●JALの強みは「国内線におけるブランド力」「幅広い国際線の展開」「航空機事業を中心としたビジネスの基盤が強固」などが挙げられる。
●JALの求める人物像は「感謝の心をもって、謙虚に学ぶ」「プロの意識をもつ」「採算意識をもつ」「多文化を尊重し、適応する」「仲間と共に働く」「お客さまに心を尽くす」を満たす人。
「JALの強み・弱みは?」「どのような選考対策をすればいいの?」「会社の安定性や成長性はどうなの?」などと考えていませんか?
本記事ではJALの事業や会社の強み・弱みなど、企業研究に役立つ情報を紹介していきます。
他にも内定を獲得するために知っておくべき”過去の選考情報”なども紹介していくので、JALの企業研究に自信が持てない人や選考に不安を抱えている人は、確認してみてください。
航空業界のトレンドとJALの動き
航空業界は新型コロナウイルスの影響を大きく受け赤字続きの業界でしたが、2023年には新型コロナウイルスが5類感染症に移行し、制限がなくなったことで訪日需要が戻ってきてます。
それに伴い旅客数も2022年から2023年にかけて増加傾向にあります。
また航空業界では、CORSIA※のもと脱炭素に向けた取り組みが進められています。日本の航空業界はCO2排出量削減の長期目標として、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標として掲げています。
※CORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)とは、「国際航空のための炭素オフセットと削減のための枠組み」のことです。
具体的にはクリーンなフライトをおこなうためにSAFという従来の化石燃料よりも環境への影響が少ない代替燃料の導入促進を目指しています。
JALも上記の活動をおこなっている世界経済フォーラムのクリーン・スカイズ・フォー・トゥモロー・コアリションに参画し、2030年までに世界の航空業界で使用される旅客機の燃料のうち10%をSAFへと置き換えることを目指す「2030 Amibition Statement」に署名しました。
参照元:日本航空株式会社/2050年 航空輸送におけるCO2排出実質ゼロへ向けて
JAL(日本航空)の企業概要
まず、JALの企業概要について紹介するので、以下の情報を参考に企業選択をする手段の1つとしてご利用ください。
設立年月日 :1951年8月1日
資本金 :546,831百万円(百万円未満切り捨て)
代表者 :代表取締役 社長執行役員 CEO 兵頭 誠之
従業員数 :12,969人(2023年3月時点)
平均年齢 :40.8歳(2023年3月31日時点)
平均勤続年数:15.9年(2023年3月31日時点)
平均年間給与:約847万円(2023年3月31日時点)
参照元: JAL(日本航空)/有価証券報告書
JAL(日本航空)の事業内容
JALでは大きく分けると航空運送事業とその他事業の2つの事業をおこなっています。以下でそれぞれの事業内容について紹介していきます。
航空運送事業
航空運送事業は主に国内線と国際線の2つに分かれています。
JALの国内線は日本の航空産業における主要路線であり、旅行や仕事を問わず毎年多くの人が利用しています。
また、国際線も拡大しており日本と多くの地域を結んでいる重要な路線と言えるでしょう。
以下では国内線と国際線に関して詳細に説明していきます。
■国内線
JALは日本全国を空路でつないでおり、日本の航空業界における主要路線の1つです。また、離島や地方都市にも幅広く路線を広げており地方創生にも取り組んでいるのが特徴です。
JALはフライトやその周辺サービスを充実させています。機内Wi-Fiが使えるほか、Google Pay対応のモバイル搭乗券サービスを提供開始するなど利便性に力を入れています。
■国際線
JALは国内線だけでなく、国際線も充実しています。
2021年時点でJALグループが乗り入れているのは63ヶ国/地域となっており、直行便では368空港で発着しているのが特徴です。
