●山崎製パンは、パン事業以外にも、洋菓子・和菓子・米飯・調理麺と幅広い商品を製造・販売している。
●山崎製パンの2022年の売上高・営業利益は、2020年から増加を続けている。
●山崎製パンの求める人物像は「挑戦をする心をもって自ら行動に移せる人」
「山崎製パンの強み・弱みは?」「どのような選考対策をすればいいの?」「会社の安定性や成長性はどうなの?」などと考えていませんか?
本記事では山崎製パンの事業内容や会社の強み・弱みなど、企業研究に役立つ情報を紹介していきます。
他にも内定を獲得するために知っておくべき”過去の選考情報”なども紹介しているので、企業研究に自信が持てない人や選考に不安を抱えている人は、ぜひ確認してみてください。
パン業界のホットニュース
近年、パン業界ではパンの需要増加、健康志向の高まりといった話題が取り上げられています。
パンの需要増加
近年、日本人の主食は米からパンへと変わり始めています。
農林水産省が公表している「家庭における1世帯当たりの米、パン、めん類の購入量の推移」によると、パンの購入量は2014年から2022年にかけてほぼ横ばいで推移しているのにも関わらず、米の購入量は減少を続けています。
また、以下の表は1世帯あたりの米とパンの支出金額の推移をまとめたものです。パンは2014年から緩やかな増加を続けていますが、米は減少傾向が続いており、2022年には20,000円を切りました。
パンの支出金額が増加している理由として、共働き世帯が増え、購入してすぐに手軽に食べられるパンを好む人が多いことが挙げられます。
このような背景を踏まえて、各社は「手軽に楽しめる朝ごはん」として様々な種類の商品を展開しています。
山崎製パンでは、食パンの他に「ルヴァン バターロール」「薄皮シリーズ」「ランチパック」などバラエティー豊かな商品を展開しています。
例えば、山崎製パンの大人気商品「ランチパック」は、これまで1,800種類以上の味が販売されてきました。現在も、1年間に約150種類の味が新商品として販売されており、ご当地商品や他企業とのコラボ商品など幅広いラインナップが特徴です。
また、公式HPでは山崎製パンで販売している商品の「時短レシピ」や「ヘルシーレシピ」など様々なアレンジレシピが紹介されています。
参照元:
農林水産省 |「家庭における1世帯当たりの米、パン、めん類の購入量の推移」
山崎製パン | 「大好き!パンメニュー ヤマザキッチン」
健康志向の高まり
近年、人びとの健康志向が高まっていることを踏まえて、パン業界では健康の維持・増進に役立つ商品の展開が加速しています。
パンの健康食品として代表的なのは、コンビニ・スーパー・通販などで販売されている「BASE BRED(ベースブレッド)」です。
タンパク質・ビタミンB群・食物繊維を含む約30種類の栄養素がすべてはいっており、完全栄養食として非常に人気の高い商品です。
この状況を踏まえて、山崎製パンでは様々な健康食品を販売しています。
例えば、「減塩食パン超芳醇(塩分50%カット)」は、現行品「超芳醇」に比べて塩分50%カットを実現した食パンです。
また、人気商品である「ダブルソフト」の健康食品「ダブルソフト 全粒粉入り」は、原料の一部に小麦とライ麦の外皮(ブラン)や胚芽を含む全粒粉に加えて、食物繊維、葉酸が配合されています。
山崎製パンでは、科学的アプローチから機能性表示食品や栄養機能食品などの保健機能食品をはじめ、高齢化に向けた介護食や病院食の開発にも取り組んでいます。
参考元:山崎製パン |健康応援商品
パン業界のビジネスモデルなどさらに知見を広げたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
データで見る山崎製パンの企業研究
ここでは、企業研究で見るべき事業内容や業績について紹介します。さらにSWOT分析という企業研究を深堀りする際に役立つ分析方法についても紹介するので、見てみましょう。
山崎製パンの企業概要
まずは山崎製パンの企業概要について紹介します。企業選びをする手段の1つとしてぜひご活用ください。
設立年月日:昭和23年6月21日
資本金:1110億1,414万3千円(2022年12月31日時点)
代表者:代表取締役社長 飯島延浩
