●アサヒグループホールディングスは、ビール世界最大手AB InBev社の事業を一部買収し国際事業の売上を増加することに成功
●アサヒグループホールディングスの業績は、前年度に引き続き2022年も売上高、営業利益ともに増加
●アサヒグループホールディングスの求める人物像は”積極的に「挑戦」できる人”
「アサヒグループホールディングスの強み・弱みは?」「どのような選考対策をすればいいの?」「会社の安定性や成長性はどうなの?」などと考えていませんか?
本記事ではアサヒグループホールディングスの事業内容や会社の強み・弱みなど、企業研究に役立つ情報を紹介していきます。
他にも内定を獲得するために知っておくべき”過去の選考情報”なども紹介しているので、企業研究に自信が持てない人や選考に不安を抱えている人は、ぜひ確認してみてください。
飲料業界のホットニュース
近年、飲料業界では環境問題への意識の高まり、再編の加速化といった話題が取り上げられています。
環境問題への意識の高まり
2015年に制定された「持続可能な開発目標 (SDGs)」の一つに「海洋環境保全」が含まれていることから、飲料業界では、様々な環境保全の取り組みが進められています。
こうした状況を踏まえて、アサヒグループホールディングスではグループ理念”Asahi Group Philosophy”に基づき、「アサヒグループ環境基本方針」を定めています。
これは、「自然の恵み」を多くの商品の原料として使用する企業として、環境に対する方針を定めたものです。
他にも、2050年における世界のありたい姿の実現に向けて、環境への取り組みをさらに加速させるため「アサヒグループ環境ビジョン2050」が掲げられました。
このビジョンでは「気候変動」「容器包装」「農産物原料」「水資源」の4つの分野に分けたうえで、再生可能エネルギーの早期導入やペットボトル素材の切り替えなど、具体的な取り組みが定められています。
アサヒグループホールディングスでは、今後も、自然の恵みを享受して商品・サービスを提供している企業グループとして、様々な環境課題に対して積極的に取り組むことが予想されます。
参照元:
アサヒグループホールディングス|環境
アサヒグループホールディングス|環境方針・ビジョン
再編の加速化
近年、人口減少に伴う国内消費・需要の減少が懸念されており、飲料業界では業界内での再編が加速しています。
例えば、2017年4月には、コカ・コーライーストジャパンとコカ・コーラウエストが経営統合し、コカ・コーラボトラーズジャパンが発足されました。また、2021年5月には、ヤクルトとポッカサッポロが業務提携契約を締結しています。
こうした状況下で、アサヒグループホールディングスは海外企業の買収に力を入れて取り組んでいます。
アサヒグループホールディングスでは、2016年にビール世界最大手AB InBev社(アンハイザー・ブッシュ・インベブ社)が保有する中東欧5ヵ国のビール事業を、2020年には同社が保有していた豪州事業を買収しました。
この結果、会社全体の売上に対する国際事業の売上構成比は、2016年に14.5%、2017年には28.4%、2022年には全体の約半分である48.2%まで増加しました。
今後もさらなるグローバルブランドの確立に力を入れていくと考えられます。
参照元:
アサヒグループホールディングス|統合報告書2016
アサヒグループホールディングス|統合報告書2017
アサヒグループホールディングス|FACTBOOK2022
飲料業界のビジネスモデルなどさらに知見を広げたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
データで見るアサヒグループホールディングスの企業研究
ここでは、企業研究で見るべき事業内容や業績について紹介します。さらにSWOT分析という企業研究を深堀りする際に役立つ分析方法についても紹介するので、見てみましょう。
アサヒグループホールディングスの企業概要
まずはアサヒグループホールディングスの企業概要について紹介します。企業選びをする手段の1つとしてぜひご活用ください。
設立年月日:1949年(昭和24年)9月1日
資本金:220,216百万円(2022年12月31日現在)
代表者:代表取締役社長 兼 CEO 勝木 敦志