JALは国外の航空会社とも連携を取り、利便性の高い路線ネットワークを拡充していることが特徴として挙げられます。
また「高品質・フルサービス」を追求した「JAL SKY SUITE」という座席を導入しており、より快適なフライトを目指しています。
その他の事業
航空運送事業以外では、会員になるとフライトや買い物で使うとマイルが貯まるクレジットカード事業、チャーター便やオーナー所有機のマネジメントを行うビジネスジェット事業など多岐にわたります。
さらに、機内食に使う食料の確保やプライベートブランドの商品開発を行う他、観光農園や農家レストランを運営するといった農業事業というような事業も展開しています。
他には無人航航空機のオペレーター養成事業やパッケージ旅行商品のマーケティング・企画・仕入・販売・手配なども行っているようです。
JAL(日本航空)の航空業務に携わる主な職種
ここではJALの航空業務に携わっている職種を紹介していきます。
空港旅客サービス
利用客の搭乗手続きや案内だけでなく、ラウンジでのサービス提供や手荷物に関するサービス全般を担っています。
他には、飛行機内における手荷物・貨物の搭載位置を調整し、飛行機が安全にフライトできるようなサポート業務、気象情報といった運航に関わる様々な情報をパイロットや社内外の関連部署に発信するステーションオペレーション業務などもおこなっています。
グランドハンドリング
グランドハンドリングは手荷物および貨物の搭載、航空機の誘導、客室や機体外部のクリーニングなど、空港内の地上におけるサービスを提供をしています。
さらに、機内で提供されるイヤホンやブランケットといった機内用品の管理、食品や家具家電から動物に至るまで様々な貨物の管理なども担っています。
整備
航空機やエンジン、航空部品などの整備・管理業務のほかに、機体を美しく保つための塗装業務などを主に行っています。
さらに、JALグループが保有する航空機用部品は大部分が外国で設計・製造されたものであるため、その資料を翻訳したり管理したりする支援業務も担っています。
貨物
貨物や郵便の取り扱い業務や貨物取扱施設の管理業務などを担っています。特に国際貨物の取り扱いや発着業務などの成田空港における航空貨物に関する業務を幅広く担っています。
他には、地上でのロジスティクスサービスとして物流コスト抑制の最適化や搬送時間の短縮などのサービスを提供しているのが特徴です。
空港周辺事業
機内食の調理・製品開発や荷物の宅配、スマートフォンのレンタルなど航空機を利用する顧客に関わるサービスを提供しています。
機内でも地上で調理するのと変わらない品質の機内食の提供を目指すなど航空機の利用者がより快適に過ごせるようなサービスの提供を担っています。
さらには、これまでの物流サービスで蓄積したノウハウを活かしてスーツケースのレンタル事業などもおこなっているようです。
旅客販売
航空機を利用した国内線・国際線の座席予約やJALグループおよび提携航空会社の航空券の販売、マイレージプログラムの運営などをおこなっています。
こうした業務を担うJALのグループ会社から他のグループ各社に出港し支援業務を行うことで、さらなる価値の創出にも取り組んでいます。
JAL(日本航空)の業績
次に、過去3年間におけるJALの売上高・営業利益(本業で稼いだ利益)を紹介します。
売上高及び営業利益
ここではJALの実績を基に、2019年〜2021年の売上高及び営業利益を作成しています。
売上高とは、営業活動として商品やサービスを提供した際に、対価として受け取った販売額のことを指し、営業利益とは、販売した商品の「売上高」から「売上にかかったコスト」を差し引いた残りのもののことを指します。
一般的に営業利益が大きいほど優良企業だとされています。
*各年度の決算書より就職エージェントneoが独自に作成
グループ企業を含めた連結ベースでの売上高は2021年から順調に増収しています。これは新型コロナウイルスの感染拡大が緩和し、旅客数が増加したことが起因と言えるでしょう。
参照元: JAL(日本航空)/有価証券報告書
JAL(日本航空)の財務状況
