営業利益が大きいほど優良企業だとされています。
*各年度の決算書より就職エージェントneoが独自に作成
三菱商事のSWOT分析
以下にて、SWOT分析というフレームワークを活用して、三菱商事の事業環境を分析していきましょう。
SWOT分析とは、競合や法律、市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の資産やブランド力、さらには価格や品質といった内部環境をプラス面、マイナス面にわけて分析する手法です。
この分析により、企業の置かれた状況を客観的に俯瞰して見ることができ、将来性のある企業かどうかを判断することが可能になります。
〈強み〉
・幅広い領域での多角的な事業展開
・膨大な資金力
〈弱み〉
・資源・エネルギー分野への依存度が高いため、市況の変動が業績に与える影響が大きい
〈脅威〉
・資源の価格変動
〈機会〉
・資源分野から非資源分野への資産拡大に向けた体制構築
・新興国での資源・エネルギー、鉄鋼製品、機械・プロジェクトの需要が拡大
*就職エージェントneoが独自で作成したSWOT分析になります
三菱商事が求める人物像
三菱グループに共通する企業理念・行動指針として、「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」から成る「三綱領」を掲げています。
「所期奉公」は事業を通じた社会発展と地球環境の維持、「処事光明」は公開性・透明性を守った健全な企業活動、「立業貿易」はグローバルな事業展開を意味します。
三菱商事は、創意工夫により新たなビジネスモデルを構築し、自らの意思で社会に役立つ事業価値を追求していくことで、経営能力の高い人材が育つ会社を目指しています。
経営能力の高い人材とは、経営マインドをもって事業価値向上にコミットする人材として、以下の3つの能力があるとされています。
「構想力」:内外環境の変化を想定し先を見据えた戦略を練り上げる力
「実行力」:人と組織を牽引し最後までやり抜く力
「高い倫理観」:謙虚さと誠実さを持って周囲から信頼される力
また三菱商事では、多様な経験や不断の自己研鑽を通じて、自らもこれらの能力を備え、経営人材になることを志す人材を求めます。
三菱商事の選考対策
ここでは、三菱商事選考対策について紹介していきます。
三菱商事のインターンES対策
三菱商事のインターン参加にむけたエントリーシートでは、自己PRや強みなど、自身について問われることが多いそうです。以下にて、ES通過者のESの内容を紹介します。
三菱商事の本選考対策
過去の情報によると三菱商事では、下記の選考フローが組まれています。最新の情報では選考フローが変更されている恐れもありますので、予めご了承ください。
ES(締め切り後、約2週間後に通過連絡)
⇒追加設問(ES・PR動画・Webテスト2つ ※選考ではない)
⇒1次面接(当日通過連絡)
⇒2次面接(当日通過連絡)
⇒最終面接(当日合格連絡)
以下にて実際に三菱商事のESと面接で問われた内容を紹介していきます。本選考対策として、ぜひご活用ください。
●エントリーシート(ES)
三菱商事のエントリーシートでは、自身の経験や挑戦、そして将来についての質問が問われているようです。本記事では、三菱商事内定者の志望動機をご紹介します。
1.○○部において全国出場を決めた試合の直前に撮ったものである。試合前はメンバーがプレッシャーで押しつぶされそうになっていたことから、自信を持って試合に臨めるように常に声がけをし続けることを意識していた。
2.メンバーと共に研究発表をしている写真。当時は、Pythonを用いて強化学習について取り扱ったが、仲間と試行錯誤しながらコーディングしたシステムが、正常に動いたときはなんとも言えない達成感を味わった。
● 追加設問
三菱商事ではESの提出後、自己PR動画の提出と2種類のWebテストの受験が求められます。
WEB試験①『WEB SPI3』(適性検査・言語・非言語)
WEB試験②『WEB CAB・GAB』(適性検査・法則性・英語)
▼ 内定者が実際に行ったWEBテスト対策
WEBテストについては、CABの法則性が出題されるのが特徴的で、この企業の選考のためだけに参考書を購入して勉強。また最終面接後に東京本社でWEB SPIと独自試験の受験が求められるため、回答集の活用などは出来ないため、しっかりとした対策が必要。
● 面接
下記にて、三菱商事の各面接においてどのような質問があるのかについて紹介します。人によっては、質問の内容が異なることもあるので、参考程度に見つつ自分であればどのような回答をするか考えてみましょう。
●面接官の雰囲気
話しやすい雰囲気を作ってくださって、終始和やかな雰囲気だった。基本的に人柄を見ていると思う。
●面接官の雰囲気
学生の出したアイデアに対して考えながら議論が進んでいくため、社員の方も、少し緊張した雰囲気。
●お題に関して
過去、下記のようなお題がでた選考もあるようだ。
「農業とのシナジー効果を期待できる技術、新規事業は何か」
「高齢者向けの新規事業開発」
「ラーメン屋を新規出店するには」
●面接官の雰囲気
雰囲気は終始穏やかで、すごくよく話を聞いてくれたのでとても話しやすく楽しかった。
上述でもお伝えしましたが、年次によって質問・選考内容が異なってくる場合もあるので、選考前は最新の情報を各サイトから確認して情報収集しておいてください。
三菱商事の財務状況
ここでは、三菱商事の財務状況を「会社の安定性を図る指標」「会社の成長性を図る指標」の2つの観点から説明していきます。
”安定性”を図る指標
まずは、会社の安定性を図る指標である「流動比率」について紹介します。
「流動比率」とは会社の安全性を測る代表的な指標です。自己資本比率とは異なり、短期的観点から企業の安定性を判断できます。以下の公式により流動比率の算出が可能です。
「流動比率=流動資産÷流動負債×100」
三菱商事の流動比率は以下のようになりました。
流動比率=71,029(億円)÷53,702(億円)×100%=132%
*三菱商事の2020年度決算IR資料の流動資産合計と流動負債合計より就職エージェントneoが独自に計算
流動資産は原則として1年以内に現金化できる資産を表し、流動負債は1年間以内に返済可能な金銭債権のことを表します。
この流動比率を計算することで会社にどれだけすぐに現金化できる資産があるかがわかり、流動比率が120%の会社であれば安全であると言われています。
ちなみに流動比率はあくまで簡易的に会社の安定性を判断する指標であるため、流動比率が低いからといって三菱商事が破産することを示唆するものではありません。
”成長性”を図る指標
続いて、会社の成長性を図る指標である「売上高」「純利益」「純利益率」について紹介します。
上記の表は三菱商事の直近3年の売上高・純利益・純利益率を表したものです。
ちなみに純利益とは、法人税など企業が支払うべき費用を差し引き、最終的に会社に残ったお金のことを指します。
2020年は記録的な原油安に加え、石炭や天然ガス、鉄鉱石などの資源価格の下落、そして三菱自動車の多額減損が響いた年でした。
しかし2021年は一転して、世界的な金融緩和や渡航制限による労働者不足・経済再開期待などを背景に資源価格が上昇していることから、増収増益が期待されています。
まとめ
本記事では、三菱商事の企業研究に役立つ情報を紹介してきましたが、いかがでしょうか。
企業研究は内定獲得をするための重要な要素の1つですが、ただ情報を見るだけでは内定を獲得することはできません。
ぜひ本記事を参考にし、三菱商事への理解を深め、内定までの一歩を踏み出してください。
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