従業員数:29,920名(連結、2022年12月31日現在)
平均年齢:41.3歳(提出会社)(2022年12月31日時点)
平均勤続年数:11.9年(提出会社)(2022年12月31日時点)
平均年間給与:12,297,579円(提出会社)(2022年12月31日時点)
福利厚生:子育て支援・母性保護(つわり休暇、出産休暇、配偶者出産休暇、育児休業制度、子育て休暇、出産育児一時金、出産祝い金、育児短時間勤務、復職時面談など)、介護休業制度、ジョブリターン制度、テレワーク、スーパーフレックスタイム制度、リフレッシュ休暇など
参照元:
アサヒグループホールディングス|福利厚生・研修制度
アサヒグループホールディングス|有価証券報告書
アサヒグループホールディングスの事業内容
ここでは、アサヒグループホールディングスの事業内容を、酒類事業・飲料事業・食品事業・国際事業・その他の事業の5つの領域に分けて紹介します。
酒類事業
酒類事業では、アサヒビールを中心として、全国でビール類、低アルコール飲料、焼酎、洋酒、ワインなど様々な酒類の製造・販売を行っています。グループを代表する商品である「アサヒスーパードライ」は、1987年に発売以降、ビールに「辛口」という新しい価値をもたらし、現在50以上の国と地域で販売されている人気商品です。
商品例)アサヒスーパードライ、贅沢絞り、ブラックニッカ
飲料事業
飲料事業では、アサヒ飲料を中心として、水、お茶、炭酸水、ジュースなど幅広い飲料水の製造・販売を行っています。また、アサヒグループホールディングスが掲げる環境ビジョンに基づき、リサイクルPET・環境配慮素材の使用、リデュースの推進、環境へ配慮した新容器開発を含む『容器包装2030』への取り組みを進めています。
商品例)三ツ矢サイダー、カルピス、十六茶など
食品事業
食品事業では、アサヒグループ食品を中心として、ベビーフードや菓子、フリーズドライ食品、サプリメント等の製造・販売を行っています。中でも、シュガーレスタブレット「MINTIA」は錠菓市場において売上個数・金額共に1位を記録している人気商品です。
商品例)クリーム玄米ブラン、1本満足バー、エビオス錠など
国際事業
国際事業では、欧州、オセアニア、東南アジアを中心としてさらなるグローバル事業の展開に力を入れています。
上記でも紹介した通り、アサヒグループホールディングスでは、2016年と2020年に海外のビール社及びビール事業を買収したことにより、2022年におけるグループの売上収益の約半分が国際事業による収益となりました。
その他の事業
その他の事業では、グループの連結子会社がグループ全体の持続的な発展につながる中長期的な研究を行っています。また、農業・緑化分野におけるバイオスティミュラント(肥料原料)や微生物を利用した製品・サービスの提供を行っています。
参照元:
アサヒビール|事業案内
アサヒ飲料|商品情報
アサヒ飲料|『容器包装2030』
アサヒグループホールディングス|ASAHI GROUP INTEGRATED REPORT
アサヒグループホールディングスの業績
次に、過去3年間におけるアサヒグループホールディングスの売上高・営業利益(本業で稼いだ利益)を紹介します。
アサヒグループホールディングスの売上高および経常利益
以下は、アサヒグループホールディングスの売上高と経常利益をまとめたグラフです。
売上高とは、営業活動として商品やサービスを提供した際に、対価として受け取った販売額のことを指します。
そして営業利益とは、販売した商品の「売上高」から「売上にかかったコスト」を差し引いた残りのもののことを指します。営業利益が大きいほど優良企業だとされています。
アサヒグループホールディングスの売上高と営業利益は、新型コロナウイルスの影響により減少した2020年から順調に増加を続けています。
新型コロナウイルスの規制緩和により、外食する機会が増え、業務用の酒類が大幅に回復したことが主な理由として考えられます。
今後は、ビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大を通して、売上高および営業利益を伸ばしていく想定です。
アサヒグループホールディングスのSWOT分析