JALの財務状況を「会社の安定性を図る指標」「会社の成長性を図る指標」の2つ観点から説明していきます。
安定性指標・成長性指標となる安全性分析・成長性分析をおこなうことで、会社の財務・経営状況を数値化して分かりやすく知ることができます。
黒字で売上が伸びている会社であっても財務経営状態が良好とは限りません。
就業条件やネームバリューだけでなく、企業の支払い能力、将来性をもとに企業選びを進めることも大切です。
”安定性”を図る指標
まずは、会社の安定性を図る指標である「流動比率」について紹介します。
「流動比率」とは会社の安全性を測る代表的な指標です。自己資本比率とは異なり、短期的観点から企業の安定性を判断でき、以下の公式により流動比率を算出することができます。
「流動比率=流動資産÷流動負債×100」
ここではJALの2023年の流動比率を紹介します。
流動比率=922,880÷669,578×100=138%
*JALの有価証券報告書の流動資産合計と流動負債合計より就職エージェントneoが独自に計算
流動資産は原則として1年以内に現金化できる資産を表し、流動負債は1年間以内に返済可能な金銭債権のことを表します。
この流動比率を計算することで、会社にすぐ現金化できる資産がどれぐらいあるかがわかるのです。また、流動比率が120%の会社であれば安全であると言われています。
ちなみに流動比率はあくまで簡易的に会社の安定性を判断する指標であるため、流動比率が低いからといってJALが破産することを示唆するものではありません。
■JALの自己資本比率
「自己資本比率」は企業の安全性を示す代表的な指標です。この指標は金融機関で融資をうける際にも非常に重視される指標です。
自己資本比率では会社がどれだけ返済義務のない自己資本を所有しているかが分かり、自己資本の充実が会社の安全性につながります。
JALの自己資本比率は以下の通りです。
”成長性”を図る指標
続いて、会社の成長性を図る指標である「売上高」「純利益(純損益)」について紹介します。
上述でもお伝えしていますが、売上高は営業活動として商品やサービスを提供した際に、対価として受け取った販売額のことです。
当期純利益は”企業が1年間で得た全ての収益から人件費など全ての費用・法人税を除いた利益”のことで、”1年間の活動を通して企業の中に最終的に残った利益”と言い換えることができます。
しかし1年間で得た収益を費用が上回ってしまう場合もあります。そのような純利益がマイナスな状態のことを当期純損益・赤字などと言います。
JALの「売上高」「純損益」は以下の通りです。
当期純損失や赤字だからといって必ずしも「儲かっていない会社・経営状態が悪い会社」というわけではありません。
そのため有価証券報告書が出たタイミングなどで、上記のような指標の数字を確認してみると良いでしょう。
JAL(日本航空)のSWOT分析
以下にて、SWOT分析というフレームワークを活用して、JALの事業環境を分析していきましょう。
SWOT分析とは、競合や法律、市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の資産やブランド力、さらには価格や品質といった内部環境をプラス面、マイナス面にわけて分析する手法です。
この分析により、企業の置かれた状況を客観的に俯瞰して見ることができ、将来性のある企業かどうかを判断することが可能になります。
・国内線におけるブランド力
・幅広い国際線の展開
・航空機事業を中心としたビジネスの基盤が強固
〈弱み〉
・収益の大半が航空機関連事業に偏っている
・航空機、格納庫などの管理にかかる固定費負担
〈脅威〉
・天災や世界情勢などの外部要因に影響を受けやすい
・燃料費の高騰
〈機会〉
・コロナ収束後の需要の増加
・グループ企業同士の連携によるシナジー効果
・訪日外国人の入国上限撤廃、ビザなし個人旅行再開
JAL(日本航空)の求める人物像
JALのホームページでは人物像ではなく「人財像」と表記され、他にも人材ではなく「人財」と一貫して表記されています。
このことからもJALには自社の社員を大切にする姿勢があることが伺えます。