従業員数:19,750人(2022年3月31日時点)
平均年齢:38.6歳(提出会社)(2022年12月31日時点)
平均勤続年数:15.2年(提出会社)(2022年12月31日時点)
平均年間給与:5,599,080円(提出会社)(2022年12月31日時点)
福利厚生:年次有給休暇、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、産前産後休暇、育児休業、育児短時間勤務制度、時間外・休日労働・深夜労働の免除、介護休業、慶弔見舞金など
参照元:
山崎製パン|会社概要
山崎製パン|有価証券報告書
山崎製パン|福利厚生
山崎製パンの事業内容
山崎製パンは、食品事業、デイリーヤマザキ事業、海外事業、その他の事業の4つの領域に分けて事業を展開しています。
食品事業
食品事業では、パン、和・洋菓子、調理パン・米飯・調理面部門の製造販売を行っています。
以下では部門ごとに分けて紹介します。
■パン部門
ロイヤルブレッド、超芳醇、ダブルソフト、ふんわり食パン、新食感宣言ルヴァンなどの食パン類をはじめ、あんぱん、クリームパンなどの菓子パン類、ペストリー、ドーナツ、ハードロールなど世界各国のパンを製造販売しています。パン部門で開発される新製品は、年間1,000アイテム以上です。
■和菓子部門
山崎製パンはパンというイメージが強いですが、だんご、大福などの生菓子類をはじめ、焼き菓子、蒸しパン、中華まん、カステラ、羊羮など数多くの商品を製造・販売しています。
■洋菓子部門
洋菓子部門では、まるごとバナナや苺ショートケーキなどの生ケーキ類をはじめ、スイスロール、シュークリーム、スナックケーキ、ヘビーケーキなどの製造・販売をしており、自社のチルド物流を活用することでフレッシュな状態での提供を可能としています。
製造販売は子会社の一つである株式会社不二家が担っており、洋菓子専門店のチェーン展開も行っています。
■調理パン・米飯・調理麺部門
山崎製パンで製造された調理パン・米飯・調理麺商品は、デイリーヤマザキやヤマザキショップ等の全国の自社業態店をはじめ、主要コンビニエンスストアなど様々なお店で販売されています。
パン部門・和菓子部門・洋菓子部門に次ぐ4本目の柱として大きく成長させるために、平成15年に調理パン、米飯、惣菜などの製造販売を行う「株式会社サンデリカ」と事業統合、平成24年に袋麺や調理面の製造販売を行う「大徳食品株式会社」を子会社化しました。
デイリーヤマザキ事業
山崎製パンは、平成25年に株式会社デイリーヤマザキを吸収合併し、同社社内カンパニー「デイリーヤマザキ事業統括本部」へと移行しました。
デイリーヤマザキはこの「デイリーヤマザキ事業統括本部」が運営しているコンビニエンスストアです。焼き立てパン・手作り弁当をはじめとする店内調理が特徴の一つで、常に品質の高いフレッシュな商品の提供に力を入れています。
山崎製パンでは、デイリーヤマザキの他に、コンビニエンスストアとしての機能を装備した小型店舗である「ニューヤマザキデイリーストア」も運営しています。
海外事業
山崎製パンでは、世界の食文化に貢献するため、東南アジアやアメリカを中心に事業展開をしています。海外展開の歴史は、1981年の香港への進出から始まり、現在では香港、タイ、台湾、シンガポールにある工場で生産、各地の店舗で販売されています。
米国市場においては、1990年に「ヤマザキカルフォルニア」が設立され、フレッシュベーカリーショップが開店しました。
2016年には「ベイクワイズ社」の株式を取得して、ベーグルの製造販売事業とともに、子会社である「トム・キャット社」が展開する高級アルチザン・ブレッド※事業にも参画しました。
ヨーロッパ市場では、1988年に「ヤマザキフランス」を設立し、ケーキの本場パリにカフェ機能を持つ洋菓子店「パティスリー・ヤマザキ」を出店しています。
※アルチザン・ブレッドとは工場生産ではなく職人が真心を込めて一つ一つ作るパンを意味します
その他事業
山崎製パンでは子会社51社、関連会社3社のノウハウを最大限に活かし、上記事業の他に、食品製造設備の設計・損害保険代理業・食品製造機械器具の洗浄剤の製造販売など、幅広い事業を展開しています。
山崎製パンの業績