以下にて、SWOT分析というフレームワークを活用して、アサヒグループホールディングスの事業環境を分析していきましょう。
SWOT分析とは、競合や法律、市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の資産やブランド力、さらには価格や品質といった内部環境をプラス面、マイナス面にわけて分析する手法です。
この分析により、企業の置かれた状況を客観的に俯瞰して見ることができ、将来性のある企業かどうかを判断することが可能になります。
・国内での強いブランド力
・嗜好の変化を先取りする新商品・新技術の開発力
【弱み】
・アサヒスーパードライ以外でヒット商品が少ない
【機会】
・消費の多様化、多価値化による新たな市場の誕生
・M&Aによるグローバル事業基盤の強化
【脅威】
・国内人口の減少
・市況変動による原材料費など、各種コストの上昇
・気候変動や大規模災害の発生
※就職エージェントneoが独自で作成したSWOT分析です。
企業研究をしっかり行っている学生でも、SWOT分析まできちんと行えている学生は多くいません。
そのため上記の分析内容を自分なりに理解し、志望動機や逆質問などで活用できると、他学生と差別化が出来る可能性があるでしょう。
アサヒグループホールディングスが求める人物像
アサヒグループホールディングスのHPでは、グループミッションとして「期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造」、ビジョンとして「高付加価値ブランドを核として成長する”グローカルな価値創造企業”を目指す」が掲げられています。
また、それらのミッションを果たし、ビジョンを実現するための価値観として以下の3つが紹介されています。
挑戦と革新
アサヒグループホールディングス|グループ理念
最高の品質
感動の共有
アサヒグループホールディングスは特に「挑戦」を大切にしており、これは各子会社の採用HPにおいても紹介されている価値観です。
例えば、アサヒグループ食品の採用HPには、求める人物像の一つとして「挑戦型の人材」と紹介されています。
また、アサヒビールの採用HPでは、代表取締役社長である松山 一雄さんからのメッセージが紹介されており、その中には「挑戦」という言葉が使われています。
以下はその一部です。
100年後もお客様に愛され続けるような、「お客さまにとって、世界で一番魅力的でワクワクするビール会社」になることに挑戦しています。(中略) この挑戦に必要なのは、皆さんの力です。アサヒビールでは、風通しが良い風土のもと、皆さんの強みを活かしながら、さまざまな挑戦ができるステージを、日本全国、世界各国に用意しています。
アサヒビール|伝えたいこと
アサヒビールにおいても、グループ全体で共有されている価値観である「挑戦」を重視していることが分かります。
このことから、アサヒグループホールディングスの求める人物像の一つとして「積極的に「挑戦」できる人」が挙げられると考えられます。
参照元:
アサヒグループホールディングス|グループ理念
アサヒグループ食品|求める人材像
アサヒビール|伝えたいこと
アサヒグループホールディングスの選考対策
ここでは、アサヒグループホールディングスの選考対策について紹介していきます。
アサヒグループホールディングスは純粋持株会社※であるため、実際の事業は子会社が行っています。今回は、子会社の一つであるアサヒビールの選考対策について紹介していきます。
※持株会社とは、他の株式会社を傘下に入れることを目的とし、会社の株式を保有する会社を指します。他社の支配を本業とする純粋持株会社と、本業を行いながら他社の支配も行う事業持株会社の2種類があります。
アサヒビールのインターン対策
アサヒビールでは例年2月に3~4日間※のインターンが開催されています。
本記事では実際にインターンの選考を通過したESを紹介します。
※職種によって開催時期、開催日数は異なります。詳しくはアサヒビールの採用HPをご確認ください。
アサヒビールの本選考対策
過去の情報によるとアサヒグループホールディングスでは、下記の選考フローが組まれています。最新の情報では選考フローが変更されている恐れもありますので、予めご了承ください。
「ES・Webテスト→一次面接→二次面接→最終面接」