JALのホームページでは以下のような人財像が求められると記載されていました。
→感謝の気持ちを常にもち、世の中すべてから謙虚に学び、自己成長できる人財
・果敢に挑戦し、最後までやり遂げる
→失敗を恐れず常に新しい事に挑戦し、人任せにすることなく最後までやり遂げる人財
・プロ意識をもつ
→自分の仕事に誇りと責任をもち、地道に自分の専門を極める人財
・採算意識をもつ
→JALグループが社会から必要とされ、永続的に発展する為に、強い採算意識をもつ人財
・多文化を尊重し、適応する
→世界の多様な文化と積極的に触れ合い、異なる文化・価値観を尊重できる人財
・仲間と共に働く
→仲間と共に働き、仲間のために頑張ることに誇りと喜びを感じられる人財
・お客さまに心を尽くす
→すべてのお客さまに、感謝の気持ちを形にしてお返しすることができる人財
ESや面接などでは、これらを基にした経験や考え方、志望動機などをアピールすると良いかもしれません。
参照元: JALグループ 新卒/キャリア採用情報JAL(日本航空)の選考対策
ここではJALの選考対策について紹介していきます。
JAL(日本航空)のインターンES対策
JALのインターン参加にむけたエントリーシートでは「これまで最も力を入れて稜線したこと」という質問を問われることが多いそうです。以下にて、ES通過者のESの内容を紹介します。
引用元:JAL(日本航空)24卒/インターンエントリーシート
引用元:JAL(日本航空)24卒/インターンエントリーシート
JAL(日本航空)の本選考対策
過去の情報によるとJALの21卒向け選考では、下記の選考フローが組まれています。最新の情報では選考フローが変更されている恐れもありますので、予めご了承ください。
→一次選考(2日後にメールにて結果連絡きました)
→二次選考(翌日に電話にて結果連絡)
→三次選考(当日夜電話にて結果連絡)
→最終選考(一週間後メールにて結果連絡)
以下で実際にJALの面接で問われた内容を紹介していきます。本選考対策として、ぜひご活用ください。
■面接(20卒)
社員2学生1、面接時間30分、雰囲気は和やか
質問内容は
・自己紹介
・なぜ航空業界か?
・中でもなぜ弊社か?
・学チカ
和やかに進む。ESの内容は特に聞かれなかった。
[二次面接]
社員3学生1、面接時間30分、雰囲気は和やか
質問内容は
・自己紹介
・なぜ航空業界か?
・中でもなぜ弊社か?
・チームで取り組んだ経験
・入社後何をしたいか?
・自己紹介で気になった点
一次同様、和やかに進む。ESの内容は特に聞かれなかった。
[最終面接]
社員4学生1、面接時間10分、雰囲気はとても緊張感がある。
質問内容は
・自己紹介
・なぜ航空業界か?
・中でもなぜ弊社か?
・自分のどういった特徴が技術職で役立つか?
・技術職に対する認識はあっているか?
・地味な仕事だけど大丈夫?
・もし希望の部署につけなかったら?
・他社選考状況
最終面接に来てESの内容を聞かれた。言葉に詰まると深掘りされ、スラスラ話すと次々に質問が飛び交う。
[人事面接]
社員1学生1、面接時間10分、和やか
これまで何をやってきたか雑談ベースで聞かれる。
あとは現在の就活状況。
上述でもお伝えしましたが、年次によって質問・選考内容が異なってくる場合もあるので、選考前は最新の情報を各サイトから確認して情報収集しておいてください。
まとめ
本記事ではJALの企業研究に役立つ情報を紹介してきました。
航空業界を希望している就活生の中には大手航空会社であるJALとANAの両方を志望しているという人も多いのではないでしょうか?
だからこそ「ANAではなくJALを志望している理由」を自分の言葉で説明できるようにして選考に臨む必要があります。
そのためにも企業研究をしっかりとおこないましょう。その際はぜひ本記事を参考にしてみてください。
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- 「志望企業から内定をもらえるか不安…」
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