次に、過去3年間における山崎製パンの売上高・営業利益(本業で稼いだ利益)を紹介します。
山崎製パンの売上高および経常利益
以下は、山崎製パンの売上高と経常利益をまとめたグラフです。
売上高とは、営業活動として商品やサービスを提供した際に、対価として受け取った販売額のことを指します。
そして営業利益とは、販売した商品の「売上高」から「売上にかかったコスト」を差し引いた残りのもののことを指します。営業利益が大きいほど優良企業だとされています。
山崎製パンの売上高・営業利益共に2020年から増加を続けています。
新型コロナウイルスによるまん延防止重点措置が全面解除となり、行動制限が緩和されたことにより、コンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売り事業が回復傾向になったことが理由の一つとして考えられます。
今後は、変化するお客様のニーズに対応した戦略によって、さらなる売上拡大を図っていくことが予想されます。
参照元:山崎製パン|有価証券報告書
山崎製パンのSWOT分析
以下にて、SWOT分析というフレームワークを活用して、山崎製パンの事業環境を分析していきましょう。
SWOT分析とは、競合や法律、市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の資産やブランド力、さらには価格や品質といった内部環境をプラス面、マイナス面にわけて分析する手法です。
この分析により、企業の置かれた状況を客観的に俯瞰して見ることができ、将来性のある企業かどうかを判断することが可能になります。
・国内での強いブランド力
・新商品を多く販売している
【弱み】
・コンビニ事業の売上高が他社に比べると低い
【機会】
・共働き世帯の増加などに伴う食生活の変化
・健康志向の高まり
【脅威】
・地震や台風等の自然災害による工場の操業停止
・エネルギーや原材料価格の高騰に影響を受けやすい
※就職エージェントneoが独自で作成したSWOT分析です。
企業研究をしっかり行っている学生でも、SWOT分析まできちんと行えている学生は多くいません。
そのため上記の分析内容を自分なりに理解し、志望動機や逆質問などで活用できると、他学生と差別化が出来る可能性があるでしょう。
山崎製パンが求める人物像
山崎製パンは食品業界では7位、製パン業界では1位の売上高を誇っており、日本を代表する大手製パン企業の一つです。
そんな山崎製パンの採用HPでは、以下の言葉が大きく載せられています。
求めるのは、「共感」「実行」「挑戦」できる人!
山崎製パン|ヤマザキの「採用」
「共感」とは山崎製パンの企業理念(良品廉価・顧客本位)に共感すること、「実行」とは自己の持つ指名を理解し職務を遂行すること、そして「挑戦」とはイノベーション(変革)に前向きに挑戦すること、だと説明されています。
また、人事本部採用担当者からのメッセージの中にも、「ヤマザキは、挑戦する心を大切にしています。」「色々なことに挑戦することができる雰囲気があり、色々なことに挑戦している会社だと感じています。」とあることから、山崎製パンでは挑戦をする心をもって自ら行動に移せる人が強く求められていると言えるでしょう。
山崎製パンの選考対策
ここでは、山崎製パンの選考対策について紹介していきます。
山崎製パンの本選考対策
過去の情報によると山崎製パンでは、下記の選考フローが組まれています。最新の情報では選考フローが変更されている恐れもありますので、予めご了承ください。
「ES・Webテスト→一次面接→二次面接→最終面接」
以下で実際に山崎製パンのESと面接で問われた内容と過去の内定者の回答を紹介していきます。本選考対策として、ぜひご活用ください。
エントリーシート(ES)
山崎製パンのエントリーシートでは、志望動機や大学時代に注力したことを問われることが多いそうです。本記事では、山崎製パン内定者の志望動機をご紹介します。
多くのお客様に楽しさや心の豊かさを提供し、食で人を支えたい。
→結論、そう考えた背景、なぜ山崎製パンなのかが簡潔に書かれているためとても分かりやすいガクチカになっています。今回のような非常に字数が少ない場合は、伝えたいことをすべて書くのではなく、簡潔かつ分かりやすさを意識して書くといいでしょう。