以下で実際にアサヒビールのESと面接で問われた質問事項を紹介していきます。本選考対策として、ぜひご活用ください。
エントリーシート(ES)
アサヒビールのエントリーシートでは、入社後に実現したいことやモチベーションの源泉などオリジナルの質問が多いそうです。本記事では、アサヒビールの選考を通過したESをご紹介します。
→100文字という少ない文字数の中、具体的かつ簡潔に述べられており非常に分かりやすい文章となっています。実現したいと考えた理由を自身の経験から説明することで、文章に厚みが出ています。
→結論を『』で囲むことで強調されています。このESも自身の経験から説明されており、非常に説得力のある文章となっています。
Webテスト
アサヒビールでは、ES提出と同じ時期に、Webテスト(言語・非言語・性格)が課されます。Webテストは玉手箱で言語・非言語・性格検査合わせて1時間程度で行われます。
面接
下記にて、アサヒビールの各面接においてどのような質問があるのかについて紹介します。人によっては、質問の内容が異なることもあるので、参考程度に見ておきましょう。
以下では過去に面接でされた質問を紹介していきます。
・ガクチカ
・志望動機
・志望職種
・インターンシップの感想
・ビール業界についてどう思うか
・意見の衝突があった時それをどのように乗り越えるか
・信頼関係を構築するためのポイントを3つ
・就職活動の軸
・入社してからしたい仕事
・他社の選考状況
・お酒は好きか
・日常生活でストレスを感じること
・逆質問 など
年次によって質問内容が異なってくる場合もあるので、選考前は最新の情報を各サイトから確認して情報収集しておいてください。
アサヒグループホールディングスの財務状況
ここでは、アサヒグループホールディングスの財務状況を「会社の安定性を図る指標」「会社の成長性を図る指標」の2つの観点から説明していきます。
”安定性”を図る指標
まずは、会社の安定性を図る指標である「流動比率」について紹介します。
アサヒグループホールディングスの流動比率
「流動比率」とは会社の安全性を測る代表的な指標です。自己資本比率とは異なり、短期的観点から企業の安定性を判断できます。以下の公式により流動比率の算出が可能です。
「流動比率=流動資産÷流動負債×100」
アサヒグループホールディングスの流動比率は以下のようになりました。
流動比率=737,529÷1,265,946×100%=58%
*アサヒグループホールディングスの財務諸表(貸借対照表)の流動資産合計と流動負債合計より就職エージェントneoが独自に計算
流動資産は原則として1年以内に現金化できる資産を表し、流動負債は1年間以内に返済可能な金銭債権のことを表します。
この流動比率を計算することで会社にどれだけすぐに現金化できる資産があるかがわかり、流動比率が120%の会社であれば安全であると言われています。
ちなみに流動比率はあくまで簡易的に会社の安定性を判断する指標であるため、流動比率が低いからといってアサヒグループホールディングスが破産することを示唆するものではありません。
”成長性”を図る指標
続いて、会社の成長性を図る指標である「売上高」「純利益」「純利益率」について紹介します。
ちなみに純利益とは、法人税など企業が支払うべき費用を差し引き、最終的に会社に残ったお金のことを指します。
アサヒグループホールディングスの売上高と純利益は2020年から順調に増加しています。
2022年は原材料価格の上昇などによる影響を大きく受けましたが、国内・国外の各地域において、適切な価格戦略やコストマネジメントの強化など、事業環境の変化に柔軟に対応する経営を実践し、グループ全体で業績の安定化を図った結果、コロナ禍以前よりも高い売上収益を記録しました。
まとめ
本記事では、アサヒグループホールディングスの企業研究に役立つ情報を紹介してきましたが、いかがでしょうか。
企業研究は内定獲得をするための重要な要素の1つですが、ただ情報を見るだけでは内定を獲得することはできません。
ぜひ本記事を参考にし、アサヒグループホールディングスへの理解を深め、内定までの一歩を踏み出してください。
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