参照元:ユニスタイル|山崎製パン 本選考ES(事務系総合職)
→直面した課題に対して、自分の行動とその結果が簡潔に述べられています。また、「11名」「98店中2位」など具体的な数字を提示することで文章に説得力があります。
参照元:ユニスタイル|山崎製パン 本選考ES(事務系総合職)
→結論から述べ、それをどこで発揮したのかが簡潔に説明されています。また、高校生の頃はマネージャーとしてチームをサポートしたというエピソードも加えることで、「どんな環境でも自分なりに目標を見つけ努力できる力がある」ということを強くアピールできる文章となっています。
Webテスト
山崎製パンでは、ES/ 録画面接に通過後、Webテスト(言語・非言語・性格)が課されます。WebテストはSPI形式で言語・非言語・性格検査合わせて1時間程度で行われます。
面接
下記にて、山崎製パンの各面接においてどのような質問があるのかについて紹介します。人によっては、質問の内容が異なることもあるので、参考程度に見ておきましょう。
以下では過去に面接でされた質問を紹介していきます。
・ガクチカ
・志望動機
・志望職種
・就職活動の軸
・研究内容の深堀
・ESの深堀り
・山崎製パンの好きな製品を2つ(理由も含めて)
・気になるニュース
・希望の勤務地
・入社してからしたい仕事(深掘り)
・逆質問 など
年次によって質問内容が異なってくる場合もあるので、選考前は最新の情報を各サイトから確認して情報収集しておいてください。
山崎製パンの財務状況
ここでは、山崎製パンの財務状況を「会社の安定性を図る指標」「会社の成長性を図る指標」の2つの観点から説明していきます。
”安定性”を図る指標
まずは、会社の安定性を図る指標である「流動比率」について紹介します。
山崎製パンの流動比率
「流動比率」とは会社の安全性を測る代表的な指標です。自己資本比率とは異なり、短期的観点から企業の安定性を判断できます。以下の公式により流動比率の算出が可能です。
「流動比率=流動資産÷流動負債×100」
山崎製パンの流動比率は以下のようになりました。
流動比率=291.321÷237,341×100%=123%
*山崎製パンの財務諸表(貸借対照表)の流動資産合計と流動負債合計より就職エージェントneoが独自に計算
流動資産は原則として1年以内に現金化できる資産を表し、流動負債は1年間以内に返済可能な金銭債権のことを表します。
この流動比率を計算することで会社にどれだけすぐに現金化できる資産があるかがわかり、流動比率が120%の会社であれば安全であると言われています。
ちなみに流動比率はあくまで簡易的に会社の安定性を判断する指標であるため、流動比率が低いからといって山崎製パンが破産することを示唆するものではありません。
”成長性”を図る指標
続いて、会社の成長性を図る指標である「売上高」「純利益」「純利益率」について紹介します。
上記の表は山崎製パンの直近3年の売上高・純利益・純利益率を表したものです。
ちなみに純利益とは、法人税など企業が支払うべき費用を差し引き、最終的に会社に残ったお金のことを指します。
山崎製パンの売上高は年々増加しており、純利益も着実に数字を伸ばしています。これは低価格で値頃感のある製品の品揃えを強化した結果、食パン・菓子パンの売上げが好調に推移したことが理由だと考えられています。
また、行動制限が緩和されたことにより、コンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売り事業の売上が回復したことも理由の一つでしょう。
今後は、グループ全体のさらなる成長を目指して、変化する市場のニーズを的確に捉え、各部門毎の新しい価値・需要の創造に力を入れていくことが予想されます。
まとめ
本記事では、山崎製パンの企業研究に役立つ情報を紹介してきましたが、いかがでしょうか。
企業研究は内定獲得をするための重要な要素の1つですが、ただ情報を見るだけでは内定を獲得することはできません。
ぜひ本記事を参考にし、山崎製パンへの理解を深め、内定までの一歩を踏み出してください。
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